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Published byきゅうた かせ Modified 約 7 年前
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Journal of Investigative Dermatology, 15 May 2014 Loss of Collagen VII Is Associated with Reduced Transglutaminase 2 Abundance and Activity Ⅶ型コラーゲンの欠損はトランスグルタミナーゼ2発現量と活性の低下に関わる ゼミ M2 中山千華
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Ⅶ型コラーゲン トランスグルタミナーゼ <ケラチノサイトの角化> 本実験では、
・表皮角化細胞、真皮線維芽細胞の両方から分泌される ・基底膜中のラミニン332と結合し、真皮-表皮を接着する (Nystrom et al., 2013, Moethods Mol Biol) ・Ⅶ型コラーゲンの欠乏は、 線維化・潰瘍形成・皮膚癌の 誘発等、細胞や組織に様々な影響を与える (Fritsh et al., 2008, J Clin Invest) ・COL7A1遺伝子異常により 栄養障害性表皮水泡症(RDEB)を引き起こす 水泡やびらんが全身に繰り返し出現し、傷痕が残る (Ng et al., 2012, Cancer Res) <ケラチノサイトの角化> ケラチノサイトは分化の最終段階において細胞膜を強固なものにするため、細胞膜周辺にタンパク質を凝集。 ↓ TGM(transglutaminase) によって架橋 周辺帯と呼び、細胞間脂質の基礎にもなっている。 TGM3:少数のタンパク質を架橋しオリゴマーを形成。 TGM1:TGM3によって形成されたオリゴマー同士を架橋し巨大な構造を作る。 トランスグルタミナーゼ ・哺乳類では8種類見出されている酵素であり、グルタミン残基とリシン残基を架橋する ・皮膚においては、少なくともTGase1, 2, 3, 5の存在が確認されている (Raghunath et al., 1998 Arch Dermatol Res) 真皮層におけるコラーゲンの70%はコラーゲンが占めています。 そのうち90%はⅠ型コラーゲンが占めていますが、他にも重要な役割を担っているコラーゲンがいくつかあります。 三型コラーゲンはⅠ型コラーゲン付近で血管周りに存在し、 Ⅳ型コラーゲンは基底膜を構成している非線維型のコラーゲンです。 今回取り上げるⅦ型コラーゲンは基底膜と真皮コラーゲンとをつなぐ役割をしていて、図のように釣鐘状のコラーゲンです。 本実験では、 RDEB患者由来のNHDFを用いて、Ⅶ型コラーゲンの欠損が細胞内のタンパク質変動に与える影響を網羅的に調査し、さらにⅦ型コラーゲンと安定結合するTGM2の活性と発現量を評価した。
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Fig① Ⅶ型コラーゲン欠損線維芽細胞にみられる特徴
Supplementary Figure Ⅶ型コラーゲンの欠損が認められた RDEB/NHDFの方が接着能が弱い 7型コラーゲンの欠損は、細胞内タンパク質様々な構造的または機能的な影響を与えると言われている。 中でも、7型コラーゲンに依存する細胞形質を特定するため、筆者達は、ノーマル細胞と RDEB繊維芽細胞とを比較した。 まずは、コラーゲンの欠損をウエスタンにより確認 その後、図aにおいて、RDEB患者由来の線維芽細胞の方が早く・多く剥がれることが分かりました。 つまり、コラーゲンの減少により接着能が落ちていることになります。 6型コラーゲンの欠損はオートファジー活性を下げることがほうこくされている→7型コラーゲンではどうかということで、ウエスタンと蛍光免疫染色で確認 →刺激しない状態でオートふぁごそ―まるマーカーであるLC-3ⅡがRDEBにおいて多い。 リソソームのATPaseを阻害し、オートふぁごソームの分解を抑制する コンカナマイシンAで刺激すると、コントロールとRDEBでは同程度のLC3-②が認められた LC3②が残っている方がオートファジーの活性が弱いということです つまり、図bにおいて、7型コラーゲンが欠損している場合はオートファジーの活性が低いことが分かる (C-A:コンカナマイシンA) RDEB/NHDFの方がオートファジー活性が低い
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細胞内におけるタンパク質の分解 オートファジー経路
LC3はオートファジーが進むにつれ分解されるものであるがオートファゴソームの外側のLC3-IIはAtg4によってPEから切断され、再びLC3-Iに戻ることが出来ますが、オートファゴソームの内側のLC3-IIは、オートファゴソームがリソソームと融合すると分解されます。 Singh, R. (2011). Aging (Albany NY), 3(10), 934.
