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危険手技の安全な実施 ー中心静脈カテーテル穿刺挿入手技 に関する 安全指針の策定と順守ー 100K活動 チーム カテにゃん
医療安全全国共同行動 目標3b. 危険手技の安全な実施 ー中心静脈カテーテル穿刺挿入手技 に関する 安全指針の策定と順守ー 100K活動 チーム カテにゃん
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中心静脈カテーテルとは・・・ (CVC:Central venous Catheter)
おもに完全静脈栄養法(TPN)を行う際の高濃度栄養剤注入を目的としている
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臨床現場において 日常的に行われるCVC挿入が 10%もの合併症を伴うままに施行されることは、 「安全な医療の提供」にほど遠い手段である ↓ 改善されるべき課題として優先順位は高い
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主な合併症 カテーテル挿入に伴う合併症 高濃度ブドウ糖負荷によるアシドーシス カテーテル敗血症
手技は、気管・肺・大血管などが集中する縦隔近傍での操作であるため小さな操作の違いが生命を脅かす大事故につながる危険性を秘めている
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実効性のある対策として 3項目が提案された CVC挿入関連合併症低下に有効とする方法はある しかし、実際には・・・
しかし、実際には・・・ 広く徹底されているとはいえない。 そこで 実効性のある対策として 3項目が提案された
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3つの推奨される対策 1.TPNとCVC留置適応の厳格化 2.安全な穿刺手技などの標準化 3.安全手技の教育体制の構築
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推奨される対策は、 優先度や緊急度により (A) 必ず実施すること (B) チャレンジ に分類されている
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1.TPNとCVC留置適応の厳格化(A) 1)適応病態 2)適応外病態 3)リスク評価チェックリストの使用とその対応
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2.安全な穿刺手技などの標準化 1)感染防御策の徹底(A) 2)セルジンガーキットの使用(A) 3)モニター機器・緊急資機材の準備(A)
5)透視下操作(B) 6)超音波診断装置の使用(B)
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3.安全手技の教育体制の構築(B) 1)CVC穿刺挿入手技に関する技術研修を 実施する 2)CVC穿刺挿入手技のエキスパートを 認定する
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ちなみに、セルジンガー法とは・・・ 留置針などで いったん血管を確実に貫いてから 徐々に針を引き抜いてきて血管内 にきたところで挿入する方法。 それらの使用物品を予めセットした キットが商品として販売されており、 それらをセルジンガーキットという
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当院でも ・・・ 「CVC挿入関連合併症防止方針」 を 打ち出し 、実行していくために 100K活動チーム カテにゃん が 結成された
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現状把握 ( 1~ )
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TPNとCVC留置適応の厳格化 1.適応病態 2.適応外病態 3.リスク評価チャックリストの使用と その対応
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CVCの適応の現状
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CVC挿入リスクの現状
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安全な穿刺手技等の標準化 1.感染防御策の徹底 2.セルジンガーキッドの使用 3.モニター機器・緊急資機材の準備 4.多数回穿刺の回避 5.透視化操作 6.超音波診断装置の使用
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感染防御策の徹底 マキシマルバリアプレコーション(MBP)で 実施することにより、カテーテル関連血流感染の発生率が低下することが報告されている マキシマルバリアプレコーションとは・・・ ①マスク ②キャップ(頭髪をすべて覆う) ③滅菌グローブ ④滅菌ガウン ⑤大型の滅菌ドレープ (患者の頭部からつま先まで覆う)
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MBPの現状
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CVC挿入前 医師の手洗いの現状
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セルジンガーキットを使用する ガイドワイヤーを用いるセルジンガー法は、直接穿刺法と比較して穿刺針が細いため傷害性が小さく、空気栓塞のリスクも少ない
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セルジンガー法の現状
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CVCルーメン数の現状
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モニター機器・緊急資機材を準備する CVC挿入中の患者状態のモニタリングと準備された場所、あるいは容易にアクセスできる場所は、有害事象発生時の対処の備えとして奨励される ①血圧計 ②心電図モニター ③パルスオキシメーター ④除細動器 ⑤酸素ボンベまたは酸素配管のある場所 ⑥救急カート
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モニター・緊急資機材の準備の現状
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多数回の穿刺を避ける 多数回の穿刺によって合併症の発生率が増大するため、試験穿刺・本穿刺ともに3回で成功しない場合は術者を交代することが奨励される
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CVC穿刺回数の現状
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透視化で操作する ブラインド操作による合併症を防ぐため、ガイドワイヤー、ダイレーター、カテーテルの挿入はX線透視化で実施することが望ましい。
挿入実施場所としては透視室や血管造影室などが推奨される
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超音波ガイド下で穿刺する 超音波による穿刺目標静脈の観察は、穿刺リスクの評価となり、また穿刺に適した体位の選択につながる。
