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情報モラルデザイン論 第3回 ガバナンスと公私 吉田寛
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「ガバナンス」の語義と語源 ガバナンス(Governance) Govern
The way in which country (or company) is governed (or managed). Collins COBUILD ED for Al. The action or manner of governing. Concise Oxford ED. Govern 「船のかじをとる」が原義 治める、統治する、管理する、決定する、律する、etc.(ジーニアス) to have responsibility for making laws, managing economy, and controlling public services. (COBUILD) Conduct the policy and affairs of a state, organization, or people. (Oxford)
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「ガバナンス」の諸定義 「統治が社会的、政治的および行政的行為者による活動を指すのに対し、ガバナンスのほうは、関係行為者の相互作用、共同による秩序形成を指していると考えられる。」(小林傳司「科学技術とガバナンス」、『思想 No.973 』、岩波書店、2005年、pp.5-26) 「統治者が一方的、トップダウン的に非統治者を統治するものではなく、両者間の信頼関係をはじめ、社会の諸構成員の協力や合意によって統治することを意味する。その意味においてガバナンスは政府だけの仕事ではない。」(宮川公男、山本清編著『パブリック・ガバナンス』、日本経済評論社、2002年、 ) 「経済、政治、社会のすべての構成分野の相互性を生かしながら総合的に秩序を維持するという意味でガバナンスというコンセプトを用います。」(丸尾直美「総合政策とガバナンス」、『ガバナンス』上條末夫編、北樹出版、2005年、p.34.) 「ガバナンスはガバメントよりはどこかしら広いものを指し、舵取りやゲームの規則にかかわっている」(A.Kjaer, Governance, Polity Press, p.7. 引用は、西岡晋「パブリックガバナンス論の系譜」、『公私領域のガバナンス』p.2より) 「社会の進路を示し、舵をとるためのアクター(担い手)の行動パターン、あるいは、組織や集団が、個々人では達成できない成果をあげるために、必要なルールを設定するプロセス」(『NIRA研究報告書 ガバナンス改革のソプ号戦略』p.9)
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「ガバナンス」定義と注意 以上の語源、諸定義を踏まえてとりあえず以下のように定義しておきます。
「合意と共同をベースとした多様な関係行為者による社会の舵取り。」 注意 「ガバナンス」は分野によって、また論者によって、さまざまに用いられる意味の判然としない流行語である。 だが、この概念を手がかりに、現代社会を分析し、作っていこうとする確かな潮流がある。 言葉の厳密な意味や定義ではなく、この言葉の背後にある社会的状況や課題、論点を理解し検討することが大切だろう。
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「ガバナンス」の流行 1988年 国際政治学雑誌「Governance」創刊 1998年 日本行政学会で取り上げられる
静大では電子ジャーナルとしてフルテキストが読めます。( 1998年 日本行政学会で取り上げられる 共通論題1-1 「日本の行政改革―ガバメントからガバナンスへ」 (1998年度研究会・総会 5月30日・31日 神奈川大学) 2000年 小渕元首相 「21世紀日本の構想」懇談会最終報告書 第一章-III-1 「統治からガバナンス(協治)へ」 「日本は、本来の、しかし日本にとっては新しいガバナンスを築き、成熟させていかなければならない。 」
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国連の「グッド・ガバナンス」論 「グッド・ガバナンス」=次の8つの主要な性格を持つ意思決定のプロセスと決定が実行される(あるいは、されない)ためのプロセス →開発援助の条件 参加、合意、説明、透明性、包含性、実行、効果、合法性 日本外務省 ODA大綱 基本方針(1) 「良い統治(グッド・ガバナンス)に基づく開発途上国の自助努力を支援するため、これらの国の発展の基礎となる人づくり、法・制度構築や経済社会基盤の整備 に協力することは、我が国ODAの最も重要な考え方である。このため、開発途上国の自主性(オーナーシップ)を尊重し、その開発戦略を重視する。 その際、平和、民主化、人権保障のための努力や経済社会の構造改革に向けた取組を積極的に行っている開発途上国に対しては、これを重点的に支援する。」平成15年8月29日 閣議決定
