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Published by浚茸 谈 Modified 約 7 年前
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Rolf Stahel教授からの書簡 会員各位 今回、このETOPスライドセットをご紹介できることを大変光栄に思います。このスライドセットは、2016年 に開催された主要な学会で発表された、胸部癌に関する重要な所見に焦点を合わせて概要を示すこと を目的としています。このスライドは特に第17回世界肺癌学会議(IASLC 2016)に焦点を当てており、 英語、フランス語、日本語、中国語の4カ国語でご利用いただけます。 腫瘍学における臨床研究の分野は、絶えず変化し続ける、厳しい環境下にあります。そうした環境下に おいて、我々は皆、科学者、臨床医および教育者としての役割において、知識の深化を促進し、さらな る進歩の契機をもたらしてくれる、科学的なデータや研究所見の入手の機会を貴重なものであると考えて います。胸部癌の領域における最新情報に関する今回のレビューが、皆さまの臨床診療にとって有益な ものとなることを期待しています。本件につきましてご意見・ご感想などございましたら、是非お聞かせ下さ ETOP会員のSolange PetersおよびMartin Reck両博士には編集者として、抄録の優先順位決定、 スライド内容のレビューに大変ご尽力いただいたことにお礼を申し上げます。このスライドセットは彼等の取 り組みと努力なしには実現不可能でした。 最後に、このような複雑であるがやりがいのある活動の実現に際し、資金、運営管理および物流管理の 面においてご支援いただいたLilly Oncology社様に心より御礼申し上げます。 敬具 ETOP基金評議会会長 Rolf Stahel
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ETOP腫瘍内科研究スライドデッキ編集者(2016年)
フォーカス:進行NSCLC(根治治療不能の病期III & 病期IV)および 関連バイオマーカーデータ Solange Peters博士 スイス、ローザンヌ、ローザンヌがんセンター、集学的腫瘍学センター フォーカス:早期および局所進行NSCLC(病期I~III)および関連 バイオマーカーデータ/他の悪性腫瘍 Martin Reck博士 ドイツ、グロスハンスドルフ、グロスハンスドルフ病院、胸部腫瘍学部
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目次 バイオマーカーとスクリーニング 早期および局所進行NSCLC - 病期I、II、III
進行NSCLC - 根治治療不能の病期III & 病期IV 第一選択 第二選択以降 他の悪性腫瘍 SCLCおよび中皮腫 まれな腫瘍
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バイオマーカーとスクリーニング
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OA04.03: 大規模大学病院における禁煙診療向上のための低コスト介入に関する中間結果 – Hamby MK, et al
研究の目的 喫煙評価から薬物療法、禁煙カウンセラーへの紹介に至るまでの、喫煙診療を改善するた めの総合的な多段階プログラム導入をレビューすること 方法 この品質イニシアチブの4つの目的: 喫煙治療専門家コースにおいて選ばれた診療所でキーとなる担当者をトレーニングする 喫煙歴(現喫煙者/元喫煙者/喫煙歴無し)、パックイヤーの記録、禁煙日、FDA認可 禁煙薬物治療の使用、禁煙または正式な肺がんスクリーニングへの紹介の充実について モニターするための評価ツールを開発する 自動データ収集システムを用い診療所のディレクターに毎月フィードバックを行う 活動の経時変化をモニタリングする *喫煙経験者(元喫煙者)のみ Hamby et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA04.03
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OA04.03: 大規模大学病院における禁煙診療向上のための低コスト介入に関する中間結果 – Hamby MK, et al
主な結果 20施設が本研究への参加に招待され、14施設のスタッフが喫煙治療専門家トレーニングを完了した トレーニング前 喫煙(現喫煙者/元喫煙者/喫煙歴無し)に関する初回評価は高い割合であった(>99%) パックイヤーの記平均録率は40%未満 元喫煙者の禁煙日数の記録率は30%未満 トレーニング後および9カ月間に渡る臨床ディレクターへのフィードバック実施中 パックイヤーおよび禁煙日数の正確な記録率が有意に増加 喫煙カウンセリングへの紹介件数が有意に増加 肺がんスクリーニングへの平均紹介件数が30件/月から70件/月へ漸増 喫煙薬物治療の処方率には増加なし 結論 この品質向上イニシアチブにより総合的な実践において中程度の改善が認められたが、改善傾向は維 持されなかった さらなる改善が必要な領域が明確となった Hamby et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA04.03
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2014年7月から、気管支原性肺癌と診断された年齢40歳未満の患者らがGYLC試験の ために募集された
OA04.07: 若年層における肺腺癌の臨床的特徴:若年肺癌のゲノム解析試験(Genomics of Young Lung Cancer Study)による結果 – Gitlitz BJ ら 研究の目的 特異的なゲノム異常を利用して、ライフスタイルに関連したリスクファクターを検討することによ り、若年者における肺癌のゲノム解析(Genomics of Young Lung Cancer:GYLC)を評 価し、若年者における肺癌の特性をさらに明らかにすること 方法 2014年7月から、気管支原性肺癌と診断された年齢40歳未満の患者らがGYLC試験の ために募集された 腫瘍および血液と質問票によりデータが集められ、環境的、ライフスタイル、若齢期での曝露、 生殖・遺伝子的リスクファクターに関し、突然変異特異的なリスクとの関連を調査した 特定の変異別に、若年肺癌例における特定の曝露の頻度について解析が行われる予定で ある(例:ALK 対 EGFR) 試験は患者500名と対照2,000名を目標として募集が行われている Gitlitz et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA04.07
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予備解析の結果から、発がんを促進するドライバー変異が非常に多く存在する集団が明ら かとなった
OA04.07: 若年層における肺腺癌の臨床的特徴: 若年肺癌のゲノム解析試験(Genomics of Young Lung Cancer Study)による結果 – Gitlitz BJ ら 主な結果 初期114名の被験者の人口統計学的情報: 年齢の中央値は34歳(範囲 16-39)、男性 44%、病期4 80%、病期1-3 20%、腺癌 85% 病期4の腺癌を有する患者のうち、77%にALK、EGFRまたはROS1によるドライバー変異 が認められ、16%にHER2、RET、ATM、TP53、BRCA2、KRASのようなその他の変異が 認められた。 結論 予備解析の結果から、発がんを促進するドライバー変異が非常に多く存在する集団が明ら かとなった 本試験により、若年の肺癌に関し包括的な疫学的研究が可能となり、特定のゲノム異常と 関連のあるリスクファクターが特定されるであろう Gitlitz et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA04.07
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OA15.01: 一部充実性肺結節の部分切除: 高分解能CTをもとにした症例選択: 105カ月経過時点(中央値)における追跡調査の結果 – Yoshida J, et al
研究の目的 高分解能CT(HRCT)画像により示唆された低浸潤性肺癌を有する患者において部分切除の有効性を確 認すること 方法 肺末梢に直径2㎝以下の腫瘍を有し、臨床病期T1N0M0の癌が診断された、または疑われた患者101名が 登録された HRCTスキャンを受けており、tumour disappearance ratioが0.5以上の一部充実性結節を示していることが、 登録患者の要件とされた。 主な結果 99名の患者が解析に適格であった。内訳は、野口分類Aの腫瘍 11名、分類Bの腫瘍 54名、 分類Cの腫瘍 26名、分類Dの腫瘍 1名、悪性リンパ腫 1名、増殖性病変 3名、 炎症性繊維化 3名であった。 試験期間中に患者の死亡はなかった。1名の患者が術後気胸および肺炎を発症し、1名が出血性胃潰瘍を 発症した 2016年6月時点において、追跡調査期間(中央値)は105カ月間(範囲 )であり、再発は認められて いない 結論 HRCTスキャンは、非浸潤性または低浸潤性の一部充実性肺癌を高い信頼性で予測すると考えられる Yoshida et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA15.01
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アテゾリズマブの有効性とtumour mutation burden (TMB)の間の関連性を調べること 方法
OA20.01: 第一選択および第二選択以降のNSCLS患者においてTumor Mutation Burden (TMB) はアテゾリズマブの有効性向上と相関あり – Kowanetz M, et al 研究の目的 アテゾリズマブの有効性とtumour mutation burden (TMB)の間の関連性を調べること 方法 315個のがん関連遺伝子のFoundationOneパネルを用い、治療前の腫瘍検体について、 標的化遺伝子シーケンシングを行う アテゾリズマブ単剤療法に関する第II相治験3件のうち1件に、NSCLC患者が登録されてい た POPLAR: 第二選択以降の治療におけるアテゾリズマブとドセタキセルの無作為化比較 試験 BIRCH/FIR: 単一群、PD-L1発現状況で選定、第一/第二選択以降の治療における アテゾリズマブの試験 最新のアルゴリズムを用いてTMBが定量された 各試験におけるTMBの75パーセンタイル(第3四分位値)と50パーセンタイル値(中央値)に 基づいて、治療群における有効性が評価された Kowanetz et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA20.01
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第二選択以降の患者(PD-L1発現状況で選定)
OA20.01: 第一選択および第二選択以降のNSCLS患者においてTumor Mutation Burden (TMB) はアテゾリズマブの有効性向上と相関あり – Kowanetz M, et al 主な結果 第一および第二選択以降の治療わ受ける、PD-L1発現状況で選定された患者を対象とし た場合、カットオフ値以上のTMBを有する患者群において、アテゾリズマブの利益が増大した。 結論 NSCLCにおいて、TMBはアテゾリズマブの転帰改善に関連していた ドセタキセルの有効性に関しては、TMBとの関連性は認められなかった 第一選択患者 (PD-L1発現状況で選定) 第二選択以降の患者(PD-L1発現状況で選定) PFS OS 16.2 9.9 0.55 0.64 TMB カットオフ mut/MB n 103 189 PFS 0.77 0.86 OS 16.2 9.9 TMB カットオフ mut/MB n 17 49 0.49 0.71 0.7 0.35 低いTMBの方が リスクが小 高いTMBの方が リスクが小 ハザード比a 低いTMBの方が リスクが小 高いTMBの方が リスクが小 ハザード比a 低いTMBの方が リスクが小 高いTMBの方が リスクが小 ハザード比a 低いTMBの方が リスクが小 高いTMBの方が リスクが小 ハザード比a aカットオフより低いTMBと比べ 高いTMBの場合の未調整・未層別化HR Kowanetz et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA20.01
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OA20.02: 抗PD-1免疫療法に完全奏効を示すNSCLC患者を対象とした腫瘍特異的変異抗原標的治療 – Smith K, et al
研究の目的 NSCLCにおける抗PD-1治療奏効の根底にある作用機序を調査すること 方法 ニボルマブに対し完全奏効を示した2名の進行NSCLC患者に由来する腫瘍切片について、 全エクソーム解析を行い、変異に関連がある腫瘍特異的変異抗原(MANA)の予測を行っ た MANAを表すペプチドが合成され、PBMCに対して検査が行われた 結合アッセイと安定性アッセイにおいてMANAの反応が評価された 反応性細胞株と腫瘍切片から得られたDNAにおいてTCRシーケンシングが行われ、TCRク ローンと腫瘍に浸潤するものとのマッチングが行われた PBMC: peripheral blood mononuclear cell(末梢血単核球細胞) Smith et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA20.02
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OA20.02: 抗PD-1免疫療法に完全奏効を示すNSCLC患者を対象とした腫瘍特異的変異抗原標的治療 – Smith K, et al
主な結果 1名の患者で30個の配列変化が、2名の患者で314個の異常が認められた 変異量の差にも関わらず、癌細胞の検出なしと宣言されてから1年超が経過した両患者の 末梢血においてMANAの反応が検出された 腫瘍切片において、MANA反応性末梢T細胞のTCRクローンが検出され、MANA刺激T 細胞の培養株で増大が認められた 結合・安定アッセイにより、これらのMANAが高い親和性と安定性を持ち同種のHLAと結合 することが確認された 結論 変異の質は、変異の総合的な数よりも、免疫原性に対して大きな影響を及ぼす可能性が ある。 MANA反応性は、抗PD-1化学免疫療法後のT細胞による腫瘍の排除の根底にあるメカ ニズムとなっているものと考えられる Smith et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA20.02
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MA15.02: 肺癌における異種変異量は、免疫チェックポイント阻害薬に対する持続的な臨床奏効と関連する – Mahadevan NRら
研究の目的 免疫チェックポイント阻害薬を服用する患者を対象に、肺がん変異量、PD-L1発現、免疫 性浸潤と、臨床奏効との関連性を後ろ向きに解析すること 方法 免疫チェックポイント阻害薬による治療を受けた85名の患者に由来する肺がんの臨床的な 標的化次世代シーケンシング(309個の遺伝子)から得られた、腫瘍の異種変異データは、 持続的な臨床的恩恵(DCB、6カ月を超える部分奏効または安定奏効)やPFSなどの臨 床的な転帰と相関していた。 腫瘍細胞 および/または 腫瘍浸潤免疫細胞が1%以上染色された場合には、PD-L1陽性 とみなされた。 腫瘍関連マクロファージと非制御性T細胞および制御性 T細胞集団に着目するためPU.1、CD3、FOXP3 免疫組織化学検査のマニュアル定量化 が行われた Mahadevan et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr MA15.02
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MA15.02: 肺癌における異種変異量は、免疫チェックポイント阻害薬に対する持続的な臨床奏効と関連する – Mahadevan NRら
主な結果 変異量と喫煙は、臨床転帰の改善に相関していた 結論 変異量と喫煙の増加(PD-L1発現を除く)は臨床転帰の改善と相関がある PFS、% 経過期間、カ月 100 80 60 40 20 25 27 5 15 8 10 1 4 TML リスクに晒されていた患者数 p<0.01 PFS、% 経過期間、カ月 100 80 60 40 20 39 13 5 21 2 10 8 1 15 喫煙 リスクに晒されていた患者数 喫煙者 喫煙歴なし p<0.05 Mahadevan et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr MA15.02
