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船体溶接 歴史と特徴 河本拓哉 構造物におけるリダンダンシーの観点から
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目次 リダンダンシーとは? 例①木製いすの製作 例②橋の構造(耐震構造と免震構造) 全溶接船の歴史 リバティー船の脆性破壊 溶接の利点と欠点
参考文献
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リダンダンシーとは? リダンダンシー(Redundancy) 冗長性 静定構造と不静定構造 建築物 リダンダンシー高
電算機・宇宙船などの装置が故障したときに備えた代行能力など。 建築構造分野では、構造物が余分な部材により構成されていて、 一部の部材が座屈、破断したとしても構造物の全体崩壊に至らないことを示す。 静定構造と不静定構造 建築物 リダンダンシー高 橋など ほとんどリダンダンシー無 主要部材の損傷が全体系の崩壊に
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例①木製いすの工作 3本足 静定構造。主要部材の損傷が全体 系の崩壊につながる。工作易。
3本足 静定構造。主要部材の損傷が全体 系の崩壊につながる。工作易。 4本足 不静定構造。1本折れても3本で支える。工作は簡単ではない。 グラグラしないためには、 きちんと寸法を取る。
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例②橋の構造(耐震性について) 1995年兵庫県南部地震 強度や耐力だけでは耐震性は確保できない →十分な変位と靭性が必要。
強度や耐力だけでは耐震性は確保できない →十分な変位と靭性が必要。 →力を伝えない(免震)という考え。 (靭性については材料の問題)
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例②橋の構造(耐震性について) モーメント抵抗結合方式 ラーメン橋 上部構造と下部構造を剛結 利点 不静定構造。強度が高いといえる。
ラーメン橋 上部構造と下部構造を剛結 利点 不静定構造。強度が高いといえる。 曲げモーメントを2点で支える。 橋脚下部をピン支持することができる。(多柱式) 欠点 地震時に曲げモーメントが桁に伝わる。 温度変化、クリープ、乾燥収縮の変位の影響を 受ける。
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例②橋の構造(耐震性について) 支承支持方式 剛結していない 桁の回転や相対変位を吸収する。 利点 桁が曲げモーメントの影響を受けない。
剛結していない 桁の回転や相対変位を吸収する。 利点 桁が曲げモーメントの影響を受けない。 固有周期をコントロールできる。 単柱式なら片持梁の振動とみなせる。 欠点 地震時の変位の影響を正確に把握する必要。 軟弱地盤では逆に変位応答が大きくなる 多柱式ではモーメント結合方式と同様(不静定)
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支承って? 英語ではShoe 沓ともいう その名のとおり橋のクツ 荷重を分散させる
上下に分かれていて、相互にすべるように設計 温度で橋が伸縮したときに余分の力がかからないようにするため 地震時に落橋するのを防ぐために移動制限装置も設置 新潟地震 橋台の上に直接のせると、接触面に水が長く残ったりして、傷みのもとですし、橋全体の重さが、局部的にかかって橋台の方も傷めるので、荷重を分散させる目的で沓を履かせます。多分、支承というのが正しい言い方です。 沓が乗る橋台の沓座と呼ばれるコンクリートの部分にも鉄筋をかご状に組んで埋め込んで補強します。この鉄筋を座布団筋といいます。沓座はしゅうざと読みますが、これは英語と日本語のチャンポン読みでしょう。意味の分かりやすさは別としてクツザの方が正しいでしょう。沓はまた上下に分かれていて、相互にすべるように設計されています。温度で橋が伸縮したときに余分の力がかからないようにするためです。
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例②橋の構造(耐震性について) 支承支持方式 剛結していない 桁の回転や相対変位を吸収する。 利点 桁が曲げモーメントの影響を受けない。
剛結していない 桁の回転や相対変位を吸収する。 利点 桁が曲げモーメントの影響を受けない。 固有周期をコントロールできる。 単柱式なら片持梁の振動とみなせる。 欠点 地震時の変位の影響を正確に把握する必要。 軟弱地盤では逆に変位応答が大きくなる 多柱式ではモーメント結合方式と同様(不静定)
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例②橋の構造(トラス橋について) トラス(Truss) 部材には引張か、圧縮の力以外はかからないというか無視してもよい程度
つなぎ目 添接板あるいはガセット、ガセットプレートというあて板をあてて、リベットなどの鋲で固定 部材ごとに引っ張り、圧縮を担当 ハウトラスでは、垂直材には引張力が、斜材には圧縮力が働き、プラットトラスでは両端をのぞいて、その逆です
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全溶接船の歴史 1918(英) 世界初の全溶接船 Fullarger号 1920(日) 日本初の全溶接船 諏訪丸