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CVC挿入部位の現状
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CVC挿入操作の現状
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CVC挿入場所の現状
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要因解析 「中心静脈カテーテル挿入時 推奨されている安全な手技方法に 統一されていない」のはなぜか? を 特性要因図 を用いて要因の解析を行った。
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中心静脈カテーテル挿入時推奨されている安全な手技方法に統一されていない 人
人 専門のNsがいない 放射線・エコーを使用しない 医師がいる 方法はDrのいうとおりにしている 教育されていない 専門Nsの教育システムがない 教育の機会がない 指導基準がない 技術習得時に放射線・エコーを使用していなかった 医師の手技が統一されていない 看護師の技術が統一していない 専門医師認定制度がない 教育されていない 病院としてのマニュアルがない 教育の機会がない 推奨されている方法を知らない 医師に助言する専門医がいない 救急機器・使用物品の準備は部署によって違う 医師への研修制度がない CVC挿入が決定してから準備する 周辺機器の準備マニュアルがない 見て覚える制度になっている 穿刺技術の標準化されたものが ない 主治医によって使用する物品が違う セルジンガーキットがあることを知らされていない 現場に物品が揃っていないのですぐに使えない 周辺機器は院内で数が限られているから セルジンガーキットに統一されていない CVC挿入場所が決まっていない 教育する人がいない 実施場所がさまざま マニュアルがない 使用できない機器がある 看護師への研修制度がない CVC留置のリスク評価の方法がない 医師の指示で使用キットが決まる CVC留置適応の基準がない 物 システム
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重要要因の検証とカテにゃんの方針 CVC留置適応の基準がない 1.TPNとCVC留置適応の厳格化(A) 1)適応病態 2)適応外病態 3)リスク評価チェックリストの使用とその対応 考察:指針の中の基準に概ね沿っていたが、適応基 準を明文化したものはない。 ↓ 指針を元にCVC留置適応基準を作成・活用していく
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重要要因の検証とカテにゃんの方針 救急機器・使用物品の準備は 部署によってちがう 2.安全な穿刺手技などの標準化 1)感染防御策の徹底(A)
救急機器・使用物品の準備は 部署によってちがう 2.安全な穿刺手技などの標準化 1)感染防御策の徹底(A) 2)セルジンガーキットの使用(A) 3)モニター機器・緊急資機材の準備(A) 考察:件数は少ないものの、マスク・キャップ・滅菌ガウン・覆布の徹底はされていない ↓ 介助者側の準備物品の徹底により、術者の使用の確率は高まる
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重要要因の検証とカテにゃんの方針 考察:現在院内にはセルジンガーキットはダブルルーメンしかなく、シングルルーメンを使用したい術者に対応できていない。 またダブルルーメンは感染のリスクが高まる。 値段的にも、シングルルーメンのほうが高くなっており、シングルルーメンのセルジンガーキットを使用したいと願う術者に対応できにくくなっている。 セルジンガーキットがあることを知らない術者も存在した。 業者の意見では、もともとCVC留置適応患者はハイリスクな患者であり、ダブルルーメンを使用して高度医療を行わなければならない患者を想定とした値段設定とされているらしい。
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そこで・・・・ ↓ 値段を克服し、「必ず実施すること」に推奨されているセルジンガーキットの使用を定着させる コスト面での問題 感染予防の見地から、 ダブルルーメンよりもシングルルーメンの使用を推奨していく考えである 使用目的上の問題
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重要要因の検証とカテにゃんの方針 考察:モニター機器・緊急資機材の準備については、徐細動・救急カートなど緊急機材の準備の不徹底が目立つ。しかし今までは準備しなければならないというルールがなかった ↓ 「必ず実施すること」に推奨されているモニター機器・緊急資機材の使用を徹底させていく 緊急資機材の台数の問題
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重要要因の検証とカテにゃんの方針 CVC留置適応の基準がない 4)多数回穿刺の回避(A) 考察:多数回穿刺によって合併症の発生率は増大する。 これまではルールがなかったので、術者1人に負担がかかっていた。また、術者があきらめるしか止める方法はなかった。 ↓ 試験穿刺・本穿刺ともに3回で成功しない場合は術者を交代することが推奨されているので 3回ルールを作り周知徹底していく
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重要要因の検証とカテにゃんの方針 5)透視下操作(B) 考察:ブラインド操作による合併症を防ぐため、レントゲン透視 下で実施することが望ましい。 しかし、現状は透視室の不足・予約枠の慢性的な空きなし状況、放射線科の人員不足で透視室・血管造影室の使用は課題となっている。 ↓ チームの力の限界 CVC挿入の実施場所としては、透視室や血管造影室などが推奨される。 CVC挿入で透視室または血管造影室を利用することの合意を院内で得るようにしたい。 放射線科だけの問題でなく、病院全体として課題に取り組む姿勢が求められている。
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重要要因の検証とカテにゃんの方針 6)超音波診断装置の使用(B) 考察:術前診断用としての利用は可能であるが、 超音波ガイド下穿刺としての 手技が医師の間でも広まっていない。 そのために訓練が必要となってくる。 ↓ 指導者の問題 手技指導を研修で行っていく
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これまでの問題を振り返ると・・・・ 院内の様々な場所で複数の術者・介助者によりCVC留置が行われること自体、 穿刺手技の標準化が図れないのではないかと懸念した。 そこで留置する場所を原則定めることにより、同じ介助者が同じ場所で同じ方法を支援できるのではないかと考えた。
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つまり・・・・ 介助者を限定し教育することで、 安全な標準化された手技が 確保できると考えた。 また、 場所を限定することで モニターや緊急機資材、レントゲン・エコーなどの機材の準備の手間が省け、安全な場所でCVC留置が行えると考える。
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重要要因の検証とカテにゃんの方針 教育の機会がない 3.安全手技の教育体制の構築(B) 考察:CVC技術研修コースが存在していないため、院内の経験者が中心となってコースを設定することが必要となる。 ↓ 研修医を中心に教育活動を行っていく。その後院内研修に組み入れていく。
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