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マルチスケールを考慮したアンサンブルデータ同化と局所化に関する考察

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Presentation on theme: "マルチスケールを考慮したアンサンブルデータ同化と局所化に関する考察"— Presentation transcript:

1 マルチスケールを考慮したアンサンブルデータ同化と局所化に関する考察
第7回気象庁数値モデル研究会 第4回データ同化ワークショップ                            2014年01月08日 マルチスケールを考慮したアンサンブルデータ同化と局所化に関する考察 近藤 圭一1, 2, 三好 建正2, 田中 博3 1: 筑波大学大学院 生命環境科学研究科 2: 理化学研究所 計算科学研究機構 3: 筑波大学 計算科学研究センター

2 局所化について 局所化(Localization, Houtekamer and Mitchell 2001)
誤差相関は距離とともに小さくなる一方、少ないアンサンブルメンバーに起因するサンプリングエラーは距離によらず一様. 局所化関数により、遠方の格子点のサンプリングエラーを除去. Gaspari & Cohn (1999) 裾がゼロとなる 円の内側の観測を同化 局所化

3 Motivation 高解像度化 マルチスケール 局所化 遠くの観測が同化されない 遠くの観測が同化される 同化可能観測:4個
同化可能観測:2個 同化可能観測:7個 遠くの観測が同化されない 遠くの観測が同化される

4 マルチスケール局所化の方法 𝛿𝑥= 𝛿𝑥 ℎ + 𝛿𝑥 𝑙 𝛿𝑥 𝛿𝑥 ℎ 𝛿𝑥 𝑙 𝛿𝑥 ℎ 𝛿𝑥 𝑙 観測による修正量=インクリメントを
高波数成分 (局所化スケール:小) 低波数成分 (局所化スケール:大)  に分けて解析. 𝛿𝑥 ℎ 𝛿𝑥 𝑙 𝛿𝑥 ℎ 𝛿𝑥= 𝛿𝑥 ℎ + 𝛿𝑥 𝑙 𝛿𝑥 𝛿𝑥 𝑙 少ないアンサンブルメンバー数で、   観測の影響範囲を広げつつ、   観測近傍の現象を詳細に補足することが可能.

5 局所化スケール:大 局所化スケール1000 km (larger scale) を適用. Full-range (T30)のインクリメント
Noisier in distance は観測点

6 局所化スケール:小 局所化スケール500 km (smaller scale) を適用. Full-range (T30)のインクリメント
More structure in short range は観測点

7 スケール毎のインクリメントの作成 𝛿𝑥= 𝛿𝑥 ℎ + 𝛿𝑥 𝑙 𝛿𝑥 ℎ 𝛿𝑥 𝑙 詳細な構造のインクリメント
解析インクリメント (高波数) 局所化スケール:500 km 解析インクリメント (低波数) 局所化スケール:1000 km 𝛿𝑥 ℎ 詳細な構造のインクリメント 小スケールの構造を除去 𝛿𝑥 𝑙 𝛿𝑥= 𝛿𝑥 ℎ + 𝛿𝑥 𝑙

8 2スケールのインクリメントを結合 𝛿𝑥= 𝛿𝑥 ℎ + 𝛿𝑥 𝑙 𝛿𝑥 𝛿𝑥 ℎ 𝛿𝑥 𝑙
高波数成分 と低波数成分 のインクリメントを結合. 𝛿𝑥 ℎ 𝛿𝑥 𝑙 𝛿𝑥 ℎ 𝛿𝑥= 𝛿𝑥 ℎ + 𝛿𝑥 𝑙 𝛿𝑥 𝛿𝑥 𝑙

9 手法のまとめ 解析インクリメントを計算. 平滑化された摂動から解析インクリメントを計算. 2と3の差を計算. 1と4を足し合わせる.
(局所化スケール:小) 平滑化された摂動から解析インクリメントを計算. (局所化スケール:大) 2と3の差を計算. 1と4を足し合わせる. 1 2 3 4 5

