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毎月レポート くらしの情報 (2017年9月号)
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くらしの情報 2017年9月号 ■食べながら備える、無駄にしない食品の備蓄
防災の日を迎えたこの時期。防災グッズを目にする機会も多いですが、自宅に備蓄してある食品類の点検はお済みですか? そもそも用意していない、しまったまま最近出していない…。何かと忙しい日常生活の中で、そんな方は実は少なくないようです。しかし、自然災害はいつ起こるかわかりません。東日本大震災や熊本地震の記憶もまだ新しいまま、各地で地震や集中豪雨、台風などの被害も相次ぐこの頃、なかでも災害時における食料品や飲料は、被災地への流通を優先させるため、自らが被災していなくても品薄になり、結果、全国的に入手しにくい状態になることも私たちは経験しています。今後も起こるであろう地震や災害に対して、自分で日頃からできる備えは必要と言えます。 そこで今回は、食品類についての備蓄のいろはをご紹介します。食品備蓄とひとことでいうけれど、なにをどれだけ…と考え始めると混乱してしまいますね。とりあえず水だけ大量に用意した、あるいは災害用の長期保存食品をたくさん買ってみた。これでは残念ながら片手落ち。基本は「まずは1週間分を目安にひととおり用意」するのが正解です。具体的には、食べ慣れない非常用食品を大量に購入するよりも、常温保存が可能でふだんから食べているものを中心に備蓄を心がけましょう。これは「ローリングストック法」と言い、食品を少し多めに買い置きし、消費した分を新たに買い足していく方法です。食べながら備蓄できるため、賞味期限切れの非常用食品を廃棄することがありません。 主食のお米(無洗米)、お餅、スパゲティなどの麺類、乾物、カップラーメンに、副菜の缶詰やレトルト食品など、保存可能な食料品は身近にけっこうあります。また、チョコレートやクッキーなどのおやつ類は精神を安定させてくれます。これらにプラスして、ガス電気などのライフラインが止まった時のために、カセットコンロは必ず用意しておきしょう。 ご高齢の方や持病のある方、乳幼児がいるご家庭は、いっそう入念なストックを心がけてください。 食べながら備えるローリングストック法の良いところは、もしもの時にも食べ慣れた味を食べられること。備蓄が必要なのは、災害時だけとは限らず、新型感染症の流行時などにもその威力が発揮するといわれています。非常時を乗り切るための自助努力、それが備蓄なのです。 ※参考: 内閣府ホームページ 農林水産省 一般財団法人 日本気象協会 一般財団法人 ベターホーム協会 NHKそなえる防災 東京消防庁 岡山県玉野市 2
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くらしの情報 2017年9月号 ■古くて新しい、ポップコーン
9月9日はポップコーンの日です。なぜ…?という疑問しかり。その答えは…。お手もとのメモ紙に「POP」と書いてみてください。そしてそれを裏側から透かしてみると?そうです、「909」に!なかなかウィットに富んだ記念日です。 映画館やテーマパークでの定番であり、カジュアルな定番おやつという多くの人の共通認識だったポップコーンがそのイメージががらっと変えたのは2013年のこと。アメリカから「グルメな」ポップコーンが上陸したのです。キャラメルやチーズといったフレーバーの新しさ、油を使わずに熱風ではじけさせる製法、おしゃれなパッケージなどで大ブレイクしました。 そもそもポップコーンの歴史はとても古く、紀元前の遺跡からも発掘されたという記録もありますが、お菓子として登場したのは19世紀半ば。そして、1893年のシカゴ博にて、画期的な移動式ポップコーン製造マシンがお目見えすると、以降はお祭りやサーカス、スポーツ会場などで大人気になりました。意外なことに、映画館だけはポップコーンに難色を示していたのですが、1930年代の世界恐慌で状況が一変。高級な娯楽だった映画館が生き残りをかけてポップコーン販売を解禁。以来、ポップコーンと映画は強力なタッグを組み続けています。 ところで訓練用に使われるポップコーンをご存じでしょうか。タンカーの事故による海面への重油流出を想定した訓練で、重油の代わりにポップコーンを撒くのだそうです。海面や潮流による重油の流れ方とポップコーンの広がり方が似ていることと、回収しそびれてもトウモロコシなので海の生物のエサになり、環境を破壊しない、というのが理由だとか。 おいしそうな訓練、といっては失礼ですがユニークな発想ですね。 グルメポップコーンもいいですが、ポップコーンのよさはやはり手軽さかもしれません。スーパーやコンビニでも買えますし、ポップコーン豆を買って簡単に自宅で手作りすれば出来たてのおいしさが味わえるのも魅力ですよ! ※参考: ジャパンフリトレー株式会社 JA全農やまぐち レッツエンジョイ東京 GIGAZINE 健康コラム 3
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くらしの情報 2017年9月号 ■「飲み込む」を意識しましょう
食事をしていて、むせてしまった経験は誰にでもあると思います。食べ物や水分などを口から入れて食道・胃へと送り込むことを「摂食嚥下(せっしょくえんげ)」といいますが、「誤嚥(ごえん)」は飲食物が誤って気管に入ってしまう状態のこと。アメリカの元大統領がプレッツェルを食べている途中で誤嚥をし、救急搬送されたのは有名な話です。 誤嚥は、いわゆる「むせ」や「咳き込み」の原因になります。飲み込む力が弱くなると誤嚥しやすくなるといわれ、多くは加齢からくるものと思われてきました。確かに高齢になると嚥下機能の低下を招くことは事実です。 しかし、加齢による誤嚥だと思っていたら、実は食道炎や口腔内のがん、腫瘍、脳卒中やパーキンソン病などといった重篤な病気の初期症状だった、というケースもあります。また、食物や唾液などと一緒に気管支に入った細菌が肺の中で増殖し「誤嚥性肺炎」を起こすこともあります。肺炎は、日本人の死亡原因の第3位に位置していますが、9割以上は75歳以上の方で、その7割以上が誤嚥に関連しているデータもあり、むせがちだから、と軽視するのはおすすめできません。 では誤嚥を防ぐために、日ごろからどんなことに注意すればよいのでしょうか。 意外と気づきにくいのですが、食事の際の姿勢は重要です。少し前かがみにして食事をとりましょう。つい上向きで食べがちですが、食べものを飲み込みにくくなってしまい誤嚥の要因になります。食材を小さめに刻む、やわらかく煮る、すりつぶす、とろみをつけるなど食べやすくするのもおすすめです。 何かをしながらの「ながら食べ」を避け、急がずゆっくり食べることも重要です。誤嚥しやすいといわれている食品、こんにゃくやかまぼこ、お餅、ゆで卵などを食べる時は特に注意しましょう。また、細菌の侵入を防ぐために口の中はいつも清潔にしておくことも有効です。 まずは注意しながら食事をとる、意識して飲み込むことが大切といえそうです。敬老の日もあるこの時期は、誤嚥について家族で話すいい機会ですね。 ※参考: 日本気管食道科学会 国立国語研究所 エルメッド エーザイ株式会社 総合南東北病院 オムロン ヘルスケア株式会社 4
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