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グッド・ガバナンス 8つの基本性格 決定と実行の当事者(政府もその一つでしかない)の参加 その決定と実行の必要性に関する広く深い合意
グッド・ガバナンス 8つの基本性格 決定と実行の当事者(政府もその一つでしかない)の参加 その決定と実行の必要性に関する広く深い合意 アカウンタビリティ(特に影響を受ける者への説明責任) 参加者や決定・実施のプロセスなどが透明であること すべてのメンバーの包含(誰もが排除されずに考慮される) 一定の期間内に制定・実行されること 効果と効率(結果が社会のニーズ、自然条件などにかなう) 公平なルールを取り決め、そのフレームワークに従って合法的に決定・実施
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8基本性格とガバナンスの類型 類型 分野 背景 基本性格 グッド・ガバナンス、グローバル・ガバナンス 国連、開発援助、国際社会
グローバリゼーション 合法性、効果、実行 ITガバナンス、ネット・ガバナンス 情報技術 ITの普及 合法、透明性、効果 コーポレート・ガバナンス 経営、市民社会 コンプライアンス、企業の社会的責任(CSR) 合法性、説明、透明性 科学技術ガバナンス、メディア・ガバナンス 専門性、研究、教育、ジャーナリズム 専門職社会、資格社会 説明、透明性、参加 パブリック・ガバナンス、ソーシャル・ガバナンス、ローカル・ガバナンス 市民社会、政策、NGO論、地域、地方自治 市民パワー、分権、民主主義 参加、包含、透明性、説明、合意
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「ガバメント」と民主主義 民主主義 現在の日本の政治体制(ガバメント)は民主主義 世界のほとんどの国は「民主主義」を主張
〔democracy〕人民が権力を所有し行使するという政治原理。権力が社会全体の構成員に合法的に与えられている政治形態。ギリシャ都市国家に発し、近代市民革命により一般化した。現代では、人間の自由や平等を尊重する立場をも示す。大辞林 第二版 (三省堂) Government of the people, by the people, for the people(Abraham Lincoln ) 現在の日本の政治体制(ガバメント)は民主主義 日本国憲法前文「・・ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものてあつて、その権威は国民に由来し、その権力は 国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。・・ 」 世界のほとんどの国は「民主主義」を主張 共和制(大統領)、立憲君主制(君主、首相)
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民主主義のルーツ 古代アテネ(ギリシャを代表するポリスで、現代まで民主主義のモデル、理念として参照される)
「市民」=参政権を持つ者 20歳以上のアテネの男性(除 奴隷身分) 奴隷、外国人、植民地住民、女性、子供などを含まない 「民会」=最高の権限を持つ議決機関 市民総会 合議と投票(直接民主制) 「500人評議会」=民会の行政・執行委員会 各地区からくじ引きと本人の意思で選出(比例代表) 「執政官」、「将軍」、行政官 一般官職は抽選&報酬 「裁判所」 民衆陪審員201人以上、市民501人以上 資料:『民主政の諸類型』D.ヘルド、御茶の水書房
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民主主義の条件 ポリスの政治的活動(ガバナンス)の条件は、「討議のための政治的空間」 「政治的空間」 ポリス 公 理性・言論 市民
ポリスの政治的活動(ガバナンス)の条件は、「討議のための政治的空間」 ポリスは自然的なもの(フュシス)でなく、人為的な(ノモス)公共空間 ポリスの中では「暴力」ではなく、討議と説得、審議に基づく決定 民会や広場(アゴラ)での討論が社会を作る 共同と自治 市民間の友愛(フィリア)を育てる 「政治的空間」 ポリス 公 理性・言論 市民 「経済的空間」 家庭 私 欲望・生産 女性・奴隷 公的領域と私的領域の区別については『人間の条件』アーレント、筑摩書房、1994年参照 ポリスにおける公共性の尊重と共同については『デモクラシー』千葉眞、岩波書店、2000年参照
