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担当者: 河田 正樹 e-mail: kawada@tokuyama-u.ac.jp 2013年度 経済統計講義内容 担当者: 河田 正樹 e-mail: kawada@tokuyama-u.ac.jp.

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1 担当者: 河田 正樹 e-mail: kawada@tokuyama-u.ac.jp
2013年度 経済統計講義内容 担当者: 河田 正樹

2 このスライドの内容 Ⅰ 経済統計とはどのようなものか Ⅱ 講義でとりあつかう内容 統計(statistics)の2つの意味
Ⅰ 経済統計とはどのようなものか 統計(statistics)の2つの意味 統計学とはどのようなものか 経済統計(economic statistics)の守備範囲 Ⅱ 講義でとりあつかう内容 経済に関するデータ 経済データを用いた分析 経済データの入手

3 a) 統計(statistics)の2つの意味
Ⅰ 経済統計とはどのようなものか a) 統計(statistics)の2つの意味 統計とは、英語でstatisticsと表される。 反対に、英語のstatisticsを辞書で調べると、   ①統計   ②統計学  という2つの訳語が出てくる。 では、統計と統計学はどのような違いがあるのであろうか。そもそも統計学とはどのようなものであろうか。

4 直観的であいまいな観察に、客観性を与えてくれる。
b) 統計学とはどのようなものか  (問) 大学から徳山駅まで、車で何分かかるのを知りたい。      どのようにすれば知ることができるだろうか? いつも大体、15分ぐらいで着く。    ⇒ 15分というのはきちんと測定した数値ですか? 実際に車で走ってみた。そのとき16分30秒かかった。    ⇒ 実際に測定した数値ですが、1回だけ良いのでしょうか? ※ 数多くの観察(実験)をおこなった結果、大学から駅まで何分かかるかを知ることができる。 直観的であいまいな観察に、客観性を与えてくれる。

5 駅まで車で何分かかるかを、わざわざ多数観察することは必要か?
   ⇒ 必要と思う人と、思わない人がいるであろう。    ⇒ しかし、駅までの所要時間が分かれば、効率的に行動することができる。    ⇒ 実際に測定すべきか、なんとなくの時間でよいかは、その人の状況によって       異なる。 この観察をおこなうときに、「時間帯」、「時期」、「曜日」、「天候」などについても同時に観察することも考えられよう。 これらのデータの間にから何を見出せるのであろう? ⇒ (例) 雨の日は通常より時間がかかる       夕方は日中より時間がかかる   など われわれは、得られたデータ間に見いだされた関係から、将来より効率的に行動するために、何を学びうるであろうか?    ⇒ (例)雨の日や夕方に大学から駅まで車で行くときには、所要時間が多くかかることを予測し、行動することが効率的である。

6 統計学 統計 統計学とは、分析目的に対応してデータを収集し、分析することによって、予測や意思決定のための材料を提供する学問である。
「経験」を効率的に整理する(少ない経験で、豊富な経験と同等の知識を持つ)ためには、統計学の助けが必要不可欠である。 統計学 予測・ 意思決定 分析目的 データの収集 分析 統計 一方、統計とは分析目的に対応して収集されたデータのことを指す。統計学で用いられるデータは、数値で表わされたものである。

7 c) 経済統計(economic statistics)の守備範囲
 statisticsの2つの意味に対応して、経済統計(economic statistics)にも2つの内容があり、この科目では、その両方について学ぶ。 経済に関するデータについて、それらがどのようにして作成され、どのような特徴をもつのかを学ぶ(経済統計論)   → データを収集することは意外と難しい。得られたデータの裏にはさまざまな苦労があり、それゆえそれぞれ特徴を持つ。 経済データを用いてどのような分析がおこなえるかを学ぶ(経済統計学)   → データを分析する場合、そのデータの特徴に合わせた分析をおこなわなくてはならない。

8 Ⅱ 講義でとりあつかう内容 <前半> 日本の統計制度 全数調査と標本調査 人口に関する統計 労働に関する統計 家計に関する統計 <後半>
Ⅱ 講義でとりあつかう内容 <前半> 日本の統計制度 全数調査と標本調査 人口に関する統計 労働に関する統計 家計に関する統計 <後半> 物価指数 時系列データの分解 景気指標 国民経済計算 <前半> 主に個別のデータがどのようにして作成され、どのような特徴を持つかを学ぶ。基礎知識として、日本の統計制度と、全数調査と標本調査について学ぶ。 <後半> 個別の組み合わせた指標がどのように作成されるか、どのような意味を持つかを学ぶ。時系列データの分解は景気指標の基礎知識となる。最後に、日本経済の全体像をみる国民経済計算について学ぶ。 データを用いた分析については各章の中で紹介し、その中のいくつかを実際におこなってみる。

