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ロータリーの危機 改訂版 ロータリー研修シリーズ 2680地区 PDG 田中 毅
私がロータリーの危機という表題で最初にお話ししたのは、2001年、関西ロータリー研究会の講演でした。2001年5月に開催される規定審議会の代表議員に選出され、なおかつその代表議員団の座長を仰せつかった関係から、規定審議会に提案される立法案を事前に入手することができました。その立法案を精査すると、ロータリーの根幹を揺るがしかねない提案が数多くだされていることが判り、ロータリーが大きな転換期を迎えていることを知って愕然としました。 そこで、その現実を一人でもおおくのロータリアンに知ってもらいたいと考えて、急遽「ロータリーの危機」という表題でパワーポイントを作って、何ヵ所かの講演で注意を喚起しました。 私の杞憂はみごとに的中して、その後一人一業種の職業分類制度や、出席規定や出席補填制度の緩和、会員資格の変更、e-クラブの設置などが決まってロータリーは大きく様変わりし、さらに日本のロータリークラブは大幅な会員減少という危機を迎えつつ今日に至ったことは、皆さまご承知の通りです。 さらに昨今はヘッジ・ファンドに代表されるような虚業集団による新資本主義の跋扈によって、サブプライム・ローンの破綻をきっかけにした経済不況を起こしたり、ロータリアン企業の不祥事による職業倫理の衰退が、さらにロータリーの危機を増幅しているような気がします。 2680地区 PDG 田中 毅
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ロータリーは決して順調な 発展をとげたわけではない 何回となく大きな危機を 乗り越えながら 現在に至った
ロータリーは決して順調な 発展をとげたわけではない 何回となく大きな危機を 乗り越えながら 現在に至った 最初は4人で出発したロータリー運動も、100有余年の年輪を重ねて今や120万人を擁する大きな組織にまで発展しました。しかしその間、決して順調な発展を遂げたわけではなく、何回も大きな危機に遭遇しながら、先達の弛まぬ努力の積み重ねによって、その危機を回避しながら今日に至りました。そこで今回はその歴史を紐解きながら、ロータリーがどのようにして幾度として訪れた危機を克服しながら現在にいたったか、さらに今訪れている危機をどのように回避したらよいのかについて話を進めてしきたいと思います。
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成功を夢見た人たちが集まった、無法と腐敗の街
シカゴの時代背景 成功を夢見た人たちが集まった、無法と腐敗の街 ロータリーが創立された当時は、いかにして利潤を独占しようかと、資本家が弱肉強食の競争に明け暮れていた時代であり、特に西部に進出するための交通の要衝として栄えたシカゴは、成功を夢見た人たちが集まった無法と腐敗の街であり、事業主は無秩序な自由競争に狂奔し、同業者はすべてライバルであり、法さえ犯さなければ金を儲けた者が成功者として、すなわちアメリカン・ドリームを達成した人としてもてはやされました。 労働者を搾取したり顧客をごまかした取引で大金を得たことに対する後ろめたい気持ちも、僅かばかりのチャリティーをすることで周囲の人も納得しました。騙すよりも騙される方が悪いという風潮がまかり通った時代でした。
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ロータリー創立の動機 無秩序な自由競争 事業家につきまとう孤独感と疎外感 いつ敗者になるかという恐怖感
事業家につきまとう孤独感と疎外感 いつ敗者になるかという恐怖感 そんな街の中で心から信頼し、語り合える友人が居たらどんなにすばらしいことだろう すさまじい自由競争の中で生きているビジネスマンにとっては、毎日過酷な日が続き、孤独感と疎外感に加えて、いつこの過酷な自由競争の敗者になるかもしれないという恐怖感が常に付きまとっていました。そんな街の中では親友ができる道理はありません。もしもこの街の中で心から何でも相談できる、また語り合える友人が居たらどんなにすばらしいことだろう。そういう発想からロータリーは生まれたのです。
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初期のロータリー思考 Back Scratchingの世界 ロータリーの目的 1906年1月制定 1.会員の事業上の利益の促進
ロータリーの目的 1906年1月制定 1.会員の事業上の利益の促進 2.会員同士の親睦 物質的相互扶助 親睦を目的としてロータリーは出発しましたが、せっかく一人一業種でたくさんの仲間が集まったのだから、お互いの商売を利用して金儲けにそれを利用したらどうかという、さもしい発想が浮かんできました。すなわち物質的相互扶助という考え方が起こってきたのです。 つい先日、歴史的文献を収録しているアメリカのアーカイブス・サイトから1906年1月に制定された最初のシカゴ・ロータリークラブの定款・細則の原文を発見しました。シカゴ・クラブの定款は僅か2条からなる簡単なものだったというのが、これまでの定説でしたが、決してそんな粗雑なものではなく、7条の定款と12条の細則からなる本格的な規約であることに驚きました。 定款第2条の「目的」には、第1節・会員の事業上の利益の促進、第2節・通常、社交クラブに付随する良き親睦とその他の特に必要と思われる事項の推進と明記されており、当初のシカゴ・クラブには奉仕の概念はなく、事業の繁栄と親睦を目的にして創立されたことが分かります。 会員同士の互恵取引が積極的に行われ、印刷業者のラグルスは、彼の保険を保険代理店のトュニソンと契約し、その代わりに、トュニソンはラグルスから文房具や用紙類を買いました。二人はシールに石炭を注文し、ハリスはごく当たり前のこととして、三人全員からの法的な問題を喜んで引き受けました。四人とも汚れたシャツはアーサー・アーヴィンの洗濯屋に届け、その関係は果てしなく続いていきました。このようにして、彼らは堅固で自己中心的な相互扶助のグループを作っていきました。自らが掻けない自分の背中を、お互いが車座になって掻き合おうという、バックスクラッチングというエゴイズムで、ロータリーは出発したのです。 Back Scratchingの世界
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統計係 statistician の 設置 例会ごとに会員相互の商取引を報告 規約、商取引の機密主義
前述の定款には、統計係という役職が設けられていて、会員相互の商取引や斡旋の結果を記載したはがきを郵送して例会で報告したという記録が残っています。1910年に印刷された葉書形式の報告書には、例会毎にこの報告書を配付し、次回の例会の出欠予告と会員間で行われた取引状況を記入してポストに投函することが義務づけられていました。 ロータリー創立の大きな目的が会員同士の物質的相互扶助であったため、会員各自の事業の内容や取引状況が部外者に漏れないように、機密保持を徹底し、定款第10条には機密保持という項目を設けて、「例会におけるすべての方針、規則、細則、および商取引は、厳密に機密を保持するものとする。」と定めているのも特徴的です。 なお、4回続けて例会を欠席すれば退会になると定めた一方で、例会は月に2回とし、さらに7月、8月は休会という矛盾した規約になっています。
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現存の会員相互取引報告書 左側 提供者 右側 受取者 1908年12月1日
左側 提供者 右側 受取者 1908年12月1日 1908年12月1日の日付が入った、会員相互取引報告書をシカゴ・クラブのアーカイブスの中から発見しましたが、左側の欄に商品を提供した会員の氏名が、右側の欄に商品を受取った会員の氏名が手書きで書かれており、例会ごとに配られた模様です。
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公衆便所設置運動 ロータリー最初の対社会的奉仕活動
1907年にはフレデリック・トゥイードとドナルド・カーターの提言によって対社会的奉仕活動の必要性が認められて、公衆便所の設置運動に発展しますが、会員同士の物質的相互扶助によって事業を発展させるという目的は、その後も続けられました。 ロータリー最初の対社会的奉仕活動
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1911年の全米ロータリークラブ連合会の会員名簿には、当時加盟していた24クラブについて3ページずつの情報が記載されています。
1ページ目はそのクラブのクラブ名と会長、幹事の電話番号と住所や例会場所や時間が書いてあります。残りの2ページにはそのクラブのテリトリーの中にある著名な企業名、電話番号と住所が書いてあります。これは遠隔地におけるロータリアン同士の取引に使われたのです。騙すより騙される方が悪いという世の中ですから、シカゴの果物商がカリフォルニアの農園と取引したとしても、果物商に注文通りのオレンジが届く確証はありません。また農園の方にも約束通りの料金が支払われる確証がありません。しかしロータリアン同士の取引ならばお互いが信頼できたわけです。 1911年の連合会の組織表には、Local Trading Committee、Intercity Trading Committee、National Trading Committeeという委員会が設置されています。Local Trading Committeeは自分のテリトリー内における取引を担当した委員会です。Intercity Trading Committeeは近隣都市間の、National Trading Committeeは全米の取引を活性化するために作られた委員会です。そういった会員同士の物質的相互扶助を連合会が積極的に援助していたのです。なお、定款から親睦と事業上の利益の促進という目的が消滅したのは1912年になってからのことです。