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Fig① Ⅶ型コラーゲン欠損線維芽細胞にみられる特徴
正常NHDFにおいてshRNAを用いてCOL7A1をノックダウン 次にshRNA LC3はオートファジーが進むにつれ分解されるものであるがオートファゴソームの外側のLC3-IIはAtg4によってPEから切断され、再びLC3-Iに戻ることが出来ますが、オートファゴソームの内側のLC3-IIは、オートファ Bafだけの処理はbasalのTGFなしでもオートファジー活性があることを示している。(LCⅡの増加) Bafとは違いMG132によるプロテアソーム阻害はCOL1を抑制した mRNA発現量・タンパク質分泌量ともに減少し、オートファジー溶解能も低下した
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Sample. Age at biopsy. Gender. Sampling location. COL7A1 mutation
Sample Age at biopsy Gender Sampling location COL7A1 mutation Reference ctrl1 3 y m foreskin - (Küttner et al.,2013) ctrl2 4 y m foreskin - (Küttner et al.,2013) ctrl3 9 y m foreskin - (Küttner et al.,2013) pt1 4 d f thigh 425A>G/ 682+1 G>A (Kern et al, 2009b) pt2 36 d m thigh 425A>G/ c.5261dup (Kern et al, 2009b) pt3 6 d f undisclosed 1732C>T/ 1732C>T (Kern et al, 2006) pt4 8 d m undisclosed c1934del/ c1934del (Kern et al, 2009b)
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Fig②RDEB患者由来のNHDFにおける細胞内タンパク質の変化
〇 〇 RDEB細胞の形質に影響を与えている細胞内標的タンパク質を特定するため、 無作為量的プロテオミック解析を行った。 これは、複雑なタンパク質サンプル中のタンパク質の同定と発現量の比較定量を行うためのもので、 図aのように、SILAC(stable isotope labeling using amino acids in cell culture) と書いてますが、細胞培養時に安定同位体標識されたアミノ酸を代謝的にタンパク質に導入したサンプルを調製し、質量分析器によってタンP九質の同定と定量を行う方法です。 〇 〇 (左)2048個のタンパク質を定量した Controlと比べてRDEBで有意に増加したものは134個 減少したものは157個 (右)それらをカテゴリーに分類した
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Fig②RDEB患者由来のNHDFにおける細胞内タンパク質の変化
Up regulated Down regulated DAVIDばいおインふぉまてしくすによってさらに解析した 〇を付けたものに関しては、そのうちのタンパク質ごとの例がある ECMに関しては、オートふぁごソームが分解されずに残っているからかもしれない Vesicle 小胞体による輸送に関わるタンパク質 小胞体を形成するタンパク質 テネイシンC、コラーゲン、Secretory Protein Acidic and Richin Cysteine それぞれ細胞外基質タンパク質 ミニ染色体維持複合体 というDNA複製タンパク質 と 細胞接着に関わるものが減少しました →
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Fig③Ⅶ型コラーゲンの結合パートナーの特定
プロテオミック解析ではRDEBにみられる形質にどのタンパク質が影響を与えるのかは特定できたが、 それらがⅦ型コラーゲンの欠損と直接関係があるのか、間接的にor二次的に影響を及ぼしタンパク質の変動に影響を与えているのかはまでは分かりませんでした。 そこで、認められたタンパク質の変動と病状はコラーゲン欠損と関係があるのか確かめる為に、 線維芽細胞におけるⅦ型コラーゲンの結合パートナーを探しました。 まず、さっきのSILAC法で同位体アミノ酸で標識したあと、Ⅶ型コラーゲンと免疫親和性のあるタンパク質を溶出します。 次にそれらを合わせてマス解析します Combinedの方では、どちらも合わせてから 結果、separeは一時的な結合、combinedは安定結合のものを別々に識別できる
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Fig③Ⅶ型コラーゲンの結合パートナーの特定