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早期・局所進行NSCLC 病期I、II、III
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OA03.02: PD-L1発現状況で選定された患者を対象とした進行NSCLCに対する1L治療としてのアテゾリズマブ: BIRCH試験によるORR、PFS、OSデータのアップデート – Garassino MCら 研究の目的 PD-L1発現状況で選定された進行NSCLC患者を対象としたアテゾリズマブ単剤療法の評 価を行うこと – 第II相BIRCH試験のコホート1に由来する結果 コホート1(1L) 化学療法の施行歴なし アテゾリズマブ 1200mg IV q3w(n=138) PD 主要な患者選択基準 局所進行または転移NSCLC 腫瘍におけるPD-L1発現がIHCによって確認されている (TC2/3および/またはIC2/3) 脳転移なし ECOGのPSスコア(0 または1) (n=667) コホート2(21L) 1種のプラチナ製剤による化学療法の施行歴あり アテゾリズマブ 1200mg IV q3w (n=271) 臨床的恩恵が認められなくなるまで R コホート3(3L+) 2種以上の化学療法の施行歴あり(プラチナ製剤1種を含む) アテゾリズマブ 1,200mg IV q3w (n=254) 臨床的恩恵が認められなくなるまで 主要エンドポイント ORR(RECIST規準 v1.1に基づく) 副次的エンドポイント PFS、DOR、OS、安全性 Garassinoら J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA03.02
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進行NSCLC患者において、アテゾリズマブは有望な有効性を示し、これまでのアテゾリズマ ブに関する試験と同等の安全性プロファイルを示した
OA03.02: PD-L1発現状況で選定された患者を対象とした進行NSCLCに対する1L治療としてのアテゾリズマブ: BIRCH試験によるORR、PFS、OSデータのアップデート – Garassino MCら 主な結果 結論 進行NSCLC患者において、アテゾリズマブは有望な有効性を示し、これまでのアテゾリズマ ブに関する試験と同等の安全性プロファイルを示した 安全性 総合、n (%) n=138 ≥1 AEの合計患者数 126 (91) グレード5 2 (1) 投与中断につながつたAE 39 (28) TRAE 83 (60) 治験脱落につながったTRAE 5 (4) SAE 45 (33) 発現頻度、% TC3 または IC3 (n = 65) TC2/3 または IC2/3 (n = 138) TC2 および IC2 (n = 73) mOS、カ月(95% CI) 26.9 (12.0、NE) 23.5 (18.1、NE) 1年 OS率、 % (95%CI) 61.5 (49.0, 74.0) 66.4 (58.1, 74.6) 70.7 (59.8, 81.6) TC3 または IC3 = TC ≥50% または IC ≥10% PD-L1発現細胞、 TC2 および IC2 = ≥5% ただし IC <10% かつ TC <50% PD-L1発現細胞、TC2/3 または IC2/3 = TC または IC ≥5% PD-L1発現細胞(それぞれ) Garassinoら J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA03.02
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ペメトレキセド 500 mg/m2 + カルボプラチン AUC5 または シスプラチン 75 mg/m2 q3w*
PL03.03: EGFR T790M陽性を示す進行NSCLCにおいて、オシメルチニブについて、プラチナ製剤とペメトレキセドの併用との比較を行う、無作為化第III相試験(AURA3) – Papadimitrakopoulou V, et al 研究の目的 中央で確定診断されたEGFR T790M陽性を示す進行NSCLC患者を対象とし、オシメル チニブについて、プラチナ製剤をベースとした2剤併用化学療法との比較を行うこと 主要な患者選択基準 局所進行または転移NSCLC 第一選択EGFR-TKI療法後の病勢進行 EGFR T790変異 WHO PSスコア 0~1 安定性無症候性CNS転移は容認 (n=419) オシメルチニブ 80 mg/日 (n=279) PD† 層別化 民族(アジア人対非アジア人) (オプション) オシメルチニブへのクロスオーバー R 2:1 ペメトレキセド 500 mg/m2 + カルボプラチン AUC5 または シスプラチン 75 mg/m2 q3w* (n=140) PD 主要エンドポイント 治験医師の評価によるPFS 副次的エンドポイント OS、ORR、DoR、DCR、BICR評価済みPFS *維持療法としてのペメトレキセド(オプション) †患者らはPD達成後も、臨床的恩恵が認められる限りし、 引き続き治験治療を受けることが可能であった Papadimitrakopoulou et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr PL03.03
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PL03.03: EGFR T790M陽性を示す進行NSCLCにおいて、オシメルチニブについて、プラチナ製剤とペメトレキセドの併用との比較を行う、無作為化第III相試験(AURA3) – Papadimitrakopoulou V, et al 主な結果 BICR評価によるPFSは、治験医師による解析の結果と一致していた: HR 0.28 (95%CI 0.20、0.38)、p<0.001 以下を含む全てのサブグループにおいて、オシメルチニブ投与下でのPFSの改善が認められた: 民族、性別、EGFR-TKI感作性変異の状態、CNS転移。 無増悪生存率 1.0 0.8 0.4 0.6 0.2 0.0 治験医師の評価によるPFS 経過期間、カ月 3 6 9 12 15 18 240 93 162 44 88 17 50 7 13 1 リスクに晒されていた患者数 0 0 オシメルチニブ プラチナ製剤と ペメトレキセドの併用 mPFS、カ月(95%CI) HR (95%CI) 10.1 (8.3, 12.3) 0.30 (0.23, 0.41) p<0.001 4.4 (4.2, 5.6) Papadimitrakopoulou et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr PL03.03
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プラチナ製剤とペメトレキセドの併用(n=140)
PL03.03: EGFR T790M陽性を示す進行NSCLCにおいて、オシメルチニブについて、プラチナ製剤とペメトレキセドの併用との比較を行う、無作為化第III相試験(AURA3) – Papadimitrakopoulou V, et al 主要な結果(続き) オシメルチニブ (n=279) プラチナ製剤とペメトレキセドの併用(n=140) ORR、% (95%CI) 71 (65, 76) 31 (24, 40) オッズ比(95%CI)、P値 5.39 (3.47, 8.48); <0.001 CR、n (%) 4 (1) 2 (1) PR、n (%) 193 (69) 42 (30) SD ≥6週間、n (%) 63 (23) 60 (43) PD、n (%) 18 (6) 26 (19) NE、n (%) 1 (<1) 10 (7) DORの中央値、カ月(95%CI) 9.7 (8.3, 11.6) 4.1 (3.0, 5.6) Papadimitrakopoulou et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr PL03.03
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プラチナ製剤とペメトレキセドの併用(n=140)
PL03.03: EGFR T790M陽性を示す進行NSCLCにおいて、オシメルチニブについて、プラチナ製剤とペメトレキセドの併用との比較を行う、無作為化第III相試験(AURA3) – Papadimitrakopoulou V, et al 主要な結果(続き) 結論 EGFR T790M陽性を示す進行NSCLCにおいて、オシメルチニブは、プラチナ製剤とペメト レキセドの併用に対する優越性を示し、その投与下におけるグレード3以上のAE発生率は 比較的低値にとどまっていた AE、n (%) オシメルチニブ (n=279) プラチナ製剤とペメトレキセドの併用(n=140) AE 273 (98) 135 (99) グレード3以上のAE(種類を問わない) 63 (23) 64 (47) 致死的AE(種類を問わない) 4 (1) 1 (1) 重篤なAE 50 (18) 35 (26) 投与中止に至ったAE(種類を問わない) 19 (7) 14 (10) Papadimitrakopoulou et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr PL03.03
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OA12.02: 医学的に手術可能な若年(75歳未満)の病期I肺がん患者において体幹部定位放射線治療が優れた生存率を達成 – Onishi H, et al
研究の目的 手術可能な若年(75歳以下)の、病期IのNSCLC患者に対する体幹部定位放射線治療(SBRT)の 結果を、複数の日本の施設から収集すること 方法 日本放射線学会に所属する20の施設において、病期IのNSCLCを持ち、治癒目的でSBRTによる治 療を行った75歳以下の患者、252名の後ろ向き解析 主な結果 2年目のOSは86.6%、5年目のOSは78.9%であった グレード3以上の放射線肺臓炎は、全患者の0.8%に発生した 単変量解析では、「女性」の性別、「腺癌」、「肺気腫なし」、「肺間質変化なし」という因子が、OSの 予測因子として比較的優れていた 結論 大規模な日本人のデータベースにおいて、医学的に手術可能で比較的若年(75歳以下)の、病期Iの NSCLC患者に対するSBRTは、良好な成績をもたらしていた OS率は、手術をしたら見込めたであろう生存率に匹敵していた Onishi et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA12.02
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OA15.02: 臨床病期T1N0M0の非小細胞肺癌に対する区域切除術における生存転帰: 楔状切除もしくは部分切除 – Kobayashi AK, et al
研究の目的 日本の26施設に由来する患者の後ろ向き解析を行い、c-T1N0M0 NSCLCの縮小手術を受けた患 者における早期肺癌に対する最適な外科的処置を判定すること 方法 CT所見に基づき、それぞれの結節のスコアが後ろ向きに求められた。低リスク群 = 腫瘍サイズ < 2 cm でかつスリガラス影(GGA)優位、中リスク群 = 腫瘍 > 2 cmでかつGGA優位、または、腫瘍 < 2 cmで かつ固形優位、高リスク群 = 腫瘍 > 2 cm でかつ固形優位 731名の患者が外科的処置に1:1で割り付けられた(部分切除と楔状切除) 主な結果 低リスク群において部分切除 対 楔状切除のOSは90.2% 対 94.7%(p=0.0351)、中リスク群では 93.6% 対 80.4% (p<0.001) 、高リスク群では79.1% 対 69.2% (p=0.109)であった 低リスク群において部分切除 対 楔状切除のDFSは90.2% 対 92.7%(p=0.0645)、中リスク群では 94.1% 対 75.3% (p<0.001)、高リスク群では87.0% 対 58.1% (p=0.581)であった 結論 低リスク患者においては、適用される外科的処置の種類による、生存率の差異は認められなかった 中リスク患者群においては、区域切除よりも部分切除の方が予後が良好であった 区域切除術は高リスク群の患者に対しては避けるべきである Kobayashi et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA15.02
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OA15.03: 間質性肺疾患を併発した病期I非小細胞肺癌の予後に関する、肺葉切除と区域切除の比較 – Tsutani Y, et al
研究の目的 間質性肺疾患を併発した早期NSCLCにおいて、肺葉切除と区域切除の施行後の予後について比 較を行うこと 方法 間質性肺疾患(高解像度CTで確認)を併発した病期I NSCLCを有し、完全切除を受けた107名の 患者が特定された 主な結果 3年OSは、通常型間質性肺炎(UIP)患者またはpossible UIPパターンを示す患者において、 inconsistent UIPパターンを示す患者よりも有意に悪化していた(64.5% 対 82.1%、p=0.031) 間質性肺疾患を有する患者集団全体において、3年OSについて、肺葉切施行群および区域切除施 行群間に有意差は認められなかった(67.1% 対 81.9%、p=0.14) inconsistent UIPパターンを示す患者集団では、3年OSは、肺葉切除群および区域切除群間で近 似していた(81.1% 対 83.6%、p=0.87) しかし、UIP患者またはpossible UIPパターンを示す患者集団では、3年OSは、区域切除群において、 肺葉切除群よりも良好となっていた(81.0% 対 50.5%、p=0.069) 結論 間質性肺疾患を併発する病期I NSCLCの場合、区域切除は、とくにHRCTでpossible UPパターン を示す患者に対する治療法の選択肢の一つとなる可能性がある Tsutani et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA15.03
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OAK試験に参加した進行NSCLC患者において、アテゾリズマブおよびドセタキセルを比較 するサブグループ解析を実施すること
PL04a.02: OAK、進行NSCLC患者を対象においてアテゾリズマブおよびドセタキセルを比較する無作為化第III相試験: サブグループ解析の結果 – Gadgeel S, et al 研究の目的 OAK試験に参加した進行NSCLC患者において、アテゾリズマブおよびドセタキセルを比較 するサブグループ解析を実施すること PD/ 臨床的恩恵が認められなくなるまで アテゾリズマブ 1,200 mg IV q3w (n=425) 主要な患者選択基準 局所進行または転移NSCLC 第一選択および第二選択化学療法による治療歴 PD-L1発現状況に関する基準なし (n=850) 層別化 PD-L1発現 組織像 化学療法レジメンによる治療歴 R 1:1 ドセタキセル 75 mg/m2 q3w (n=425) PD 主要エンドポイント ITT解析対象集団におけるOS PD-L1 ≥1% TC または ICのOS 副次的エンドポイント ORR、PFS、DoR、安全性 Gadgeel et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr PL04a.02
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PL04a.02: OAK、進行NSCLC患者を対象においてアテゾリズマブおよびドセタキセルを比較する無作為化第III相試験: サブグループ解析の結果 – Gadgeel S, et al
