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LCAについて 熊野雄太
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読んだ論文 「LCA手法によるICパッケージのライフサイクル影響 評価と健康被害評価」 小林充、石坂和明、伊坪徳宏
日本信頼性学会誌、信頼性26巻(3) 、
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目次 1、LCAとは 2、LCAの評価対象と評価手法 3、LCA評価 4、まとめ
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1、LCAとは 環境への影響を定量的に評価 Life Cycle Assessmentの略 製品のライフサイクル全体にわたる環境影響の評価
製品のライフサイクル全体にわたる環境影響の評価 資源調達 製造 組立 廃棄・リサイクル 使用 輸送 環境への影響を定量的に評価
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2、LCAの評価対象と評価方法 評価対象 ICパッケージ(パソコンや携帯端末の基盤に使用)2種類 BGA(多層プリント配線板)
ビルドアップ(微細線層をビルドアップ)
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評価手法 ライフサイクルインベントリ分析 分類化 特性化 正規化 重み付け 統合化
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3、LCA評価 今回のLCAの範囲は資源調達~製品製造まで 3-1 調査範囲の設定 使用段階の消費エネルギー約1.3%
3-1 調査範囲の設定 使用段階の消費エネルギー約1.3% 廃棄・リサイクル段階での廃棄量約0.3% 使用、廃棄・リサイクル段階の環境負荷は LCAに影響しないほど小さい 今回のLCAの範囲は資源調達~製品製造まで
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パッケージの重さ、大きさ、端子数などの機能項目か ら、周波数(処理速度)を選択し、2GHの機能を達成 するのに必要なパッケージの数を決定
BGA 2個 ビルドアップ 1個
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各素材からの消費・排出量を計算 𝐼 𝑖 = 𝑗 ( 𝑎 ij × 𝑤 𝑗 ) 3-2 ライフサイクルインベントリ分析(LCI)
製品データシートの数値を用いて環境負荷を計算 𝐼 𝑖 :インベントリ項目別消費量、排出量 𝑎 ij :原単位 𝑤 𝑗 :パッケージの素材別重量、加工量、ユーティリティ使用料 𝐼 𝑖 = 𝑗 ( 𝑎 ij × 𝑤 𝑗 ) 各素材からの消費・排出量を計算
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分類化 環境負荷(インベントリ項目) ステージ(工程) 消費負荷・・・原油、石炭、LNGなど 排出負荷・・・CO2、SO2など
素材製造・・・資源採掘から製造 組立 ・・・電力などを使用して製品を製造 公海上 ・・・資源輸送
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LCIの結果 BGA、ビルドアップともに消費資源の量は、 エネルギー資源>枯渇資源>再生可能資源 大気への排出は、
エネルギー資源>枯渇資源>再生可能資源 大気への排出は、 CO2>NOx>SO2>N2O>SOx CO2の排出量は、BGAが462g、ビルドアップが343g ステージ別では、資源消費は「素材製造」、排出負荷は「組 立」で多くなっていた。
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各消費・排出量からの環境への影響を計算 𝑃 𝑛 = 𝑛 ( 𝛼 i𝑛 × 𝐼 𝑖 ) 3-3 ライフサイクルインパクト評価(LCIA)
𝑃 𝑛 :インパクトカテゴリ別環境負荷 𝛼 in :特性化係数 𝐼 𝑖 :インベントリ項目別消費量、排出量 𝑃 𝑛 = 𝑛 ( 𝛼 i𝑛 × 𝐼 𝑖 ) 特性係数の説明 各消費・排出量からの環境への影響を計算
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8領域(インパクトカテゴリ)それぞれに係数がある
特性化係数について 消費、排出量が環境にどのくらい影響を与えるかの指標 8領域(インパクトカテゴリ)それぞれに係数がある 1 資源の消費 地球温暖化 3 オゾン層破壊 酸性化 5 湖沼の富栄養化 6 光化学オキシダント 7 エネルギー消費 固形物排出 例、資源の消費の場合 係数は世界の資源埋蔵量の逆数。 ↓ 全資源の内、どのくらいの割合を消費したか。
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カテゴリ別環境負荷 インパクトカテゴリ BGA ビルドアップ 資源の消費 4.02.E-03 1.37.E-03 地球温暖化
オゾン層破壊 0.00.E+00 酸性化 8.00.E-04 5.91.E-04 湖沼の富栄養化 7.94.E-05 5.98.E-05 光化学オキシダント 3.63.E-05 2.73.E-05 エネルギーの消費 8.26.E+00 6.11.E+00 固形排出物 3.49.E-03 1.14.E-03
