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高感度VLBI観測によるSgr A*近傍のブラックホールの探査
山口大学大学院 理工学研究科物理・情報科学専攻 電磁宇宙物理学研究室 修士1年 木村 靖伊奈
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INTRODUCTION
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BHの質量と形成 形成過程が未解明 恒星質量BH 5 M -15 M 102-4 M IMBH 106-9 M SMBH
106-9 M SMBH
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質量獲得メカニズム① ① ガスの降着 エディントン限界光度 Z~6におけるSMBHの発見 ガスの降着のみではSMBHは形成不可能?
重力 輻射圧 降着 ① ガスの降着 エディントン限界光度 [ g / s ] エディントン降着率 Z~6におけるSMBHの発見 Narayanan & Lupton et al. 2001 ガスの降着のみではSMBHは形成不可能?
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質量獲得メカニズム② ② BH同士の合体成長
大質量銀河は複数の銀河の合体を通して形成 →大質量銀河には複数のIMBH、SMBHが存在するはず IMBHは観測数自体が少ない 暗くて見えない? 合体して個数が少ない? 2個以上のSMBHがある銀河はほとんど見つかっていない 中心核と合体?
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BH同士の合体成長によりSMBHは形成可能
N体シュミレーション Z~6で109 M 1つのBHのみ成長 BH同士の合体成長によりSMBHは形成可能 Tanikawa, A., & Umemura, M. 2011 Li, Y., Hernquist, L., Robertson, B., et al. 2007
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銀河と中心BHの共進化 𝑀 𝐵𝐻 𝑀 𝑏𝑢𝑙 ≈ 10 −3 回転楕円成分 と 中心BH には相関関係がある マゴリアン関係
𝑀 𝐵𝐻 𝑀 𝑏𝑢𝑙 ≈ 10 −3 Marconi & Hunt 2003
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3C66B 数百年後に合体? ~10-2 pc 3C66B:衝突直前のブラックホール 軌道周期:1.05±0.03年
3C66B:衝突直前のブラックホール 数百年後に合体? Lager BH ~10^9 Mo , smaller BH ~10^8Mo Tanikawa, A., & Umemura, M. 2011 軌道周期:1.05±0.03年 Hiroshi Sudou, Satoru Iguchi, Yasuhiro Murata etal. 2003
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研究目的 Sgr A*近傍の浮遊BH発見 GCのコンパクト天体の探査 Sgr A*の特徴より
コンパクトである スペクトルがフラット 短期の強度変動を示す 背景AGNとは異なる固有運動を示す Sgr A*の特徴より
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SOURCE SELECTION
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使用カタログと選定条件 5天体選出 Lazio & Cordes ,2008 選定条件 1.4 / 5 GHzの両方で検出
2LCカタログ GC方向のコンパクト天体 直径2°内部 170天体 VLA A configuration 5 GHz, 1.4 GHz 角分解能 1″ at 5 GHz , 2.″4 at 1.4 GHz 選定条件 1.4 / 5 GHzの両方で検出 5GHzでのフラックス密度が10mJy以上 5GHzでのサイズが0.25秒角以下 スペクトル指数が-1より大 5天体選出
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天体情報 上記5天体をVLBIで観測 ※1 pc=3.1×1013 km RA (J2000.0) Dec (J2000.0) 5 GHz
No Name hh mm ss dd S [mJy] size [sec] Spectral Index 1 17 42 44.013 -29 49 15.98 99.4 0.08 -0.7 2 21.46 12 59.96 37.2 0.25 3 41 26.158 -28 53 28.97 15.2 0.23 -0.8 4 48 45.68 7 39.2 83.8 5 49.018 55 5.36 12.1 0.16 -0.1 ※1 pc=3.1×1013 km 上記5天体をVLBIで観測
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OBSERVATION
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VLBI (Very Long Baseline Interferometry)
高分解能 高輝度天体を選択的に検出できる VLA(A configuration ) : 1″ VLBI(本観測) : 8.4 mas コンパクトで高輝度な天体に適している HⅡ領域などからの熱的放射の可能性を排除