主な結果 結論 OAK試験のサブグループ解析では、様々な患者集団(PD-L1発現、組織像、年齢範囲、喫煙状況、 脳転移)においてアテゾリズマブの有効性が認められたが、EGR変異ありの場合は例外であった CNS転移サブグループ CNS転移あり CNS転移なし ITT ハザード比 0.2 1.0 2.0 ドセタキセルにおけるリスクが小 アテゾリズマブにおけるリスクが小 PFS HR 0.61 0.97 0.93 OS HR 0.54 0.75 0.73 喫煙サブグループ なし 現/元喫煙者 ITT ハザード比 0.2 1.0 2.0 ドセタキセルにおけるリスクが小 アテゾリズマブにおけるリスクが小 PFS HR 1.3 0.87 0.93 OS HR 0.71 0.74 0.73 年齢、 n (%) 65歳未満 65-74歳 75-84歳 ITT ハザード比 0.2 1.0 2.5 ドセタキセルにおけるリスクが小 アテゾリズマブにおけるリスクが小 PFS HR 0.93 0.98 OS HR 0.80 0.63 0.79 0.73 453 (53%) 307 (36%) 88 (10%) 850 (100%) EGFR変異サブグループ 変異型 野生型 ITT ハザード比 0.2 1.0 2.0 ドセタキセルにおけるリスクが小 アテゾリズマブにおけるリスクが小 PFS HR 1.21 0.92 0.93 OS HR 1.24 0.69 0.73 Gadgeel et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr PL04a.02
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進行NSCLC 根治治療不能の病期IIIおよびIV
第一選択
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OA03.01: 進行NSCLC患者におけるニボルマブ単剤とニボルマブ+イピリムマブによる第一選択療法:CheckMate 012に由来する長期転帰 – Gettinger S, et al
研究の目的 進行NSCLC患者において、イピリムマブの併用下および非併用下におけるニボルマブを使った第1選択療法の安全性と有効性を評価すること 方法 化学療法未経験の進行NSCLC患者(組織像を問わず、n=52)に対して、ニボルマブ3 mg/kg IV q2w単剤±イピリムマブ1 mg/kg q6/12wを投与した 主な結果 グレード3~4のTRAEの発生率は、ニボルマブ単剤投与を受けた患者群では19%、ニボルマブ+イピリムマブ1 mg/kg q12w投与群では42%、ニボルマブ+イピリムマブ1 mg/kg q6w投与群では31%であった 1年OS率は、ニボルマブ単剤投与群では69%、ニボルマブ+イピリムマブ 1 mg/kg q12w投与群では91%、ニボルマブ+イピリムマブ1 mg/kg q6w投与群では83%であった ORRは、ニボルマブ単剤投与群では23%、ニボルマブ+イピリムマブ投与群では43%であった ORRは、PD-L1発現ありの患者群で高くなっており(50%以上)、ニボルマブ単剤投与群では50%、ニボルマブ+イピリムマブ併用群では92%であった 結論 進行NSCLC患者において、第一選択のニボルマブ±イピリムマブ併用療法は良好な忍容性を示し、第二選択のNSCLC患者やその他の腫瘍型と類似の結果であった。また有効性も良好であった Gettinger et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA03.01
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NSCLC患者コホートを対象とし、第一選択治療としてのアベルマブの安全性と臨床的活性 を評価すること(用量拡大相、1b) 方法
OA03.03: JAVELIN Solid Tumor: 進行NSCLC患者における第一選択治療としてのアベルマブ(抗PD-L1)の安全性および臨床的活性 – Verschraegen C, et al 研究の目的 NSCLC患者コホートを対象とし、第一選択治療としてのアベルマブの安全性と臨床的活性 を評価すること(用量拡大相、1b) 方法 治療歴のない、病期IVまたは再発性のNSCLCを有する患者にアベルマブ10 mg/kg IV (1 h) q2wを投与した 主な結果 16名(10.3%)の患者に免疫関連と疑われるTRAEが発生した。またグレード3の腎不全が 1名(0.6%)にのみ発生した。グレード3~4の肺臓炎の発生はなく、グレード1~2の肺臓炎 は4名(2.6%)の患者で認められ、11名(7.1%)の患者は、TRAEの発現後に治療を中止 した mPFSは17.6週間(95%CI 11.6、23.6)てあり、24週時点でのPFS率は37.2%であった ORRは22.4% (95%CI 16.2、29.8)、DCRは65.4%。ORRは、≥65歳、女性、ECOG PSスコアが0の患者で相対的に高くなっていた。 結論 早期の結果から、アベルマブは持続的な抗腫瘍活性と、良好な忍容性を示すことが示唆さ れている Verschraegen et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA03.03
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PL03.07: ALK再構成(ALK+)NSCLC患者における第一選択療法としてのセリチニブと化学療法の比較: 無作為化第III相試験(ASCEND-4) – De Castro G, et al
研究の目的 進行ALK陽性NSCLCにおける第一選択治療としての、セリチニブと化学療法の有効性と安全性を比 較検討すること セリチニブ 750 mg/日 (n=189) PD 主要な患者選択基準 病期IIIB/IVのALK陽性NSCLC 治療歴なし WHO基準によるPSスコアが0~2 安定な脳転移 (n=376) 層別化 WHO PSスコア 脳転移 ネオアジュバント/アジュバント化学療法の履歴 セリチニブ 750 mg/日 1:1 化学療法* (n=187) 維持療法ペメトレキセド 500 mg/m2 q3w PD CR、 PR、 SD 主要エンドポイント PFS 副次的エンドポイント OS、ORR、DoR、TTR、安全性 *ペメトレキセド 500 mg/m2 + シスプラチン 75 mg/m2 または ペメトレキセド 500 mg/m2 + カーボプラチン AUC 5–6 Castro et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr PL03.07
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PFS(中央値)は、セリチニブ投与群において、標準的な化学療法群よりも2倍長くなってい た(16.6 対 8.1カ月 p<0.001)
PL03.07: ALK再構成(ALK+)NSCLC患者における第一選択療法としてのセリチニブと化学療法の比較: 無作為化第III相試験(ASCEND-4) – De Castro G, et al 主な結果 PFS(中央値)は、セリチニブ投与群において、標準的な化学療法群よりも2倍長くなってい た(16.6 対 8.1カ月 p<0.001) PFS セリチニブ (n=189) 化学療法 (n=187) イベント、n (%) 89 (47.1) 113 (60.4) 中央値(95%CI)、カ月 16.6 (12.6, 27.2) 8.1 (5.8, 11.1) HR 0.55 (95%CI 0.42, 0.73) p<0.001 100 80 60 PFS率、% 40 20 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30 32 34 経過期間、カ月 リスクに晒されていた患者数 セリチニブ 189 155 139 125 116 105 98 76 59 43 32 23 16 11 1 1 1 化学療法 187 136 114 82 71 60 53 35 24 16 11 5 3 1 1 Castro et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr PL03.07
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PL03.07: ALK再構成(ALK+)NSCLC患者における第一選択療法としてのセリチニブと化学療法の比較: 無作為化第III相試験(ASCEND-4) – De Castro G, et al
主要な結果(続き) PFSに対するセリチニブの恩恵は、事前に規定されていたサブグループの大部分で一致していた サブグループ 患者の数 HRと95%CI HR 95%CI 全患者 376 0.55 (0.42, 0.73) 地理的地域 南米 18 0.65 (0.17, 2.54) 欧州 199 0.54 (0.37, 0.80) アジア太平洋 159 0.60 (0.38, 0.96) 年齢 (歳) <65 295 0.58 (0.42, 0.80) ≥65 81 0.45 (0.24, 0.86) 性別 男性 160 0.41 (0.27, 0.63) 女性 216 0.63 (0.43, 0.93) 人種 白色人種 202 0.44 (0.30, 0.66) アジア人 158 0.66 (0.41, 1.06) スクリーニング時における脳転移 なし 255 0.48 (0.34, 0.69) あり 121 0.70 (0.44, 1.12) WHO PSスコア 139 0.59 (0.37, 0.96) ≥1 236 0.52 (0.37, 0.74) アジュバント化学療法の施行歴 あり 19 1.41 (0.12, 15.84) なし 357 0.55 (0.41, 0.73) BIRC評価による疾病負荷 標的病変におけるベースライン時SOD < 標的病変におけるSOD(中央値) 177 0.51 (0.32, 0.80) 標的病変におけるベースライン時SOD >= 標的病変におけるSOD(中央値) 184 0.53 (0.36, 0.79) 喫煙歴 喫煙経験なし 230 0.56 (0.38, 0.80) 元喫煙者または現喫煙者 146 0.48 (0.30, 0.77) 0.1 1 10 セリチニブにおけるリスクが小 化学療法におけるリスクが小 Castro et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr PL03.07
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PL03.07: ALK再構成(ALK+)NSCLC患者における第一選択療法としてのセリチニブと化学療法の比較: 無作為化第III相試験(ASCEND-4) – De Castro G, et al
主要な結果(続き) 全体的にみて、薬剤関連と疑われるAEにより中止に至った患者の割合は、セリチニブ群では5.3%、化 学療法群では11.4%となっていた セリチニブ群で特に高率に発生したAE(発生率が50%超のAE)は、下痢(84.7%)、悪心(68.8%)、 嘔吐(66.1%)、ALT上昇(60.3%)、AST上昇(52.9%)であった セリチニブ (n=189) 化学療法(n=175) 治療投与量(中央値)、週* 66.4 26.9 AE(治療との因果関係を問わない)、 n(%) 189 (100.0) 170 (97.1) SAE(治療との因果関係を問わない)、n(%) 70 (37.0) 62 (35.4) SAE(治験薬に関連する)、n(%) 30 (15.9) 27 (15.4) 中止の主な理由としてのAE、n(%) 21 (11.1) 29 (16.6) 中止の主な理由としてのAE(治験薬に関連する)、n(%) 10 (5.3) 20 (11.4) 用量調節または中断/遅れにつながったAE (治療との因果関係を問わない)、n(%) 131 (69.3) 69 (39.4) 治療中の死亡、n(%) 肺癌関連/その他** 11 (5.8) 7 (3.7)/4 (2.1) 6 (3.4) 5 (2.9)/1 (0.6) *相対投与量(中央値)(範囲): 78.4% (30.4−100.0)(セリチニブ)、95.8% (48.5−103.4) (ペメトレキセド)、99.2% (64.5−106.2) (シスプラチン)、93.8% (54.6−125.9) (カーボプラチン)。**セリチニブ:心筋梗塞(n=1)、肺臓炎(n=1)、呼吸器感染(n=1)、原因不明(1)、化学療法:肺感染症(n=1) Castro et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr PL03.07
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PL03.07: ALK再構成(ALK+)NSCLC患者における第一選択療法としてのセリチニブと化学療法の比較: 無作為化第III相試験(ASCEND-4) – De Castro G, et al
結論 ASCEND-4は主要エンドポイントを達成した セリチニブ群では、化学療法群と比べ、PFSの統計学的に有意で臨床的な意義のある改善が認め られた 脳転移の有無に関わらず、事前に規定されていた全てのサブグループにおいて、PFSの改善は安定 で一定していた また、臨床的な恩恵は、高いORRとDORによっても裏付けられた セリチニブの安全性プロファイルは、先行試験で認められた安全性プロファイルに一致している ALK再構成進行NSCLC患者において、セリチニブは第一選択療法の選択肢の一つとなる。 Castro et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr PL03.07
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ALK阻害剤の投与歴のないALK+NSCLCにおけるアレクチニブとクリゾチニブの比較検討
MA07.03: ALK陽性非小細胞肺癌(ALK+ NSCLC)におけるアレクチニブ(ALC)とクリゾチニブ(CRZ)の比較検討 :第III相試験 (J-ALEX)から得られた主な結果 – Kim YH, et al 研究の目的 ALK阻害剤の投与歴のないALK+NSCLCにおけるアレクチニブとクリゾチニブの比較検討 アレクチニブ 300 mg bid (n=100) 主要な患者選択基準 病期IIIB/IVまたは再発性NSCLC ECOG PSスコアが0~2 1個以上の測定可能病変 1種以下の化学療法施行歴 (n=207) PD 層別化 ECOGのPSスコア(0/1 vs. 2) 治療ライン(第一選択 vs. 第二選択) 病期(IIB/IV vs. 再発性) R 1:1 クリゾチニブ 250 mg bid (n=100) PD 主要エンドポイント 盲検下の独立治験審査委員会によるPFS 副次的エンドポイント OS、ORR、安全性 Kim et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr MA07.03
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MA07.03: ALK陽性非小細胞肺癌(ALK+ NSCLC)におけるアレクチニブ(ALC)とクリゾチニブ(CRZ)の比較検討 :第III相試験 (J-ALEX)から得られた主な結果 – Kim YH, et al 主な結果 PFS(中央値)はアレクチニブの方がクリゾチニブよりも高かった(p<0.0001) アレクチニブ (n=103) クリゾチニブ (n=104) イベント、n (%) 25 (24.3) 58 (55.8) 中央値(95%CI)、カ月 NR (20.3, NR) 10.2 (8.2, 12.0) P値 <0.0001 HR 0.34 ( %CI 0.17, 0.71) 100 80 60 NR PFS、% 40 20 10.2カ月 1 3 6 9 12 15 18 21 24 27 経過期間、カ月 リスクに晒されていた患者数 アレクチニブ クリゾチニブ 103 104 103 102 93 86 76 65 49 40 36 21 27 14 9 4 1 Kim et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr MA07.03
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MA07.03: ALK陽性非小細胞肺癌(ALK+ NSCLC)におけるアレクチニブ(ALC)とクリゾチニブ(CRZ)の比較検討 :第III相試験 (J-ALEX)から得られた主な結果 – Kim YH, et al 主要な結果(続き) サブグループ解析によれば、PFSに関するHRはCNS疾患に関わらずアレクチニブが良好であることが示された 結論 J-ALEXは、主要エンドポイントを達成し、クリゾチニブに対するアレクチニブの優越性が確認された アレクチニブは、クリゾチニブよりも高いCNS疾患抑制効果を示した サブグループ アレクチニブ(N=103) クリゾチニブ(N=104) n イベント HR (95%CI)* 全体 103 25 104 58 0.34 0.21, 0.54 ECOG PSスコア 0/1 101 24 102 57 0.33 0.20, 0.53 2 1 1.41 0.08, 23.57 化学療法施行歴 66 15 67 35 0.30 0.17, 0.56 37 10 23 0.39 0.18, 0.83 臨床病期 術後再発 6 26 13 0.49 0.18, 1.30 病期IIIB/IV 79 19 78 45 0.31 0.18, 0.52 年齢群 ≥75 12 3 5 0.28 0.06, 1.19 <75 91 22 94 53 0.21, 0.56 喫煙の状態 喫煙経験なし 56 18 61 33 0.50 0.28, 0.89 元/現喫煙者 47 7 43 0.18 0.08, 0.42 ベースライン時の 脳転移 あり 14 29 16 0.08 0.01, 0.61 なし 89 75 42 0.23, 0.64 ALK検査方法 IHCおよびFISH 96 21 52 0.18, 0.50 RT-PCR 4 0.80 0.22, 2.90 性別 女性 62 63 0.17, 0.57 男性 41 9 0.35 0.16, 0.77 *未層別化 0.01 0.1 1 10 100 アレクチニブにおけるリスクが小 クリゾチニブにおけるリスクが小 Kim et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr MA07.03
