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○田中康寛、新海貴史、津野洋(京都大学) 松村千里、中野武(兵庫県立健康環境科学研究センター)
PCBsの生物濃縮に伴う異性体分布変化 ○田中康寛、新海貴史、津野洋(京都大学) 松村千里、中野武(兵庫県立健康環境科学研究センター)
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背景及び目的 ムラサキイガイを用いたPOPsのモニタリング 目的 PCBsの異性体分布が生物濃縮の過程でどのように変化するか調査
環境中よりも高い濃度レベルで測定が可能 定住性であるためその地点の汚染を知ることが出来る 積分値の測定データを得ることが出来る 世界中に分布し、広く調査が行われている 濃縮のメカニズム等まだ明らかにされていない部分が多い 目的 PCBsを中心とするPOPsのムラサキイガイへの濃縮特性を把握 PCBsの異性体分布が生物濃縮の過程でどのように変化するか調査
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調査概要 場所:大阪南港 採取日:6月25日 試料 ムラサキイガイ(軟体部10g-wet) 海水(6L) SS(海水をろ過したもの)
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PCBs分析(ムラサキイガイ) 試料(軟体部) ↓―――アセトン50ml ホモジナイズ ↓ 遠心分離(3000rpm,10min)
↓―――1N KOHエタノール溶液 70ml アルカリ加水分解(80℃,1h)放冷後分液漏斗に移す ↓ ―――n-ヘキサン75ml,水75ml,サロゲート(MBP-CG 1000pg) 振盪しヘキサン層と水層に分離 ↓ ↓ (ヘキサン層) (水層)n-ヘキサン75mlを加え振盪後分離 (ヘキサン層) (水層) 硫酸洗浄(98%H2SO4 50ml) ×2 水約100mlで水洗 ×5、無水硫酸ナトリウムで脱水 窒素噴きつけ濃縮で約0.1mlに濃縮 ↓―――シリンジスパイク 1000pg GC/MS
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PCBs分析(水、SS) 試料(海水6L ) ↓ ろ過(Whatman GF/C) (ろ紙) (ろ液)
(ろ紙) (ろ液) ↓―――アセトン30ml ↓ n-ヘキサン200ml 超音波振盪後遠心分離 ×2 24時間スターラーで攪拌 (上澄み液を分液漏斗へ移す) ↓――― n-ヘキサン30ml 超音波振盪後遠心分離 ×2 (ヘキサン層) ↓ ―――サロゲート1000pg, 水300ml ―サロゲート1000pg 振盪し有機層と水層に分離 (ヘキサン層) ↓ 硫酸処理(98%H2SO4 50ml) ×2 硫酸処理(98%H2SO4 50ml) ×2 ↓ ↓ 水約100mlで洗浄 ×5、脱水 水約100mlで洗浄 ×5、脱水 濃縮(約0.1ml) 濃縮(約0.1ml) ↓―――シリンジスパイク1000pg ↓ ―シリンジスパイク1000pg GC/MS GC/MS
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GC/MS サロゲート Wellington MBP-CG Mono to Decachrolo mixture シリンジスパイク
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海水はD2CBs、T3CBsの占める割合がSS、ムラサキイガイと比べて高い
PCB 同族体分布 海水はD2CBs、T3CBsの占める割合がSS、ムラサキイガイと比べて高い 海水 SS ムラサキイガイ SSとムラサキイガイではT4CBsが最も高い。 ムラサキイガイはH6CBsの濃度が高くなっていた。
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M1CBs #1 #3 海水 #2 SS ムラサキイガイ KC SS以外はKCに近い分布を示した
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海水で#4がやや高くなるがどの試料でもほぼ同じ分布を示した。#11がKCと比較して高くなっているのは地域的特徴と考えられる
D2CBs #11 #4 海水で#4がやや高くなるがどの試料でもほぼ同じ分布を示した。#11がKCと比較して高くなっているのは地域的特徴と考えられる
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T3CBs #18 #31 #28 KCと同様の分布を示した
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T4CBs #44 #69 #52 #70 KCと同様の分布を示した。試料間による差異は認められなかった。
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P5CBs #101 #110 #118 KCと同様の分布を示した。試料間による差異は認められなかった。
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#153 H6CBs #138 #139 KCと同様の分布を示した。試料間による差異は殆ど認められなかった。
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H7CBs #174 #170 #187 #180 #170や#174などの異性体はムラサキイガイに蓄積されにくいことが分かった。
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O8CBs #201や#202などの異性体はムラサキイガイに蓄積されるが#199や#194は蓄積されにくい。 #199 #201 #202
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濃縮係数 SSの海水に対する濃縮係数は置換塩素数が増えるにしたがって高くなる傾向がある。
H6CBsや#187 (H7CB)は濃縮係数が高く、ムラサキイガイに蓄積されやすい。
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まとめ 大阪南港で採取した海水、SS、ムラサキイガイ中のPCBs濃度を測定し比較した。
海水ではD2CB,T3CBの占める割合が高かったのに対し、SS、ムラサキイガイはT4CBの占める割合が高くなっていた。ムラサキイガイではH6CBの占める割合が他の2試料よりも高かった。 D2CB~H6CBはどの試料も分布に大きな差異はなく、KCの分布を反映していた。 H7CB、O8CBでは#170、#174、#199などムラサキイガイには蓄積しにくい異性体が存在することが明らかとなった。
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