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民主主義のエートス1 ペリクレスの演説より アテネ指導者ペリクレスの演説 BC430「私的生活においてわれらは互いに自由であり寛容であるが、法をおかす振る舞いを深く恥じ恐れる。・・。われらは質朴のうちに美を愛し、柔弱に堕することなく知を愛する。・・。おのれの家計同様に国の計にもよく心を用い、おのれの生業に熟達を励むかたわら、国政の進むべき道に十分な判断を持つように心得る。・・。そしてわれら市民自身、決議を求められれば判断を下し得ることはもちろん、提議された問題を正しく理解できるように備えをなす。」(『戦史』ツキュディディス、2巻37,40) 当時のアテネの市民による民主主義の精神を、民意をよく把握し指導したと言われるペリクレスが代弁しているものと考えられる。
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民主主義のエートス2 演説の分析 自由 自治の権利 平等 理性の尊重 公共性の尊重 移動・所有の自由 自分の身体・モノを自分でコントロール
自由 自治の権利 移動・所有の自由 自分の身体・モノを自分でコントロール 政治参加の自由 自分の意思・立場を自分でコントロール 平等 政治的・法的平等 一人一票、くじ引き、参加権 言論の平等 民会、裁判所での発言権 理性の尊重 ポリスにおける問題の解決に際して、言論の尊重 知を愛する=哲学philo-sophy(当時は学問全般)の尊重 公共性の尊重 遵法精神 公私の区別と両立の理念
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プラトンによる民主政の評価 「この国家には自由が支配していて、何でも話せる言論の自由が行きわたっている・・・人それぞれがそれぞれの気に入るような、自分なりの生活の仕方を設計することになる・・・したがって、思うにこの国制のもとでは、他のどの国よりも最も多種多様な人間たちが生まれてくることだろう。・・これはさまざまの国制のなかでも、いちばん美しい国制かもしれないね。」『国家』下p.204(557B-C) 「ここに一隻の船があるとする。・・次のような状況を思い浮かべてくれたまえ。・・。水夫たちだが、これは、ひとりひとりがみな、われこそはこの船の舵を取るべきだと思い込んでいて、舵取りの座をめぐってお互いに相争っている。・・。眠り薬を飲ませたり、酒に酔わせたり、その他の手段を使ったりして、人のよい船主を動けなくした上で、船の支配権をにぎり、船のなかの物資を勝手に使う、あとは飲めや歌えの大騒ぎ、いかにもそういう連中のやりそうな船の動かし方で、航海をしていく。」(『国家』下p.28) 「支配者に従順な者たちを自分から奴隷になるようなつまらぬやつらだと辱めるだろう。個人的にも公共的にも賞賛されるのは、支配する人々に似たような支配者たち、支配者に似たような被支配者たちだということになる。(要約・・そして息子が父親に、居留民は市民に、生徒は先生に、若者は年長者に、女は男に、真似し、平等になり、入れ替わってしまう。・・)かれらは、わがままになり、最後には法律さえもかえりみなくなってしまうだろう。」『国家』p.218
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近代民主政の成立 市民革命後西洋各国で成立し、現在世界に広がっているガバメント体制 近代民主主義の3つの特徴(千葉、前掲書に拠る)
自由民主主義(英、米、日など)、社会民主主義(仏、伊、瑞など) ただし、体制はそのときどきの政権によるので国別の区別は流動的 近代民主主義の3つの特徴(千葉、前掲書に拠る) 「国家」規模での民主主義(national democracy) 絶対王政、市民革命後の国家での「国民」による政治 「自由主義」を前提 経済的自由 ブルジョワの諸権利、所有と取引き( capital democracy ) 政治的自由 プライバシー、人権(liberal democracy) 「間接民主主義」(「形式合理性」ウェーバー) 投票、代議制、立憲主義、官僚機構(bureaucracy )
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日本の民主政ガバメント(政府) 「政府」 government 立法、行政、司法の三権の長
政治を行う所。現行憲法では、行政権の属する内閣または内閣とその下にある行政機関の総体をいう。広義では、立法・司法を含む国家の統治機関を意味する。 大辞林 第二版 (三省堂) 立法、行政、司法の三権の長 立法=衆議院議長、参議院議長 行政=内閣総理大臣 司法=最高裁判所長官 首相官邸 キッズルーム 「日本のしくみ」
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ガバメントの危機 19C近代民主政の危機 第一次大戦に至る民主政崩壊の描写 ガバメントにおける「政治」「公共性」の解体