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MA07.05: EUCROSS: ROS1再構成を有する進行肺腺癌におけるクリゾチニブの欧州第II相試験 - 予備解析結果 – Michels S, et al
研究の目的 ROS1陽性肺腺癌におけるクリゾチニブの有効性および安全性を評価すること 方法 局所進行ROS1陽性肺腺癌(中央のFISHにより確定診断されたもの)を有する患者を対象とする、ク リゾチニブ250 mgの1日2回投与に関する第II相前向き試験 ベースラインでの腫瘍組織については、DNAシーケンシングによる解析も実施された 主な結果 シーケンジングの結果、登録患者35名のうち、32名がROS1融合遺伝子陽性であり、31名が治療に 適格とされた 治験医師の評価では、ORRとDCRがそれぞれ66.7%(95%CI 47.1、82.1)と83.3%(95%CI 64.6、 93.7)となった PFS(中央値)は未到達である。13.3カ月間の追跡調査期間(中央値)において、最長のPFSは23.8 カ月であった 治療関連AE(グレードを問わない)で特に高率に発生したAE(発生率が40%超のAE)は、視覚障害 (58.8%)、浮腫(47.1%)、下痢(47.1%)、徐脈(41.2%)、悪心(44.1%)、ALT/AST上昇 (41.2%)であった 結論 クリゾチニブは、ROS1再構成NSCLC患者のサブセット(FISHおよびDNAシーケンシングによって特定さ れたサブセット)において、高い有効性と良好な忍容性を示す Michels et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr MA07.05
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MA09.03: 進行非扁平上皮NSCLC患者におけるシスプラチン/ペメトレキセド+デュルバルマブ+/-トレメリムマブ: CCTG第IB相試験 - IND.226 – Juergens RA, et al 研究の目的 進行NSCLCにおいて、4つの標準プラチナ2剤併用レジメンのうちの1つ(ここでは、ペメトレキセド/シスプ ラチン併用レジメンに関する結果を示す)と併用した場合の、デュルバルマブ(PD-L1阻害剤の一種)± トレメリムマブ(CTLA-4阻害剤の一種)について、安全性および忍容性を評価すること 方法 PD-L1の発現状況に関わらず、デュルバルマブ10または15 mg/kg q3w±トレメリムマブ1または 3 mg/kg q6w+標準化学療法により治療が行われた 主な結果 デュルバルマブまたはトレメリムマブに関連すると考えられた有害事象は、大部分がグレード2以下であり、 特に高率に発生した(発生率15%以上)のは、疲労(50%)、嘔吐(23%)、下痢(15%)、発疹 (15%)であった 2名の患者が、重篤な有害事象(化学療法に関連のある発熱性好中球減少症、ならびに、化学療法 とデュルバルマブ+トレメリムマブの両者に関連する肺臓炎)を発症し、用量制限毒性であると判断され た 治療を受けた患者全員(16/26)のRRは61.5%(95%CI 40.6, 79.8)、PR16名、SD7名、PD2名 結論 PD-L1の有無にかかわらず進行NSCLC患者において、デュルバルマブ15 mg/kg q3wおよびトレメリム マブ1 mg/kg(複数回 q6w)またはトレメリムマブ3 mg/kg(投与3回 q6w)はプラチナ製剤(二剤)化学 療法と安全に組み合わせることができる Juergens et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr MA09.03
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プラチナ製剤(二剤併用)化学療法、4~6サイクル
PL04a.01: PD-L1 TPS ≥50%の進行NSCLC患者における健康関連の生活の質についての、ペンブロリズマブおよび化学療法間の比較 KEYNOTE-024 に由来するデータ – Brahmer J, et al 研究の目的 病期IVのNSCLCにおける第一選択治療としての、ペンブロリズマブの有効性と安全性について、プラチ ナ製剤(二剤併用)化学療法との比較検討を行うこと 主要な患者選択基準 治療歴のない病期IVのNSCLC PD-L1 TPS ≥50% 活性化EGFR変異もALK転座も認めない 未治療の脳転移なし 全身治療を要する活動性自己免疫疾患なし (n=305) ペムブロリズマブ 200 mg q3w (2年) (n=154) PD 1:1 プラチナ製剤(二剤併用)化学療法、4~6サイクル (n=151) PD* PROエンドポイント EORTC QLQ-C30 全般的な健康状態/QoLの、ベースラインから第15週までの変化 EORTC QLQ-LC13複合的エンドポイント(咳、胸痛、呼吸困難で構成される)の悪化までの期間 *患者らはペンブロリズマブ IV 200 mg q3w (2年)に切り替え可能 Brahmer et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr PL04a.01
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悪化までの期間(EORTC QLQ-LC13 複合
PL04a.01: PD-L1 TPS ≥50%の進行NSCLC患者における健康関連の生活の質についての、ペンブロリズマブおよび化学療法間の比較 KEYNOTE-024 に由来するデータ – Brahmer J, et al 主な結果 ペンブロリズマブはベースライン時から第15週まで、プラチナ製剤(二剤併用)による治療に比べ、HRQoLにおいて有意 に大きな改善を示した(LSでの差 平均7.8 [95%CI 2.8, 12.8], p=0.002) ペンブロリズマブは、症状によるHRQoLの悪化を抑制した(p=0.029) 結論 PD-L1発現、TPS≥50%を示す進行NSCLCの第一選択治療において、ペンブロリズマブは新たな標準治療となる可 能性があり、PFS、OS、HRQoLについて、プラチナ製剤(二剤併用)よりも優れた恩恵をもたらす。 100 80 40 60 20 悪化までの期間(EORTC QLQ-LC13 複合 エンドポイント[咳、胸痛、呼吸困難]) 経過期間、カ月 3 6 9 12 15 18 イベント、n (%) HR (95%CI) ペンブロリズマブ(n=51) 46 (30.5) 0.66 (0.44, 0.97) p=0.029 化学療法(n=148) 58 (39.2) 悪化までの期間 (生存分析) Brahmer et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr PL04a.01
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実際の臨床現場におけるEGFRm+NSCLC患者を対象とし、OS、予測因子、治療パター ンを調査すること 方法
OA23.06: EGFR変異陽性を示す非小細胞肺癌患者の全生存(OS): 1,660名の日本人患者における臨床現場での治療パターン – Yoshida K, et al 研究の目的 実際の臨床現場におけるEGFRm+NSCLC患者を対象とし、OS、予測因子、治療パター ンを調査すること 方法 組織学的または細胞学的にEGFRm+NSCLCの診断が下され、2008年1月1日~2012 年12月31日のあいだに日本の17病院で第一選択治療を開始した1,660名の患者に関す る後ろ向き試験 患者特性(治療歴、生存状況)が医療記録から抽出された Yoshida et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA23.06
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OA23.06: EGFR変異陽性を示す非小細胞肺癌患者の全生存(OS): 1,660名の日本人患者における臨床現場での治療パターン – Yoshida K, et al
主な結果 全体で、61.47%の患者がEGFR-TKIによる治療を受けた 全患者のOS(中央値)は29.7カ月(95%CI 28.13, 31.40)であり、5年生存率は21.5%であった 治療開始時点で高齢の場合、病期が進行している場合、喫煙歴がある場合、非腺癌および稀な EGFR変異の場合のいずれにおいても、OSの低下に関連していた 結論 日本のEGFRm+NSCLC患者の治療においてEGFR-TKIは重要である 治療期間(カ月) 12 24 36 48 60 生存率、 % 100.0 84.4 60.4 41.2 29.4 21.5 生存患者数、n 1,656 1,320 885 565 295 136 死亡患者数、n 251 616 889 1,033 1,102 打ち切り症例、n 85 155 202 328 418 Yoshida et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA23.06
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治験の枠外で処方されたRET指向性標的化治療の有効性に関するデータを提供する 方法
MA16.03: グローバルRETレジストリ(GLORY):RET再構成肺癌におけるRET指向性標的化治療の活性 – Gautschi O, et al 研究の目的 治験の枠外で処方されたRET指向性標的化治療の有効性に関するデータを提供する 方法 RET再構成NSCLCと病理学的に確定された患者が、欧州、アジア、米国の胸部腫瘍専 門医により特定された 治験の枠外で処方されたRETチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)の奏効がRECIST 1.1で判 定された 目的はORR、PFS、OSを判定することであった 結果 年齢(中央値)が61歳(範囲28-89)の165名の患者のうち、53名がRET阻害剤による治 療を受けた。特に高率に処方されていたRET阻害剤は、以下の通りであった: カボザンチニブ(n=21) バンデタニブ(n=11) スニチニブ(n=10) Gautschi et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr MA16.03
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RETレジストリにおけるRET阻害剤の奏効率は、治験と一致していたが、PFSは「臨床現 場」においては治験よりも低くなっていた
MA16.03: グローバルRETレジストリ(GLORY):RET再構成肺癌におけるRET指向性標的化治療の活性 – Gautschi O, et al 結果(続き) ORRは50名の患者で評価可能であった 結論 RETレジストリにおけるRET阻害剤の奏効率は、治験と一致していたが、PFSは「臨床現 場」においては治験よりも低くなっていた RET阻害剤 最良奏効率、% (95% CI) PFS中央値、カ月 OS中央値、カ月 カボザンチニブ 37 (16.3, 61.6) 3.6 (1.3, 7.0) 4.9 (1.9, 14.3) バンデタニブ 18 (2.3, 51.8) 2.9 (1.0, 6.4) 10.2 (2.4, NR) スニチニブ 22 (2.8, 60.0) 2.2 (0.7, 5.0) 6.8 (1.1, NR) Gautschi et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr MA16.03
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PD-1阻害剤とPD-L1阻害剤の毒性の違いを調査する治験の系統的レビュー 方法
OA03.06: 非小細胞肺癌(NSCLC)におけるPD-L1阻害剤の毒性プロファイルについての、 PD-1阻害剤との比較による評価 – Pillai RN, et al 研究の目的 PD-1阻害剤とPD-L1阻害剤の毒性の違いを調査する治験の系統的レビュー 方法 NSCLC患者を対象としPD-1阻害剤(ニボルマブ、ペンブロリズマブ)とPD-L1阻害剤(アテ ゾリズマブ、デュルバルマブ、アベルマブ)を用いた試験に関するMEDLINE、EMBASE、学 会抄録の文献検索 毒性に関する報告のなかった試験は除外した メタ解析を実施し、臨床的・人口統計学的特性、奏効、および毒性データについて、PD-1 阻害剤およびPD-L1阻害剤間での比較が実施された Pillai et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA03.06
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OA03.06: 非小細胞肺癌(NSCLC)におけるPD-L1阻害剤の毒性プロファイルについての、 PD-1阻害剤との比較による評価 – Pillai RN, et al
主な結果 23件の試験が解析に含められた。12件はPD-1阻害剤について、11件はPD-L1阻害剤についての試 験であった 合計5,899名の患者に関し毒性についての評価が行われた。これらの患者の内訳は、PD-1による治療 を受けた患者が3,294名、ならびに、PD-L1阻害剤による治療を受けた患者が3,284名となっていた ORRは、群間で近似していた(PD-1では19%、PD-1では17%、p=0.7) PD-1阻害剤群およびPD-L1阻害剤群において、AEはそれぞれ72%および65%に発生し、最も高率 に発生していたAEは疲労であった(各群の発生率は、それぞれ19%および21%) 免疫関連AEの発生(16% 対 11%、p=0.04)と肺臓炎(4% 対 2%、p=0.01)は、PD-1阻害剤群に おいて、PD-L1阻害剤群よりもわずかに高くなっていた 結論 全AEの発生率は、PD-1阻害剤群およびPD-L1阻害剤群間で近似していた 未選定のNSCLC患者集団において、PD-1阻害剤とPD-L1阻害剤の奏効率は同程度であると考え られる Pillai et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA03.06
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進行NSCLC 根治治療不能の病期IIIおよびIV
第二選択以降
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OA03.05: CheckMate 057におけるニボルマブまたはドセタキセルでの治療を受けた進行非扁平上皮NSCLC患者の早期生存率の解析 – Peters S, et al
研究の目的 CheckMate 057のポストホック解析を行い、ベースライン時の患者/疾患特性(PD-L1発現、 治療3カ月以内での死亡含む)の関係を調べる 主要な患者選択基準 病期IIIB/IB非扁平上皮NSCLC ECOGのPSスコアが0~1 1種以上のプラチナ製剤ベースの化学療法 ALK転座またはEGFR変異が判明している場合のTKI投与歴 維持療法の施行歴は容認された PD-L1解析のための治療前腫瘍サンプル (n=582) ニボルマブ 3 mg/kg IV q2w (n=292) PD/ 毒性 R 層別化 維持療法の施行歴 治療のライン(2L 対 3L) ドセタキセル 75mg/m2 q3w (n=290) PD/ 毒性 主要エンドポイント OS 副次的エンドポイント ORR、PFS、腫瘍PD-L1発現ごとの有効性、安全性、QoL Peters et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA03.05
