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情報(イントロ) 田浦健次朗 2010/4/9
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はじめに 駒場授業への勝手なイントロ 情報を学ぶことの動機付け 本講義のロードマップ
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駒場授業への勝手なイントロ おすすめの勉強法・心構え 主に理系科目, 特に数学
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高校までの授業との表面的な違い 先生の教え方が ... なことが多い 予備校 > 高校 >> 大学 教科書が難しい
高校時代は教科書は易しすぎて,難しい参考書で 勉強していた 問題演習が少なくて理論の説明が長い 高校時代は新しい問題を解くのが日常だった
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根本的な違いは? 原理(法則,定理)を習い,それを適用して習得する という方法論が根本的に違うわけではない 違い(勝手な要約)
個別の事象・問題に対するひらめきよりも,「そ れを必要としないくらい強力・一般的な定理・法 則」を重視する よって大学レベルでは一つのストーリーが長い ストーリーの「クライマックス(強力な定理)」に 至るまでを,「長い,難しい,何やってるか分からな い」と感じる かつストーリーが厳密(定理はよく見るとつなが っている)
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例:線形代数 クライマックス:ジョルダン標準型 高校で「行列の対角化」をやったはず 高校ではっきりやらなかったこと
どんな場合でも対角化できるのか? 対角化できな い行列は,代わりにどんな「標準化」が可能なのか ? 2x2 (3x3)より大きな行列の場合にはどうなるか? ジョルダン標準型はそれへの一般的かつ完全な 答え
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例:微分 (一つの)クライマックス:ラグランジュの未定乗数 法 高校で「微分を用いた関数の極大極小」をやっ たはず
高校ではっきりやらなかったこと 変数が複数ある関数の扱い その変数が「ある条件」を満たす範囲しか動け ない場合の扱い(条件付き最大最小) ラグランジュの未定乗数法はそれへの一般的な 答え
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お勧めの心構え(I) ストーリーの「クライマックス」が何かを自分 なりに理解する(自分がそう思えるものでよい)
そこに至る道筋・つながりを頭の中で構築する 道筋が分かっていれば細かい定理は多少流して もよい(少しくらい分からなくても落ち込まない) ヒント: 教科書の「前書き」,「こころ」をざっく ばらんに語ってくれる参考書・読み物
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「こころ」を語ってくれる本の例 森毅 現代の古典解析-微積分基礎過程(ちくま学芸 文庫) 森毅 ベクトル解析(gay math 3)
物理数学の直感的方法 ... (自分にあった本があるはず)
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お勧めの心構え(II) あくまで高校までの延長として理解する ジョルダン標準型は「対角化」の延長
ラグランジュの未定乗数法は「条件付き最大最 小問題」の延長
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お勧めの心構え(III) やはり問題は解く 高校数学での「個別の問題に対する頭の回転」 を試す色彩は弱くなる
具体的な計算をやりながらも,「定理の強力さを 味わう」
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情報・計算機を学ぶ動機付け
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第三の科学 第一: Experimental Science (実験科学) 現象の観察・個別的発見
第二: Theoretical Science (理論科学) 少数の支配法則への還元 第三: Computational Science (計算科学) 複雑な現象のコンピュータによるシミュレーシ ョン (第四: Data-Intensive Science 大量の観測データ+ネットワーク+コンピュータ による情報・知識抽出)
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計算科学の典型例: 微分方程式シミュレーション
計算科学の典型例: 微分方程式シミュレーション 物理・化学etc.で黎明期からの計算機の利用法 典型的パターン: 現象を微分方程式で記述 解析的な解はたいがい求まらないので数値的に シミュレーション 原理はとても簡単
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一番簡単な例 バネの振動 m a = – kx – l v プログラム(右) ほんとにこれだけ def main():
dt = # 時間刻み t = 0.0 for i in range(1000): # ma = F x__ = - (l/m) * x_ - (k/m) * x x = x + x_ * dt x_ = x_ + x__ * dt t += dt print t,x main() バネの振動 m a = – kx – l v プログラム(右) ほんとにこれだけ
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阿久津: バイオインフォマティクスの数理とアルゴリズム
データ中心の科学の例: 生物情報 聞いたことがあると思われる話 ゲノムという「A, C, G, Tから成る塩基配列」に すべての遺伝情報が入っている ヒト: 30億, ショウジョウバエ: 1.8億, 大腸菌: 400 万 ヒトを含め多数の種についてその塩基配列の読 み取りが完了, データベース化されている ゲノム中の塩基3文字が20種類のアミノ酸のどれ かに対応し,たんぱく質はアミノ酸の配列 「原理的には」ゲノムが, どのようなたんぱく質 を作れるかを決定している 阿久津: バイオインフォマティクスの数理とアルゴリズム
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したがって数多くの生物学的な問いに対して,計 算機による情報処理が重要・基礎的な道具を提供 する
ゲノムの読み取り: 短い配列の断片をつないで一 つの配列に復元する 塩基配列の類似度: 未知の配列の機能を,似た(機 能が既知の)配列から推定する 生物の進化系統樹の作成 : 配列の類似度から,進 化の過程を復元する
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情報技術の基礎 数学(特にソフトウェア・プログラミングの基礎) 情報の符号化, 暗号 プログラムの正しさ,効率 物理・電子工学
通信技術(例えば光ファイバ通信) ストレージ技術 量子コンピュータ 数多くの基礎的科学が,「情報技術のブレークス ルー」という動機付けを持つことができる
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本講義について 目標 「自然科学の道具としての計算機利用」ができ る程度の実技を習得(目標:簡単なプログラミング)
情報・計算機それ自体が奥深い,面白いと思える いくつかの技術の理解 他の分野との接点が感じられ, 他の科目の動機付 けとなるべく「情報処理・計算機・通信のしくみ 」を理解する(難しい)
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本講義のロードマップ コンピュータにおける情報の表現 ファイルとその中身 コンピュータの仕組み 通信・ネットワーク,インターネット
情報の符号化,その限界 ファイルとフォルダ コマンドライン プログラムの仕組み 通信の符号化,その限界 暗号 簡単なプログラムの作成・実行 Excelで計算・データの可視化 基礎的概念 (本講義中では)やや高度な概念 実技・実践
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