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エンピリカルソフトウェア工学と ソフトウェアタグ
大阪大学 井上 克郎
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講演の概要 エンピリカルソフトウェア工学 ソフトウェアタグ 近年のソフトウェア工学研究雑感 2
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エンピリカルソフトウェア工学
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ソフトウェア開発の現状と問題点 ソフトウェアの信頼性 ソフトウェアの生産性 経験的なノウハウや非科学的な手法、ツールを使っている
多数のバグを含んだソフトの流通 一度ダウンすると多大な社会的損失 ソフトウェアの生産性 開発期間の短縮要請 人海戦術による限界 経験的なノウハウや非科学的な手法、ツールを使っている 4
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科学的評価に基づくソフトウェア開発 多くの他の科学、工学分野では、計測して定量化し、評価を行い、それをフィードバックして改善を行うのが普通(フィードバックループ) ソフトウェア開発の分野では? 5
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Zelkowitz-Wallaceによる評価法分類
観測型(Observational) 実際に行われているプロジェクトを横から観測して評価 履歴型(Historical) 過去に行われたプロジェクトのデータや発表された論文に基づいて評価 制御型(Controlled) 目的とするデータを得るために環境を整えてプロジェクトを行い評価する V. Zelkowitz, D. R.Wallace, "Experimental Models for Validating Technology", IEEE Computer, pp.23-31, May 1998. 6
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観測型評価 プロジェクトモニタ 事例研究 アサーション 野外調査(Field Study) 対象を漠然と観察。目標不明確な場合も。簡単
対象をより深く解析。まだ、変動要素の制御が不十分だが、比較的簡便 アサーション 主張がなりたつことを簡単なプロジェクトで実証。厳密な評価としては不十分。 野外調査(Field Study) いろいろなプロジェクトを見て回る。条件を揃えるのが困難だが追証しやすい。 7
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履歴型 文献調査 事例調査 経験 (静的解析) 過去発表された論文を探す。条件や視点の統一不可能。簡単
過去のプロジェクトデータをひっくりかえす。条件不統一でデータ限られている 経験 過去のプロジェクトの定性的なデータを調べる。定量的な議論できない。やりやすくて簡単に傾向がわかる (静的解析) 作ったプロダクトの解析をする。方法論には適用できない。評価の自動化できるかもしれない。 8
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制御型 繰返し 実験室 (動的解析) (シミュレーション) 条件を揃えていくつものプロジェクトで繰り返す。高価。
条件を揃えて実験室で繰り返す。スケーラビリティ。条件を制御しやすく比較的安価。 (動的解析) プロダクトの効率を実行させて計測。方法論には適用できない。 (シミュレーション) 仮想データで実行。 9
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発表された論文の分類(他の科学) 方法\論文種類 デバイス 物理 臨床医学 人類学 評価なし 16% 58% 6% 31%
方法\論文種類 デバイス 物理 臨床医学 人類学 評価なし 16% 58% 6% 31% プロジェクトモニタ 事例評価 40% 16% 6% 8% アサーション 8% 4% 8% 野外調査 % 文献調査 4% 11% 24% 23% 事例調査 % 23% 経験 5% 8% 静的解析 繰返し 5% 12% 実験室 % 動的解析 32% 5% シミュレーション 10
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ソフトウェア工学の論文が使っている評価法
実験なし プロジェクトモニタ 事例研究 アサーション 野外調査 文献調査 評価法 1985 事例調査 1990 -ICSE -TSE -IEEE Software 1995 経験 静的解析 繰返し 実験室 動的解析 シミュレーション 論文の割合 0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% 35% 11 40% 45%
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エンピリカルソフトウェア工学 Empirical Software Engineering、実証的・実験的SE
目的に応じた定量的・定性的な評価に基づいてソフトウェアの生産性や信頼性向上を行う諸技術 科学的根拠に基づいてプロジェクトの改善を行うには必須 国際会議、論文誌、研究所等 12
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学会での発展 Empirical Software Engineering
