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年金改革の経済学2.

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1 年金改革の経済学2

2 年金の基礎理論 年金とは、予想外に長生きをしてしまって、生活費が枯渇してしまい、老後に悲惨な生活状態に陥ることを防ぐために存在している「保険」 保険原則からいって、世代間再分配は不要。保険は同質のリスク集団内にかけられるべきもの。保険にはそもそも損得は無い。 保険の原則から言って、積立が本来あるべき

3 公的部門で運営されるべき理由 所得内再分配を行なわなければいけないからではなく、民間よりもうまく運営できるから 逆選択 モラルハザード:ありとキリギリス

4 積立方式と賦課方式

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6 創設期の高齢者の問題⇒賦課方式が必然ではない。

7 国債で調達の必要は実はない 現実は、積立と賦課の間、両者はAll or Nothingではなく、中間的な姿がある。 賦課方式から積立方式の移行も可能。逆も然り。 わが国は修正積立方式

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9 賦課方式になった理由1:社会保険のパラドックス

10 賦課方式になった理由2:積立金は埋蔵金 賦課方式に移行してしまえば、これまで積み上がっていた多額の積立金は、賦課方式の年金の運営にとって必要なものではない。 宙に浮いた資金として、政治家や官僚にとって大変な魅力。 賦課方式であるからといって勝手に使っていいものではない。

11 賦課方式から抜け出せない政治経済学 「人口成長率>利子率」 から「人口成長率<利子率」 へ 積立金を使ってしまっているので、積立方式に移行するには、もう一度調達しなおさなければならない。 責任の問題や、高齢者に不人気の政策⇒官僚や政治家が積立方式移行に反対する理由。

12 100年安心プランは既に崩壊している 100年安心プランの現状 少子高齢化の進行 厚生年金の積立金予測 自動安定化装置は機能しない
先送りする仕組みができた年金改革(財政再検証)

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14 <コラム7> 少子高齢化が進んでも年金財政は「好転」のトリック
<コラム7> 少子高齢化が進んでも年金財政は「好転」のトリック 厚生労働省「人口の変化等を踏まえた年金財政への影響(暫定試算)」 50.2%であった所得代替率(現役時の平均所得に対する年金受給額の割合)見通しは、51.6%と返って高まるという驚くべきもの 安倍政権が進めていた「上げ潮路線」が大成功する2007年時点でほぼ0%であった賃金上昇率は2011年には4.1%にも高まり、運用利回りも4.4%、女性や高齢者の労働者割合も8~9割と大幅に高まる 2012年以降の長期的な経済想定も賃金上昇率が2.1%から2.5%、運用利回りが3.2%から4.1%

15 厚生年金と共済年金の一元化で年金財政は改善するのか
厚生年金と各種共済年金の一元化(被用者年金一元化) 共済年金は、厚生年金よりも保険料率が低く、「職域部分」と呼ばれる企業年金に当たる3階部分の上乗せ給付があるなど、「官民格差」が問題視 され、小泉内閣の指示によって、関係各省(被用者年金制度の一元化等に関する関係省庁連絡会議)や与党(被用者年金一元化等に関する政府・与党協議会)での議論が行われた。

16 2006年4月の閣議決定ののちに、2007年4月に通常国会に法案提出がなされ、現在、継続審議中。
賦課方式の年金2つの合併では本質的な問題の解決にはならない。 厚生年金の財政改善にもならない。 ①厚生年金と同率の保険料率への引き上げと固定、②「職域部分」年金の廃止とそれに代わる3階部分の新型年金の設立、③厚生年金の積み立て比率を上回る部分の積立金の共済内での活用

17 基礎年金の財源を税方式化すべきか保険料方式にすべきか
本質的論議を避けるための目くらまし 社会保障国民会議の議論では、消費税負担だけに焦点が当てられる

18 税方式化による保険料負担減が考慮されず。
損という計算は、事業主負担のトリック

19 消費税化は、ケースA、B、C、C’という4つのケースで示されているが、現実的な選択肢は、ケースBのみであり、あとの3つは非現実的で(特にC)、わざわざ消費税率を高く見せるために、作為的に作られたシナリオ 保険料方式を続けることのデメリットに焦点が当たっていない点も問題。そもそも、税方式が提案されてきた背景は、近年の未納・未加入者の深刻化に伴って、将来の生活保護世帯の急増が見込まれたことにある。

20 このような批判があることを考慮してか、試算では、「未納率の違いによっても所得代替率があまり変わらないので、国民年金未納率が財政に与える影響は小さい」との結果を合わせて発表
第一に、所得代替率とは厚生年金の場合の概念であり、基礎年金もしくは国民年金の話が厚生年金にすりかえられている。 第二に、問題は単なる未納率の問題ではなく、減免者や猶予者を含めて半分以上の人々が保険料を払っていないということにあります。 第三に、保険料率方式を続ける場合の問題は、むしろ、将来の生活保護費の増加にあり、この生活保護費増が国民生活に与える影響も加味すべき

21 税方式への批判 「受益(給付)と負担の関係が希薄化して、保険である認識が低くなる」 ⇒現在はどうか。消費目的税
給付と負担の関係が切れると、所得制限が持ち込まれたり、権利性が弱められ、第二の生活保護化する恐れがある」 ⇒消費目的税

22 「消費税化では少子高齢化の進展で税率が引き上がり、若い世代の負担が重くなる」
⇒保険料も同様 「消費税は弱者に厳しい税金であるので、所得再分配の観点から問題である」 ⇒現在の年金が弱者にやさしいか 「消費税化をすると、事業主負担が無くなり、その分も税負担に回るので個人の負担が重くなる」 ⇒事業主負担に対する無理解

23 基礎年金の資格期間(25年)短縮論の落とし穴
25年の資格期間(保険料納付をしたり、減免を受けている期間)を「たとえば10年とする」という見直案 ①25年の資格期間を満たせないことによって、近年、無年金者が増加しており、生活保護受給者増の大きな要因となっていること、②また、現在、保険料を払い続けながら、既に25年の期間を満たせないことが分かっている人々が70万人以上存在しており、今後の大きな火種になること

24 <コラム8> パート労働者の厚生年金加入は、年金財政を好転させない
<コラム8> パート労働者の厚生年金加入は、年金財政を好転させない 被用者年金制度の一元化等を諮るための厚生年金保険法等の一部を改革する法律案」 ①週所定労働時間が20時間以上、②賃金が月額98000円以上、③勤務期間1年以上が見込まれること、④従業員301人以上の事業所に雇用されていることといった条件が加えられたため、その追加対象は10万人程度とかなり限定的


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