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3カ月経過時点で生存: <1%の患者 PD-L1発現
OA03.05: CheckMate 057におけるニボルマブまたはドセタキセルでの治療を受けた進行非扁平上皮NSCLC患者の早期生存率の解析 – Peters S, et al 主な結果 治療の最初の3カ月以内における死亡リスクはニボルマブ(59/292)の方がドセタキセル(44/290)よりも 数字上では高く、最も多かった死因は病勢進行であった ポストホック解析では、ニボルマブによる治療を受け、不良な予測特性 および/または 侵攻性疾患を持つ患者で、腫 瘍PD-L1発現が少ないまたはない場合には、リスクが高い可能性があることが示唆された。 結論 治療の最初の3カ月間において、15名の患者の死亡において絶対的な差が認められた。ただしこの後は、 OS率はニボルマブで2年以上にわたり常に良好であった 3カ月経過時点で生存: <1%の患者 PD-L1発現 ITT解析対象集団 3カ月経過時点で生存:全患者 ニボルマブ (n=292) ドセタキセル (n=290) OS(中央値)、月 12.2 9.4 イベント 190 223 HR (95%CI) 0.73 (0.59, 0.89) ニボルマブ (n=232) ドセタキセル (n=244) OS(中央値)、月 17.4 11.3 イベント 131 179 HR (95%CI) 0.59 (0.47, 0.74) ニボルマブ (n=82) ドセタキセル (n=87) OS(中央値)、月 14.7 11.4 イベント 51 62 HR (95%CI) 0.66 (0.45, 0.97) 100 100 100 80 80 80 60 60 60 OS、% 40 40 40 20 ニボルマブ ドセタキセル 20 ニボルマブ ドセタキセル 20 ニボルマブ ドセタキセル 3 6 9 12 15 18 21 24 27 3 6 9 12 15 18 21 24 27 3 6 9 12 15 18 21 24 27 カ月 カ月 カ月 Peters et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA03.05
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第III相KEYNOTE-010試験でペンブロリズマブ治療を最大24カ月実施した患者において 転帰を評価する
OA03.07: KEYNOTE 010:治療歴のあるPD-L1発現NSCLC患者(ペンブロリズマブ治療を完了)における、持続的な臨床的恩恵 – Herbst RS, et al 研究の目的 第III相KEYNOTE-010試験でペンブロリズマブ治療を最大24カ月実施した患者において 転帰を評価する ペムブロリズマブ 2 mg/kg q3w 24カ月間 主要な患者選択基準 1種類以上の化学療法実施後、進行が認められた進行NSCLC PD-L1 TPS ≥1% ECOGのPSスコアが0~1 (n=1034) PD/毒性/その他 ペムブロリズマブ 10 mg/kg q3w 24カ月間 R 1:1:1 PD/毒性/その他 ドセタキセル 75 mg/m2 q3w 現地ガイドラインに基づく PD/毒性/その他 層別化 ECOGのPSスコア(0 vs. 1) 地域(東アジア vs 東アジア以外) PD-L1の状態 (TPS ≥50% vs. 1-49%) 主要エンドポイント PFS、OS 副次的エンドポイント ORR、DoR、安全性 Herbst et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA03.07
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OA03.07: KEYNOTE 010:治療歴のあるPD-L1発現NSCLC患者(ペンブロリズマブ治療を完了)における、持続的な臨床的恩恵 – Herbst RS, et al
主な結果 結論 2年間の治療後、ペンブロリズマブの臨床的恩恵は持続的であり、多くの患者で奏効が依 然継続した。そこには治療が終わった時病勢安定であった患者も含まれる。 ペムブロリズマブ 2 mg/kg q3w(n=344) ペムブロリズマブ 10 mg/kg q3w(n=344) ドセタキセル 75 mg/m2(n=343) イベント、n (%) 233 (68) 214 (62) 257 (75) mOS、カ月(95%CI) 10.5 (9.6, 12.4) 13.4 (11.2, 17.0) 8.6 (7.9, 9.8) HR (95%CI) 0.72 (0.60, 0.86) 0.60 (0.49, 0.72) — p値 (対 ドセタキセル) < 24カ月OS率、% (95% CI) 30.1 (25.0, 35.4) 37.5 (32.2, 42.9) 14.5 (10.5, 19.2) 集団全体におけるOS 100 80 60 全生存率、% 40 追跡調査期間の中央値:2.1年 (範囲、1.5–3.0年) ドセタキセル 75 mg/m2 (n=343) ペムブロリズマブ 2 mg/kg q3w (n=344) ペムブロリズマブ 10 mg/kg q3w (n=344) 20 5 216 261 259 10 129 176 195 15 84 135 259 20 40 88 100 25 20 46 57 30 6 12 15 35 1 リスクに晒されていた患者数: ドセタキセル 75 mg/m2 ペンブロ 2 mg/kg q3w ペンブロ 10 mg/kg q3w カ月 Herbst et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA03.07
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軟膜髄膜転移(LM)が発生したNSCLC患者におけるエルロチニブの有効性を評価する第 II相試験
OA08.02: 軟膜髄膜転移が発生した進行非小細胞肺癌患者におけるエルロチニブの第II相試験(LOGIK1101)– Ota K, et al 研究の目的 軟膜髄膜転移(LM)が発生したNSCLC患者におけるエルロチニブの有効性を評価する第 II相試験 主要な患者選択基準 進行/転移性NSCLC患者で細胞学的にLMが確定 年齢 ≥20歳 PS 1−3 EGFR+またはwt (n=21) エルロチニブ 150 mg/日 PD 主要エンドポイント 細胞学的クリアランス率* 副次的エンドポイント 進行までの期間、OS、AE、症状 CSFのPK *治療後4週間、LMが確認された全患者数のうち、CSFで完全寛解を達成した患者の数 注:32名の患者が登録される必要があったのに対し、登録患者は21名に(66%)とどまったため、本試験は終了となった Ota et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA08.02
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OA08.02: 軟膜髄膜転移が発生した進行非小細胞肺癌患者におけるエルロチニブの第II相試験(LOGIK1101)– Ota K, et al
主な結果 細胞学的なクリアランス率はEGFR変異群で35.3%、野生型群で0%であった EGFR変異での方がEGFR野生型でよりも、進行までの期間は有意に長く、OSは長かった(それぞれ p=0.0113、p=0.0054) 結論 軟膜髄膜転移に対するエルロチニブ治療は有効であり、特にEGFR変異患者において顕著である 進行までの期間(n=21) OS (n=21) 100 100 200 300 400 500 50 生存期間、カ月 TTP(中央値)、カ月 EGFR変異(n=17) 2.7 EGFR野生型(n=4) 0.9 TTP(中央値)、カ月 EGFR変異(n=17) 4.0 EGFR野生型(n=4) 1.2 HR 0.29 (0.02, 0.52); p=0.0113 HR 0.25 (0.01, 0.42); p=0.0054 LM進行までの期間、カ月 50 100 200 300 400 500 期間、登録からの日数 期間、登録からの日数 Ota et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA08.02
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OA08.05: 髄膜癌腫症を発症するEGFR変異を有するNSCLC患者におけるアファチニブの有効性と脳脊髄液中濃度 – Tamiya A, et al
研究の目的 EGFR陽性NSCLCおよび髄膜癌腫症(LC)患者におけるアファチニブ 40 mg/日のCSF移行率と有効性を評価する 方法 アファチニブ濃度は、8日目投与前に血中とCSF中で測定された 主な結果 11名の患者が本試験に登録された。アファチニブ濃度は血中とCSF中でそれぞれ10名と8名において測定された 5名の患者はEGFRエクソン19欠失、3名がエクソン21 L858R変異、3名がエクソン18変異であった アファチニブの血中濃度(中央値)は88.2 ng/mL(範囲 30.4–373.0)、CSF中濃度(中央値)は 1.4 ng/mL(範囲 0.4–2.9)、CSF移行率(中央値)は1.7%(範囲 0.1–9.3)であった mPFSは61日(範囲 )、mOSは115日(32-410)、SD 1名、PR 3名(エクソン18変異を持つ患者で2名) 毒性は概して軽度であった。グレード3以上のAEである皮膚毒性、下痢、口内炎、好中球減少症が、特に不良なPS を呈する患者において、発生した 結論 アファチニブのCSF移行率(中央値)はこれまで報告のあったものより高く、EGFRエクソン18変異を持つ患者において 良好な奏効を示すことが示された 下痢と皮膚毒性の管理は重要である Tamiya et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA08.05
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ALK+ NSCLCおよび脳転移のある患者におけるブリガチニブの有効性を評価すること 方法
OA08.06: 2件の臨床試験における、ALK+ NSCLCおよび頭蓋内CNS患者におけるブリガチニブの活性 – Gettinger SN, et al 研究の目的 ALK+ NSCLCおよび脳転移のある患者におけるブリガチニブの有効性を評価すること 方法 ブリガチニブに関する2件の試験から、ベースライン時点でALK+ NSCLCおよび脳転移のあ る患者が本解析に含められた ブリガチニブ mg/日に関する第I/II相試験(n=50) 7日間の90 mg/日導入期間を伴う、ブリガチニブ 90 mg/日または180 mg/日の、ALTA ピボタル第II相試験(それぞれn=71、n=67) Gettinger et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA08.06
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OA08.06: 2件の臨床試験における、ALK+ NSCLCおよび頭蓋内CNS患者におけるブリガチニブの活性 – Gettinger SN, et al
主な結果 ブリガチニブによる頭蓋内ORRは、第I/II相およびALTA(180 mg用量)の場合それぞれ53%、67%であった 頭蓋内PFS(中央値)は第I/II相で14.6カ月、180 mg用量におけるALTAで18.4カ月であった 大多数の患者で、頭蓋内標的病変において30%以上の縮小が認められた 結論 ALK+ NSCLC患者において、ブリガチニブは頭蓋内での奏効率が高く、頭蓋内PFSが安定しており、脳内における有 効性が示された 測定可能な頭蓋内CNS転移を有する患者 第I/IIa ALTOb 全てのAE (n=15) 90 mg/日(n=26) 180 mg/日(n=18) 確定した頭蓋内ORR、n (%) 8 (53) 12 (46) 12 (67) 頭蓋内DCR、n (%) 13 (87) 22 (85) 15 (83) 脳放射線療法の施行歴なし 活動性c 脳病変 (n=9) 90 mg/日(n=19) 180 mg/日(n=15) 6 (67) 8 (42) 11 (73) 8 (89) 16 (84) 14 (93) a 15/46名の評価可能な患者で測定可能な脳転移が認められた b 44/153名の評価可能な患者で測定可能な脳転移が認められた c 活動性:未治療または治療後進行と定義 Gettinger et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA08.06
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MA04.02: HER2変異肺癌におけるネラチニブ±テムシロリムス: 国際、無作為化、第II相試験 – Gandhi L, et al
研究の目的 進行HER2変異肺癌患者において、mTOR阻害剤テムシロリムスの併用/非併用下におけるpan- HER阻害剤ネラチニブについて、比較を行うこと 方法 ネラチニブ 240 mg/日単剤(n=17)またはネラチニブ+テムシロリムス 8 mg/週(n=43)に関する無作為 化第II相試験 主な結果 ORRはネラチニブ群で0%、ネラチニブ+テムシロリムス群で14%であった PFS中央値(95%CI)は、ネラチニブ群とネラチニブ+テムシロリムス群においてそれぞれ2.9カ月(1.4, 9.8) と 4.0カ月(2.9, 5.4)であった OS中央値(95%CI)は、ネラチニブ群とネラチニブ+テムシロリムス群においてそれぞれ10.0カ月(4.9、 18.9)と 15.1(10.8、17.7)であった ロピラミド予防により、グレード3の下痢がネラチニブ群では12%、ネラチニブ+テムシロリムス群では14% に発生した 結論 ERBB2体細胞突然変異を持つ進行/転移NSCLC患者においては、HER2とPI3Kの両経路の阻害 の方が、HER2経路阻害単独よりも優れていることが明らかとなった Gandhi et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr MA04.02
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PL03.05: 脳: EGFR変異のある脳転移を示すNSCLCにおいてWBIとイコチニブによる化学療法の比較を行う第III相試験 (CTONG 1201) – Wu YL, et al
研究の目的 EGFR変異がある進行NSCLC患者における化学療法併用/非併用下全脳照射(WBI)について、 対 EGFRチロシンキナーゼ阻害薬、イコチニブの有効性を調査する 主要な患者選択基準 脳転移を有する進行NSCLC EGFR変異 ≥3 脳転移病変 平均余命が12週間以上 ECOG PSスコアが0~1 (n=79) イコチニブ 125 mg tid (n=85) PDb R 1:1 WBI (30GY/3GY/10F) ± 化学療法a (n=78) PDc 主要エンドポイント 頭蓋内PFS(iPFS) 副次的エンドポイント PFS、頭蓋内ORR(iORR)、OS、 安全性と忍容性 a化学療法サイクル1の第22日に開始(シスプラチン 25 mg/m2(4–6サイクル) 第1-3日 または 75 mg/m2 第1日 + エトポシド 100 mg/m2 第1-3日)。b進行後にも、臨床的 恩恵が認められる場合には、イコチニブを継続可能。cWBIからイコチニブへのクロスオー バーは許可されていた。 Wu et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr PL03.05
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PL03.05: 脳: EGFR変異のある脳転移を示すNSCLCにおいてWBIとイコチニブによる化学療法の比較を行う第III相試験 (CTONG 1201) – Wu YL, et al
主な結果 頭蓋内PFS(iPFS)とPFSは両方共、WBI±化学療法よりも長かった iPFS 43.0% 47.0% 頭蓋内PFS、% 経過期間、カ月 100 80 60 40 20 5 10 15 25 30 48.0% 72.0% Δ24.0% Δ4.0% HR 0.56 (95%CI 0.36, 0.90) 群 N イベント 中央値、カ月 (95%CI) P値 WBI ± 化学療法 73 34 4.8 (2.4, 7.2) 0.014 イコチニブ 85 46 10.0 (5.6, 14.4) 47.0% 43.0% 6カ月 12カ月 Wu et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr PL03.05
