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直轄事業負担金裁判報告 正当な費用負担か? 国のぼったくりか? 仙台市民オンブズマン 代表 十 河 弘
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直轄事業負担金とは 直轄事業とは国が決定し,実行する公共事業のこと。道路,河川・ダム,港湾などの事業がある。
道路・河川については直轄事業について事前に地元自治体と話し合う制度がないが,地元自治体は費用の 1/2 - 1/3 程度を負担する(道路法50条,河川法60条)。 負担の理由は,地方も利益を受けるから。 (国道の管理に関する費用)第50条 国道の新設又は改築に要する費用は、国土交通大臣が当該新設又は改築を行う場合においては国がその3分の2を、都道府県がその3分の1を負担し、都道府県が当該新設又は改築を行う場合においては国及び当該都道府県がそれぞれその2分の1を負担するものとする。《改正》平11法087 《改正》平11法1602 国道の維持、修繕その他の管理に要する費用は、指定区間内の国道に係るものにあつては国がその10分の5.5を、都道府県がその10分の4.5を負担し、指定区間外の国道に係るものにあつては都道府県の負担とする。ただし、第13条第2項の規定による指定区間内の国道の維持、修繕及び災害復旧以外の管理に要する費用は、当該都道府県又は指定市の負担とする。 (一級河川の管理に要する費用の都道府県の負担)第60条 都道府県は、その区域内における一級河川の管理に要する費用(指定区間内における管理で第9条第2項の規定により都道府県知事が行うものとされたものに係る費用を除く。)については、政令で定めるところにより、その2分の1(改良工事のうち政令で定める大規模な工事(次項において「大規模改良工事」という。)に要する費用にあつてはその10分の3、その他の改良工事に要する費用にあつてはその3分の1、維持及び修繕に要する費用にあつてはその10分の4.5)を負担する。【令】第36条、 第36条の22 第9条第2項の規定により都道府県知事が行うものとされた指定区間内の一級河川の管理に要する費用は、当該都道府県知事の統轄する都道府県の負担とする。この場合において、国は、政令で定めるところにより、当該費用のうち、堤防の欠壊等の危険な状況に対処するために施行する緊急河川事業に係る改良工事に要する費用にあつてはその3分の2を、再度災害を防止するために施行する改良工事であつて又は大規模改良工事であつて、堤防の欠壊等の危険な状況に対処するために施行する緊急河川事業に係るもの以外のものに要する費用にあつてはその10分の5.5を、その他の改良工事に要する費用にあつてはその2分の1を負担する。
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宮城県・仙台市の負担額 宮城県 平成20年度の国直轄道路事業の負担金として合計金93億3418万0830円 仙台市
平成20年度の国直轄道路事業の負担金として合計金93億3418万0830円 仙台市 平成20度は国直轄道路事業の負担金として合計金28億4545万2115円
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国からの納入告知書 「費用」の総額にどんな項目が含まれているのか明記されず。 道路・河川については,事前に国と自治体との協議もない。
→ぼったくりバーの請求書だ! (橋下大阪府知事)
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宮城県,仙台市の負担実態 宮城県,仙台市 国土交通省の仙台河川国道事務所を移転するために取得する土地代金(4093,06㎡)の負担分も含まれていた。 庁舎用の土地取得代金は「国道の新設又は改築に要する費用 」「1級河川の管理に要する費用 」と言えるか?
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「費用」とは? 事務所用地の取得代金はいくら何でも「費用」ではないはず。 「費用」の解釈が国と地方で違う??
国と地方では事業予算の立て方が違うので、事業経費として予算化する内容が異なってくる(職員の退職手当や庁舎経費)。それを良いことに、地方への請求額が多くなっていた。
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そもそも・・・原則論 国の事務経費を地方に負担させることは原則禁止(地方財政法12条)。 道路法,河川法に「費用」の例示や定義はない。
地方負担とできるのは直接経費のみと限定されるべき。 (地方公共団体が処理する権限を有しない事務に要する経費)第12条 地方公共団体が処理する権限を有しない事務を行うために要する経費については、法律又は政令で定めるものを除く外、国は、地方公共団体に対し、その経費を負担させるような措置をしてはならない。
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事業規模は国が勝手に決める 事務所をいくらで建設するのか,どのくらいの用地をいくらで購入するのかは国が勝手に決める。
庁舎の経費まで自動的に地方に負担させるのが妥当か? 国の人件費や庁費その他の設備の建設費・維持費・修繕費はいわば固定費。
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庁舎用土地は国の所有物 庁舎用土地は国の所有物として財産になり,経費として消滅してしまうものではない。
土地の取得代金を地方が負担することは,地方が国に寄付することと同じ。 →地方財政法4条の5(割当的寄付金等 の禁止)に反する。
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宮城県・仙台市の裁判経過 平成21年4月30日 監査請求 同年6月23日 市監査請求を棄却 同年6月26日 県監査請求を棄却
平成21年4月30日 監査請求 同年6月23日 市監査請求を棄却 同年6月26日 県監査請求を棄却 同年7月22日 県・市に住民訴訟提起 同年9月 7日 県住民訴訟第1回期日 同年10月1日 市住民訴訟第1回期日
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今後の展開(予想) 裁判は粛々と進める 本日の選挙の結果次第では・・・ 民主党の公約
道路・河川・ダム等の全ての国直轄事業における負担金制度を廃止し、地方の約1兆円の負担をなくす。 民主党公約 (1)負担金制度の廃止 ○ 道路・河川・ダム等の全ての国直轄事業における負担金制度を廃止し、 地方の約1兆円の負担をなくす。 ○ 政府・与党の臨時交付金案のような暫定措置ではなく、恒久措置とする。 ○ 負担金制度の廃止により、各自治体に交付する地方交付税の額が減らな いように措置する。(現行制度では、地方交付税を算定する際に用いる基 準財政需要額に負担金を地方の支出として算入している。そのため、負 担金制度を廃止する一方、地方交付税制度をそのままにすれば基準財政 需要額が減少し、各自治体に交付される地方交付税の額が減少すること となる。) ○ その結果、自治体が従来負担金に充てていた財源の使途を自由に決める ことができるようになるという効果も期待できる。 (2)国の直轄事業のあり方の見直し ○ 当面、国が直轄事業の必要性を検証し、真に必要な事業について優先順 位を明確にした上で着実に実施していく。 ○ 国と地方の役割分担を抜本的に見直す中で、直轄事業を担っている国の 出先機関を原則廃止することにより、直轄事業の多くを権限と財源とと もに地方に移譲する。
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【最後に】オンブズとしての行動案 平成20年度に地方が国に納付した不当な負担金(庁費,人件費等の固定費分)を返還請求するよう,監査請求する。
そのために,本年6月1日に国土交通省が明らかにした、昨年度の負担金の使途を調べる(国土交通省のHP,情報公開)。 場合によっては差し止めの監査請求も。
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