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最初の危機 1907年から1910年 親睦・互恵派 ハリー・ラグルス シカゴクラブの多数派
親睦・互恵派 ハリー・ラグルス シカゴクラブの多数派 奉仕・拡大派 ポール・ハリス アーサー・シェルドン 1907年、ポールハリスが会長に就任し、これまでの方針を一変して、対社会的奉仕活動と他都市へのクラブ拡大に大きく転換しました。 例会における会員同士の親睦を最優先と考え、そのリーダー役をつとめたのがハリー・ラグルスでした。シカゴ・クラブの大多数の会員は、親睦と事業の発展をもたらすロータリー・ライフに満足しきっていました。ラグルスは親睦派の勢力を強くするために、アーサー・フレデリック・シェルドンとチェスレー・ペリーを入会させますが、その後この二人はラグルスに反旗を示して、ポールの片腕として活躍することになります。 1908年、シカゴ・クラブに入会したシェルドンは、ポール・ハリスにその手腕を買われて、ただちに情報拡大委員長として、かねてから考えていた職業奉仕の理念をロータリーに導入しました。 ポールのロータリー運営方針の転換によって、シカゴ・クラブ内は、ポールやシェルドンたち奉仕・拡大派と、ラグルスたち親睦・互恵派に分裂し、毎回の例会は激しい議論の応酬の場となりました。混乱した議論の場を収めるためにラグルスが始めたのが、歌を歌う習慣だと言われています。印刷業のラグルスは歌集を毎回の例会で配り、これが定着してロータリーで歌を歌う習慣が生まれました。 この騒動の結果、ポールは会長2期目の途中で辞任し、シェルドンもラグルスによって情報拡大委員長を解任され、ロータリーは最初の分裂の危機を迎えました。
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全米ロータリークラブ連合会 チェスレー・ペリー ポール、シェルドンとシカゴクラブとの対立 全米16クラブの連合会設立 クラブ・・・親睦
連合会・・理念提唱・拡大 事務総長就任 32年間在職 これを収拾するためにチェスレー・ペリーが中心となって、当時16クラブにまで拡大している全米のロータリークラブの連合体として、全米ロータリークラブ連合会が結成されました。現在の国際ロータリーの誕生です。クラブは親睦を大切に考え、クラブの親睦を阻害する要素のある理念の提唱や拡大は、連合会が行うことで、混乱の収拾が図られました。 ポールが連合会会長に、チェスが事務総長に就任し、チェスはその後32年間にわたって事務総長としてロータリーの組織を作り上げました。 チェスレー・ペリー
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職業奉仕概念の導入 ミシガン大学経営学部修士課程で販売学専攻 1902年 ビジネス・スクール開校 1908年 シカゴ・クラブ入会
1902年 ビジネス・スクール開校 1908年 シカゴ・クラブ入会 1910年 全米ロータリークラブ連合会 Business Method 委員会委員長 ロータリーに奉仕という概念を提唱したのはアーサー・フレデリック・シェルドンです。彼は1868年5月1日、ミシガン州バーノンで生まれ、ミシガン大学経営学部のマスター・コースで、当時としては革新的な分野であった販売学を専攻しました。現在でこそ経営学はメジャーな学門ですが、当時としては極めて特殊な新しい分野の学問を学んだパイオニア的存在だったと言えるでしょう。卒業後、図書の訪問販売のセールスマンになりますが、素晴らしい営業成績をあげて、セールス・マネージャーに昇進し、1899年には出版社の経営を任されるようになりますが、その学問と自らの経験を基本として、1902年にシェルドン・ビジネス・スクールを設立して、修正資本主義を取り入れた経営学を教えました。 シェルドンは1908年1月にシカゴ・クラブに入会し、直ちに拡大情報委員長に就任し、更に1910年に設立された全米ロータリークラブ連合会ではBusiness Methods Committeeの初代委員長に就任して、自らが提唱した職業奉仕理念を説き続けます。 アーサー F. シェルドン
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19世紀の資本主義 資本家 対 労働者 対立の構図 ロータリーが創立された当時は、資本家の欲望が労働者を搾取した時代
資本家 対 労働者 対立の構図 ロータリーが創立された当時は、資本家の欲望が労働者を搾取した時代 利潤をあげるために、いかに安い賃金で労働者を雇うか 労働者の貧困、失業 無秩序な自由競争による経済恐慌 資本主義とは産業革命後の社会における資本家と労働者による経済体制のことで、資本家対労働者の対立の構図だと考えられています。 19世紀から20世紀初頭、すなわちロータリーが創立された当時は、醜い資本家の欲望が労働者を搾取した時代でもありました。 資本家が原材料費から労働者に支払った賃金を差し引いたものを余剰価値生産(利潤)だと考えれば、いかに安い賃金で労働者を雇うかが利潤を増やして資本の自己増殖を図る鍵となり、そこに労働者の貧困、失業などの問題や、無秩序な自由競争による経済恐慌などの大きな社会矛盾を孕んでいました。
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職業奉仕は アーサー・フレデリック・シェルドンが提唱したロータリー固有の 奉仕理念である
シェルドンの奉仕理念と異なる考え方は職業奉仕理念とは言えない シェルドンの奉仕理念を知ることが 職業奉仕を理解することにつながる シェルドンは自らの論文の中では、vocationという単語は一切用いず、occupationを使っています。職業は神から授かったもの、すなわちvocationであるという考えがヨーロッパでは強かった時代に、なぜシェルドンが敢えてoccupationという言葉を使ったのかを考えなければなりません。シェルドンは経営学という学問上の立場から職業奉仕を説いているわけですから、天職論で職業奉仕を語ることは大きな間違いなのです。 ロータリーはこの考え方を、そっくりそのまま他の奉仕団体とは異なった独自の奉仕理念すなわち職業奉仕理念として受け入れ、今日に引き継いでいます。Profitという単語を巡ってイギリスが拒否反応を示したり、Heという代名詞を巡ってアメリカでは性限定用語だという批判があるものの、シェルドンの職業奉仕理念の基本的な考え方はいささかの修正も加えられることなしに現在に引き継がれています。 誰しもが考えつかなかった修正資本主義に基づいた職業奉仕理念そのものをロータリーの職業奉仕理念として採択したわけですから、どんなに優れた考え方であったとしても、シェルドンと異なる考え方を、職業奉仕理念と呼ぶわけにはいきません。すなわち、職業奉仕の理念を理解しようと思ったら、シェルドンが書いたり語ったりした一次資料を理解することが必要なのです。しかし残念なことには日本ではシェルドンの一次資料はほとんど紹介されておらず、後世のロータリアンが書いた二次、三次の資料や伝聞によって職業奉仕が語られてきたのが現実です。
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シェルドンの一次資料に接することが必要で、多次資料や伝聞によって職業奉仕を語ってはならない
仏教や儒教と職業奉仕とは無関係 キリスト教から職業奉仕を語ることの危険性 カルビニズム、プロテスタンティズム、マックス・ウエーバーの天職論とロータリーの職業奉仕は無関係 ロータリーの職業奉仕理念が東洋的発想と酷似している部分がある影響と、国際ロータリー脱退直前にロータリーの日本化が進められた関係から、日本のロータリアンの多くは東洋的発想から職業奉仕を説いていますが、シェルドンの職業奉仕理念とはかけ離れた解説もかなり多いようです。 仏教や儒教のような東洋思想を引き合いにして職業奉仕を語るのは、たとえ似ている側面はあったとしても、その本質は修正資本主義に基づくシェルドンの職業奉仕理念とは根本的に違うものであることを忘れてはなりません。 ヨーロッパではキリスト教の天職論と職業奉仕を結びつけて考える人が多いようです。マックス・ウエーバーによるピューリタニズムの天職論がロータリーの職業奉仕の根底にあると説く人もいますが、これも明らかな間違いです。マックス・ウエーバーが彼の代表的著作である「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」を発表したのは1905年のことであり、シェルドンはそれよりはるか以前に職業奉仕の理念を構築して、それを実社会で応用するためのビジネス・スクールを経営していたからです。 職業奉仕を倫理高揚運動と説く人がいますが、これも大きな間違いで、職業奉仕とは科学的かつ合理的な企業経営方法のことであり、シェルドンの職業奉仕理念に則った企業経営をすれば、継続的に最高の利益が得られることを約束しているのです。そしてそれを示すモットーがHe profits most who serves bestなのです。すなわち職業奉仕実践の受益者はロータリアンであることを忘れてはなりません。 職業奉仕は実利的なものであり、精神的な運動でも倫理的な運動でもありません。ただし、職業奉仕の実践は顧客の満足度を最優先した事業経営の方法であり、そのような事業経営をする事業所は、当然のことながら高い職業倫理を備えた事業所であるという結果が現れます。しかしそれは職業奉仕を実践した結果に過ぎず、この運動の出発点は職業倫理高揚を目的とした活動ではありません。
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シェルドンによる奉仕理念の提唱 1910年 シカゴ大会 1911年 ポートランド大会 私の宣言 1913年 バッファロー大会
