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2012年11月例会 ミニ講座 冬山の危機管理 山行安全部 村田 道夫.

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1 2012年11月例会 ミニ講座 冬山の危機管理 山行安全部 村田 道夫

2 冬山での遭難状況 冬山でも夏山と同様、もっとも多いのは転落、滑落、転倒! 山岳遭難対策中央協議会 冬山登山の警告
 山岳遭難対策中央協議会 冬山登山の警告   冬山でも夏山と同様、もっとも多いのは転落、滑落、転倒!

3 今日お話しするポイント 事故の主たる態様は、転落、滑落、転倒 道迷い 冬型の天気 急変に注意 低体温症・凍傷 ウォーミングアップ 歩行技術
アイゼン歩行 道迷い 予習が肝心。日が短い冬は余裕のある行程で 冬型の天気 急変に注意 気象状況の変化を読む:低気圧通過後の強い冬型 低体温症・凍傷 着過ぎに注意 風に当たらない工夫 手袋、帽子、靴下は予備を持つ

4 ウォーミングアップ 縮こまった体では転びやすい 背筋を伸ばして 手足をリラックスして歩けるように! 寒いときはストレッチ+ウォーミングアップ
 背筋を伸ばして  手足をリラックスして歩けるように! 寒いときはストレッチ+ウォーミングアップ いつものストレッチに、 軽いジャンプ、腕の回転、体の回転など動きのある体操をプラス 休憩は短めに 体が冷える前にスタート 昼食後にもう一度、ウォーミングアップ

5 冬の歩行技術 ステップの選ぶ 体重移動 キックステップ ストックの活用 窪み、フラットなポイントを見つける
圧雪には注意。乾いた雪は滑りにくい 黒く固まった氷、落ち葉の下の凍結に注意 3歩先を見て 体重移動 体重移動に意識する。足は自然に出る。 足全体に体重を分散。下りではつま先に意識を。 谷足はつま先を谷に開く キックステップ 足場を作りながらの歩行 ストックの活用 バランスを保つための触角。頼らない。

6 アイゼン歩行 事前準備 アイゼンの引っ掛け アイゼン歩行 アイゼンを買うときは使う靴を持っていく
最低でも6本アイゼン、10本の方が歩きやすい 出発前には装着チェック アイゼンの引っ掛け 左右の踵を15-20cm離す 障害物の乗り越えでは特に注意 余分なベルトの末端処理。スパッツで裾をすっきりと アイゼン歩行 フラットフィッティング 岩場でのバランス 木の根での引っかかり 30分歩いたらベルトを再確認 靴にフィットするものを つま先と、踵に分かれているものの出ないとフラットフィッティングしない

7 道迷いを防ぐ、事前準備 全員がリーダのつもりで計画を考える 地図を事前に読んでおく 自分の地図を作る(地形図の印刷、書き込み)
冬は日が落ちるのが早い。コース設定は慎重に 横浜 根室 鹿児島 7月1日 10月1日 12月1日 日の出 4:30 5:36 6:32 6:30 7:01 日の入り 19:01 17:26 16:29 15:43 17:14 尾根筋などでヘッドライト無しで歩けるのは、 日の出30分前から日の入り30分後までが目安(市民薄明)。 谷間、樹林帯などでは日没前から暗くなる。

8 冬型 → 移動性高気圧 → 高気圧の後ろに低気圧 → 冬型
冬の天気 冬型 → 移動性高気圧 → 高気圧の後ろに低気圧 → 冬型   5-6日周期で繰り返す シベリア低気圧 北海道を通過して千島列島で猛烈に発達 日本海低気圧 擬似快晴の発生に注意 同時に発生すると 二つ玉低気圧 南岸低気圧 太平洋側の天気も崩れる 2012/1/26 太平洋側と日本海側で大きく天気が違う 偏西風が強く、高山では強風 低気圧の動きも早い 天気予報だけに頼らない 数日前から低気圧の動きに注意しておく

9 気象情報の入手方法 気象通報 NHKラジオ第2放送 9:10- 16:00- 22:00-
 天気図用紙 大型書店、カモシカ 携帯用が便利  AM放送のタイマー録音機能付きICレコーダ (オリンパス、Panasonic)が便利 気象庁   天気予報 5時、11時、17時(NHK 18:55の天気予報の元情報)  天気図 3時間おき、2時間10分後に更新  予想天気図 12時間おき、24,48時間後 日本気象協会  山の天気  予想天気図 24,48,72時間後  10日間予想(今年3月からの新サービス) ウェザーニュース   短期予想天気図 12,24,36  週間予想天気図 (スマホでは見れない、出発前チェック用) バイオウェザーサービス   予想気圧配置図(1週間先まで、前線は書かれていない、スマホで見れる)