International Symposium on Empirical Software Engineering (& Measurement) 第1回:2002年、日本(奈良) 第2回:2003年、イタリア(ローマ) 第3回:2004年、米国(ロサンジェルス) 第4回:2005年、オーストラリア(ノーザヘッド) 第5回:2006年、ブラジル(リオデジャネイロ) 第6回:2007年、スペイン(マドリッド) 第7回:2008年、ドイツ(カイザーズラウテン) Empirical Software Engineering Springer社 1996年に創刊 年に4回出版 13
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Fraunhofer Institute for Experimental Software Engineering
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EASEプロジェクト Empirical Approach to Software Engineering
文部科学省リーディングプロジェクト e-Society基盤ソフトウェアの総合開発 データ収集に基づくソフトウェア開発支援 システム 主要組織 奈良先端科学技術大学院大学、大阪大学 NTTソフトウェア、日立製作所、日立公共システム、 SRA先端技術研究所 平成15年度から19年度実施 社会に役立つプロダクトを作り、産業を 活性化させる 大阪(千里中央)にラボ 東京(田町)で定期的研究会開催
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実証データに基づく開発支援 自動データ収集 データ分析 生産性、信頼性改善のためのフィードバック 構成管理履歴 障害履歴
エンピリカル環境 自動データ収集 構成管理履歴 障害履歴 メール履歴 データ分析 メトリクス プロジェクト分類 協調フィルタリング ソフトウェア部品検索 生産性、信頼性改善のためのフィードバック 一部リアルタイムに 観察と規則化 過去のプロジェクトの具体的な事例 Data Collection Data Analysis Feedback
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出力例1:収集データの統合表示 開発者間でやり取りされたメイル総数(Mailman) コードチェックイン時刻(CVS) 問題発生時刻(GNATS) 問題解決時刻(GNATS)
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出力例2:SRGMによる残存バグ数推定
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EPM適用企業 NTTソフトウェア SRA先端技術研究所 日立システムアンドサービス 日立公共システムエンジニアリング 住商情報システム
三菱スペース・ソフトウェア JFEシステムズ サイバー創研 横河電機 ソフトウェアエンジニアリング技術研究組合(COSE) 日本電気、トヨタ自動車、デンソー、日立製作所、富士通、松下電器産業、NTTデータ 日本電子計算
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障害対応の進捗グラフ
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コンポーネント規模推移グラフ
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コンポーネント毎の更新回数の遷移
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EASEアプローチの効果 EPMにより、プロジェクトの進捗状況がリアルタイムに可視化できるようになった
今までは、数週間のタイムラグ 異常事態の早期発見が可能 委託先での状況を知ることができるようになった 状況把握のための手間が減少し、正確に分かるようになった 紙やエクセルベースの入力の手間が不要 間違いや不正が入り込む余地が少なくなった より深いデータの分析に踏み込めるようになった
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EASEは科学的か? 科学的とは? 科学的のちゃんとした定義は? 反証主義(科学哲学) 反証可能性があり、反証されていない仮説を「科学的仮説」 疑似科学(オカルト)との違い → 区別不可能 人間によって合理性が認められる理論を「正しい」、それ以外を「正しくない」 Wikipedia 「疑似科学」
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経験論/経験主義 Empiricism 人間の全ての知識は我々の経験の結果 理論は、直観や信仰より、観察に基礎に置くべき
その方法: 実験による調査研究、帰納的推論、演繹的論証 Wikipedia 「経験論」 アリストテレス
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定量的アプローチ 経験論に基づく科学的アプローチ しかし だが、他の反証に耐えうるアプローチは? 観察に基礎を置いている
ソフトウェア開発に関しては、実験環境の統一不可能? 実験計画法的なやり方で、ソフトウェア開発の変動要素をカバーできるか?比較実験ができるか? 現状を数値化し、評価したからといって、向上できるとは限らない だが、他の反証に耐えうるアプローチは?
