奈義ファミリークリニック における家庭医療後期研修 １０年間のあゆみ（施設紹介）

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1 奈義ファミリークリニック における家庭医療後期研修 １０年間のあゆみ（施設紹介）
奈義ファミリークリニック における家庭医療後期研修 １０年間のあゆみ（施設紹介） 奈義ファミリークリニック 　　　　　　　　　　　　　　　　松下　明

2 背景１ 平成７年に岡山県北東部の奈義町・ 医療法人清風会（日本原病院）・川崎 医大総合診療部の３者合意によって
　平成７年に岡山県北東部の奈義町・ 医療法人清風会（日本原病院）・川崎 医大総合診療部の３者合意によって 奈義ファミリークリニックは開設された。

3 背景２ 当時、無医地区の危機にあった奈義町 は施設建設を手がけ、医師獲得に奔走し ていた医療法人清風会は経営を担当。
　当時、無医地区の危機にあった奈義町 は施設建設を手がけ、医師獲得に奔走し ていた医療法人清風会は経営を担当。 　家庭医療のモデルクリニック創設を念 願していた川崎医大総合診療部は所長・ 後期研修医を派遣し、家庭医療の実践・ 卒前・卒後教育の場を設けることに成功 した。

4 奈義ファミリークリニック外観

5 奈義ファミリークリニック 奈義町の田園風景

6 目的 地域に根ざした家庭医療研修施設の 先駆けとして、約１０年間の歴史を持つ 奈義ファミリークリニックのあゆみを
　地域に根ざした家庭医療研修施設の 先駆けとして、約１０年間の歴史を持つ 奈義ファミリークリニックのあゆみを 振り返り、家庭医療診療所研修の未来 像を考察する。

7 方法 　過去１０年間にわたる後期研修医の 研修内容の変遷をたどり、それぞれの 終了後の進路を確認する。

8 結果１ 初代所長 田坂佳千 卒後１３年目で着任 後期研修医 ７名修了 ２代目所長 末廣満彦 卒後６年目で 後期研修途中から所長代理として就任
初代所長　田坂佳千　卒後１３年目で着任 　　後期研修医　７名修了 ２代目所長　末廣満彦　卒後６年目で 　後期研修途中から所長代理として就任 　　後期研修医　３名修了 ３代目所長　松下明　卒後１１年目で着任 　　後期研修医　４名修了 　　　　　　　　・２名現在研修中

9 結果２（研修内容１） 初代―２代目所長時代 初年度日本原病院（５０床） ・２年目診療所勤務が基本パターン ３代目所長時代より
初代―２代目所長時代　 　初年度日本原病院（５０床） 　　・２年目診療所勤務が基本パターン ３代目所長時代より　 　２年連続で診療所勤務　 例外パターン３名　 日本原病院勤務が主で診療所勤務は 週２-３コマ

10 奈義ファミリークリニック 待合室

11 奈義ファミリークリニック １-５診察室と長い廊下

12 奈義ファミリークリニック プライバシーに配慮した診察室

13 奈義ファミリークリニック 電子カルテを平成１６年より導入

14 奈義ファミリークリニック 設備一覧 胃カメラ・超音波 レントゲン検査

15 奈義ファミリークリニック 患者層は０歳から１００歳まで

16 奈義ファミリークリニック 学生と一緒にスタッフ

17 奈義ファミリークリニック 新しい看板の前で田中医師登場

18 結果３（研修内容２） ・診療所外来（標榜は内科・小児科だが 整形･皮膚科･心療内科のニーズ高い） ・訪問診療（在宅ターミナルケア含む）
　整形･皮膚科･心療内科のニーズ高い） ・訪問診療（在宅ターミナルケア含む） ・在宅チームミーティング（地域内連携） ・特別養護老人ホーム嘱託医 ・予防接種（個別・集団とも） ・保育園／幼稚園／小学校／中学校健診 ・健康講座(母親学級･老人会など) ・診療所マネージメント（運営・経営）

19 週間スケジュール 月 火 水 木 金 土 午前 診療 （３人） （２人） 午後 （１人） 健診など 予防接種 健康講座 介護認定審査会
８：３０－ １２：３０ 診療 （３人） （２人） 松下： 特養回診 齊藤： 往診 田中： １人： 休診 １２：３０－ １６：００ 健診など スタッフ ミーティング 在宅カン ファレンス 予防接種 健康講座 午後 － １８：００ カルテチェック 松下：休診 ミニレクチャー 院外研修 介護認定審査会 地域ケア会議など （１人）

20 奈義ファミリークリニック 訪問診療先にて

21 奈義ファミリークリニック 幼稚園健診 研修医とともに
奈義ファミリークリニック 幼稚園健診　研修医とともに

22 奈義ファミリークリニック ファミクリ健康講座

23 奈義ファミリークリニック 小学校健診の前にピース

24 結果４（研修内容３） 院外外来研修（週１－２コマ） 開業医を中心に市中病院にも依頼 ２ヶ月―６ヶ月の期間
開業医を中心に市中病院にも依頼　 ２ヶ月―６ヶ月の期間 　整形外科３人　皮膚科４人　耳鼻科３人 精神科 ２人 眼科 １人　婦人科１人 口腔外科１人　小児科１人 (院外研修終了後に症例を用いた口頭試問)　

25 結果５（研修内容４） 院内勉強会の内容 ・行動科学領域（行動変容ロールプレイ 家族面談・うつ状態・悲嘆反応など)
院内勉強会の内容　 　・行動科学領域（行動変容ロールプレイ 家族面談・うつ状態・悲嘆反応など) ・Outpatient Orthopedics抄読会 ・慢性疾患ガイドライン検討会 ・糖尿病／慢性肝炎フローシート検討会 ・外来症例検討会（カルテチェック） 　

26 奈義ファミリークリニック ２年間終了後はいずこへ？

27 結果６ 終了後の進路 診療所 開業５名（岡山１・島根１ ・兵庫１・三重１・青森１) 診療所勤務医１名(岡山)
診療所　開業５名（岡山１・島根１ 　　　　　　・兵庫１・三重１・青森１) 診療所勤務医１名(岡山) 病院勤務 200床以上　３名（岡山２ ・新潟１）　　 100床未満　２名（広島２） 大学総合診療部勤務　３名（岡山１ ・山口１・三重１） 　

28 考察 継続性を重視した家庭医療後期研修を 模擬グループ診療（３人体制）の形で 行っている。
終了後の進路として、診療所勤務を現時点の診療形態としているものが４割を超えている｡大学や２００床以上の病院で家庭医療の啓蒙や医学教育に関わっているメンバーがいることも評価できる。　

29 結論 家庭医療の診療所研修先駆けとして地域医療を担う家庭医を育成してきた。
　　診療所研修の未来像として、単なるグループ診療・体験型研修を脱却して、海外の家庭医療レジデンシー研修に匹敵するプログラム作りが必要と思われる。 　　診療の比重が高く、講義やワークショップを行う時間を捻出することが今後の課題である。