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生涯最高の失敗 ~ノーベル賞につながった開発プロジェクト~
講義例 生涯最高の失敗 ~ノーベル賞につながった開発プロジェクト~ 島津製作所 田中耕一 さんになったつもりで・・・
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本日の予定 プロジェクト開始 障害・壁 ブレイクスルー前夜 ブレイクスルー グループディスカッション プロジェクト成果 成功の要因
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プロジェクト開始 そこには壁が!! 結果:製品化につながらず! 1983年:島津製作所入社 中央研究所へ配属
1983年:島津製作所入社 中央研究所へ配属 →表面分析用のレーザ質量分析装置開発プロジェクトに参画 結果:製品化につながらず! もっとニーズのあるものを! 1985年:生体高分子用のレーザ質量分析開発プロジェクト開始 5人のチーム、私は試料のイオン化を担当 5人共、化学の出身者ではなかった そこには壁が!!
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障害・壁 「質量数1万もの高分子を壊さずに測定する方法がない!」 大胆な挑戦へ! 目標は質量数1万の分子のイオン化
・レーザの専門家曰く、レーザ照射で高分子を壊さずにイオン化できるはずがない ・当時の常識としても非常識(当時は質量数1000程度が限界) しかし、チームには化学の専門家がいなかったため 専門家・常識を軽視してしまった 幸運にも!! 大胆な挑戦へ! 目標は質量数1万の分子のイオン化 試料の調整、質量分離・検出用の装置、回路設計、 ソフトウェア開発まですべての工程を自前で!
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ブレイクスルー前夜「異分野の融合」 暗礁へ!!万事休す
当時、冶金分野で注目されていた超微粒金属粉末を レーザの衝撃を和らげるための緩衝材に使用すること をメンバーが提案 →今まで測定されなかった分子イオンが検出!しかし、質量数2千程度までが限界、再現性も低い 暗礁へ!!万事休す
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ブレイクスルー「生涯最高の失敗」 結果:質量数10万をこえるたんぱく質を壊さずに イオン化できた!
失敗1:超微粒金属粉末の溶媒「アセトン」の代わり に誤って「グリセリン」を使ってしまった 失敗2:その溶液を「もったいない」と思って実験して しまった 結果:質量数10万をこえるたんぱく質を壊さずに イオン化できた!
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グループディスカッション あなたはあるプロジェクトメンバーの一人に 任命されました。 今回のプロジェクトに直接関わりのある専門家はあなたを含めメンバーには誰一人としておらず、また皆専門が違うことがわかりました。 さて、このチームがうまく機能するために、あなたならどういう行動をとりますか?
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2002年、ノーベル化学賞受賞! プロジェクト成果 「ソフトレーザ脱離イオン化法」を開発 「MALDI法」という社会に必要不可欠な技術に発展
世界中の研究者による改良 「MALDI法」という社会に必要不可欠な技術に発展 2002年、ノーベル化学賞受賞!
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成功の要因 ノーベル賞はチームワークなしには得られなかった 失敗を失敗と思わない粘り強さがあった
常識に囚われず、何でもやってみる姿勢があった 偶然を見過ごさないだけの毎日の積み重ねがあった 何よりも実験が好きで、それを通して社会の役に立ちたいという強い気持ちがあった
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