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定量的アプローチ?
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岡田斗司夫のアプローチ 食べ物メモ 体重グラフ 最初フィードバックは自律的にかかること期待 やがて数字に着目したカロリー制御
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EASEのアプローチも同様か? メモする、記録する グラフにする 自律的なフィードバックを期待
やがて、ちゃんとした目標値に収斂させるプロセス制御 岡田氏のアプローチはPSP(Personal Software Process)的発想
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ソフトウェアタグ
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ソフトウェアの重要性と開発の複雑化 ソフトウェア品質に起因する問題の重大化と大規模化 ソフトウェアの大規模化と開発期間の短縮
重大な社会インフラが停止する 銀行や通信システム ユーザ・ベンダに莫大な経済的損失を与える 人命に関る危険を引き起こす 航空管制システム、自動車安全制御システム ソフトウェアの大規模化と開発期間の短縮 コストの低減や生産性の向上が要求される 31
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開発情報の不透明化 開発体制の複雑化 ソフトウェア部品の流用・再利用の拡大 受注ベンダから2次請け、3次請けという多重下請け構造
オフショア開発(海外へのアウトソース)の拡大 ソフトウェア部品の流用・再利用の拡大 COTS(Commercial off-the-shelf)、OSS(Open Source Software)など 発注 発注 二次請け 二次請け 二次請け 二次請け 発注 発注 一次請け 一次請け 一次請け 一次請け 発注 発注 二次請け 二次請け 二次請け 二次請け (海外) (海外) (海外) (海外) 発注者 発注者 発注者 発注者 元請会社 元請会社 元請会社 元請会社 一次請け 一次請け 一次請け 一次請け 32
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不透明化に伴う問題 発注者が納品物の品質を検証できない ユーザは要望に合ったソフトウェア商品を選択することができない
開発者任せになっている ユーザは要望に合ったソフトウェア商品を選択することができない 機能と値段などの情報は入手できるが、信頼性や保守性などについては検証する手段がない 問題が発生した場合、原因や責任の所在を突き止めることが困難である 迅速な障害対応が困難 法的な係争に発展した場合、長期化する 33
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ソフトウェアタグ ユーザが納品された、あるいは購入・流用したソフトウェアを安心して安全に用いるために、ソフトウェアの開発プロセスや成果物に関する情報を共有する仕組み 開発時に得られる種々の実証データをユーザに提供 二者間の取引で発注者のみに開示(一般公開なし) 目標タグ、途中タグ、最終タグ 期待される効果 発注者によるソフトウェアの品質の検証 ユーザによる適正なソフトウェア製品の選択の促進 問題発生時の対応の迅速化 透明性の拡大による法的問題の発生の予防と 早期の公正な解決の促進 Now I introduce the EPM tool that EASE project developed. EPM….. This tool targets the 3 types of development tools,….. We targets only open source tools. The features of EPM, or the reason why we develop this tool, ….. The difficulties of project management based on the quantitative data, Are collecting the latest data as soon as possible. If you ask the developers to show the size of code, They have to stop their activities, measure each file and summarize, write the reports and send to you. If someone delay, others go on coding and total size is changed next day. This tool solves these problem. 34
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開発現場におけるデータ計測 実証データの収集 品質管理、進捗管理、リスク管理、コスト管理 発注 開発データ 記録 納品 ソフトウェア開発者
ソフトウェア発注者 開発データ 記録 発注 納品 ソフトウェア開発者 ソフトウェア プロダクト 実証 データ データ収集 分析 フィードバック 35
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ソフトウェアタグと開発プロセス 実証データを選択、抽象化してタグにする 発注 開発データ 記録 納品 ソフトウェア開発者 ソフトウェア発注者
添付 抽出 タグ ソフトウェア発注者 開発データ 記録 発注 納品 ソフトウェア開発者 ソフトウェア プロダクト データ収集 分析 フィードバック 実証 データ 36
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タグ項目 プロジェクト情報(12項目) 開発プロジェクト及びシステムの基本情報 進捗情報(29項目) 開発プロセスの履歴や進捗に関する情報
進捗情報(29項目) 開発プロセスの履歴や進捗に関する情報 37
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プロジェクト情報の構成 基本情報 (4) システム情報 (2) 開発情報 (3) プロジェクトの階層構造情報 (2) その他 (1)
プロジェクト名、開発組織の情報、開発プロジェクト情報、 顧客情報 システム情報 (2) システム構成、システム規模 開発情報 (3) 開発手法、開発体制、プロジェクト期間 プロジェクトの階層構造情報 (2) 親プロジェクト情報、子プロジェクト情報 その他 (1) 特記事項 38
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プロジェクト情報の例 ......
