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景気動向指数(DI) 専修大学 経済統計学・経済の世界 作間逸雄
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『日本経済新聞』
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DIとは。 DIは景気に敏感な複数の経済指標を選定し,そのうち上昇(拡張)を示している指標の割合を示すものであり、景気局面の判断、予測と景気転換点(景気の山・谷)の判定に用いる。先行・一致・遅行の3指数がある。 DI=Diffusion Index (“diffusion”は、拡散、普及、波及) 経済の様々な局面に景気が波及してゆくイメージを数字(指数)にしている。二次統計である。
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DIの作成方法 採用系列の各月の値を3ヵ月前の値と比較して、増加した時には+を、保合いの時には0を、減少した時には-をつける。それを表にしたものが「変化方向表」である。 その上で,先行,一致,遅行の各系列群ごとに,採用系列数に占める拡張系列数(+の数)の割合(%)をDIとする。 DI=拡張系列数/採用系列数×100(%) (保合い(0)の場合は0.5としてカウントする)
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DIの見方(1) DIには,景気に対し先行して動く先行指数,ほぼ一致して動く一致指数,遅れて動く遅行指数の3本の指数がある。
先行指数は,一般的に,一致指数に数ヵ月先行することから,景気の動きを予知し,遅行指数は一致指数に半年から1年遅行することから景気の転換点や局面の確認に利用する。 Leading Index Coincident Index Lagging Index
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DIの見方(2) 原理的には、DIが50%ラインを下から上に切る直前の月が景気の谷,上から下に切る直前の月が景気の山に対応する。 山
あくまで、目安。大半の部門に景気変動が波及している(したがってDIが100%あるいは0%に近い)ことを確認することが必要とされている。 山 50%ライン 谷
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変化方向表を作成する 3月 4月 5月 7月 符号の判定 99.5 99.8 100.5 100.3 + 4.2 4.5 4.4 114
系列(1) 99.5 99.8 100.5 100.3 + 系列(2) 逆サイクル 4.2 4.5 4.4 系列(3) 114 117 120 119 系列(4) 121 110 107 - 系列(5) 100 101 102 拡張系列数 /採用系列数 P62.5=2.5/4 4.1
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採用系列一覧 東証株価指数 大口電力使用量 完全失業率(逆) L 先行系列 C 一致系列 Lg 遅行系列 L1 最終需要財在庫率指数(逆)
L12 中小企業売上げ見通しD.I. C1 生産指数(鉱工業) C2 鉱工業生産財出荷指数 C3 大口電力使用量 C4 稼働率指数(製造業) C5 所定外労働時間指数(製造業) C6 投資財出荷指数(除輸送機械) C7 商業販売額(小売業) C8 商業販売額(卸売業) C9 営業利益(全産業) C10 中小企業売上高(製造業) C11 有効求人倍率(除学卒) Lg1 第3次産業活動指数(対事業所サービス業) Lg2 常用雇用指数(製造業) Lg3 実質法人企業設備投資(全産業) Lg4 家計消費支出(全国勤労者世帯、名目) Lg5 法人税収入 Lg6 完全失業率(逆) 東証株価指数 大口電力使用量 完全失業率(逆)
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DIの見方(3) 景気拡大又は後退の期間が極めて短い場合は,景気拡大又は後退と考えることは適当でない。
そのために、CI(Composite Index)もある。これは経済指標の量的な動きを合成した指標であり,主として景気変動の大きさやテンポ(量感)を測定するとされている。基準年次を100とした指数である。 GDP統計とちがい、経済の変動をメカニズムとして捉えるための統計ではない。
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DIのグラフ(一致指数)
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景気基準日付(1) 内閣府経済社会総合研究所では,景気循環の局面判断や各循環における経済活動の比較などのため,主要経済指標の中心的な転換点である景気基準日付(山・谷)を設定している。 景気基準日付は,一致DIの各採用系列から作られるヒストリカルDIに基づき,景気動向指数研究会での議論を経た後,経済社会総合研究所長が設定する。
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景気基準日付(2) このヒストリカルDIは,個々のDI採用系列ごとに山と谷を設定し(これを特殊循環日付という),谷から山にいたる期間はすべて上昇(プラス),山から谷にいたる期間はすべて下降(マイナス)として,DIを算出したものである。個々の系列の月々の不規則な動きをならして変化方向を決めているため,それから計算されるヒストリカルDIは比較的滑らかで,景気の基調的な動きを反映したものとなる。 一致指数の採用系列から作成したヒストリカルDIが50%ラインを下から上に切る直前の月が景気の谷,上から下に切る直前の月が景気の山に対応する。
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景 気 基 準 日 付 谷 山 期 間 (参考)通称 拡張 後退 全循環 拡張期 後退期 第1循環 昭和26年6月 昭和26年10月 4ヵ月
景 気 基 準 日 付 谷 山 期 間 (参考)通称 拡張 後退 全循環 拡張期 後退期 第1循環 昭和26年6月 昭和26年10月 4ヵ月 第2循環 昭和29年1月 昭和29年11月 27ヵ月 10ヵ月 37ヵ月 第3循環 昭和32年6月 昭和33年6月 31ヵ月 12ヵ月 43ヵ月 神武景気 鍋底不況 第4循環 昭和36年12月 昭和37年10月 42ヵ月 52ヵ月 岩戸景気 第5循環 昭和39年10月 昭和40年10月 24ヵ月 36ヵ月 オリンピック景気 40年不況 第6循環 昭和45年7月 昭和46年12月 57ヵ月 17ヵ月 74ヵ月 いざなぎ景気 第7循環 昭和48年11月 昭和50年3月 23ヵ月 16ヵ月 39ヵ月 列島改造景気 第8循環 昭和52年1月 昭和52年10月 22ヵ月 9ヵ月 第9循環 昭和55年2月 昭和58年2月 28ヵ月 64ヵ月 第10循環 昭和60年6月 昭和61年11月 45ヵ月 円高不況 第11循環 平成3年2月 平成5年10月 51ヵ月 32ヵ月 83ヵ月 バブル景気 平成不況 第12循環 平成9年5月 平成11年1月 20ヵ月 63ヵ月 〃 第13循環 平成11年1月 平成12年11月 平成14年1月 14ヵ月
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もうひとつのDI(「日銀短観」)(1) 「日銀短観」(「企業短期経済観測調査」)は、景気動向に関する重要な(1次)統計。
景気動向指数が月次であるのに対し、短観は3ヶ月ごと。 民間企業の景況感や設備投資計画、収益状況、雇用人員などを企業の判断や計画(・意図)そのものを直接アンケート調査している。 景況や雇用人員について、現状とともに、先行きの判断も「良い・悪い」「過剰・不足」といった選択肢から企業が回答する。
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短観のDI(2) 業況判断指数(DI)は、景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を引いた値。 今回 先行き (前回比)
(今回比) 大企業 製造業 21(1) 22(1) 非製造業 20(2) 中堅企業 13(1) 13(0) 4(1) 6(2) 中小企業 7(0) ▲6(3) ▲9(▲3) 全規模 12(0) 2(0) 1(▲1)
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移動平均 多くの季節調整法の基本にある考え方。 中心化4項移動平均を計算してみよう。 1,080,389,015 585,157,482
670,709,177 4 563,126,053 5 1,023,090,966 6 553,813,112 7 663,028,079 8 561,129,947
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