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在宅医療と基礎.

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1 在宅医療と基礎

2 在宅医療の背景 1.医療費抑制の観点からも、今後在宅医療を受ける 患者さんは増加する。 2.高齢者が多い。
 患者さんは増加する。 2.高齢者が多い。 ・高齢者は複数の疾患を併せもつ事が多い。 現疾患または合併症の悪化による急変

3 在宅医療の種類 2.在宅自己腹膜灌流 3.在宅酸素療法 7.在宅人工呼吸療法 ハイテク機器の必要性 1.在宅自己注射
4.在宅中心静脈栄養法 5.在宅成分栄養経管栄養法 6.在宅自己導尿法 7.在宅人工呼吸療法 8.在宅悪性腫瘍患者管理 9.在宅寝たきり患者処置管理 10.在宅自己疼痛管理 木田 厚瑞:高齢者の在宅医療と臨床工学技術の応用,Clinical Engineering 10 (11) : p ,秀潤社,1999. より改変し引用

4 在宅自己腹膜灌流    (腹膜透析) (CAPD; continuous ambulatory peritoneal dialysis )

5 在宅自己腹膜灌流(腹膜透析) 1.適応(基礎)疾患 ・慢性腎不全 2.治療概要 腹膜透析用液を腹腔内に注入(約1~2㍑)し
数時間滞留させた後に排出させる。 これを3~4回/日行う。

6 在宅自己腹膜灌流(腹膜透析) 3.使用機器 ・腹腔にはCAPDチューブと呼ばれるチューブが 留置されている。 ・透析液を温めるための加温器。
 留置されている。 ・透析液を温めるための加温器。 ・ CAPDチューブと液注入用のチューブを      接続(高温で接着させる)する機械 ・夜間睡眠中にも液の注入、排液を全自動で  行う機械

7 在宅自己腹膜灌流(腹膜透析)の実際 透析液加温・保温器 重量計 チューブ接合器

8 在宅自己腹膜灌流(腹膜透析)の実際 CAPDチューブ

9 在宅自己腹膜灌流(腹膜透析)の実際 透析液用チューブとCAPDチューブの接合

10 在宅自己腹膜灌流(腹膜透析)の実際 ここを押しつぶすと開通 透析液用チューブとCAPDチューブが接合されたところ

11 在宅自己腹膜灌流(腹膜透析)の実際 透析液は2バック システム 注入中 接合した部分

12 在宅自己腹膜灌流(腹膜透析)の実際 ここに見えるカフ(第二)は 本来腹壁に固定されている CAPDチューブ刺入部

13 在宅自己腹膜灌流(腹膜透析) 4.考えられる救急 1)腹膜透析自体 ・チューブの事故抜去(出血) ・チューブからの感染→腹膜炎(急性腹症)
2)腎不全患者の特徴によるもの ※腎不全患者は腎性高血圧(脳出血)、水分の  過剰摂取による肺水腫、カリウム過剰摂取による  不整脈または心停止がおこりうる。 この他、心不全、心筋梗塞が死因の大多数を占める。

14 在宅自己腹膜灌流(腹膜透析) 5.搬送時に考慮する点 1)内シャントと呼ばれる、血液透析時に穿刺する
 ための血管をどちらかの腕に持っている場合が  あるので、その腕で血圧を測定しない。 2)腹膜透析に用いる機器は一緒に搬送する必要は  ほとんどない。   →腹膜透析患者であっても病院では血液透析で    対応する場合が多い 。

15 在宅自己腹膜灌流(腹膜透析) 5.搬送時に考慮する点 起座位(上半身を起こす)で呼吸、苦痛が楽になる ※患者の楽な体位で搬送する。
3)肺水腫などで呼吸困難が強い場合、その背景に  循環血液量の増加(過剰な水分)に対応しきれなく  なった心臓(うっ血性心不全)が存在する可能性が  ある。     ⇒仰臥位で状態の悪化 起座位(上半身を起こす)で呼吸、苦痛が楽になる ※患者の楽な体位で搬送する。

16 在宅酸素療法 (HOT; home oxygen therapy)

17 在宅酸素療法 1985年に社会保険が適応され、患者総数は7万人を 超えている。 1.適応(基礎)疾患 ・慢性閉塞性肺疾患(約40%)
・肺結核後遺症(約18%) (厚生省呼吸不全調査研究班平成7年度調査報告書) 2.治療概要 酸素濃縮器または液体酸素を用い酸素を吸入する。 わが国では酸素濃縮器がほとんどである。

18 在宅酸素療法 3.使用機器 ・酸素濃縮器(吸着型、膜型) わが国では吸着型がほとんど ・酸素ボンベ 液化酸素 高圧酸素
 わが国では吸着型がほとんど ・酸素ボンベ 液化酸素 (低温液化した酸素を気化させ供給する装置と使用) 高圧酸素 (純酸素ガスを充填したもの)

19 在宅酸素療法 4.考えられる救急 1)酸素濃縮器の故障による高濃度酸素供給停止 ※緊急時の酸素ボンベがあり家での対応は可能。
 ※緊急時の酸素ボンベがあり家での対応は可能。   ただし、ボンベが空または残量少ない場合   は救急車の要請も考えられる。 2)基礎疾患の悪化 風邪などから肺炎等を併発し、呼吸状態の悪化。 ⇒低酸素血症