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進捗情報の構成 要件定義 (3) 設計 (3) プログラミング (3) テスト (4) 品質 (8) 工数 (2) 計画・管理 (4)
ユーザヒアリング情報、規模、変更 設計 (3) 規模、変更、要件の網羅率 プログラミング (3) 規模、変更、複雑度 テスト (4) 規模、変更、密度、消化 品質 (8) レビュー状況、レビュー作業密度、レビュー指摘率、欠陥件数、欠陥対応件数、欠陥密度、欠陥指摘率、静的チェックの結果 工数 (2) 作業工数、生産性 計画・管理 (4) プロセス管理情報、会議実施状況、累積リスク項目数、リスク項目滞留時間 その他の成果物 (2) 規模、変更 40
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進捗情報の例 ......
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タグの規格の策定方法 ソフトウェアタグ規格技術委員会及びWGでの議論
第1回(2007年7月9日) ~ 第11回(2008年7月28日) タグ項目洗練のためのWG(2008年5月1日) 構成員 14組織 27人 SWEBOK、CMMI、ISO/IEC15939、 SECデータ白書等を調査 プロセス メンバーからの必要なメトリクスの提案 プロジェクト、プロセスの大分類とその下の中分類の導入 種々の規格との整合性チェック 利用シーンの検討 項目の整理、統合 42
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ソフトウェアタグ規格技術委員会 ベンダー ユーザー 政府 大学 富士通研究所 (Fujitsu Lab) 日立製作所 (Hitachi)
NEC シャープ (SHARP) SRA先端技術研究所 (SRA Key-Tech Lab) 東芝 (Toshiba) NTTデータ(NTT Data) 東京証券取引所 (Tokyo Stock Exchange) JAXA (Japan Aerospace Exploration Agency) デンソー(DENSO) IPA (Information Technology Promotion Agency, Ministry of Economy, Trade and Industry, Japan) 奈良先端科学技術大学院大学 (NAIST) 大阪大学 (Osaka University) ベンダー ユーザー 政府 大学 43
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利用モデル タグの利用モデル 委託開発時、ユーザが開発状況を知るため 重大問題発生時の原因究明や法的紛争時に、第三者による評価を行うため
ソフトウェアの開発形態、利用形態、ユーザなどに依存 典型例 委託開発時、ユーザが開発状況を知るため 重大問題発生時の原因究明や法的紛争時に、第三者による評価を行うため ソフトウェア部品等の評価を行うため 44
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1.委託開発時の利用モデル 納品物の品質について検証する 発注 開発データ 記録 納品 ソフトウェア開発者 ソフトウェア発注者 分析
添付 抽出 タグ ソフトウェア発注者 開発データ 記録 発注 納品 ソフトウェア開発者 ソフトウェア プロダクト データ収集 分析 フィードバック エンピリカル データ 開発中の品質・プロセスの検証も含む 45
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2.法的紛争時の利用モデル 問題の原因や責任の所在を精査する 発注 開発データ 記録 納品 ソフトウェア開発者 ソフトウェア発注者 分析
ソフトウェアライアビリティ 調停・仲裁人 検査 添付 抽出 タグ ソフトウェア発注者 開発データ 記録 発注 納品 ソフトウェア開発者 ソフトウェア 製品 データ収集 分析 フィードバック エンピリカル データ 46