( アーレント『全体主義の起源』 )より 以下、リファレンスは川崎修『アレント』講談社、2005年より 致命的な矛盾を含む「国民国家(national state)」 個別利害の代弁機構としての政党の解体 帝国主義による支配 同化と暴力 官僚制による匿名的支配 大衆社会による共同性の喪失
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分析1 「国民国家」の問題 致命的な矛盾を含む「国民国家(national state)」概念 pp.48-54
分析1 「国民国家」の問題 致命的な矛盾を含む「国民国家(national state)」概念 pp.48-54 国家stateの原理「国家の最高機能は領土内の住民のすべてを彼らのナショナルnationalな所属とは関わりなく法的に保護ずること」 ネーションnationの原理「本質的に同質であると仮定されたネーションnationの統一体に血統と生まれによって属す者」 国民国家は領土内に異質性を認められない。だが、実際には領土内にはさまざまな異質な人々が住む。 「国家」(公)を国民(私)にムリヤリ一致させた
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分析2 政党の問題 個別利害の代弁機構としての政党による政治の解体 pp54-57 代議制を通しての政治(公)の私物化
分析2 政党の問題 個別利害の代弁機構としての政党による政治の解体 pp54-57 本来の政党(イギリス型) 公共的性格 公共的性格 「政党自身がその中での議論を通じて、個別利害を濾過し、個別利害を超えた公共性を準備するような政治的空間、公的なフォーラムである。」 国政を担う政党政治 「二大政党制においては一方の政党はつねに政府と同じであり、その政党は権力を握り、事実、国を統治する。」 機能を持たない政党(大陸型の政党) 私的性格 私的性格 「政党は公的問題にはまったく無関心な私的な個人の集合体」「特殊利害を超えた公共性が形成されることはない。」 政権を担い得ない 「政党と議会は諸々の利害の展示場にすぎなくなった」「政権を担い得ない」 代議制を通しての政治(公)の私物化
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分析3 帝国主義 帝国主義による支配 同化と暴力 pp.62-65 帝国主義 国民国家の矛盾 nation≠state
分析3 帝国主義 帝国主義による支配 同化と暴力 pp.62-65 帝国主義 資本主義(私)による、資源と市場を求めての、国家(公)の拡大の欲求 「経済自体に強いられてブルジャワジーは政治化した」 国家はさまざまな地域と人々をカバーすることに 国民国家の矛盾 nation≠state 「同質的住民による政府に対する住民の同意は得られない」 同化政策 nationへの同化と同意を強制 法によらない支配 暴力の常態化 軍と警察、官僚 ブルジョワの経済的(私的)欲求の国家支配と肥大化
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分析4 官僚制 官僚制による匿名的支配 pp108-110 官僚制の背景 官僚制の特徴
分析4 官僚制 官僚制による匿名的支配 pp 官僚制の背景 政党の機能不全、法外の植民地拡大による官僚(行政)の肥大化 官僚制の特徴 ローカル・ルール 「法律学的に言えば、法による支配とは反対の、政令による支配体制である」 言論を欠く 「政令はつねに匿名であり、個々のケースについて理由を示すことも正当化も必要としない」 よって、官僚制はしばしば法を逸脱し人権を蹂躙する(軍や警察の政治からの独立) 国家stateからの政治(公)の排除
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分析5 大衆社会 大衆 p.146 大衆の特徴 pp.155-156 私の集合である大衆が政治的な主権者となる
分析5 大衆社会 大衆 p.146 「人数が多すぎるか公的問題に無関心すぎるかのために、人々がともに経験しともに管理する世界に対する共通の利害を基盤とする組織、すなわち政党、利益団体、地域の自治組織、職業団体、労働組合などに自らを構成しないひとびとの集団」 大衆の特徴 pp 社会の中に居場所を失い、共同体的な人間関係の領域を失って「常識」の機能不全を起こしている 世界の現実を信じず、自分たちのコントロール可能な経験を頼りにせず、安易に論理的一貫性しかもたない体系(フィクション、プロパガンダ)に流されやすい 私の集合である大衆が政治的な主権者となる
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民主主義をめぐる思想家19C-20C マルクス ウェーバー フーコー ハーバマス パットナム シュペングラー、トゥインビー