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観測パラメータ 日時:2014年6月9日12:30-18:00(UT) 観測周波数:8.192-8.704 [GHz]
帯域幅:512 [MHz] 観測局:山口、つくば、日立 観測の流れ(1セット) NARO530 → J → source1 → J → source2 → J → source3 → J → source4 → J → source5 JVNのアンテナ位置 アレイ性能 基線 基線長[km] 角分解能[mas] つくば-日立 85 86.3 つくば-山口 804 9.2 山口-日立 873 8.4 1セット×5回
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RESULT
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検出天体 source1, source2, source4, source5
3 4 5 つくば-日立 観測トラブル 山口-日立 各天体の信号対雑音比(SNR) 検出天体 source1, source2, source4, source5
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検出天体のフラックス密度 分解できないくらい コンパクト フラックス密度 source1 source2 source4 source5
基線 [mJy] つくば-日立 38.5 32.2 133 33.0 つくば-山口 40.5 … 60.3 41.6 山口-日立 26.1 45.4 27.4
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DISCUSSION
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天体サイズ推定 ガウス型輝度分布天体と仮定 𝑆 𝐷 = 𝐵 𝜃 𝑒𝑥𝑝 −2𝜋𝑖 𝐷 𝜆 𝜃 𝑑𝜃
Source1 ガウス型輝度分布天体と仮定 𝑆 𝐷 = 𝑆 0 𝑒 − 𝐷 𝐷 𝜃 0 = 𝜆 𝜋 𝐷 0 FWMH=2 ln 2 𝜃 0 𝑆 𝐷 = 𝐵 𝜃 𝑒𝑥𝑝 −2𝜋𝑖 𝐷 𝜆 𝜃 𝑑𝜃 source4 source1 source4 短基線[mJy] 38.5 133 長基線[mJy] 33.3 52.8 D0[km] 2203 869 FWMH[mas] 1.77 4.49
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輝度温度推定 ガウス型輝度分布 一様輝度分布 𝐵 𝜃 = 𝐵 0 𝑒 − 𝜃 2 𝜃 0 2
𝐵 𝜃 = 𝐵 0 𝑒 − 𝜃 2 𝜃 0 2 𝑇 𝐵 = 𝑐 2 2 𝑘 𝐵 𝑆 𝜈 2 Ω 𝑆 𝑇 𝐵 = 𝑐 2 2 𝑘 𝐵 𝜈 2 𝐵 0 source1 [K] source4 [K] source2 [K] source5 [K] 2.1×108 1.2×108 8.5×104 7.6×106
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観測まとめ 距離の推定が必要 GC方向のコンパクト電波源5天体をVLBIで探査 →4天体を検出(1天体は既知の系外天体) 3天体 非熱的放射
コンパクト(masスケール) 高輝度(>~105K) 非熱的放射 (シンクロトロン放射) 系内BH?背景AGN? 距離の推定が必要
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PROSPECT
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今後の展望① 固有運動と強度変動の観測 予想される浮遊BHの特徴 コンパクトである スペクトルがフラット 短期の強度変動を示す
背景AGNとは異なる固有運動を示す 距離の推定 固有運動と強度変動の観測
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固有運動と強度変動 固有運動 銀河中心 6 mas/yr 測定可能 強度変動 変動を捉えられるかも? JVN観測(実施中)
4 epoch : 2015/6/17, 7/20, 8/20, 10/15 時間 : 6hr/epoch 周波数:8.192-8.704 [GHz] 帯域幅:512 [MHz] 観測局:山口、つくば、日立 VERA観測(実施予定) 4 epoch epoch interval : 1.5ヵ月 時間 : 5hr/epoch 周波数:22 [GHz] 帯域幅: 256 [MHz] 観測局:水沢、入来、小笠原、石垣 銀河中心 6 mas/yr 測定可能 強度変動 H. Falcke, A. Cotera, W.J. Duschl 1999 Source2のみ 変動を捉えられるかも?
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今後の展望② 広範囲でのコンパクト天体の探査 4カタログ ・GC方向を含む ・コンパクト天体 ・約1500天体
・ l = 355◦ − 5◦ の範囲に位置 ・56天体選出 JVN観測(実施予定) 周波数:8.192-8.704 [GHz] 帯域幅:512 [MHz] 観測局:山口、つくば、日立
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まとめ SMBHは形成過程が未解明 →BH同士の合体成長? Sgr A*の近傍の合体成長の証拠となるような浮遊BHを探査
GC方向のコンパクトで高輝度な天体を高感度VLBIで検出(5天体中4天体、1天体は系外天体) 検出天体(3天体)の固有運動の測定による距離推定 広範囲でのコンパクト天体の探査
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