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3.ソフトウェア部品等の評価の利用モデル 再利用プロダクトの品質を検査し、選定したり、リスクやコストを見積ったりする
再利用プロダクト の検索 ソフトウェア システム 再利用可能なソフトウェア プロダクト リポジトリ 信頼性検査 ソフトウェア開発者 ソフトウェア プロダクト 信頼性の高い プロダクト選定 47
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実証(エンピリカル)データ タグの証拠となるデータ 対象ソフトウェアに関する成果物や開発中に付随的に発生する種々の生のデータ
ソースコード、設計書、議事録、障害票、進捗表などのデータ 二者間で実証データの扱い協議して決める いろいろなやり方考えられよう 実証データは不要 そのまま実証データをタグに添付する(一部のみ、全部、…) 実証データはベンダーで保管。必要に応じてユーザが見る 暗号化してタグに添付。キーはベンダー保管。重大な不具合や問題が生じたとき等の原因調査、法的紛争時に復号化して開示 安全な第3者機関で保存 …
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タグの運用方法 すべての項目を網羅的にタグ化されることを求めない 収集データの対象物、対象範囲、粒度、収集期間(工程)受発注者間で取り決める
他の項目から算出可能な数値は、項目から除外 収集データのタグ化のタイミング、もしくは受注者への開示タイミングは、受発注者間の協議により決定される 納品時、工程毎、一定時間ごと(週次、日次)など 49
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タグのライフサイクル例 50
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階層的なタグの定義 メイン(親)タグ 親がない場合は,空白(Null) サブ(子)タグ サブ(孫)タグ
プロジェクトの構造 ≡ 木 (親子関係) 親プロジェクトは子プロジェクトへのリンク情報を持つ(その逆も) メイン(親)タグ 親がない場合は,空白(Null) プロジェクトID 親プロジェクトID サブ(子)タグ サブ(子)プロジェクト数(n) プロジェクトID サブ(孫)タグ サブ(子)プロジェクト1_ID 親プロジェクトID .... プロジェクトID サブ(子)プロジェクト数(n) サブ(子)プロジェクトn_ID 親プロジェクトID サブ(子)プロジェクト1_ID .... サブ(子)プロジェクト数(n) サブ(子)プロジェクトn_ID サブ(子)プロジェクト1_ID .... サブ(子)プロジェクトn_ID 51 51
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タグフォーマットの標準化 多様なユーザへの開示・流通を目的として、タグ情報の標準フォーマット化をXMLベースで実現する
SEDEX*:Software Engineering Data Exchange language SEDEX化された ソフトウェアタグ エンピリカル データ SEDEX*へ 変換 タグの可視化、 評価ツール タグの評価 受注側 発注側 52
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今後の課題 タグ利用シナリオの構築 タグ活用技術の研究・開発 いろいろな方面への展開 タグの具体化例の充実
紛争解決のためのタグ規格の実例 タグ活用技術の研究・開発 タグデータの収集、分析、可視化の手法とツール等の開発 いろいろな方面への展開 国内規格 海外規格 53
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FAQ1: 進捗報告会議でやってることと同じ