1910年 シカゴ大会 1911年 ポートランド大会 私の宣言 1913年 バッファロー大会 事業を成功させる哲学と職業倫理 1921年 エジンバラ大会 ロータリー哲学 The Rotarian に掲載された2回の小論文 The symbolism of service 1918年9月号 The philosophy of service 1921年2月号 Successful Selling 1902年初版 1924年改訂 The Science of Business 1917年出版 さて、私の調査によると、シェルドンは1910年、1911年、1913年、1921年の都合4回の国際大会とThe Rotarianに対する2回の投稿で職業奉仕の理念を説いています。従って、これらの内容を理解すれば、シェルドンが説く職業奉仕の理念を完全に理解することができます。すべてのスピーチ原稿は私がRI本部の資料室で見つけ出して、私自身が翻訳して、私のウエブサイト「ロータリーの源流」で発表しております。 なおこれ以外にもThe symbolism of service、The philosophy of serviceの2つの小論文がThe Rotarianに投稿されていますが、いずれも「ロータリーの源流」に収録していますので、ぜひ原文に接していただきたいと思います。 つい先日アメリカで、1924年に発行されたSuccessful Selling というタイトルの文献と、1917年に出版された The Science of Businessという古本を発見し、現在翻訳中です。 このように私が発表する以前には、正式にシェルドンの論文が公開されていなかったために、日本のロータリアンがシェルドンの論文に直接触れて、シェルドンの職業奉仕理念を正しく理解できるようになったのは、ごく最近のことなのです。 それ以前にシェルドンの職業奉仕について語っていた人の大部分は、ご自身の個人的見解か、元シカゴクラブ会員オーレン・アーノルドが書いたゴールデン・ストランドの記述に基づくものが多いようです。この本はロータリー解説書として有名な本ですが、後年書かれたためその内容が不正確であり、これをそのまま鸚鵡返しに語るために、正しいシェルドンの職業奉仕理念が伝わらないという弊害を生んできました。
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Successful Selling 1902年初版 1924年改訂
つい先日アメリカで、1924年に発行されたSuccessful Selling というタイトルの文献を発見し現在翻訳中です。全部で107章に分かれているA4版に換算して1200ページもある大作ですので、かなりの日数を要するものと思われます。この文献はシェルドン・ビジネス・スクールの教科書であり、シェルドンは1921年以降はロータリーの表舞台から姿を消しているだけに、非常に貴重な文献です。なお、1921年以降はロータリーの記録の中からシェルドンの名前を見つけることはできませんが、自分の職業であるビジネス・スクールの資料の執筆に専念していたものと思われ、その集大成が Successful Sellingの改訂版の発行につながったものと思われます。 その内容は、「積極的に物品を販売するためのセールスマンの倫理基準」「管理の必要性」「失敗の原因」「物質的欲望と精神的欲望」「自然の摂理」「人相学」「人格形成の方法」「あなたのセンスを磨く方法」など多岐にわたり、その中には「He profits most who serves best」というモットーも記載されています。 Successful Selling 1902年初版 1924年改訂
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The Science of Business 1917年出版
さらに1917年に出版された The Science of Businessという古本をシアトルで入手ました。これはA5版18冊からなり、これもシェルドン・ビジネス・スクールの教科書だと思われます。 The Science of Business 1917年出版
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修正資本主義 資本主義のもたらす社会矛盾や害悪を緩和するための施策 修正資本主義 ハード面からの対策 法規制による資本家の活動規制
資本主義のもたらす社会矛盾や害悪を緩和するための施策 修正資本主義 ハード面からの対策 法規制による資本家の活動規制 公共事業等による失業者対策 従業員の福利厚生 ソフト面からの対策 ・・・ シェルドンの理念 経営学の原理原則に基づく企業経営 利益の適正配分 従業員対策 19世紀から20世紀の初頭、すなわちロータリーの創立当初は、資本家が大きな利潤を生むために労働者を劣悪な環境の中で働かせる時代でした。資本主義のもたらすこれらの社会矛盾や害悪を和らげたり克服するために考えられたのが修正資本主義です。 政府が公共事業などで失業者を減らしたり、法律で公害や悪い環境をもたらす資本の活動などを規制したり、従業員の福利厚生を図ったりして、これらの矛盾を和らげていこうという考え方です。この考え方は19世紀末からありましたが、現実に実施されたのは1930年代、世界大恐慌後のニューディール政策でした。 シェルドンの職業奉仕理念は、継続的な事業の発展を得るためには、自分の儲けを優先するのではなく自分の職業を通じて社会に貢献するという意図を持って事業を営む、すなわち会社経営を学問だととらえて、原理原則に基づいた企業経営をすべきだと考えました。また利益を独占するのではなくて、従業員や取引に関係する人たちと適正に再配分することが継続的に利益を得る方法だと考えたのです。すなわち当時からすれば、来るべき修正資本主義を先取りしたアーサー・フレデリック・シェルドンの奉仕理念は極めて斬新な考え方であったと言えましょう。 1908年にシカゴ・ロータリークラブに入会したシェルドンは、その考え方をロータリーに導入し、1911年に、当時のロータリークラブ連合体が、そのままロータリーの奉仕理念として採択し、さらにその考え方は職業奉仕となって現在に至りました。
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シェルドンの思考 利益を得るためには、奉仕を与える ロータリー哲学は物質的な富を得るための哲学
奉仕という原因によって利益という結果が得られる すべての職業は社会に奉仕するために存在する 金を儲けるための事業は失敗に通じる 私の主観に満ちた解説をする前に、シェルドンの幾つかのスピーチ原稿の中から、彼の考え方を抜粋してご紹介したいと思います。 人生は海のようなもので、ギブ・アンド・テークの絶え間ない潮の満ち干が、物事を解決してくれます。与えることが奉仕であり、受け取ることが利益または報酬に当たります。種を播く時期が、収穫より前であるのと同様に、与えることが、受け取ることよりも先でなければなりません。利益を得る経営学は、すなわち奉仕を与える経営学でもあるのです。 今日、全世界に拡がっている経済的、社会的な混乱の原因は、人類の大部分が、人間関係の基本的な法則を破ろうとしているからです。私たち人類は、与えるのではなく、得ようとしています。それは結局、人類すべてを破滅させるか、少なくとも文明を破滅させて、精神的な暗黒時代に逆戻りさせることにつながるのです。 ロータリー哲学は金儲けを否定するのではありません。金銭は価値の万国共通の象徴であり、物質的な富は、人間の奉仕または頭脳や心や手足などの人間の力の集積を表すのです。 私たちは、生存するための三つの基本的な必要条件、すなわち衣食住を調達する手段として金銭を持つ必要があります。さらに人間が生きていくためには、衣食住以上のものが必要です。人間は文化という装いを持つ必要があります。そのためには金銭が必要です。 ロータリー哲学は、交換手段としての金銭の必要性を完全に認め、財産権や正当で公正な政府を否定したり、何らかの方法で崩壊させたり破壊しようとする、如何なる哲学とも妥協しないのです。すなわちロータリー哲学は資本主義社会を前提としているのです。この前提から社会主義国や共産主義国にはロータリーが存在しない理由が理解できると思います。 すべての個人やすべての会社が稼ぎ出す金銭は、原因ではなくて結果なのです。公正に稼ぎ出した金銭は、奉仕の実践の対価として支払われた賃金なのです。すなわち、奉仕という原因によって利益という結果が得られるのです。 今仮に、世界中の靴の製造に関するすべての人が、大会に集ったとしましょう。更に、靴の製造に使われるすべての機械類や、靴の製造技術に関するあらゆるデータが、そこに集められたとします。その会議中に、地震が起こって、すべての人間の命と、すべての機械と、そこに集ったすべての記録が破壊されたと仮定します。突然、地球上には、靴の製造技術に関する知識を持った人間はいなくなり、機械も、記録も全くなくなり、靴の製造技術は、突如として失われ、われわれの前から全ての履物は姿を消してしまうのです。 この出来事によって、人々は初めて、靴屋という職業は靴を売って金儲けをしているのではなく、靴屋という職業を通じて社会に奉仕している事実に気付くのです。当然のことながら、これと同じ事例は、帽子や服や住居や食物や、その他人間のニーズや快適さや贅沢のために提供されるすべての職業に当てはまるのです。 現在、100 人の人に「なぜ、あなたはその職業に携わっているのですか」と質問したら、95人の人は「金儲けをするため」と答えるに違いありません。しかし、それは正解ではありません。事業を営んでいる人の95パーセントが、事業に失敗する根本的な理由は、「金儲けをするため」に事業を営んでいるからなのです。