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PL03.05: 脳: EGFR変異のある脳転移を示すNSCLCにおいてWBIとイコチニブによる化学療法の比較を行う第III相試験 (CTONG 1201) – Wu YL, et al
主要な結果(続き) ORRとDCRは、WBI±化学療法にくらべイコチニブの方が優れていた 結論 脳転移を有する進行EGFR変異NSCLCにおいて、イコチニブを第一選択として用いるべきである Δ17.6% p=0.014 WBI ± 化学療法 イコチニブ Δ24.0% Δ26.2% p=0.001 p<0.001 84.7% Δ43.9% 78.8% p<0.001 67.1% 67.1% 55.0% 54.8% 客観的奏効率、% 40.9% 11.1% 頭蓋内 ORR 頭蓋内 DCR 全 ORR 全 DCR Wu et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr PL03.05
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ガネテスピブ 150 mg/m2 D1、15 + ドセタキセル 75 mg/m2 D1 q3w
PL03.09: 進行非小細胞肺癌におけるガネテスピブ(熱ショックタンパク質90阻害剤)+ドセタキセル併用について、ドセタキセル単剤との比較を行う第III相試験(GALAXY-2) – Pillai R, et al 研究の目的 進行非小細胞肺腺癌における、ガネテスピブ + ドセタキセル併用下の転帰について、ドセタ キセル単剤投与下の転帰と比較する ガネテスピブ 150 mg/m2 D1、15 + ドセタキセル 75 mg/m2 D1 q3w (n=335) 主要な患者選択基準 治験登録の6カ月以上前に診断が下された進行腺癌 EGFRおよびALK野生型 1種類の治療レジメンの治療歴あり ECOGのPSスコアが0~1 (n=672) PD 層別化 ECOGのPSスコア(0 vs. 1) ベースラインでのLDH(≤ または > ULN) 地理的地域 R 1:1 ドセタキセル 75 mg/m2 D1 q3w (n=337) PD 主要エンドポイント OS 副次的エンドポイント LDH上昇患者におけるPFSとOS Pillai et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr PL03.09
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PL03.09: 進行非小細胞肺癌におけるガネテスピブ(熱ショックタンパク質90阻害剤)+ドセタキセル併用について、ドセタキセル単剤との比較を行う第III相試験(GALAXY-2) – Pillai R, et al 主な結果 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 ITT解析対象集団におけるOS 無作為化からの経過期間、カ月 5 10 15 20 25 337 335 リスクに晒されていた患者数 197 196 108 112 61 59 34 18 8 1 ガネテスピブ + ドセタキセル ドセタキセル N 335 337 死亡 187 (55.8) 171 (50.7) 中央値 (95% CI) 10.9 (9.0, 12.3) 10.5 (8.6, 12.2) p値(両側層別化ログランク) 0.3293 HR (95%CI) 1.111 (0.899, 1.372) Pillai et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr PL03.09
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ガネテスピブ + ドセタキセル (n=327) ドセタキセル (n=329)
PL03.09: 進行非小細胞肺癌におけるガネテスピブ(熱ショックタンパク質90阻害剤)+ドセタキセル併用について、ドセタキセル単剤との比較を行う第III相試験(GALAXY-2) – Pillai R, et al 主要な結果(続き) 結論 進行期肺腺癌患者において、ガネテスピブによりドセタキセルの有効性が改善されることはな かった AE、n (%) ガネテスピブ + ドセタキセル (n=327) ドセタキセル (n=329) AE 309 (94) 294 (89) 全AE ≥グレード 3 または 4 214 (65) 179 (54) 全SAE 133 (41) 103 (31) 死亡のAE転帰 38 (12) 27 (8) Pillai et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr PL03.09
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OA11.01: パクリタキセルとベバシズマブ1回/週投与に曝露された患者におけるOSの延長 IFCT-1103 ULTIMATE試験における移行の影響 – Cortot A, et al
研究の目的 ベバシズマブのULTIMATE試験において進行後、治療群を変更した患者の転帰を評価する 方法 病勢進行において治療群を変更した患者を対象に、中止後のPFS(PFS2)とOS(OS2)が計算された 主な結果 パクリタキセル+ベバシズマブ1回/週に移行したドセタキセル治療患者(n=21)では、PFS2(中央値)が 4.9カ月(95%CI 3.1, 6.2)、OS2が12.5カ月(95%CI 7.0, NR)であった 移行しなかった患者(ただし中止後治療を受けた)(n=13)では、PFS2(中央値)が1.7カ月(95%CI 1.1, 2.2)、OS2が4.1カ月 (95%CI 2.1, 5.9)であった ドセタキセルに移行したパクリタキセル+ベバシズマブ1回/週治療患者(n=57)では、PFS2(中央値)が 1.9カ月(95%CI 1.7, 2.6)、OS2が5.0カ月 (95%CI 3.4, 9.0)であった 結論 ドセタキセルでの進行後、患者に治療のクロスオーバーを許すことは、1日1回パクリタキセル+ベバシズマ ブにおいて利益があることが示された Cortot et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA11.01
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NSCLC患者における第三選択fruquintinib療法における有効性と安全性を評価するため の第II相試験
OA11.03: 進行非小細胞肺癌患者におけるfruquintinibに関する無作為化、多施設共同、二重盲検、第II相試験 – Lu S, et al 研究の目的 NSCLC患者における第三選択fruquintinib療法における有効性と安全性を評価するため の第II相試験 fruquintinib 5 mg/日* + 最善の支持療法(n=61) PD 主要な患者選択基準 病期IIIB/IB非扁平上皮NSCLC 2種の化学療法レジメン失敗 年齢 18−75歳 ECOG PSスコアが0~1 (n=91) R 2:1 層別化 EGFRの状態(変異 対 野生型 対 未知) プラセボ* + 最善の支持療法 (n=30) PD 主要エンドポイント PFS 副次的エンドポイント ORR、DCR、OS、安全性 *3週間投与/1週間中断 Le et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA11.03
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OA11.03: 進行非小細胞肺癌患者におけるfruquintinibに関する無作為化、多施設共同、二重盲検、第II相試験 – Lu S, et al
主な結果 PFS(中央値)はfruquintinibの場合3.78カ月であり、それに対しプラセボでは1.12カ月であった (p<0.001) DCRはfruquintinibで70.5%、それに対しプラセボでは16.7%であった 結論 進行NSCLCの第三選択治療において、プラセボと比較した場合、fruquintinibがPFSを有意に改善し、 OSでは良好な傾向を示した PFS(独立審査委員会) 100 fruquintinib 対 プラセボ 3.78 対 1.12 カ月 HR (95%CI 0.199, 0.572) p<0.001 80 打ち切り時点: fruquintinib 打ち切り時点: プラセボ fruquintinib プラセボ 60 生存率、% 40 20 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 リスクに晒されている被験者の数 fruquintinib プラセボ 経過期間、カ月 61 30 55 14 42 4 33 3 26 3 12 1 11 1 6 1 6 1 5 1 5 1 2 Le et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA11.03
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OA11.05: 進行性RET再構成肺癌患者におけるカボザンチニブの第II相試験 – Drilon A, et al
研究の目的 RET再構成肺癌患者においてマルチキナーゼRET阻害剤カボザンチニブの有効性と安全 性を評価するための第II相試験 主要な患者選択基準 病期IVが病理学的に確認された肺癌 RET再構成の存在 KPS >70% (n=26) カボザンチニブ 60 mg/日 28日サイクル (n=26) PD/毒性 主要エンドポイント ORR(RECIST規準 v1.1に基づく) 副次的エンドポイント PFS、OS、毒性 Drilon et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA11.05
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OA11.05: 進行性RET再構成肺癌患者におけるカボザンチニブの第II相試験 – Drilon A, et al
主な結果 カボザンチニブによるORRは28%(95%CI 12, 49)であった PFS(中央値)は5.5カ月(95%CI 3.8, 9.2)であり、OS(中央値)は9.9カ月(95%CI 8.6、NR)であっ た 結論 RET再構成肺腺癌患者において、カボザンチニブは ある程度の活性を示す ベースライン測定値からの最大低下率、% 40 20 -20 -40 -60 -80 -100 部分奏効(7/25)28% 病勢安定(18/25)72% 最良の奏効を確認* *CR、PDは認められなかった Drilon et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA11.05
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OA12.01: 結節陰性抹消NSCLCを持ち、医学的に手術不能な患者に対する2種のSBRTレジメンの第II相無作為化試験 – Gomez Suescun JA, et al
研究の目的 NSCLCに対する2種の確立された体幹部定位放射線治療レジメンに関するRTOGグレード3または高 いAE発生率を比較する 主要な患者選択基準 手術不能または手術を避けた NSCLC 生検により証明された末梢(中枢気道から>2cm)T1/T2、N0(PETにより臨床的に結節陰性)、M0腫瘍 生検により確認された、CTまたは腹部PETにおいて縦隔または肺門リンパ節の疑い PSスコアが0~2 (n=98) 治療群1 1カ所で30Gy (n=49) PD 層別化 治療センター KPS (100, 90, ≤80) R 治療群2 3カ所で60Gy (n=49) PD 主要エンドポイント 5%の有意水準においてpsAE発生率は>17% (片側)であり検出力は81% 副次的エンドポイント 局所管理、>1年毒性、OS、PFS Gomez Suescun et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA12.01
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OA12.01: 結節陰性抹消NSCLCを持ち、医学的に手術不能な患者に対する2種のSBRTレジメンの第II相無作為化試験 – Gomez Suescun JA, et al
主な結果 AE発生率は2つの治療レジメン間で同等であった(グレード3AE:治療群1で27%、治療群2で33%) 2年PFSは治療群1で63%、治療群2で50%であった(p=0.88) 2年OSは治療群1で72%、治療群2で59%であった(p=0.85) 結論 この患者集団においては、毒性、PFS、OSは、30Gyの非分割照射群と、60Gyの3分割照射群間で 同等となっていた 毒性 PFS 2年経過時点でのPFS 治療群1: 63% (95%CI, 47, 76) 治療群2: 50% (95%CI 34, 64) p=0.8793 1.0 0.8 0.6 患者、% PFS 0.4 0.2 治療群1 治療群2 0.0 12 24 36 リスクに晒されていた期間、カ月 Gomez Suescun et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA12.01
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MA07.06: ROS1遺伝子再構成またはMET調節解除を示す非小細胞肺癌(NSCLC)におけるクリゾチニブ投与:METROS試験の先行結果 – Landi L, et al
研究の目的 MET調節解除またはROS1再構成を示すNSCLCにおけるクリゾチニブの有効性、安全性、忍容性を 評価する 方法 MET増幅(FISH検査においてMET/CEP7>2.2の比率と定義)、METエクソン14変異またはROS1 再構成を示す、治療歴のある転移性NSCLC患者を対象にしたクリゾチニブ 250mg bidの第II相試験 主な結果 スクリーニングを受けた249名の患者のうち、16名がMET+(12名:増幅、3名:変異、1名:増幅+変異) で、本試験に組み入れられた RECISTの基準によれば: 2名の部分奏効と5名の病勢安定がこれまでに記録されており、RRは18%、 DCRは54%である PFS(中央値)は2.0カ月であり、OSは3.0カ月で、追跡調査期間(中央値)は3.5カ月であった 結論 MET調節解除NSCLCでは転帰は不良である MET+コホートでクリゾチニブに期待されているよりもRRは低いが、患者数が少ないために起こっている 現象の可能性がある MET増幅のレベルと奏効の間の相関は、結果がまとまった段階でより明確になるであろう。 Landi et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr MA07.06
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MA07.07: ROS1遺伝子再構成非小細胞肺癌にお:けるセリチニブ投与:韓国全国に渡る第II相試験に関する情報更新 – Cho BC, et al
研究の目的 ROS1遺伝子再構成NSCLC患者において、セリチニブの有効性と安全性を評価すること 方法 蛍光in situハイブリダイゼーションによるROS1再構成が陽性と検査された、32名の進行NSCLC患者 に、セリチニブ 750 mg/日が投与された 主な結果 評価可能でクリゾチニブによる治療歴なし、ORRが67%の30名の患者のうち、1名が完全奏効、19名 が部分奏効、DCRは87%であった。 これらの患者において、奏効持続期間(中央値)は18.4カ月であった(95%CI 8.0, 18.4)。またはPFS (中央値)は20.7カ月であった(95%CI 5, NR) 大部分の薬剤関連AEがグレード1/2で、最もよく見られたものは(発生率>50%)下痢(78%)、悪心 (63%)、食欲不振(59%)、嘔吐(53%)であった 1 結論 進行性ROS1再構成NSCLC患者においては、セリチニブにより臨床的な活性と管理可能な安全性プ ロファイルが示された Cho et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr MA07.07
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1種類以上のプラチナベース化学療法で治療した後の進行 ECOG PSスコアが0~1 (n=34)