ほぼ同じようなことを定期的に打ち合わせで発注者に情報開示している。ソフトウェアタグとの違いは? 発注者と開発者できちんと情報交換して品質を担保しようとしている組織にとってはタグ項目はあたりまえ あたりまえでない開発が現状、多々ある。タグはそれを防ぐための最低基準 各社バラバラではない、統一の基準があると普及させやすい
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FAQ2: もっとデータが必要では? 41項目のデータだけでは十分品質を担保できないのでは? 品質改善の現場では、もっと詳細なデータ収集・分析している 当然たくさんのデータがあれば、より詳細な可視化が可能だが、収集コスト、実現可能性などのバランスを考えて決定 プロジェクト規模 大: 最低限のデータセット 中: 標準的なデータセット 小: 十分なデータセット 不十分な場合は、合意の上、別途、余分なデータを追加しても良い
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FAQ3: 本当に品質向上するか? ソフトウェアタグによってどれだけ品質向上するか、定量的なデータあるか?上司を説得できるケーススタディーあるか? 定量的に示すことは困難 食品のトレーサビリティの効果は? CMMIの効果は? 地道なデータの蓄積必要 品質向上に寄与することは間違いない データ開示による開発者の緊張感 発注者側も責任感
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FAQ4: コスト増大にならないか? 趣旨はわかるが、実証データの収集、分析、開示のためのコストが大きく、利益を大幅に削ってしまうのではないか? タグの項目の多くは、環境設定さえきちんとすれば、ほぼ自動的に収集できるもの タグ用のデータ収集、パッケージング化ツールを使えば、大きなオーバーヘッドにならない すでに組織内のプロセス改善活動用のデータ収集とオーバーラップしている EASEプロジェクト/IPAで開発したEPM(Empirical Project Monitor)、EASE創研
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FAQ5: タグ項目の詳細がよくわからない タグ項目の例は書いてあるが、いくつかの選択があるようで、どれを選ぶか、また、どのようなツールを使うかよくわからない 規格として詳細なレベルまで規定は困難 メトリクスの定義も論文によりけり種々ある現状 発注者、開発者間で、これで行きましょう、等の合意形成が必要 ある程度ツールが普及してくればデファクトスタンダードが決まる ケーススタディを積極的に開示していく
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FAQ6: 各種規格との関連は? 最近ソフトウェア開発や取引の透明性がいろいろ言われているが、どう関連するか。 工事進行基準等の会計基準
ソフトウェアタグは見積の根拠となるデータになりうる 経産省のガイドライン 情報システムの信頼性向上に関するガイドライン 情報システムの信頼性向上のための取引慣行・契約に関する研究会~情報システム・モデル取引・契約書~ ソフトウェアタグとは相互補完の関係 ソフトウェアタグのようなベンダとユーザ間で情報をやり取りするためのメディアがあると、ガイドラインや契約書の恩恵がより明確になる ガイドラインや契約書にしたがった開発が主流になれば、タグ項目の統一が容易になるなど、ソフトウェアタグの普及が促進される
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FAQ7: 世界の状況、反応は? 日本発の技術スタンダードに!
StagEプロジェクトと同じようことをやっているのはあるのか? 海外での反応は? 同じようなことをやっているのはない 実証データの収集、分析に関しては多くの研究あり(ISERN、IESE等) 実証データの発注者へのフィードバックに関しては、Basiliのグループが試み 近々に実証ソフトウェア工学の研究者や実務家が参入(?) オフショア関係者との懇談(主に中国) 非常に興味を持って動向注視 他社との差別化の手段 日本発の技術スタンダードに!