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シェルドンの思考 生産と適正な分配を通じて世界に奉仕することが、利益を得る最善の道 従業員に対して、経済的、人間的、教育的義務を果たす
資本家と従業員のトラブルは自然の法則に対する無知から起こる 労使一体となって、顧客に対する義務と責任を果たす ・・・ 企業の継続的発展 事業が存在する唯一の正当な理由は、自分の事業を通じて社会に奉仕すること、即ち、奉仕の実践をするために事業をしているのです。 生産と適正な分配を通じて世界に奉仕することが、すべての利益を保存する最善の道です。 そのためには、雇用主は従業員に対する責任、経済的義務、道徳的義務や教育的義務を履行しなければなりません。 従業員は仕事の正しい質と量、家庭や事業上や市民として正しく行動すること、雇用主に対する奉仕の義務を負っています。 さらに商工業関係者や一般購買者等の第三者に対しては、雇用主と従業員の合同チームとしての義務を果たさなければなりません。これが、すべての人たちに幸せをもたらす道なのです。 雇用主は従業員から忘恩的な行為を起こされても、自らの経済的、人間的関心、教育的義務のすべてを実現させなければなりません。雇用主がそうするのはそれが正しい方法だからです。そうすれば、必ず従業員から建設的な反作用が起こってくることでしょう。 経済的義務に関しては、奉仕の価値以上のものを支払うのではなく、その価値に見合う額を支払ってください。 現在、労働者は極めて利己的です。しかし、仕事の量を減らして、多くの賃金を得ようとする労働者組織は、火力を減らして、熱を増加させようとすることです。それは自然の法則に合いませんし、うまく機能することもできません。自然の法則を破ろうとする組織は、個人と同様に、自らを破滅させるのです。現在、そして過去における労働者と資本家の罪は、すべて自然の法則に対する無知が原因です。しかし、現在の労働者は古い時代ほど無知ではなく、この自然の法則の実態を理解し崇高な奉仕の必要性を理解することでしょう。 すべてのロータリアンの事業は、それが存在する地域社会における道しるべとして、雇用主から従業員へ、従業員から雇用主へ、また労使双方が一体となって会社から顧客に対して義務、債務、責任を遂行するために努力しなければならないのです。顧客こそが、VIPなのです。顧客らが私たちを拒否すれば、私たちはすべて仕事を失うのです。
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顧客に満足度を与える具体的経営方法 リピーター新規顧客の獲得 結果として高い職業倫理に繋がる 高い品質 安全性・賞味期限
高い品質 安全性・賞味期限 適正な価格 需要供給のバランス 経営者・従業員の接客態度 豊富な品揃え 公正な広告 虚偽・誇大広告 高い商品知識 高度な専門知識 アフター・サービス PL法 シェルドンの考え方は次の二つに要約されると思います。 その一つは職業に関する考え方です。自分の儲けを優先するのではなく自分の職業を通じて社会に貢献するという意図を持って事業を営めば、結果として継続的な事業の発展が得られるという思考です。彼は商取引において、顧客に対して優れた奉仕をすることが、永続性を保ち、従って利益を累進的に与えてくれる顧客を確保するための唯一の方法であると述べています。 シェルドンは、持続して繁栄し発展しているいくつかの企業に共通して見られる特徴を、サービスと名づけました。販売する商品や提供するサービスの品質が高いことが大切です。特に食品の場合には味覚に加えて安全性が重要なポイントになります。 適正な価格で品物や技術を顧客に提供することも大切です。オイルショックの時に、品薄に乗じて法外な価格を設定し、マーケットが正常に戻ったとき、誰からも相手にされなくなった例などは、記憶に新しいと思います。いつでも、どの場所でも、顧客がリーズナブルだと感じる価格を設定することが必要です。ただし付加価値の高い商品には高い価格がつくことは当然です。 事業所における経営者、従業員の接客態度もサービスです。無愛想な態度をとられると、二度と行きたくなくなるものです。十分な品揃えもサービスです。公正な広告もサービスです。取り扱いの商品に対する知識も大切です。最近のように、異業種への転向が盛んな時代では、商品知識も不充分のまま、単に売りっぱなしにする店がかなりあるようです。商品のアフター・フォローも大切です。一度自分の店で売った品物に対して責任を持つことが大切です。こういったものを総称して、シェルドンはサービスという言葉を使ったのです。 こういうことが守られている店には、もう一度行ってみようという気が起こりますし、親しい人を紹介しようという気も起こります。一現さんだけを相手にしていたのでは、事業の発展は望めません。リピーターが再三訪れるからこそ、事業が発展するのです。たとえ一時的に客が行ったとしても、その客が一回行っただけで愛想を尽かし、二度と訪れなかったら、その店は必ず衰退します。これは製造業であらうと、小売業であろうと、医者であろうと同じです。これは現在でも立派に通用する真理です。シェルドンの職業奉仕理念は、このことを理詰めに説いているのです。 リピーター新規顧客の獲得 結果として高い職業倫理に繋がる
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事業における人間関係学 利益の適正配分 倫理基準の向上 事業上得た利益は、事業主のみのものではない。
事業は、経営者、従業員、取引業者、顧客、同業者すべてによって支えられている。 これらの人々と、利益を適正に配分すれば、自らの事業は継続し発展することを、自らの事業所で実証する。 自らの事業所でそれを実証することによって、業界全体の職業倫理が向上する。 もう一つは人間関係学から見た利益の適正な再配分です。私たちがロータリアンの身分を保っているのも、ロータリーの会合に出られるのも、ひとえに自分の事業が上手くいっているからです。これは、事業主の力量によるところが大ですが、会社で働いてくれている従業員、事業所に色々な品物を納めてくれている取引業者や下請け業者、事業所から品物を買ってくれる顧客、さらに、その事業が、その町の中で普遍的に営んでいけるのは同業者がいるおかげであることを忘れてはなりません。 事業主を取り巻く全ての人たちのおかげで事業が成り立っていることを考えるならば、得た利益を、事業主が一人占めするのではなく、事業に関係する人たちと適正にシェアをしながら、事業を進めていけば、必ずその事業は発展していくはずです。そのような経営方針を採用して事業が発展していく様を、自らの事業所をサンプルとして実証すれば、同業者の人たちは、その事業態度を真似るに違いありません。そうすれば、業界全体の職業倫理が上がっていくというのが、He profits most who serves bestのもう一つ意味です。この考え方は今も昔も変わらない真理です。 利益の適正配分 倫理基準の向上
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第二の危機 1915-16年から1923年 職業奉仕理念と社会奉仕理念の対立 決議23-34の採択 RI、クラブ、ロータリアンの定義確立
個人奉仕の原則確認 クラブとしての団体奉仕を条件付是認 ロータリー第二の危機は、職業奉仕と社会奉仕の実践活動をめぐる対立で起こりました。当時のアメリカの中小クラブが競って実施した社会奉仕活動に、身体障害児対策があります。身体障害児救済活動が活発化すると共に、マンパワーや経済的負担をめぐって、いろいろな問題が起こってきました。 これを解決するために考え出されたのが決議23-34です。RI、クラブ、ロータリアンの定義を確立すると共に、個人奉仕の原則確認しつつクラブとしての団体奉仕を条件付是認したドキュメントです。
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奉仕活動の実践をめぐる論争 利益の 適正配分 職業倫理 高揚 自己改善 理念提唱 個人奉仕 人道主義 的活動 実践活動 金銭的 奉仕
職業奉仕派の人たちは、本質的なロータリー活動は職業奉仕であり、利益の適正配分、職業倫理高揚、自己改善、理念提唱、個人奉仕であると主張しました。 社会奉仕派の人たちは、弱者に涙することが人間の道であり、人道主義的活動、実践活動が重要で、金銭的奉仕、団体奉仕になることも止むを得ないと主張し、お互いに一歩も譲らず、まさにロータリー分裂の危機を迎えたのです。 実践活動 金銭的 奉仕 団体奉仕
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理事会の対応 決議22-17 身体障害児対策の推奨 ロータリアンが身体障害児対策に狂奔することを戒める理事会決定
決議22-17 身体障害児対策の推奨 ロータリアンが身体障害児対策に狂奔することを戒める理事会決定 決議23-8 全米身体障害児協会を支援し、人頭分担金1ドルを徴収する シカゴクラブは激しい反対運動を行い決議23-29を提案して対抗 決議23-8、決議23-29を取り下げ、その代わりに決議23-34を提案することで収拾 1922年、RI理事会はエリリア、トレド、クリーブランド各クラブより共同提案を受けて、決議 を採択して、身体障害児に対する対策を奨励しました。 しかし、この決議を行った直後に開催された理事会では、身体障害児救済の事業に狂奔することを戒める理事会決定を行っています。 理事会の態度は更に二転三転し、1923年のセントルイス大会において「決議 23-8 障害児並びにその救助活動に従事する国際的組織を支援せんとする障害児救済に関する方針採択の件」という決議を提案することを決めました。これは積極的に身体障害児対策を推奨するために、国際身体障害児協会の仕事をロータリーが代行し、その費用を援助するために、RIが年間1ドルの特別人頭分担金を徴収することを定めたものであり、もしも、これが決議されれば、職業奉仕派の反対はもちろん、クラブ自治権の問題までもが加わって、収拾がつかない状態になることは必至でした。 これに反対したシカゴ・クラブは、RIが奉仕活動の実践をクラブに強要することを禁止する決議23-29を提案するという反対キャンペーンを繰り広げました。 その混乱を避けるために、RI理事会は決議23-8と決議23-29の双方を撤回する代わりに決議 23-34を提案するという高等戦術を用いることによって、この論争に終止符が打たれました。