20 在宅酸素療法 5.搬送時に考慮する点 1)酸素投与を忘れない。 2)呼吸状態と酸素濃度には充分注意する。
慢性閉塞性肺疾患では、ある程度の低酸素状態が 呼吸をさせる刺激となっている。 高濃度の酸素投与が、逆に患者自身の呼吸を 抑制する場合もあるので、呼吸の深さ、回数に注意 する。 30%を超える吸入酸素濃度にすると致命的となる場合がある。

21 在宅酸素療法 5.搬送時に考慮する点 3)循環動態のチェック 呼吸不全=呼吸器系の異常ではなく、循環状態
の異常(心不全)からも呼吸に異常をきたす。 このことを念頭において、観察を行う。 うっ血性心不全がある場合、体位によっては 状態が悪化するので、患者の楽な体位で搬送。

22 在宅人工呼吸療法 (HMV; home mechanical ventilation)

23 在宅人工呼吸療法 1.適応(基礎)疾患 ・自発呼吸がないか、弱い。 (高炭酸ガス血症を伴う慢性呼吸不全 神経、筋疾患による呼吸障害
 神経、筋疾患による呼吸障害  ;筋ジストロフィー、高位脊髄損傷など) 2.治療概要 人工呼吸器による調節もしくは補助呼吸。 1)気管切開下人工呼吸(TIPPV) tracheostomy intermittent positive pressure ventilation 2)非侵襲的陽圧人工呼吸(NPPV) Nonivasive positive pressure ventilation

24 在宅人工呼吸療法 3.使用機器 ・人工呼吸器 人工呼吸器 NPPV用人工呼吸器 (+酸素濃縮器、酸素ボンベ)

25 在宅人工呼吸療法 人工呼吸器 現在は多機能(院内での呼吸管理に対応できる)かつコンパクトな 在宅用人工呼吸器が出ている

26 在宅人工呼吸療法 NPPV用人工呼吸器と鼻マスク

27 在宅人工呼吸療法 4.考えられる救急 1)人工呼吸器の故障による呼吸状態の悪化 ⇒低酸素血症、高炭酸ガス血症
    ⇒低酸素血症、高炭酸ガス血症  ※緊急時はアンビューなどによる用手的換気で    対応可能。 2)基礎疾患の悪化 風邪などから肺炎等を併発し、呼吸状態の悪化。 または呼吸器の動作不全から、 低換気肺胞→無気肺→肺炎など機械側が原因となる 場合も考えられる。

28 在宅人工呼吸療法 5.搬送時に考慮する点 1)酸素投与を忘れない。 2)呼吸状態には充分注意する。
用手的人工換気を行った場合、過換気に注意する。 自発呼吸がある場合には、ファイティングしないよう また、意識が清明で患者さんとの意思疎通が可能な 場合は換気具合を本人に確認しながら調整していく。 ※酸素投与自体の注意点は在宅酸素療法と同じ

29 在宅人工呼吸療法 5.搬送時に考慮する点 3)人工呼吸器を持参する(可能ならば) 。 呼吸器自体の不良でも、搬送先の病院で呼吸器
自体をチェックしてもらえる場合もある。   →これで患者さんの症状が改善される     場合がある。 ※呼吸器の緊急時はほとんどメーカーが対応するので、  患者さんは病院へ、メーカーは自宅の呼吸器点検へという  パターンになると思われる。

30 在宅人工呼吸療法 5.搬送時に考慮する点 4)家人に呼吸を補助してもらう(可能ならば) 。 5)在宅時の使用機材、物品の利用(状況が許せば)
人工換気を受けている患者さんは、用手換気に 非常にシビア。換気状態によっては更に呼吸苦が 強くなることもあるため、常時介助している家人に 用手換気してもらうのも一手段。 5)在宅時の使用機材、物品の利用(状況が許せば) 吸引カテーテルなど患者さんに合ったものが 車内にない場合も考えられるため。

31 酸素中毒(急性) 吸入酸素濃度46%以上で酸素中毒の出現が危惧される。 【酸素中毒の病態】 細胞における酸化酵素の活性低下 【症状】
てんかん様全身けいれん、口唇けいれん、めまい、悪心 不快な呼吸感、筋けいれん、錯乱、幻聴(ゴーゴー、リンリン)、 視力障害(視野狭窄)、足指の疼痛 健康な人が高濃度の酸素に暴露された場合(吸入気酸素分圧と暴露時間の積が大きい程 中毒の可能性大)に問題となる。 外傷(低血圧、酸素需要増)や呼吸器疾患(肺の機能低下)時に酸素中毒を問題とすることは 極めて少ない。

32 液化酸素による事故 ボンベ等から液化酸素の液がもれることにより起こる 【皮膚についた場合】
液化酸素は-183℃と極めて低温なので、皮膚は凍傷を起こす。 凍傷部分~感覚消失、黄色いろう状、温まると水泡形成→次第に痛み 【処置】   ・凍傷部分(患部)はこすらない  ・衣服が凍りついて取れない時は無理にとらない  ・患部は冷水で徐々に温める  ・患部が常温に戻り、熱を持つ場合は冷水で冷やす。 【その他】 ・気化した直後の酸素は低温であるので、気道粘膜の損傷(低温) ・気化すると約860倍の体積となるため、換気の少ない部屋では  高濃度酸素に暴露される→酸素中毒の症状


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