MA09.11: 病期IV非扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)を対象としたネシツムマブとペンブロリズマブの併用療法に関する有効性と安全性– Besse B, et al 研究の目的 病期IVのNSCLC患者を対象としペンブロリズマブ併用ネシツムマブの安全性と有効性を評価する 主要な患者選択基準 病期 IV NSCLC 1種類以上のプラチナベース化学療法で治療した後の進行 ECOG PSスコアが0~1 (n=34) ネシツムマブ 600 mgまたは800 mg IV D1, 8 q3w + ペムブロリズマブ 200 mg IV D1 q3w PD/毒性/死亡 主要エンドポイント 忍容性、RECIST 1.1によるORR 副次的エンドポイント PFS Besse et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr MA09.11
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ネシツムマブ+ペンブロリズマブのORRは29.4%であり、様々なPD-L1発現レベルの患者に おいて有効であった
MA09.11: 病期IV非扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)を対象としたネシツムマブとペンブロリズマブの併用療法に関する有効性と安全性– Besse B, et al 主な結果 ネシツムマブ+ペンブロリズマブのORRは29.4%であり、様々なPD-L1発現レベルの患者に おいて有効であった PFS中央値は6.9カ月(95%CI 2.7, NR)であった 併用レジメンの毒性は、個々の治療薬の毒性プロファイルと異なっていなかった 結論 様々なPD-L1発現レベルを示す、治療歴のある非扁平上皮NSCLC集団において、これら の初期データはネシツムマブとペンブロリズマブ併用の有効性を示唆している 患者 N/n ORR、% n 合計 34 29.4 喫煙歴 現在/過去 なし 27 7 37 全身療法の施行歴 第一選択治療においてEGFR TKI 第一選択治療においてEGFR TKI以外 3 31 32 PD-L1発現 陰性 偽陽性 陽性 17 5 18 60 40 Besse et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr MA09.11
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デュルバルマブ IV 10mg/kg q2w を12カ月まで
PL04a.03: 第三選択以上の局所進行または転移性、EGFR/ALK野生型NSCLCにおけるデュルバルマブ: 第II相ATLANTIC試験による結果 – Garassino M, et al 研究の目的 多数の治療歴を有する進行NSCLC患者におけるデュルバルマブの有効性と安全性を調査すること デュルバルマブ IV 10mg/kg q2w を12カ月まで コホート1* EGFR変異/ALK異常 PD-L1高発現(≥25%腫瘍細胞) (n=111) PD 主要な患者選択基準 病期IIIB/IVのNSCLC 一種のプラチナ製剤化学療法を含む第二選択以上の全身治療 PD-L1に関して最近腫瘍生検実施し細胞を保存 (n=1980) コホート2 EGFR/ALK 野生型 PD-L1高発現(≥25%腫瘍細胞)とPD-L1低発現/陰性 (n=265) PD コホート3 EGFR/ALK 野生型 PD-L1高発現(≥90%腫瘍細胞) (n=68) PD 主要エンドポイント ORR 副次的エンドポイント DoR, PFS, DCR, OS, 安全性 *治験実施計画書の改訂により、選択する患者を、 PD-L1高発現の腫瘍を有する患者に限定 Garassinoら J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr PL04a.03
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高いPD-L1発現レベルは、高い奏効率と関連していると考えられた
PL04a.03: 第三選択以上の局所進行または転移性、EGFR/ALK野生型NSCLCにおけるデュルバルマブ: 第II相ATLANTIC試験による結果 – Garassino M, et al 主な結果 高いPD-L1発現レベルは、高い奏効率と関連していると考えられた コホート2 コホート3 PD-L1 低/陰性 (<25%) (n=93) PD-L1 高 (≥25%) (n=146) PD-L1 ≥90% (n=68) ORR、% (95%CI) 7.5 (3.1, 14.9) 16.4 (10.8, 23.5) 30.9 (20.2, 43.3) 完全奏効、% 0.7 部分奏効、% 7.5 15.8 30.9 病勢安定*、% 29.0 34.9 17.6 病勢進行、% 63.4 47.9 51.5 評価不能、% 奏効持続期間(中央値)、カ月(25パーセンタイル、75パーセンタイル) NR (7.2–NR) 12.3 (7.5–NR) NR(18/21 データカットオフ時点で無進行) 6カ月以上のDCR、%(95%CI) 20.4 (12.8, 30.1) 28.8 (21.6, 36.8) 38.2 (26.7, 50.8) *≥8週間 Garassinoら J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr PL04a.03
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PL04a.03: 第三選択以上の局所進行または転移性、EGFR/ALK野生型NSCLCにおけるデュルバルマブ: 第II相ATLANTIC試験による結果 – Garassino M, et al
主な結果 1年OSはPD-L1≥25%の患者で48%、PD-L1 ≥90%の患者で51%であった 結論 多数の治療歴のある転移性NSCLC集団において、デュルバルマブは有効で、持続的な奏効に至った コホート2 コホート3 1.0 生存率 0.8 0.6 0.4 0.2 3 6 9 30 12 15 18 21 24 27 1年OS 47.7% (39.3, 55.5) 34.5% (25.0, 44.1) 初回投与からの経過期間、カ月 OS中央値(95%CI)* PD-L1 ≥25% (n=149): (8.6, 13.6) PD-L1 <25% (n=94): 9.3 (5.9, 10.8) 1年OS 50.8 (36.9, 63.2) 初回投与からの経過期間、カ月 1.0 生存率 0.8 0.6 0.4 0.2 3 6 9 12 15 OS中央値(95%CI)* PD-L1 ≥90% (n=67): NR (5.9, NC) *OSに関する追跡調査期間(中央値)は9.4カ月(PD-L1 ≥25%); 9.3カ月(PD-L1 <25%)、7.0カ月(PD-L1 ≥90%) Garassinoら J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr PL04a.03
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MA16.11: T790M陽性進行NSCLC患者におけるオシメルチニブに対するCNS奏効: 2件の第II相試験に由来する併合データ – Goss G, et al
研究の目的 進行NSCLCにおける2件の第II相試験に由来する併合データを用いたサブグループ解析を 実施し、オシメルチニブに対するCNS奏効を評価すること 主要な患者選択基準 進行NSCLC患者 以前のEGFR-TKI治療後進行 中央で確認されたT790M陽性の状態 (n=411) サブグループ基準 ベースラインでの脳のスキャンにおいて、盲検化された独立中央神経放射線審査会により測定可能なCNS病変が1個以上(RECIST v1.1) (n=50) オシメルチニブ 80 mg/日 Goss et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr MA16.11
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標的病変のサイズの、ベースラインからの最大変化率、%
MA16.11: T790M陽性進行NSCLC患者におけるオシメルチニブに対するCNS奏効: 2件の第II相試験に由来する併合データ – Goss G, et al 主な結果 オシメルチニブによるCNS ORRでは完全奏効が6名(12%)で54% 患者の82%において、6週目の評価までに奏効が得られた 結論 T790M陽性NSCLC患者において、オシメルチニブは有望で迅速なCNS活性を示し、この効果は以前の放射線療法 の施行状態に関わらず得られるものである 100 80 60 40 * 20 標的病変のサイズの、ベースラインからの最大変化率、% -20 -40 完全奏効 部分奏効 -60 安定奏効 進行 -80 評価不能 -100 Goss et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr MA16.11
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他の悪性腫瘍 SCLCおよび中皮腫
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KEYNOTE-028試験によるSCLCにおけるペンブロリズマブの長期追跡調査データを評価 すること
OA05.01: 未治療進展型小細胞肺癌患者におけるペンブロリズマブ: KEYNOTE-028による生存率結果についての最新情報 – Ott P, et al 研究の目的 KEYNOTE-028試験によるSCLCにおけるペンブロリズマブの長期追跡調査データを評価 すること 奏効率 評価* 主要な患者選択基準 SCLC 標準療法に失敗または忍容性不良 ECOGのPSスコア(0 または1) PD-L1陽性 1個以上の測定可能病変 自己免疫疾患、間質性肺炎なし (n=24) CR/PR/SD 24カ月間またはPD/毒性を認めるまで治療 ペムブロリズマブ 10 mg/kg IV q2w 確認されたPD/毒性 中止 主要エンドポイント ORR(RECIST v1.1、治験医師評価)および安 全性 副次的エンドポイント PFS、OS、DOR *奏効評価、最初の6カ月間はq8w、その後q12w Ott et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA05.01
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腫瘍サイズにおけるベースラインからの変化
OA05.01: 未治療進展型小細胞肺癌患者におけるペンブロリズマブ: KEYNOTE-028による生存率結果についての最新情報 – Ott P, et al 主な結果 ORR 33.3%(95%CI 15.6, 55.3)、DoR(中央値) 19.4カ月(範囲 3.6+–20.0+) PFS(中央値)は1.9カ月(95%CI 1.7, 5.9)であり、OS(中央値)は9.7カ月(95%CI 4.1, NR)であっ た 全グレードのAEが16名の患者(66.7%)に発生し、グレード3以上が2名(8.3%)に発生した 結論 以前治療を受けたPD-L1陽性SCLC患者において、ペンブロリズマブは抗腫瘍活性を示し、安全性プ ロファイルは他の腫瘍タイプと同等であった 標的病変の直径(最大値)の合計 の、ベースラインからの変化、% 100 80 60 40 20 -20 -40 -60 -80 -100 PD SD PR CR 腫瘍サイズにおけるベースラインからの変化 Ott et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA05.01
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SCLCにおけるロバルピツズマブテシリンの安全性と有効性をヒトに対して初めて評価する
OA05.03: 小細胞肺癌(SCLC)における、ロバルピツズマブテシリン[デルタ様タンパク3(DLL3)標的化抗体薬物複合体(ADC)]単剤投与 – Spigel D, et al 研究の目的 SCLCにおけるロバルピツズマブテシリンの安全性と有効性をヒトに対して初めて評価する ロバルピツズマブテシリン、q3w 0.8 mg/kg (n=2) 0.4 mg/kg (n=3) 0.2 mg/kg (n=25) 主要な患者選択基準 1種以上の全身療法後に進行が認められたSCLC DLL3発現 (n=74) 0.1 mg/kg (n=1) 0.05 mg/kg (n=3) Spigel et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA05.03
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OA05.03: 小細胞肺癌(SCLC)における、ロバルピツズマブテシリン[デルタ様タンパク3(DLL3)標的化抗体薬物複合体(ADC)]単剤投与 – Spigel D, et al
主な結果 60名の評価可能な被験者でORRは18%、腫瘍細胞50%以上にDLL3発現が認められた患者で38%(DLL3高) 臨床的な恩恵(SD以上)が認められた割合はDLL3高発現の患者の89%であった 全患者およびDLL3高発現の被験者における1年生存率はそれぞれ15%、29%であった 結論 再発性/難治性SCLC患者においてロバルピツズマブテシリンは有望な単剤抗腫瘍活性を示すとともに、管理可能な 安全性プロファイルも示した 第I相および第II相試験において患者を登録中である 確認された奏効率 全体: 11/60 (18%) DLL3高発現患者: 10/26 (38%) +20% ベースライン時からの変化率(%) –30% DLL3発現 該当なし 0% 1−49% ≥ 50% (DLL3高) N=60 薬効(0.2–0.4 mg/kg) Spigel et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA05.03
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SCLC患者におけるアリセルチブの有効性と安全性、生活の質を評価すること
OA05.05: 無作為化第II相試験: 小細胞肺癌(SCLC)の第二選択治療としてのアリセルチブまたはプラセボ+パクリタキセル – Owonikoko TK, et al 研究の目的 SCLC患者におけるアリセルチブの有効性と安全性、生活の質を評価すること アリセルチブ 40 mg bid 3日間投薬/4日間休薬+ パクリタキセル 60 mg/m2 D1、8、15 (n=89) 主要な患者選択基準 標準的な第一選択プラチナ製剤化学療法実施後180日までにSCLCの再発あり 18歳以上 ECOGのPSスコアが0/1 (n=178) PD/ 毒性 層別化 再発の種類(感受性 vs. 抵抗性/難治性) 脳転移の発生の有無 R 1:1 プラセボ+ パクリタキセル 80 mg/m2 D1、8、15 (n=89) PD/ 毒性 主要エンドポイント PFS 副次的エンドポイント OS、ORR、DCR、DOR、安全性および忍容性 Owonikoko et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA05.05
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OA05.05: 無作為化第II相試験: 小細胞肺癌(SCLC)の第二選択治療としてのアリセルチブまたはプラセボ+パクリタキセル – Owonikoko TK, et al
主な結果 アリセルチブ+パクリタキセルにより、ITT解析対象集団(p=0.038)および耐性/再発性サブグループ (p=0.037)において、プラセボ+パクリタキセルと比べ、PFSは改善が認められた 結論 アリセルチブ+パクリタキセルにより、PFSについて中程度の改善(1カ月の改善)が認められ、OS、ORR、 DCRに関し良好な傾向が示された 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 生存率 30 60 90 120 150 180 210 240 270 300 生存期間、日 治療群: アリセルチブ + パクリタキセル プラセボ + パクリタキセル 打ち切り症例: アリセルチブ + パクリタキセル プラセボ + パクリタキセル PFS中央値: 3.32 vs カ月 HR (95%CI): 0.71 (0.509, 0.985) p=0.038 アリセルチブ + パクリタキセル 89 74 55 41 28 13 10 6 3 プラセボ + パクリタキセル 89 65 45 27 19 12 8 4 3 Owonikoko et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA05.05