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職業奉仕と社会奉仕の理念の調和を図り、ロータリー分裂の危機を救う
決議23-34 職業奉仕と社会奉仕の理念の調和を図り、ロータリー分裂の危機を救う ウイル・メーニァ Jr ナッシュビルRC ポール・ウエストバーグ シカゴRC 決議23-34は、ナッシュビル・クラブのウイル・メーニァとシカゴ・クラブのポール・ウエストバーグが起草した、ロータリーの綱領に基づくすべての実践活動に対する指針であると同時に、ロータリーの二つの奉仕理念をロータリー哲学として定義し、職業奉仕と社会奉仕の理念の調和を目指すために、職業奉仕を前提としながらも、一定の条件の下ではクラブの団体奉仕活動を認めたものです。 ウイル・メーニァ
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決議23-34 職業奉仕と社会奉仕の理念の調和 序 文 社会奉仕とは・・・広義のCommunity Service
序 文 社会奉仕とは・・・広義のCommunity Service すべてのロータリアンが、個人生活(家庭生活)、事業生活、社会生活に奉仕の理念を適用すること 序文ではすべてのロータリアンが、個人生活(家庭生活)、事業生活、社会生活に奉仕の理念を適用することが述べられていますが、制定当時は、その適用範囲が、ロータリーの綱領に基づくすべての活動だったものが、その後の四大奉仕採用によって、狭義の社会奉仕だけに適用するものと誤解されるようになりました。
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決議23-34 第1条 ロータリー哲学の定義 第2条 ロータリークラブの役割 第3条 RIの役割 第4条 実践哲学の定義
第1条 ロータリー哲学の定義 第2条 ロータリークラブの役割 第3条 RIの役割 第4条 実践哲学の定義 第5条 クラブ自治権 第6条 社会奉仕活動実践の指針 第一条はロータリーの奉仕理念が明確に定義づけられています。ロータリーは、基本的には、一つの人生哲学であり、それは利己的な欲求と義務およびこれに伴う他人のために奉仕したいという感情とのあいだに常に存在する矛盾を和らげようとするものであり、この哲学はService above self という奉仕哲学であり、He profits most who serve best という実践倫理の原則に基づくものです。 第二条はロータリークラブの役割について、①奉仕の理論を団体で学ぶこと ②奉仕の実践例を団体で示すこと ③奉仕活動の実践を個人で行うこと ④ロータタリーの奉仕理念と実践を一般の人に受け入れてもらうことが述べられています。この条文からも明らかな通り、奉仕活動の実践は個人奉仕を原則としながらも、クラブによるサンプル的な団体奉仕活動も認められています。 第三条はRIの役割について述べられています。RIの役割は奉仕理念の育成と普及、クラブの拡大、援助、管理と情報伝達およびクラブ運営と社会奉仕活動の標準化です。 第四条ではロータリー運動は単なる理念の提唱ではなく、実践哲学であり、奉仕するものは行動しなければならないと述べられています。往々にして理論派と称する人の中には、理屈だけは人一倍述べても、実践活動には一回も参加したことのない人を見受けます。WCSや社会奉仕のプロジェクトに参加して、始めて一人前に理屈を述べる権利が与えられることを忘れてはなりません。そして、クラブが団体奉仕活動を行う際の条件として、毎年一つの新しいプログラムを実施すること。単年度で終了すること。地域社会のニーズに従うこと。クラブ全員の協力が得られることが定められています。この条文によって、条件付とは言え、クラブの団体奉仕が認められていることを忘れてはなりません。 第五条にはクラブ自治権について定められています。クラブが地域社会に適した奉仕活動を選ぶ絶対的権限を持っていますが、ロータリーの綱領に違反したり、クラブの存続を危うくするような活動をすることが禁じられています。なお、RIは、例えそれが間違った活動であっても、クラブが行っている活動を禁止したり、特定の活動をするように命令することはできません。 RI定款、RI細則、ロータリークラブ定款で定められている規約以外は、奉仕活動の実践、RIのテーマ、強調事項もすべて推奨なり、要請に過ぎません。それを実施するか否かはクラブの裁量権の範疇にあることを忘れてはなりません。 第六条ではクラブが実施する社会奉仕実践の指針が述べられています。すでに他の機関が実施している奉仕活動と重複する奉仕活動は禁止されています。大規模活動に対する制約。宣伝目的の活動の禁止。奉仕活動の実践は個人奉仕が原則であって、クラブが行う活動はサンプルに過ぎないことが明記されていますが、これらの条件が果たして地域社会のニーズを満たすものかどうかを考える必要があると思います。
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第三の危機 1929年から1938年頃 世界大恐慌による経済危機 政権交代による政治的危機 経済政策の変更 ニューディール政策
経済政策の変更 ニューディール政策 1937年夏 最悪の状態 「恐慌の中の恐慌」 軍需産業の積極的育成 ロータリーの第三の危機は、1909年10月の世界大恐慌を契機にした政治・経済的な大きな変化によって起こりました。 1932年、共和党のフーバー大統領(ブルッフRC会員)から、民主党のルーズベルト大統領へ政権交代しました。 ニューディール政策を採用し、金本位制廃止、公共事業の創出、企業活動と労使関係の制限という一連の政策を実施しますが、 1937年夏に、「恐慌の中の恐慌」といわれる最悪の状態となりました。 そこで、折からの国際的緊張を利用して軍需産業の積極的育成をはかることで、やっとこの危機を乗り越えることができました。
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職業奉仕実践の成果 修正資本主義に基づく職業奉仕の実践 道徳律の制定と遵守 事業における道徳律の適用 マフィアとの対決 四つのテスト
商道徳の法制化 職業倫理の確立 シェルドンが提唱した職業奉仕理念は修正資本主義そのものでしたから、すでに最新の企業経営方針を先取りしていたロータリアンには、そんなに大きな経済的ダメージをあたえることはありませんでした。修正資本主義に基づく職業奉仕理念の構築、道徳律の制定、事業における道徳律の適用、四つのテストといった職業奉仕の実践活動も効を奏して、ロータリアン自身が不況に耐えうる実力をつけており、ロータリアン企業は迅速に業績を回復していきました。 さらにマフィアとの対決や商道徳の法制化によって一般大衆の共感を得ると共に、業界全体の職業倫理高揚を確立しました。 ロータリアン企業の迅速な業績回復
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第四の危機 1938年から1945年 第二次世界大戦の影響 枢軸国のロータリー離脱 終戦後のロータリー運動の躍進
RI脱退中も日本のロータリーは名称を変更して例会を継続 第四の危機は、第二次世界大戦で枢軸国がロータリーから離脱したことによって起こりました。 終戦後のロータリー運動は、目覚しい躍進ぶりを示しました。特に日本のロータリークラブは、RI脱退後もその名称を変更して例会を継続したことは高い評価をうけると共に、戦後の著しい飛躍につながりました。国際ロータリーという組織に属さなくても、素晴らしい理念に裏打ちされた思想は、人の心の中で生き続け成長することが証明されたのです。
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企業経営者の分化 戦後における企業の巨大化 企業経営の専門家としての経営者 サラリーマン社長の出現 絶対的権限を持たないロータリアンの出現
ロータリーの理念を実践に移すことの困難さ 資本家 対 経営者 対 労働者 戦後の修正資本主義に基づく経済発展はすさまじく、企業は巨大化していきます。 資本家一人の力で企業を経営していくのは困難となり、資本家とは別に企業経営を専門的に行う経営者が出現します。もちろん資本家が経営者を兼ねている場合もありますが、企業経営に秀でた人を外部から招聘することも盛んに行われ、いわゆるサラリーマン社長が出現します。 ここで、従来の資本家対労働者の構図は、資本家対経営者対労働者(従業員)の構図に変化していくのです。 さらに企業が巨大化すると各地に支店や出張所ができてその所長クラスの人たちがロータリー活動に加わってくるようになりました。 資本家がロータリアンであった時代、すなわち企業のオーナーがロータリアンであった時代は、ロータリーの職業奉仕理念はただちに職場全体に浸透することが可能でした。しかしサラリーマン社長や支店長には絶対的な権限がないために、必ずしもロータリーの理念通りに企業経営をすることが不可能となってきました。 元来ロータリークラブは絶対的な権限を持っている中小零細企業のオーナーが集まって、理想的な職業奉仕理念を編み出し、それを自らの企業に取り入れて実践に移すための組織ですから、企業が巨大化して簡単に軌道修正ができなくなったり、絶対的な権限がない人がロータリアンになることは想定していなかったと思われます。ロータリーの奉仕理念を遵守するために、首を覚悟で上役に抗議する支店長を期待することは、事実上無理なことでしょう。個人事業家は別として、例会において学んだ職業奉仕の理念を、自分の職場で実践に移すという効果は徐々に期待できなくなっていったのです。