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LCIAの結果 エネルギー消費は、BGAが約8.3MJ、ビルドアップが約 6.1MJ
LCIの結果と合わせ、CO2・エネルギー消費に関してはビル ドアップはBGAの約74%。 ビルドアップ構造による高密度化により、パッケージの性 能が向上したことが原因
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3-4 統合化 異なる環境負荷を一つに統合して、評価しやすくする。いくつ かの異なる手法がある という過程で計算される。
3-4 統合化 異なる環境負荷を一つに統合して、評価しやすくする。いくつ かの異なる手法がある 正規化 重み付け 単一指標化 という過程で計算される。 SGE法による計算過程を示します。
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正規化 あるインパクトカテゴリの環境影響度が他の項目と相対的に 比較可能に。結果は無次元になる。
JEMAI-LCAというソフトで設定された規格値がある 資源の消費 地球温暖化 酸性化 エネルギー消費 固形排出物 について、各規格値で割ることで正規化。
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重み付け 今回は製造サイトの事業内容、環境対策の重点項目、環境 マネジメントプログラムに従い、CO2排出、エネルギー消費 に重点を置いた。
重みづけ係数 資源の消費 3 地球温暖化 5 酸性化 1 エネルギーの消費 固形排出物
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単一指標化 正規化した値に重みをかけて統合化指数を計算 合計 - 3.43E-12 2.47E-12 インパクトカテゴリ BGA
ビルドアップ 正規化結果 重みづけ係数 統合化指数 資源の消費 4.19E-14 3 1.26E-13 1.43E-14 4.29E-14 地球温暖化 3.48E-13 5 1.74E-12 2.58E-13 1.29E-12 酸性化 3.62E-13 1 2.67E-13 エネルギーの消費 3.86E-13 1.16E-12 2.85E-13 8.55E-13 固形排出物 4.20E-14 1.37E-14 合計 - 3.43E-12 2.47E-12
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他の統合化手法による結果 生産量増加に伴う機能単位当たりの消費・排出負荷の増加 どの手法でもビルドアップの方が環境負荷が小さい
2000年と2001年を比べると、BGAは減少、ビルドアップは 増加。 統合化手法 2000年 2001年 BGA ビルドアップ Eco-indicator(オランダ) 4.80.E-04 3.01.E-04 4.51.E-04 3.34.E-04 EPS(スウェーデン) 1.93.E+02 1.21.E+02 1.81.E+02 1.34.E+02 エコポイント(スイス) 1.78.E-01 7.00.E-02 1.72.E-01 7.65.E-02 DtT(旧資環研) 8.05.E-13 5.05.E-13 7.60.E-13 5.65.E-13 SGE法 3.58.E-12 2.17.E-12 3.43.E-12 2.47.E-12 生産量増加に伴う機能単位当たりの消費・排出負荷の増加
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保護対象が明確に定義されるので評価しやすい。 こちらが主流になりつつある。
被害評価による統合化 インパクトカテゴリを比較(重み付け)するのではなく、数項目 の保護対象に集約して評価する 保護対象の例 人間の健康 生物多様性 資源 保護対象が明確に定義されるので評価しやすい。 こちらが主流になりつつある。
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それぞれ保護対象が異なるため、この研究では両方に 共通する「人間への健康影響」についてについて2000 年と2001年を比較した。
手法 Eco-indicator’99 産総研/LCAプロジェクト それぞれ保護対象が異なるため、この研究では両方に 共通する「人間への健康影響」についてについて2000 年と2001年を比較した。 障害調整生存年数 DALY(Disability Adjusted Life YEAR) ここからは手法の違いについて記述されている
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比較結果 被害総量はBGA、ビルドアップともにEco-indicator’99 が約1.9倍
が約1.9倍 CO2排出による被害量について、両方の年でBGA、ビルド アップともにEco-indicator’99が約2.9倍 ↓ 保護対象の項目が異なる。 NOxとSO2の被害量に占める割合は、Eco-indicator’99は 約37%、産総研/LCAプロジェクトは約63%。 ↓ 対象地域によって各物質の影響が異なる 温暖化による健康影響に、産総研には寒冷ストレスが入っているため 産総研/LCAプロジェクトは人口密度の高い日本対象なので、大気汚染に被害が大きくなる
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4、まとめ LCAによりビルドアップは機能単位においてBGAより 環境負荷が小さい製品であることがわかった
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