資本主義批判 人間疎外の告発 共同の必要 共産主義の主張 ウェーバー 官僚制批判 形式的合理性の社会支配を指摘 フーコー 隠れた権力を暴き出す ハーバマス 民主主義の理念としての「公共性」の必要を強調 合議のための条件を検討 パットナム ソーシャル・キャピタルの喪失と必要を指摘 シュペングラー、トゥインビー 西洋文明の行き詰まりを描き出す歴史家
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ガバメント→ガバナンス ガバナンスは近代民主政の欠陥を次のようにカバーする意図を持つ 「国民国家」→市民と多様なアクター
政党→公的ミッションを持つNGO、NPO 征服と支配→承認と協調 匿名的支配→情報公開、合法的手続き 大衆→参加による共同
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ガバナンスを支える社会的背景 70年代の権利獲得運動 市民パワーの増大 90年代のITの発達 NGO、NPO
70年代の権利獲得運動 市民パワーの増大 NGO、NPO マイノリティの権利獲得 (女性・黒人・少数民族、同性愛者、他) 90年代のITの発達 ネットという非ガバメント的空間 市民をエンパワーするツールとしてのIT 情報公開の手段
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多元文化のガバナンス キムリッカの理論 ガバメントの修正案 自治権 自己決定を認める エスニック文化権 無理に同化強制しない
キムリッカの理論 ガバメントの修正案 角田猛之・石山文彦・山崎康仕監訳『多文化時代の市民権――マイノリティの権利と自由主義』(晃洋書房, 1998年) 自治権 自己決定を認める エスニック文化権 無理に同化強制しない 特別代表権 参加の権利を保障
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日本の「ガバナンス」の罠 小渕政権 「協治」の強調 「ガバナンス」政策的導入 小泉政権 新古典派経済学に基づく「小さな政府」
小渕政権 「協治」の強調 「ガバナンス」政策的導入 小泉政権 新古典派経済学に基づく「小さな政府」 規制緩和とマネーゲームの横行 政府の仕事を肩代わり NPOの悲鳴 投資家の利益をごり押し 企業へのしわ寄せ
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ガバナンスの論点 基本性格に則して問題がある 参加 誰が参加するべきか 公と私 合意 どのように合意に至るか 言論空間
参加 誰が参加するべきか 公と私 合意 どのように合意に至るか 言論空間 説明 専門的事情の説明 理性的説明 透明性 IT利用 包含性 どこまで考慮するか 公の範囲 実行 実行の主体は 効果 効果はあるのか 評価の問題 合法性 権限 ルールづくり
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「参加」と公私の問題 自治への「市民参加」 公共的領域への私企業・民間団体の参加? 私的領域に閉じこもる権利
「参加」と公私の問題 自治への「市民参加」 民主主義の基本 行政への市民の取り込みや市民運動の活動性を失わせる危険(篠原『市民参加』1977年) 公共的領域への私企業・民間団体の参加? NGO、NPOの公共性は? Ex.「指定管理者制度」(2003年改正地方自治法による) 私的領域に閉じこもる権利 政治参加の自由⇔政治からの自由 市民にせよ、企業にせよ、「参加」は公的な視点を持った参加でなければガバナンスは難しいだろう。
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ガバナンス論とガバナンス 大衆ガバナンスの問題 ネットワーク・ガバナンスの問題 中間層に注目 大衆によるガバナンスを目指す方向
専門性を欠く 秩序形成の困難 多様性の喪失の可能性 ネットワーク・ガバナンスの問題 ガバナンスシステムを形成する 設定者自身は神の視点 自治性の喪失の可能性 中間層に注目 専門性と意識を持った中間層、グループに期待 自治による自由 古代ギリシャのデモクラシーの理念
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参考文献 『ガバナンス』上條末夫編、北樹出版、2005年、2000円 『参加ガバナンス』坪郷實編、日本評論社、2006年
『ガバナンスと人間開発』国際協力出版会、国連開発計画(UNDP)、2002年 『ガバナンス改革の総合戦略』総合研究開発機構、2005年 『情報とグローバル・ガバナンス』土屋大洋、慶応義塾大学出版会、2002年
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