コラーゲンとの一時的結合タンパク質は、ミオシン・アクチン結合タンパク質、接着に関わるタンパク質 緑 Stableは4つのタンパク質が見つかった 赤(PLOD3は水酸化酵素、GLT25はリシ残基のガラクトシル化酵素コラーゲンのGly-X-Lysリピートの) NFICは核内転写因子I/Cと、Ⅶ型コラーゲン:固定線維の架橋に関わるTGM2 Dはウエスタンでの確認 Ⅶ型コラーゲンの架橋に関係すると報告されていたTGM2が、Ⅶ型コラーゲンとの安定結合パートナーであることが示された TGM2はⅦ型コラーゲンとの安定結合パートナーである
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Fig④Ⅶ型コラーゲン欠損線維芽細胞におけるTGM2の発現・活性
TGM2はⅦ型コラーゲンのstable結合パートナーであり、オートファジーを調節するため、 コラーゲン欠損にみられる形質に大きな影響を与えていると考えられる そのため、Ⅶ型コラーゲン依存のTGM2の調節に注目した。 RDEBにおいて、TGM2のmRNA・タンパク質発現量はコントロールに比べて減少した。 RDEB患者由来のNHDFにおいてTGM2はmRNA発現量・タンパク質分泌量ともに減少した
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Fig④Ⅶ型コラーゲン欠損線維芽細胞におけるTGM2の発現・活性
・コントロール基質or組換えⅦ型コラーゲンを培地に12時間添加して培養後、蛍光免疫染色 これは、蛍光免疫染色によっても確かめられた(D) 細胞外のⅦ型コラーゲンは、TGM2の発現を回復させることができるか確かめた (e) (これらの細胞を12時間、組換えⅦ型コラーゲンorコントロール基質の中で培養した) →回復することが分かった。 細胞外のⅦ型コラーゲンは、RDEB患者由来のNHDFにおいてTGM2発現を回復した
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Fig⑤RDEBにおけるTGM2活性の評価
RDEB患者由来のNHDFにおいてPABの取り込み能が減少した TGM2は高度に調節された酵素です。 その架橋能活性は遺伝子発現・タンパク質の局在化・補因子の存在・酸化還元状態に調節される。 ビオチン標識によって、TGM2の標的タンパク質として共有結合するPAB(ペンチルアミン)の取り込み率を確かめることによりTGM2の活性を評価した。 (B)生体レベルでの価を行うために、皮膚組織の低温切開切片におけるTGM2の活性を評価した 皮膚には1、3、5のTGMがみられそれらは、有棘層・顆粒層で発現しているが、2は真皮と基底膜で発現している。 ノーマルスキンでは、表皮上層・基底膜・真皮において発現が確認されるが、RDEBスキンでは基底膜と真皮においては減少していることが分かる TGMの基質となる カルシウム存在下においてビオチン標識カダべリンは (c) さらにTGM2に架橋されるグルタミルーリシンーイソペプチド結合はRDEBの真皮において減少した コラーゲンの欠損はTGMの活性を低下させ、細胞外基質の構造をへんか させることが分かった。 RDEB患者由来の皮膚組織切片においてTGMの活性が低下した
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総括 ▶Ⅶ型コラーゲンの減少によるタンパク質の変動やⅦ型コラーゲンの結合パートナー等、分子メカニズムが明らかになった
①Ⅶ型コラーゲン欠損による様々な形質の変化 ・接着能、オートファジー活性の低下 ②RDEB患者由来のNHDFにおける細胞内のタンパク質 ・小胞体輸送関連、ECM⇧、ミニ染色体維持複合体、接着因子⇩ ③Ⅶ型コラーゲンの結合パートナーの特定 ・TGM2は安定結合する ④、⑤Ⅶ型コラーゲンの欠損による形質変化とTGM2との関係 ・RDEB患者由来のNHDFにおいて、TGM2の発現量は低下するが、 Ⅶ型コラーゲン添加培地で培養すると回復する ①Ⅶ型コラーゲン欠損による様々な形質の変化を確認しました ・接着能、オートファジー活性の低下 ②RDEB患者由来のNHDFにおける細胞内のタンパク質をプロテオミック解析を用いて網羅的に解析したところ、 ・小胞体輸送関連、ECM⇧、ミニ染色体維持複合体、接着因子⇩ が特に認められまℋした しかし、RDEBの変動タンパク質は同定できたが、コラーゲンの欠損により直接的にそれが起こっているのかは分からないため、 コラーゲンと結合するタンパク質を特定しました ③Ⅶ型コラーゲンの結合パートナーの特定 ・TGM2は安定結合することが分かった。 Ⅶ型コラーゲンのクロスリンキングに関係するということは示されていたが、直接結合することは初めて分かったらしい。 ④、⑤Ⅶ型コラーゲンの欠損による形質変化とTGM2との関係 ・RDEB患者由来のNHDFにおいて、TGM2の発現量は低下するが、 Ⅶ型コラーゲン添加培地で培養すると回復する ▶Ⅶ型コラーゲンの減少によるタンパク質の変動やⅦ型コラーゲンの結合パートナー等、分子メカニズムが明らかになった …RDEBの原因療法の解明に繋がる
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