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第五の危機 1970年代後半から????年 経済システムの変化 新資本主義の台頭 虚業的投資会社・職業倫理の低下 職業奉仕理念の変化と衰退
経済システムの変化 新資本主義の台頭 虚業的投資会社・職業倫理の低下 職業奉仕理念の変化と衰退 国際ロータリーの変化 中央集権化と活動方針の変化 クラブの管理運営の変化 クラブ例会の形骸化・ロータリアンの魅力低下 さて私は、1970年代後半から、徐々に第五の危機の時代に突入したと考えています。会員数の統計などからは1990年代後半からロータリーの衰退が起こったように見えますが、実はその前兆とも考えられる様々な出来事がこのころから起こってきているからです。 その原因なり現象を具体的に表せば、次の四つの項目にまとめることができると思います。 ①経済システムが大きく変わって、新資本主義の考え方が市場を支配して、ヘッジ・ファンドに代表されるような利潤のみを追求する虚業的投資会社が現れて、職業倫理の低下をもたらしたこと。 ②シェルドンの提唱した職業奉仕理念が誤って解釈されるようになり、さらに職業奉仕よりもボランティア活動の方が重要視されるようになったこと。 ③エバンストン帝国と揶揄されるように国際ロータリーの組織が巨大化し中央集権化して、ロータリークラブはあたかも下部組織のような体をなしてきたこと。国際ロータリーの活動方針が変化し、ロータリー本来の活動である職業奉仕団体からNPOとしてのボランティア活動に転換したこと。なおこれに伴って財団寄付が重要視されるようになったこと。 ④会員減少に対処しボランティア活動を効率よく行うためにCLPが推奨され、その結果例会や親睦が軽視され、ロータリアンとしての魅力やメリットが低下したことなどがあげられます。 すなわちこれらの諸問題を解決することによってのみ、ロータリーは奉仕クラブとして生き延び発展することができるのです。そこで各項目について考えてみたいと思います。
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経済システムの変化 新資本主義の台頭 1970年代半ば頃から企業の国際化が進んでグローバル時代に突入してすると、資本家対経営者対労働者という、三者対立の中に、第四の存在とでもいうべき、投資ファンドに代表される疑似資本家が加ってきて、資本家、疑似資本家、経営者、労働者の四極対立の構図になりました。この四極対立の構図のことを新資本主義と表現しています。
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新資本主義 自らは資本を持たない疑似資本家の出現 資本家 対 疑似資本家 対 経営者 対 労働者 投資ファンドの暗躍
レバレッジなどの技法を使って、オイル、穀物、不動産などあらゆる分野に先物投資 世界中のほとんどの投資銀行や証券会社がこれに加わる M&Aによる企業乗っ取り 資本家 対 疑似資本家 対 経営者 対 労働者 新自由主義と混同しやすいのですが、新自由主義とはアダム・スミスが「国富論」で説いた、政府の規制を緩和・撤廃して民間の自由な活力に任せ成長を促そうとする経済政策の延長線上にありますが、新資本主義が構成要素としている疑似資本家の存在を想定したものではありません。 この疑似資本家というのは自分たちは資本家ではありませんが、お金を持っている人たちから資金をかき集めて、その資金をレバレッジなどの技法を使って何十倍いや何百倍にも増幅させて、オイル、穀物、不動産などあらゆる分野にデリバティブ(先物投資)をかけて、人為的なバブル景気を作りました。ガソリン、穀物価格、貴金属の高騰やドバイにおける異常とも言える不動産景気などは、すべて投資ファンドによって引き起こされたものです。さらに問題を大きくしたのは投資ファンドにつぎ込まれた資金が、個人資産やオイル・マネーのみならず、大きな利回りを期待した世界中の銀行や年金がこれに飛びついたことです。日本の企業年金も例外ではありません。 アメリカではスチール・パートナーズなどの数多くの投資ファンドが生まれ、その後ほとんどの投資銀行や証券会社がこれに加わりました。日本ではホリエモンや村上ファンドがこれを真似し、メガ・バンクがこれに続きます。
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虚業による不祥事 エンロン・・不正な株価操作・粉飾決算 ライブドア・・実態のない株式分割・粉飾決算 村上ファンド・・インサイダー取引
スチール・パートナーズ 会社・従業員・顧客の利益のためのM&A 実業 会社乗っ取りのためのM&A 虚業 実業と虚業との違いは、事業を経営する目的が職業を通じて社会に貢献するためか、それとも単に金儲けをするためかで区別するならば、利益の追求を第一義に掲げるこれらの疑似投資家たちは虚業家だということになります。そしてこれらの虚業家たちによる不祥事が世界各地で起こりました。 テキサス州ヒューストンに本拠を置く総合エネルギー企業エンロンは、不正なガスと電力取引によって巨大な利益をあげましたが、不正な株価操作と粉飾決算が内部告発によって表面化して結果的に倒産しました。 ライブドアは世間の誰もがやらないような方法で法律の抜け道を潜って、会社の実態の伴わない株式分割をしたり、時間外取引や投資事業組合やペーパー・カンパニーを使って、株の買占めや粉飾決算をしました。 これらの二つの会社の共通点は、株価至上主義に走ったあまり、本来は会社の業績を示す指標であるはずの株価を、利益のかさ上げや、損失のとばし、デリバティブによって人為的に上げようとしたことにあります。 物言う株主として脚光を浴びた村上ファンドはニッポン放送株のインサイダー取引によって実刑判決を受けました。堀江氏や村上氏のやり方に対して、ファンドだから「安ければ買い,高ければ売る」のは当然だという擁護論もありますが、社会に対する奉仕を第一義に考えず、自分の利益を優先させたことは、ロータリーの職業奉仕理念とは程遠いことは明らかです。 敵対的買収で有名なスチール・パートナーズについても同様なことがいえます。東京高裁の下した判断が世界の経済界の常識に反するという批判もありますが、金を儲けることだけを目的としたブルドッグソースや明星食品に対するするTOBは果たして社会に対する奉仕なのでしょうか。M&Aと書くと格好よく聞こえますが、会社や従業員や消費者の利益のためのM&Aでなければ、これは「会社乗取屋」に過ぎません。「会社乗取屋」を含めた世間の人達が疑義を抱くような方法で巨万の富を築くような事業は、ロータリーが定義する世に有用な職業ではなく、虚業に過ぎないのです。ロータリーは、こういった事業をまともな職業だと判断して入会を許した経済団体の轍を踏むようなことがあってはならないのです。 職業は社会に奉仕するために存在することを忘れてはなりません。 職業は社会に奉仕するために存在する
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アメリカの政策 共和党 小さな政府 個人の自由と責任を重視 市場原理に委ねる経済政策 民主党 大きな政府 社会保障を重視 国による経済支援
共和党 小さな政府 個人の自由と責任を重視 市場原理に委ねる経済政策 民主党 大きな政府 社会保障を重視 国による経済支援 すべてを市場の原理に委ねる新資本主義を許したのがアメリカのロータリアンを基盤にした共和党政権であり、日本の経済界もこれに追従していたわけです。 アメリカの共和党は、個人の自由と責任を重視する政策を取っています。経済政策でもなるべく政府による規制を排除して市場の原理に委ね、治安でも自己防衛を原則にするために銃器の所持を認め、医療費も自分で支払うことを原則として、その代わり、税金の安い小さな政府を目指します。 これに反して民主党は、経済政策にもある程度の制限をかけ、医療や教育や社会保障を充実する代わりに、大きな政府にならざるを得ません。 どちらが理想的かについては、アダム・スミスかケインズかと同様に意見の分かれるところですが、ごく最近になって民主党のオバマ大統領が就任するまでは、RIやアメリカのロータリークラブの中にはネオ・コンサーブティブスや新資本主義の考え方が深く染み込んでいたことは間違いのない事実です。 自分の儲けのためだけにM&Aやデリバティブやレバレッジとあらゆる手段を使って錬金術に狂奔することを許す、共和党の資金源となったエンロンを始め、石油や穀物や貴金属や不動産を買い漁った投資ファンドを生み出した揚句、サブプライム・ローン問題に端を発した世界経済恐慌をもたらしました。 アメリカの共和党政権の外圧によって、日本においてこの考え方を積極的に導入したのが、小泉・竹中ラインです。ホリエモンを時代の寵児として誉めたたえ、「わが弟」と壇上で共に手を高く掲げた当時の自民党幹事長の姿が目に浮かびます。 世界経済恐慌
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労働者対労働者の対立 正規雇用者対非正規雇用者の対立 有能な人材を正規雇用者として確保 単なる労働力として使う人を低賃金で雇う
移民労働者の雇用 この頃から、資本家対労働者という基本的な対立の構図の中に、労働者対労働者という新たな対立の構図が現れます。 それは正規雇用者対非正規雇用者の対立です。すなわちニートとかフリーターとか言われる非正規雇用者と、従来からの終身雇用制の中にいる正規雇用者です。 これは企業がグローバル競争に勝つために、有能な人たちはしっかり確保する代わりに、単なる労働力として使う人たち低賃金で雇うということです。 さらにもっと大きな変化が起ころうとしています。それは非正規雇用者よりももっと低賃金で雇用することができる移民労働者の存在です。アメリカやヨーロッパではさして珍しいことではありませんが、日本でも、日系ブラジル人労働者やインドネシアやフィリピンからの看護師など今後避けることができない問題となることでしょう。