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StagEプロジェクト 文部科学省 次世代IT基盤構築のための研究開発 ソフトウェア構築状況の可視化技術の普及
文部科学省 次世代IT基盤構築のための研究開発 ソフトウェア構築状況の可視化技術の普及 2007年8月~2012年3月 研究代表者:奈良先端科学技術大学院大学 松本健一 研究分担者:大阪大学 井上克郎、楠本真二 奈良先端科学技術大学院大学 飯田元、久保浩三
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プロジェクト概要 = ソフトウェア・トレーサビリティの実現 背景:ソフトウェアに対する漠然とした不安
現代社会はソフトウェアに多くを頼っているが,それらがどのように作られどれだけ信頼できるか中身が見えない. ソフトウェアの品質や由来(どのような手順を踏んで開発されたかなど)を手軽に,正確に示すための技術を社会に提供する. 目的 利用するソフトが信頼できる作り手によってきちんと開発され,十分な品質を持っていることを知りたい 注文したソフトウェアがきちんと管理された方法で要求通りの品質を持って開発されていることを確認したい 優れた技術で高い品質のソフトを開発していることを正しく評価してほしい = ソフトウェア・トレーサビリティの実現 一般ユーザ ソフト発注者 ソフト開発者 アプローチ:食品におけるトレーサビリティと同様の概念をソフトウェアの開発過程で実現する ソフトウェアタグとは? ソフトウェア開発組織の プロファイルや開発プロ ジェクトから収集した様々 なデータを一定の形式で 整理し,ソフトウェア製品 に添付できるようにした もの.
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達成目標 ソフトウェアタグの規格化と普及 ソフトウェアトレーサビリティセンターの開設 アジアーオーストラリア圏研究開発共同体の形成
高度ソフトウェア技術者の育成
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実施体制/支援・連携体制 64
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近年のソフトウェア工学研究雑感
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近年のソフトウェア工学研究雑感 SES2008のプログラムを見て、SECのある幹部のつぶやき
プログラムはフォローしているが、重箱の隅をつついているようで、参加する気がしない…
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重箱化 本当? 実務家にとって魅力が薄かった 定量的に評価しようがない… これは事実だろう
しかし、ソフトウェア工学40年の歴史で、いつも言われ続けてきたこと ICSEにも同様の文句が多数の実務家からある
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ソフトウェア工学魅力倍増計画 … 新しい分野への挑戦 打って出るソフトウェア工学技術 産学連携をもっと活発に!
大規模計算(のための|を使った)ソフトウェア工学 並列、分散、超大規模データ収集、分析 … 打って出るソフトウェア工学技術 他の技術の下請け脱出を! SE技術を基にした新たな手法、基準、規格などを創出する 産学連携をもっと活発に!
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産学連携の重要性 ソフトウェア工学は、所詮、経済原則の上での科学? 経済感覚がないと研究の目標が定まらない
高いプロダクト品質、高いシステム性能、高い開発効率… 経済感覚がないと研究の目標が定まらない 産学連携を実施することで、感覚を磨く
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大学病院モデル 大学と社会との連携モデル 大学 大学病院 社会 患者・研修医、お金、ニーズ 人的資源、シーズ 研究費、 実データ、 実践知識
治療、知識やエキスパート普及 大学 大学病院 社会 70
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実践的ソフトウェア工学ラボ 大学 実践的ソフトウェア工学ラボ 産業界 実問題、 お金 人的資源、 アイディア 問題解決 実践的評価、 知見
人材 実践的評価、 資金、 ニーズ 大学 実践的ソフトウェア工学ラボ 産業界 71
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産学連携は難しい 年単位のプロセス 手間がかかる きっかけつかみ お互いのメリット見つける 契約 目標、成果の達成、取り扱い
論文にならない研究、実践で役立たない研究 科研費より効率悪い ? いろいろな考えの産業人。一枚岩でない。振り回される
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産学連携のコツ 営業が大事 対等なパートナーシップ 日本流の礼節、付き合い 持っている技術をわかりやすく説明
使えるかどうかは向こうの判断。こっちには予測不可能 対等なパートナーシップ Give and take の関係、お互いの目標、利益を尊重 打ち合わせに出向くのも交互 日本流の礼節、付き合い あいさつ 年度末報告 …
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産学連携のメリット 少々の手間を超えるメリット SEは、世の中の役にたってこそ存在価値あり 研究のネタ(ニーズ)の発見 産業界の動き把握
実践的な研究評価ができる 論文の時の強みになる SEは、世の中の役にたってこそ存在価値あり
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