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OA05.07: CONVERT試験において治療された稀な疾患である小細胞肺癌患者における循環腫瘍細胞の予測値 – Fernandez-Gutierrez F, et al
研究の目的 循環腫瘍細胞(CTC)量が「Concurrent ONce-daily VErsus Twice-daily RadioTherapy (CONVERT) 」試験患者のサブグループにおける転帰に与える影響を評価すること 主要な患者選択基準 稀な疾患(LD)-SCLC CTC解析 年齢18歳以上 ECOG PS 0–1(または、各施設における治験医師の判断により2) FEV1 >1 L または >40%予測値 (n=79) 3週間にわたり1日2回、30カ所に対し45Gy (n=41) PD R 1:1 6.5週間にわたり1日1回、33カ所に対し66Gy* (n=38) PD 主要エンドポイント OS CTC解析 治療の前に、血液サンプル(7.5 mL)がベースライン時点で採取された CTCはCellsearch platformを用いて前向きに数えられた *サイクル1の第22日に化学療法を開始(シスプラチン 25 mg/m2(4-6サイクル) D1-3または75 mg/m2 D1+エトポシド 100 mg/m2 D1−3) Fernandez-Gutierrez et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA05.07
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OA05.07: CONVERT試験において治療された稀な疾患である小細胞肺癌患者における循環腫瘍細胞の予測値 – Fernandez-Gutierrez F, et al
主な結果 CTC閾値全てにおけるPETステージングには関わらず、CTC数は不良なOSとPFSに関連性が認めら れた ベースラインにおける15のCTCが予測因子として最適な閾値であった 結論 LD-SCLCにおいて、CTCの数は不良な生存率に関し高い予測能を示し、その他の関連臨床因子とは独立している OS 100 N % 中央値 95% CI <15CTC、PETなし <15CTC、PET ≥15CTC、PETなし ≥15CTC、PET 36 22 12 5 48 29 16 7 28.75 25.40 9.27 4.33 17.77, 77.97 18.37, 39.27 0.30, 13.17 1.37, NA 75 全生存率、% 50 p<0.001 25 6 12 18 24 30 36 42 48 54 60 66 72 78 84 経過期間、カ月 Fernandez-Gutierrez et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA05.07
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悪性胸膜中皮腫患者において、ニボルマブの有効性と安全性を調査すること
OA13.01: 悪性中皮腫におけるニボルマブに関する第II相試験(NivoMes):トランスレーショナルリサーチ(TR)生検実施 – Baas P, et al 研究の目的 悪性胸膜中皮腫患者において、ニボルマブの有効性と安全性を調査すること 主要な患者選択基準 悪性中皮腫 第一選択治療以上実施した後のPD 生検実施可能な腫瘍 (n=34) ニボルマブ 3 mg/kg q2w PD 主要エンドポイント 第12週でのDCR 副次的エンドポイント OS, PFS, ORR, AE Baas et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA13.01
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OA13.01: 悪性中皮腫におけるニボルマブに関する第II相試験(NivoMes):トランスレーショナルリサーチ(TR)生検実施 – Baas P, et al
主な結果 全般的に、12週時点でのDCRは50%、24週時点では33%であった 12週時点でのDCRはPD-L1発現に関わらず、種々のPD-L1分類全体で50%から67%の範囲(0、1- 5、25–50、>50)であった ニボルマブによるPFS(中央値)は110日であった 結論 本治験は主要エンドポイントを満たし、奏効はPD-L1発現に関わらず全群で認められた 奏効 12週 n (%) 24週 完全奏効 部分奏効* 5 (15) 4 (12) 病勢安定 12 (35) 7 (21) 病勢コントロール率(PR+SD) 17 (50) 11 (33) 病勢進行 23 (77) *2名の患者において、改訂後のRECISTに基づく偽性進行が認められた Baas et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA13.01
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OA13.02: 悪性中皮腫(MM)患者におけるペンブロリズマブの第II相試験: 中間解析 – Kindler HL, et al
研究の目的 悪性中皮腫の治療歴がある患者の大規模、非選択集団においてペンブロリズマブの活性について特徴 を調べること 主要な患者選択基準 組織学的に確認された悪性胸膜中皮腫または腹膜悪性中皮腫 測定可能病変 ECOG PSスコアが0~1 ペメトレキセド/プラチナ製剤使用中または使用後病勢進行 2種類以下の治療レジメンの治療歴 (n=35) ペムブロリズマブ 200 mg IV q3w PD 主要エンドポイント ORR判定: 非選択集団 PD-L1陽性集団 22C3抗体ベースIHCアッセイを用いPD-L1発現に関する最適閾値を決定する 副次的エンドポイント 毒性、DCR、OS Kindler et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA13.02
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OA13.02: 悪性中皮腫(MM)患者におけるペンブロリズマブの第II相試験: 中間解析 – Kindler HL, et al
主な結果 ペンブロリズマブによる奏効率は21%でありDCRは80%であった PFS(中央値)は6.2カ月、OS(中央値)は11.9カ月(95%CI 6.4, NR)であった 結論 悪性中皮腫を有し治療歴のあるPD-L1非選択患者において、ペンブロリズマブは安定な活 性を持つ 0.00 0.25 0.50 0.75 1.00 3 6 9 12 15 18 PFS 奏効 n (%) 部分奏効 7 (21) 病勢安定 20 (59) 疾患コントロール率 27 (80) 奏効期間(中央値)* NR PFS中央値 6.2カ月 (95%CI 3.1, 8.2) PFS 7名の奏効者のうち6名が依然として生存・無進行である 経過期間、カ月 Kindler et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA13.02
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KEYNOTE-028に登録された悪性胸膜中皮腫患者に関する長期OSデータ
OA13.03: KEYNOTE-028に登録されたペンブロリズマブ治療を行う悪性胸膜中皮腫患者の長期全生存 – Alley EW, et al 研究の目的 KEYNOTE-028に登録された悪性胸膜中皮腫患者に関する長期OSデータ CR、 PR、 SD ペンブロリズマブ 24カ月 主要な患者選択基準 PD-L1陽性悪性胸膜中皮腫 標準療法に失敗または忍容性不良 ECOG PSスコアが0~1 (n=25) PD/毒性 ペムブロリズマブ 10 mg/kg q2w PD/毒性 主要エンドポイント ORR 副次的エンドポイント PFS、OS、DOR Alley et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA13.03
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OA13.03: KEYNOTE-028に登録されたペンブロリズマブ治療を行う悪性胸膜中皮腫患者の長期全生存 – Alley EW, et al
主な結果 ペンブロリズマブ単剤によるORRは20%であった(95%CI 6.8, 40.7) 臨床的な恩恵の割合は40%(95%CI 21.1, 61.3)であった PFS(中央値)は5.4カ月(95%CI 3.4, 7.5) であり、OS(中央値)は18カ月(95%CI 9.4, NR)であっ た 結論 PD-L1陽性悪性胸膜中皮腫患者において、ペンブロリズマブは大きな臨床的活性を示した 奏効 n (%) 95% CI 完全奏効 0, 13.7 部分奏効 5 (20) 6.8, 40.7 病勢安定 13 (52) 31.3, 72.2 病勢進行 4 (16) 4.5, 36.1 未評価a/評価不能b 3 (12) 奏効期間、中央値(範囲)、カ月c 12.0(3.7−20.5+) aベースライン後の評価前に患者は中止。 b標的病変が評価不能であった。 b打ち切り症例のデータに関し、カプラン・マイヤー法を用いて計算。データカットオフ日:2016年6月20日 *CR + PR + SD ≥6 カ月 Alley et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA13.03
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進行悪性胸膜中皮腫患者におけるニンテダニブ+ペメトレキセド/シスプラチンの有効性と安 全性を評価すること
OA22.02: MPM患者におけるニンテダニブ+ペメトレキセド/シスプラチン プラセボ対照LUME-Meso試験に由来する第II相の結果 – Grosso F, et al 研究の目的 進行悪性胸膜中皮腫患者におけるニンテダニブ+ペメトレキセド/シスプラチンの有効性と安 全性を評価すること 非PD 主要な患者選択基準 切除不能な悪性胸膜中皮腫 上皮種および二相性の組織分類 化学療法未施行 ECOGのPSスコアが0~1 (n=87) ニンテダニブ 200 mg bid + ペメトレキセド/シスプラチン* (n=44) ニンテダニブ 維持療法 PD 層別化 組織分類(上皮腫 対 二相性) R 1:1 非PD プラセボ 200 mg bid + ペメトレキセド/シスプラチン* (n=43) プロセボ 維持療法 PD 主要エンドポイント PFS(治験医師の評価) 副次的エンドポイント OS、ORR(治験医師の評価) *500 mg/m2/75 mg/m2 IV q3w. 最長治療期間:6サイクル Grosso et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA22.02
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ORRは、ニンテダニブ 対 プラセボで59% 対 44%
OA22.02: MPM患者におけるニンテダニブ+ペメトレキセド/シスプラチン プラセボ対照LUME-Meso試験に由来する第II相の結果 – Grosso F, et al 主な結果 ORRは、ニンテダニブ 対 プラセボで59% 対 44% 結論 悪性中皮腫においてペメトレキセド/シスプラチンにニンテダニブを併用することでPFSの改善 につながり、安全性プロファイルは他の試験と一致した PFS、% 100 80 60 40 20 PFS 無作為化からの経過期間(ヶ月間) 44 43 リスクに晒されていた患者 2 38 4 35 32 6 27 16 8 22 9 10 15 12 3 14 18 1 24 26 28 ニンテダニブ プラセボ PFS(中央値)(95%CI)、カ月 9.4 (6.7, 11.2) 5.7 (5.5, 7.0) HR(95%CI)、P値 0.56 (0.34, 0.91); p=0.017 Grosso et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA22.02
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他の悪性腫瘍 まれな腫瘍
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OA18.01: 胸腺上皮性腫瘍における術後放射線療法:RYTHMIC前向きコホートから得られた考察 – Basse C, et al
研究の目的 RYTHMIC総合腫瘍委員会(MTB)により術後放射線療法について議論が行われた胸腺 上皮性腫瘍の症例をレビューする 方法 2012年から2015年までRYTHMIC MTBにおいて術後アジュバント放射線療法(PORT) の議論が行われた一連の274名の患者に関する後ろ向き解析 調査が行われた4つのアスペクト 国内および国際的なガイドラインを用いたMTB手法の一貫性 MTBによる判断の実施 PORTの適応に因子となる病期 放射線療法の品質基準 Basse et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA18.01
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OA18.01: 胸腺上皮性腫瘍における術後放射線療法:RYTHMIC前向きコホートから得られた考察 – Basse C, et al
主な結果 PORTの使用におけるMTBの判断は92%の患者においてガイドラインと合致していた PORTは82%の患者で適応が達成された 手術とPORT開始の間には71日間(中央値)の遅れがあった 結論 PORTに関するRYTHMICの勧告は、国内および国際的なガイドラインに厳密に準拠して おり、日常的な診療業務に取り入れられることになっている RYTHMICはPORTの品質基準を満たしている RYTHMICガイドライン 合計 PORT実施 PORT未実施 MTB判断 84 7 81 13 137 150 97 144 241 Basse et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA18.01
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再発性胸腺上皮性腫瘍患者を対象として、アベルマブの安全性と臨床的活性を評価する
OA18.03: 進行胸腺上皮性腫瘍(TET)患者におけるアベルマブ(MSB C、抗PD-L1)の安全性および臨床的活性 – Rajan A, et al 研究の目的 再発性胸腺上皮性腫瘍患者を対象として、アベルマブの安全性と臨床的活性を評価する 主要な患者選択基準 胸腺腫または胸腺癌 1種以上の標準治療による治療歴あり 免疫チェックポイント阻害剤による治療歴なし 自己免疫疾患の既往歴なし (n=8) アベルマブ 10 mg/kg q2w (n=5)a PD/毒性 アベルマブ 20 mg/kg q2w (n=3)b PD/毒性 主要エンドポイント ORR(RECIST規準 v1.1に基づく) 副次的エンドポイント 腫瘍細胞のPD-L1発現の評価 末梢血免疫サブセット解析 a胸腺腫を有する4名の患者および胸腺癌を有する1名の患者 b全胸腺腫 注:Rajan et al.の抄録からのデータのみに基づく。 J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA18.03
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グレード3と4のAEが3名(38%)の患者でそれぞれ観察され、5件の中に免疫関連AE (inAE)が含まれていた
OA18.03: 進行胸腺上皮性腫瘍(TET)患者におけるアベルマブ(MSB C、抗PD-L1)の安全性および臨床的活性 – Rajan A, et al 主な結果 胸腺腫患者の中で、2名(29%)でPRが確認され(1名は 20 mg/kg、1名は10 mg/kgに おいて)、2名(29%)でPR未確認、2名(29%)でSD、1名(14%)でPD 胸腺癌患者はSD達成 ほとんどのAEが軽度(グレード1または2) グレード3と4のAEが3名(38%)の患者でそれぞれ観察され、5件の中に免疫関連AE (inAE)が含まれていた irAEは治療に奏功を示した4名の患者全員で発生した 結論 再発性胸腺癌患者においてアベルマブは活性を示す 胸腺癌患者に対し、免疫チェックポイント阻害剤治療に反応したirAEの発症リスクを改善す るための戦略を開発する必要がある Rajan et al. J Thorac Oncol 2016; 11(suppl): abstr OA18.03
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