1920(日) 日本初の全溶接船 諏訪丸 1930(日) 日本最初ブロック建造船 八重山 1933(日) アーク溶接多用ブロック建造溶接船 潜水母艦「大鯨」 溶接変形のためリベットで再組立 1942~(米) 溶接構造戦時標準船 (リバティ船) 連続ブロック建造 諏訪丸 フェリーボート 八重山 敷設艦 機雷の設置 溶接変形 大鯨 潜水母艦 リバティー船の建造には、19の在来造船所に加え、専用の18の新設造船所が充てられ、これら37造船所が日夜流れ作業で短工期のフル稼働生産をした。船体を溶接構造としたことが、連続ブロック建造の生産方式を可能とした。この生産方式は、同時期における我国の戦時標準船建造工法とほとんど同じである。せっぱつまった人間の究極の知恵は、同じものを生み出すということである。 設計の改善として構造上の応力集中の減少策、溶接割れなど工作不良による初期の欠陥削減策、および溶接残留応力の軽減策が提言された。 我が国では、世界に先駆けて全溶接の軍艦、機雷敷設艦八重山(1932)と潜水母艦大鯨(1933)、を建造したにもかかわらず、脆性破壊事故が皆無であった。また、早くからHT鋼(50キロ級鋼)、HHT鋼(60キロ級鋼)に代えてMn添加のデュコール鋼(DS鋼)を導入し、鋼の靭性についての認識があったことは評価に値する。
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リバティ船の破壊事故 溶接の採用による重量の軽減 鋲構造と溶接構造の割れの進展の違い 戦時の軍艦保有トン数制限の影響 溶接による工期の短縮
なぜ船が真2つに? 停泊中の事故 連続ブロック建造方式の採用 大量生産可能に 4,694隻 建造 損傷数 1,289隻 重大な損傷は233隻 溶接の採用による重量の軽減 鋲構造と溶接構造の割れの進展の違い 鋲構造であるとある1つの板から発生した割れは鋲継ぎ手という不連続部でとまってしまって、隣の板までその割れが進展していかない 鋲構造のときと比べ建造スピード3倍になった
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リバティ船破壊事故 鋼材の溶接性不良が主原因 →鋼材の低温切欠き靭性の向上、溶接性のいい鋼材の使用。
応力集中を生ずる構造設計不良と溶接施行不良が二次的原因 →有限要素法での応力分布の予測、構造の変更。 低温切欠き靭性の金属学的な改善策、例えば低炭素化、脱酸元素であるMnとSiの添加などは、溶接割れの防止にも有効である。日本では世界に先駆けて全溶接の軍艦、機雷敷設艦八重山(1932)と潜水母艦大鯨(1933)、を建造したにもかかわらず、脆性破壊事故が皆無であった。また、早くからHT鋼(50キロ級鋼)、HHT鋼(60キロ級鋼)に代えてMn添加のデュコール鋼(DS鋼)を導入し、鋼の靭性についての認識があったことは評価に値する
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リバティー船破壊事故(当時の改造) 結局、割れが伝播して真二つに折れるのを防ぐ場当たり的なもの。根本的には前述した対策が必要
鋲接シームの採用 あえて不連続な箇所を作り割れと応力の伝播を防ぐ。 →具体的には船体上部甲板と船側外板の継ぎ目 なぜその箇所? 100船年(隻数×就航年数)あたりの損傷件数19.45→3.62 割れの発生箇所が倉口隅部や船側厚板の舷梯用開口部 甲板を真二つにして、さらに船側外板に進展するのを防ぐ 結局、割れが伝播して真二つに折れるのを防ぐ場当たり的なもの。根本的には前述した対策が必要
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まとめ 溶接の利点 継ぎ手効率良い 水密性もかなり高い 騒音の低減 船体の重量軽減 工程の簡略化による船台期間の短縮
まとめ 溶接の利点 船体の重量軽減 工程の簡略化による船台期間の短縮 継ぎ手効率良い 水密性もかなり高い 騒音の低減 開先とは、グルーブ(Groove)ともいい、溶接を行う母材間に設ける溝のことです。 開先形状としては、I形、V形、レ形、X形、U形、K形、J形、両面J形、H形があります。 開先を設けて行う開先溶接は、継手形状としては、突合せ継手、T継手、十字継手、角継手に適用されます。なお、開先は、”かいさき”と読みます。 鋲接は強度の40%でしか水密を保てない
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溶接の欠点 数値計算等により熱変形を予測 溶接割れを起こしにくい材料と溶接棒の選定 鋲は緩んで応力を吸収
溶接熱の影響によって収縮変形が生じ内部応力が残留する 溶接熱の影響での材質変化 発生した割れの伝播を食い止めることが難しい 溶接部の検査が面倒 数値計算等により熱変形を予測 溶接割れを起こしにくい材料と溶接棒の選定 鋲は緩んで応力を吸収 有限要素法により、応力集中を予測、防ぐ構造にする X線などの非破壊検査が必要
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参考文献 homepage2.nifty.com/nishidah/m_typeh.htm
船体溶接法 海文堂 橋梁の耐震設計と耐震補強 技報堂出版
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