9 経済学を学ぶとき、経済ニュースを目にするとき、さまざまな数字を目にする。これが経済データ(経済統計)である。
a) 経済に関するデータ <経済データと、関連用語の例> 経済学を学ぶとき、経済ニュースを目にするとき、さまざまな数字を目にする。これが経済データ(経済統計)である。 右にあげたのは経済データと、それに関連する用語の一例である。これらをきちんと説明することができますか? 合計特殊出生率 完全失業率 有効求人倍率 季節調整値 消費者物価指数 実質可処分所得 ジニ係数 GDP

10 (例) 合計特殊出生率(Total Fertility Rate)
 合計特殊出生率とは、母親の年齢別出生率をすべて加えたもので、 1人の女性が一生の間に生む平均子供数  とみることができる。  合計特殊出生率が2を下回る→将来における人口減少を意味する。 親世代 子世代

11 どのような政策をとるか 将来における人口減少 → 労働力の不足 → 経済の衰退 → 年金の財源不足 ・ 少子化対策 ・ 年金制度改革
 → 労働力の不足 → 経済の衰退  → 年金の財源不足  どのような政策をとるか  ・ 少子化対策  ・ 年金制度改革 ⇒ さまざまな経済政策にデータが利用される。    (ほかには、失業率が雇用政策の基礎データ など) ⇒ 一方で、民間企業の戦略にもデータが利用されている。  (家計消費が増えれば生産を増やす など)

12 b) 経済データをもちいた分析  経済データをもちいた統計的分析をおこなうことによって、過去や現在の経済の状況を把握したり、将来の予測をおこなうことができる。また、経済学のさまざまな理論は、この経済データをもちいた分析によって検証することができる (例)エンゲルの法則  所得が低ければ低いほど、消費支出に占める食料費の割合が高くなる。  この法則を検証するためには  → 年間収入階級別の消費支出と食料費のデータによる分析をおこなえばよい。

13 (H24年 年平均, 全国, 2人以上世帯のうち勤労者世帯)
表 年間収入5分位階級別消費支出・食費・エンゲル係数 (H24年 年平均, 全国, 2人以上世帯のうち勤労者世帯) 年間収入5分位階級別データとは、すべての世帯を、年間収入の大きさの順に並べて、世帯数が等しくなるように5つに分けたものである。 低収入 高収入 433万円 556万円 697万円 897万円 ※ このデータの場合の境界値はこのようになる。

14 この分析により日本の家計について、エンゲルの法則が成立していることがわかる
 この分析により日本の家計について、エンゲルの法則が成立していることがわかる ※ なお、この講義であつかう統計分析は、初歩的なものに限定している。より高度な統計的分析は計量経済学の講義でとりあつかう。

15 経済データによって、経済の現状を把握したり、それをもちいた分析をおこなったりする場合、最初にデータを入手する必要がある。
c) 経済データの入手  経済データによって、経済の現状を把握したり、それをもちいた分析をおこなったりする場合、最初にデータを入手する必要がある。 入手先としては、次のような資料が考えられる。 1次資料 - 統計を作成する機関による報告書 2次資料 - さまざまな統計のうち、主要なものをまとめた 統計集  データの公表媒体としては、 ①紙媒体(報告書、資料集など) ②電子媒体(CD-ROM、webなど)  があるが、現在では1次資料、2次資料ともに多くのものが電子媒体で公表されている。ただし、過去にさかのぼって分析をおこなう場合には、紙媒体のものしか利用できないこともある。

16 総務省統計局のホームページでは、日本統計年鑑収録のデータをExcel形式で入手できる
経済データに関する代表的な2次資料 日本統計年鑑(総務省統計局) 経済統計年鑑(東洋経済新報社)     →2005年版をもって休刊 民力(朝日新聞社)  総務省統計局のホームページでは、日本統計年鑑収録のデータをExcel形式で入手できる

17 総務省統計局のホームページには、統計局で実施している統計調査の結果表(1次資料)が多数掲載されている。
これらは、他府省で作成された統計調査の結果表とともにe-stat(政府統計の総合窓口)というサイトに、移行中である。 e-stat(政府統計の総合窓口) 韓国・中国の中央統計局は以下のとおり 大韓民国統計庁 中華人民共和国国家統計局 これらは河田の講義用HPからリンクあり


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