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職業奉仕理念の 衰退と変化 こういった風潮の中から、シェルドンが提唱した修正資本主義を根底とするロータリーの職業奉仕の考え方がすたれると共に、異質な思考に変化していきました。
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市場の原理に任せ、倫理感による規制を排除すれば、拝金思想に満ちた新資本主義に陥る
職業に対する考え方の変化 従来の職業感 額に汗して働く・勤勉 永年雇用・年功序列・会社への忠誠 労使の目的意識の変化 雇用体系の変化 職業に関する目的の変化 かつて私たちは、陰日なたなく額に汗しながら、もくもくと働く姿を尊いものだと教えられてきました。会社は永年雇用、年功序列を原則としながら社員の福利厚生や教育にも気を配り、社員はそれに応えるために会社に忠誠を誓うことを当然だと考えてきました。すなわちアーサー・フレデリック・シェルドンがロータリーに提唱した修正資本主義に基づいた職業奉仕の理念を反映した社会でした。 しかし昨今はその考え方が大きく変わってきました。労使の目的意識が変化し、雇用体系も変化てきました。効率よく働くことが美徳とされ、生活費を稼ぐのに必要な時間だけ働いて、余暇を楽しむという風潮さえ生まれました。職業に関する目的も大きく変化し、企業は利益の追求を第一義に考えて会社を運営し、従業員は高い収入を得ることを第一義に考えて働くようになってしまいました。 何れの生きざまが正しいのかは、私には判断し兼ねます。ただ、企業経営に関しては、すべての規制を外して市場の原理に任せ、さらに倫理感による規制を排除すれば、究極の拝金思想に走った何でもありの弱肉強食のハゲタカの社会、すなわち新資本主義に陥ることが実証されました。しかしその虚構の社会も巨額の年金基金や現実の通貨の何百倍もの借金を残して世界的な不況をもたらして崩壊することも同時に学んだのです。 市場の原理に任せ、倫理感による規制を排除すれば、拝金思想に満ちた新資本主義に陥る
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職業奉仕理念の変化 クラブが行う職業奉仕の実践 職場訪問 優良従業員表彰 ボランティア活動 第二モットーの受難
クラブが行う職業奉仕の実践 職場訪問 優良従業員表彰 ボランティア活動 第二モットーの受難 He profits most who serves best の使用停止 They profit most who serve best への変更 He / She profits most who serves best の無視 ロータリーの中核となる奉仕理念が職業奉仕であるにもかかわらず1948年にRIの職業奉仕委員会が廃止になります。 1987年に40年ぶりに復活されたRI職業奉仕委員会が、「職業奉仕に関する声明」を発表しますが、実はこの中に書かれている、「クラブが職業奉仕を実践する」という文章について疑義が生まれてきます。何故ならば、シェルドンの職業奉仕理論の中からは、クラブが職業奉仕の実践を行うという発想は出てこないからです。職業を持っている個人だから職業奉仕の実践ができるのであって、職業を持たないロータリー・クラブがどうやって職業奉仕の実践をするのかということです。 さらにRIはその具体例としても職場訪問、優良従業員の表彰、ボランティア活動をあげていますが、これが職業奉仕活動かどうか、疑問の残るところです。素晴らしい職業奉仕の実践をしているクラブの会員の事業所を訪問するのならばともかく、ほとんどの職場訪問は、ビール工場へ行って一杯よばれて帰るのが定石ですし、優良従業員の表彰は、その人の地域社会における職業上の功績を表彰するのですから、厳密には社会奉仕であって職業奉仕とは言えないのではないでしょうか。 もう一つの間違いは、ボランティア活動を職業奉仕の範疇に入れることです。医者という立場でフィリピンに行って白内障の手術をするのは職業奉仕ではありません。何故ならば、その医者はこの活動の受益者ではないからです。国内でボランティア活動をすれば社会奉仕、外国ですれば国際奉仕です。ボランティア活動をする活動の場所がどこであるかによって、社会奉仕か国際奉仕に分かれてくるとしても、これが、職業奉仕活動ではないことは確かです。 職業奉仕理念の衰退、職業奉仕活動の混乱に引き続いて、今度はその矛先がHe profits most who serves bestというモットーに向けられてきました。 1989年の規定審議会で、このモットーは第二モットーに格下げになり、Service above selfが第一モットーとして優先されることになりました。 2001年の規程審議会で、あらゆるロータリーの文書や声明には、性限定用語を使わないという決議案が採択されたのを理由に、2001年6月のRI理事会は、He profits most who serves bestを使用停止にする決定をしました。これはとんでもない話であり、このモットーは1950年の国際大会で採択された正式なモットーであるという理由で、猛反対のキャンペーンをした結果、RIは急遽、使用停止を撤回しました。 しかしながら、2004年の規程審議会には、HeをOneに変えるという改正案が提出され、結果的にこの第二モットーがThey profit most who serve bestに変更されました。しかし、主語がtheyであることが団体奉仕を連想させるという理由から、2007年規定審議会でtheyをhe/sheに変更するという決議案が採択されました。さらに2010年の規定審議会には主語をoneに変更するという決議案が提案されています。
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国際ロータリーの 中央集権化と 活動方針の変化
国際ロータリーの 中央集権化と 活動方針の変化 現在のRIはいろいろな問題を抱えています。 アメリカを中心にした中央集権化が進んでいるような感じを受けます。
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ボランティア組織への転換 1962年 世界社会奉仕の提唱 1966年 財政援助に関する制限条項撤廃 1978年 3-Hプロジェクト
1962年 世界社会奉仕の提唱 1966年 財政援助に関する制限条項撤廃 1978年 3-Hプロジェクト 1979年 ポリオ根絶プロジェクト NPO組織への転換宣言 財団補助金使途の段階的変更 RI主導で、ロータリーを職業奉仕団体から人道的奉仕活動をするボランティア組織に転換しようとする試みが積極的に行われています。 WCSは1962年に、元RI会長ニッティシ・ラハリーによって提唱された新しい考え方の社会奉仕活動です。世界中に一人でも貧しい人がいる限り、人類は幸福にはなれないという考え方から、国境を越えて、飢餓、貧困、疾病等に関する援助活動をする制度です。そのために、1966年に従来は禁止されていた他地区への財政援助が可能となり、現在では国際奉仕活動の中核になるまで成長したプログラムです。 1978年には地域社会の人たちの自力を援助するための3-Hプロジェクトが、 1979年にはポリオを根絶しようというビッグ・ブロジェクトが誕生して現在に至っています。 最近のRI会長の中には「世界最大のNPOであるロータリー」と表現する人もおり、ロータリー財団の使途も、本来の学生に対する奨学金が大幅に制限されて、人道的補助金に優先的に使われるようになりました。 もはやRIの中にはシェルドンの職業奉仕理念を語る人は存在せず、潤沢な資金を得て人道的奉仕活動の実践をするために、ビル・ゲイツ・シニアに代表されるような資産家を名誉会員に迎えて資金集めに狂奔する風潮は非常に残念なことです。
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宗教・言語・文化を尊重した中間管理組織による運営を考慮する必要がある
RIの問題点 アメリカン・スタンダードによる管理運営 職業奉仕理念の衰退とボランティア組織化 理事会の権限強化・理事会決定の乱用・規定審議会の無視・不十分な情報公開 RI理事会とRI事務局との意思不統一 事務職員の官僚化、肥大化 資産運用に関する危惧 軍需産業への投資 イリノイ州法下における組織運営の問題点 ロータリーのような国際的な組織ではGrovel Standardに基づいて組織管理をする必要があるのですが、最近はAmerican Standardを押し付けているように感じます。エバンストン帝国と揶揄する人もいるようです。情報発信も英語ですればこと足れりといった対応です。私達は同じように人頭分担金を払っているわけですから、少なくとも公式言語として採用されている言語では、同時に情報提供をすべきだと思います。RIウエブ・サイトを通じてどんどん英語の情報が発信されるのに、英語以外の情報は極めて限られている現状です。以前は与えられていた日本人ロータリアンに対する翻訳権も現在は与えられていません。RI本部で日本語の翻訳を行っている職員は翻訳の専門家ではありませんから、意味不明な邦訳が送られてくることもしばしばです。 ロータリーが他の奉仕団体と異なる唯一の特徴が職業奉仕の理念と実践だったのに、現在のRIは職業奉仕に関する関心がほとんどありません。奉仕活動は人道的なものに限られ、ボランティア組織化の一途をたどっており、最近のRI会長はロータリーを世界最大のNPOと位置づけているようです。このまま進めば数多く存在するボランティア組織の一つとして埋もれてしまうような気がしてなりません。 理事会の権限が次第に強化されていくような感じがします。