10 低体温症を防ぐ 着過ぎに注意 イーブンペース レイヤーリング 汗をかくと後で冷える 汗をかきそうだったら、カワハギを
一定のペースで体温を保つ 休憩は短めに。長く休むなら一枚羽織る。 レイヤーリング アンダーウエアは冬用を。 発熱素材、ウールなど。(夏用の熱伝導の良いドライはNG) 予備を持つこと 風を通さないアウター

11 意外に身近な凍傷 手、足、顔 風と濡れから守る 手袋、靴下、帽子は予備を持て 血流促進 もしものとき 素肌を風にさらさない
手、足、顔 風と濡れから守る 素肌を風にさらさない 素手で冷たいものに触らない 手袋、靴下、帽子は予備を持て 手袋は絹手、毛糸、アウターの3重がベター 濡れたら代える 血流促進 靴の締めすぎ、きつい手袋 靴の中、手袋の中で、もぞもぞと動かして血行促進 もしものとき 40~42度のお湯につける。人肌で暖める。 こすったり、叩いたり、振ったりはダメ 一度暖めたら冷やさないこと 帰宅後は専門の医師に

12 自分の身は自分で守れ 自分で情報を集め 勉強することが大事 参考資料 警察庁:平成23年中における山岳遭難の概況
 警察庁:平成23年中における山岳遭難の概況      警察庁:平成23年度冬山情報  日本山岳協会 山岳遭難事故調査報告書     山岳遭難対策中央協議会 冬山登山の警告  

13 平 成 23 年 冬 山 情 報(警視庁まとめ) 神奈川県抜粋
平 成 23 年 冬 山 情 報(警視庁まとめ)  神奈川県抜粋 丹沢 蛭ケ岳 檜洞丸 丹沢山 塔ノ岳 大山 三峰山 1,673 1,601 1,567 1,491 1,252 934 ○ 丹沢は、降雪が根雪になるのは、1月から3月にかけてです。それまでは降っても数日で雪 は解けてなくなってしまいます。天気の良い日は登山道は雪と霜が解けて濡れ、泥だらけで大変 滑りやすくなります。 ○ 雪の多い年は2㍍以上積もることがあります。事前に情報収集をして、ピッケル・アイゼン等 の装備品を携行してください。 ○ 低気圧通過時には、蛭ケ岳山頂では氷点下20度くらいまで冷え込むこともあります。気象情 報を収集してください。 ○ 蛭ケ岳の山頂付近は土と岩とが混在し浮き石が多いことから、特に南面と西面の登山道は、 初心者、上級者にかかわらず転倒、転落の危険があります。 ○ 山地図や最低限のビバーク装備を携行してください。 ○ 鎖場やはしご場では迂回をせず、正規のルートを利用してください。 ○ 一般的に、丹沢のような比較的標高が低くて木の茂った山の方が、道に迷いやすいと言わ れています。人の踏み跡よりもしっかりとした獣道も多いので、迷ったと思えば、元の道に引き返 してください。また、転落の危険性が高いので、沢は下らないでください。 ○ 最近、登山経験の浅い中高年登山者の道迷いや負傷が続いています。「今まで無事に下山 できていたから今度も大丈夫」と思わず、装備や経験に見合った計画を立ててください。 ● 平成21年には檜洞丸から下山途中に足を滑らせ滑落死する事故や、大山登山中に岩場で 足を滑らせ、滑落する事故などが発生しています。

14 安全な登山を! まとめ 事故の主たる態様は、転落、滑落、転倒 道迷い 天候急変 低体温症・凍傷 ウォーミングアップ
歩行技術:ステップを選ぶ! アイゼン歩行:事前に装着確認。引っ掛けに注意! 道迷い 事前準備。自分の地図を作れ 天候急変 気象状況の変化を読む:低気圧通過後の強い冬型 低体温症・凍傷 着過ぎに注意。イーブンペースで暖かさを保つ 風に当たらない工夫 手袋、帽子、靴下は予備を持つ 安全な登山を!


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