10 実験設定 (完全モデル実験) 局所化パラメータ敏感性を調査. 実験期間は、1982/01/01 – 1983/02/01
DLOC: Dual Localization LETKF ※ 平滑化にはLanczosフィルタを使用. CTRL DLOC 使用モデル SPEEDY, T30L7 (Molteni 2003) 真値 SPEEDYの長期ラン 観測 ラジオゾンデ観測網 (真値 + 乱数) U, V, T, Q, PSを観測として同化 アンサンブルサイズ 20 局所化スケール 700 km 300 ~ 900 km 600 ~ 1300 km (※)

11 局所化スケール敏感性 局所化スケールの組合せを変化させて、敏感性を調査. 局所化スケールは、400 km程度の幅で良好な結果.
全変数で良好な結果である局所化スケールを以下に固定.  600 km (高波数成分) と 900 km (低波数成分) U (4層目) Q (1層目) 局所化スケールは、400 km程度の幅で良好な結果. 詳細なチューニングの必要性はない. 1300 1300 Long Localization Parameter ※ 赤い領域は、CTRLよりも誤差が小さいことを表す 600 600 300 900 300 900 Short Localization Parameter

12 CTRL vs. DLOC: RMSE (解析誤差)
U (4層目の東西風, 全球) T (2層目の気温, 全球) Assimilation time [month] Assimilation time [month] Q (1層目の水蒸気, 全球) PS (地上気圧、全球) Assimilation time [month] Assimilation time [month] 全変数において、全変数において解析誤差が低減. 特に下層のQが大幅に改善.

13 RMSE改善率 (1年平均) U (4層目, 全球) モデル鉛直層 T (2層目, 全球) モデル鉛直層 ※ 灰色:誤差改善が不確かな領域

14 大アンサンブル実験 (共分散の構造) 20 → 3200メンバーの共分散の構造 (1層目のT).
3200メンバーでは、サンプリングエラーが大きく低減. 3200メンバーの共分散は真値に近く、それをDualはとらえる. 20メンバー 3200メンバー 局所化あり(L=500 km) 局所化あり(L=1000 km) 局所化あり(L=1000 km) 局所化なし 局所化なし Dual (L=500 km & 1000 km)

15 大アンサンブル実験 (1点相関) 誤差相関は、 はるか遠方にまで及ぶが、 20メンバーではとえられない.
◆Q (4層目)サイクル21日目 誤差相関は、 はるか遠方にまで及ぶが、 20メンバーではとえられない. PNAのようなテレコネクションパターンも出現. 局所化により、重要なシグナルが除去. 誤差相関は、変数によって異なる. 20 3200 ◆Ps サイクル21日目 20 3200

16 相関(サイクル21日目, 4層目のQ) 20メンバー 400メンバー 50メンバー 800メンバー 100メンバー 1600メンバー
200メンバー 3200メンバー

17 まとめ Dual Localization LETKFを開発. 局所化スケールは、400 km程度の幅で良好な結果.
詳細なチューニングの必要性は薄い. サンプリングエラーを効果的に除去し、遠方の観測を同化可能 改善率は20%以上に達し、全変数・全層にわたって大幅に改善. 解析時に、通常のLETKFの3倍の計算コストが必要. 𝛿𝑥= 𝛿𝑥 ℎ + 𝛿𝑥 𝑙 𝛿𝑥 ℎ 小スケールの現象を補足 𝛿𝑥 𝑙 大スケールの現象を補足

18 まとめ アンサンブルメンバー数を3200まで増やすことで、20メンバーでは見えなかった共分散の構造が見えてきた.
Dual Localization法により、少ないアンサンブルメンバーでも詳細な共分散が補足可能. 共分散の構造は局所化スケールより大きく、変数によっては特定の方向に広がっている. Qは西方向、Psは東方向 遠方のシグナルの重要性について テレコネクションのような遠方のシグナルを同化することで、解析精度が向上するか?

19 ありがとうございました


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