理事会決定は単なる決定であり、RI役員である地区ガバナーは別として、クラブや個々のロータリアンを拘束しないにもかかわらず、あたかも強制力があるかのような感を抱かせます。更に規定審議会で決議案として採択されたにもかかわらず、理事会がそれを無視するケースが日常化しているようです。2004年規定審議会で地区大会の会長代理派遣中止や地区大会日程の短縮、歴史的に重要な文書の保存などが採択されたにもかかわらず、その実施を理事会が拒否しましたし、2007年規定審議会における決議案のほとんどはこれを否定する結論を出しています。理事会の議事録についてもそれが全面的に公開される日は遠い感がします。 理事会の考え方とRI事務局の考え方にかなりの違いがあるようで、特にクラブ・リーダーシップ・プランの実施に関してRI理事会や一部の元RI会長は慎重であるのに対して、事務局は既定の事実として積極的に推進しようとしているなど意思の不統一が見られます。さらに、RI理事会やRI事務局の考えの通りに、クラブやロータリアンの行動を拘束しようという考え方が横行しているようです。 ロータリー事務局の肥大化と官僚化が進み、日本の官僚制度をそのまま輸出したかのような錯覚すら抱かせます。もっとも、RI会長は1年、理事は2年の任期しか事務局を訪れないのに、事務職員は長期間勤務しているのでその情報量に大きな差があることは否めませんが、理事会が事務局をコントロールすることは大切なことだと思います。 RIの資産運用に対する考え方が我々とは違うことも大きな問題です。投資によって大きな損失をだした場合、いったい誰がその穴埋めをするのでしょうか。さらに投資先の選定についても、投資効率を優先するあまりロータリーの奉仕理念に合致しない軍事産業のような企業が投資先になっていないかどうか疑義が持たれているようです。 ロータリー財団がイリノイ州法の下にあることも大きな問題です。人道的奉仕活動に公平に使うべきである浄財が、アメリカの法律の下に、それも州法の定めによって、その使途が左右されるのはおかしいことであり、当然のことながら、ロータリー財団は政治的な意図によって左右されない中立国に置くべきだと思います。 世界各国には固有の文化や言語や思考や慣習があります。人道的援助活動のニーズも地域によって大きな差があります。従って、ロータリー運動を更に発展させて全世界に広げていくためには、アメリカ中心の組織管理ではなく、これらの要素を勘案しつつ、RIBIのような中間管理組織を作って、きめ細かい地域の現状に合わせた管理をすることを考える必要があるのではないでしょうか。 宗教・言語・文化を尊重した中間管理組織による運営を考慮する必要がある
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クラブ管理運営の変化 クラブ例会の形骸化 ロータリーの魅力低下
クラブ管理運営の変化 クラブ例会の形骸化 ロータリーの魅力低下 2005年、RI理事会は、世界的な会員減少の流れを食い止めて、クラブを活性化するために、クラブ・リーダーシップ・プランの採用を推奨しました。最近のRIは、ロータリークラブをNPOと定義して人道的なボランティア活動を重視しているので、会員数が激減したクラブの存在が問題となってきます。ボランティア組織ならば、何よりもマンパワーが優先しますから、会員数が20名以下のクラブでは、積極的なボランティア活動を期待することは不可能かも知れません。 こういった弱小クラブでも何とかボランティア団体として自立していくための最小限度の管理組織を想定したものが、RI理事会が提唱したCLPです。言い換えれば、「機能を喪失しているクラブ」乃至は「機能を喪失しかかっているクラブ」が、「人道的奉仕活動をするボランティア組織」として生き長らえるためのプランだとも言えます。 さて、そこで私たちが考えなければならないことは、奉仕活動の実践のみが、クラブの存在価値かということです。クラブの例会を通じて奉仕理念を学び、人格を形成するとか、事業上の発想の交換を通じて職業奉仕の理念を学ぶことはもはや必要がなくなったのでしょうか。ただ、がむしゃらにボランティア活動にうつつを抜かすことが、素晴らしいロータリー・ライフだと言えるのでしょうか。クラブは、どんな活動をしたかではなくて、どんな人間を作ったかで評価されるべきであるという先人の言葉を思い起こすべきではないでしょうか。 RI理事会が推奨するCLPに基づく委員会構成は、従来からロータリーが行ってきた四大奉仕に基づいた委員会構成や四大奉仕に基づいた理事配分をまったく無視したクラブの組織管理であり、定款や綱領上も大いに疑義あるところです。 そう考えると、クラブの委員会構成は、RIが推奨する構成をそのまま採用するのではなく、クラブの人数や諸条件を勘案して、クラブにもっともふさわしいものを独自に採用することが不可欠だという結論に達します。クラブが自治権を発揮してクラブ運営をすることこそ、クラブ活性化の最大の処方箋であることを忘れてはなりません。
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世界の会員数推移 世界における会員数の変化は、クラブ数は増えていますが、会員数は2000年に最低となり、その後2002年にはピークを迎えましたが、その後は増減を繰り返しています。ヨーロッパ以外の先進国は会員が減っていますが、発展途上国、特にインドは会員数が激増して、日本を抜いて世界第二のロータリアンを擁しています。
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日本の会員数推移 日本における会員数の変化も、クラブ数が増えているにもかかわらず、会員数は1997年をピークにして、減少の傾向が続いています。なぜこのような現象が起こっているのかをよく考えてそれに対処する必要があります。
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日本ロータリーの活性化 ロータリアンに対して 大きなメリットを与えることが クラブを活性化する最善の方策 純粋親睦の必要性
業界と会員の相互扶助による事業の発展 例会の重要性の再確認 日本のロータリーの認知度の低下 費用負担の問題 国際ロータリーはすでに会員相互の親睦も事業の発展も職業奉仕も捨てて、人道的奉仕活動に専念するボランティア組織に転換していますから、ここではあえて、日本のロータリーをいかにして活性化するかを考えてみたいと思います。 日本のロータリークラブは何故、衰退の一途を辿っているのでしょうか。 いつ倒産の危機に遭遇するかを悩むのは、現在も全く同じです。むしろ100年に1度の経済危機が叫ばれている現在の方が深刻とも言えましょう。企業経営上の問題点を胸襟を開いて相談できる環境がクラブ内にあるでしょうか。自分が直面する問題を親身になって相談できる友人がクラブ内にいるでしょうか。ロータリークラブ創立の原点が親睦にあったことを思い起こして、今一度クラブ内に真の親睦を確立する必要があります。 そのためには、いたずらに会員増強に奔走するのではなく、会員の職業分類を含めた会員の資質を今一度洗いなおす必要があるのかも知れません。クラブ内にライバルや利害関係に深く関わる会員が存在すれば、真の親睦は成り立ちません。 業界を代表する経営者が会員である原則からは、会員同士は最高の取引先であるはずです。取引を会員同士だけに限定したり、会員同士の取引に特別の配慮を要求することに、世間の批判を浴びたわけで、広く広げた取引先の中から会員を優先的に選ぶことは、何の支障もありません。業界の中で最も優れた人を会員として選ぶことで、そのクラブもその人が属する業界全体も繁栄していくことを忘れてはなりません。 ボランティア活動を優先するあまり、例会が軽視されることは、ロータリーの魅力をそぐ大きな原因となります。毎週1回の例会は会員相互が職業上の発想の交換を通じて親睦を深めると同時に奉仕の哲学を研鑽する生涯学習の場でもあります。米山梅吉翁は「ロータリーの例会は人生の道場」と述べていますし、「Enter to learn, go force to serve 入りて学び出でて奉仕せよ」という言葉を忘れてはなりません。 世界で一番高い会費を払って、その上任意だとは言いながら、半ば強制的にロータリー財団や米山奨学会の寄付を割り当てられます。その見返りとして得られるものは、ロータリーの友情と人道的奉仕活動に参加したという達成感かも知れませんが、支払った会費や寄付金に比べて、あまりにも低い世間の評価も、衰退の大きな理由になっているのではないかと思います。日米のロータリーの衰退に比べて、ヨーロッパや途上国ではロータリアンが増加しています。ヨーロッパ諸国では徒にボランティア活動に走ることなく親睦の場として例会を大切にしていることが会員減少を抑える大きな原動力となっていますし、途上国では地域社会のニーズに従って積極的に活動するロータリアンの姿が間近に見られることが会員激増につながっています。 高級ホテルにおける例会、豪華な食事も再考の余地があります。お茶とケーキのアフタヌーン例会やモーニングセットの早朝例会に切り替えるのも一つの考え方です。 多額な事務所費にも大きな問題があります。すべての雑用を事務局に任せるのではなく、会員が自分の役割を分担することで楽しくて効率的なクラブライフが行われるのです。またメーリングリストや週報などに積極的にIT環境を整備することによって費用を節減する必要があります。 ロータリーの創立当初、我も我もとこの運動に参加したのは、大きなメリットがあったからであり、今、ふたたびこのメリットを取り戻すことが、クラブを活性化する最善の方策ではないでしょうか。 ロータリアンに対して 大きなメリットを与えることが クラブを活性化する最善の方策
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ロータリー研修シリーズ 完 ロータリーの危機 改訂版 2680地区 PDG 田中 毅
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