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山口県での週1回ビタミンK投与の 全県的取り組み
第23回日本産婦人科・新生児血液学会学術集会 ビタミンKフォーラム 平成25年6月7日 山口県での週1回ビタミンK投与の 全県的取り組み 山口県小児科医会・金子小児科 金子淳子 山口県小児科医会乳幼児保健検討委員会 鈴木英太郎,内田正志,守分 正,河野祥二 門屋 亮,藤原元紀,井上 保,鮎川浩志 山口県小児科医会 田原卓浩,金原洋治
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山口県では、県内で出生した児に対して 平成24年8月から ビタミンK生後3か月まで週1回投与を 開始した
はじめに 山口県では、県内で出生した児に対して 平成24年8月から ビタミンK生後3か月まで週1回投与を 開始した
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ビタミンK週1回投与早期導入の背景 山口県では、“赤ちゃん1か月健診”を 公費で小児科医が 勤務している病院あるいは診療所で おこなっている
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山口県の1か月健診 ・広域化 各市町相互乗り入れ ・委託料 5,600円 ・償還払い 県外での受診に対して・平成20年度から
・広域化 各市町相互乗り入れ ・委託料 5,600円 ・償還払い 県外での受診に対して・平成20年度から ・健診担当医 ・小児科専門医のみ 1市 ・小児科標榜医 3市 ・手上げ方式 7市6町 ・小児科医+産婦人科医 1市
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平成23年度1か月健診受診率 79.1% 95.7% 91.6% 88.7% 97.6% 92.6% 95.8% 95.1% 萩市 山口市
岩国市 周南市 山口市 萩市 下関市 美祢市 防府市 宇部市 79.1% 95.7% 91.6% 88.7% 97.6% 92.6% 95.8% 95.1%
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山口県小児科医会 1か月健診充実への取り組み (平成24年度) 1か月健診に関する講演会開催 (愛着形成支援、母親へのメンタルヘルス支援)
山口県小児科医会 1か月健診充実への取り組み (平成24年度) 1か月健診に関する講演会開催 (愛着形成支援、母親へのメンタルヘルス支援) 1か月健診マニュアル作成 エジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)の導入 ビタミンK週1回投与 山口県小児科医会 金原洋治会長
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ビタミンK週1回投与開始までの流れ 平成23年10月 ビタミンK投与状況調査 (県内産科分娩施設)
内訳 総合病院 13施設 開業産科 23施設 助産所 1施設 週1回投与 開業産科 1施設 導入検討中 総合病院 1施設 (他のすべての施設は3回投与) 計37施設
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ビタミンK週1回投与開始までの流れ 平成24年5月 平成24年7月 県小児科医会理事会で協議 週1回投与の導入を決定
県小児科医会理事会で協議 週1回投与の導入を決定 平成24年7月 小児科医会会長と産婦人科医会会長とで 週1回投与の導入を決定 小児科医会と 山口大学総合周産期母子医療センター医師とで 週1回投与の導入を決定
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ビタミンK週1回投与開始までの流れ 平成24年8月 県内の産科分娩施設と小児科に 小児科医会会長からの推奨文を発送
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ビタミンK2シロップ投与スケジュールの統一
山口県小児科医会長 金原洋治 日本ではビタミンK欠乏性出血症を予防するために、1989年より①出生時、②生後1週目(産科退院時)、 ③1か月健診受診時の3回、ビタミンK2シロップ1ml(2mg)を経口的に投与しています。ところが、現行の 3回投与では、頭蓋内出血をおこす事例があることがわかりました(1999~2004年の間の発症頻度は 出生10万人に対して1.5人)。EU諸国の調査によると、日本と同様の3回の投与では頭蓋内出血の発症が 出生10万人に対して0.44人みられた一方で、週1回投与された乳児からは頭蓋内出血は1例も発症していませんでした。 これらの調査から、日本小児科学会新生児委員会で、ビタミンK2投与についてのガイドライン改訂が おこなわれ、新しいガイドラインでは、これまでの3回投与を基本として、選択肢として週1回の投与が 付記されました。その内容は、①1か月健診の時点で人工栄養が主体(おおむね半分以上)の場合には、 それ以降のビタミンK2シロップの投与を中止してよい、②出生時、生後1週間、および1か月健診時の3回投与では、わが国およびEU諸国の調査で乳児ビタミンK欠乏性出血症の報告がある。このような症例の発生を予防するため、出生後3か月までビタミンK2シロップを週1回投与する方法もある、とあります。従来の3回投与と生後1週以降1週間おき投与の両論併記ですが、すでに県内外の多くの施設で1週おき投与が開始されています。 以上より、山口県小児科医会では以下の方法で、ビタミンK2シロップを投与するスケジュールを推奨します。 ①出生後 産科で投与。 ②生後1週(産科退院時) 産科で投与。 ③生後2週 産科退院時に③④2回分のビタミンK2シロップを渡す。 ④生後3週 ⑤生後4週(1か月健診) 健診をおこなう小児科で内服、ないしは渡す。 ⑥から⑬までの8回分は小児科で渡す。 ただし、生後1か月の時点で、人工栄養(ミルク)主体の場合は ビタミンK2シロップを渡さなくてもよい。 ⑥生後5週 ⑦生後6週 ⑧生後7週 ⑨生後8週(2か月) ⑩生後9週 ⑪生後10週 ⑫生後11週 ⑬生後12週(3か月) ①出生後 産科で投与。 ②生後1週(産科退院時) 産科で投与。 ③生後2週 産科退院時に ③④2回分のビタミンK2シロップを渡す。 ④生後3週 ⑤生後4週(1か月健診) 健診をおこなう小児科で内服、 ないしは渡す。 ⑥から⑬までの8回分は小児科で渡す。 ただし、生後1か月の時点で、 人工栄養(ミルク)主体の場合は ビタミンK2シロップを渡さなくてもよい。 ⑥生後5週 ⑦生後6週 ⑧生後7週 ⑨生後8週(2か月) ⑩生後9週 ⑪生後10週 ⑫生後11週 ⑬生後12週(3か月)
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ビタミンK週1回投与開始までの流れ 講演会開催 ・小児科医会会員への周知 平成24年12月 日本小児科学会山口地方会特別講演
・産科との連携 平成24年11月 山口県産婦人科医会総会講演 「新生児・乳児へのビタミンK2製剤投与の ガイドライン改訂と投与法の変更‐意義と過程‐」 小児科医会会長 金原洋治 ・小児科医会会員への周知 平成24年12月 日本小児科学会山口地方会特別講演 「乳児のビタミンK欠乏性出血症ゼロを目指して」 産業医大名誉教授 白幡聡先生
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乳児のビタミンK欠乏性出血症ゼロを 目指して
第73回 山口県小児科医会学術講演会 日時:平成24年12月9日(日) 会場:山口大学医学部 第3講義室 乳児のビタミンK欠乏性出血症ゼロを 目指して 産業医科大学名誉教授 白幡 聡 先生 3回投与ではビタミンK欠乏性出血症を十分予防することができず、 私は週1回投与への批判や不安はあたらないと考えるので 発症ゼロをめざして週1回の投与を進めていただきたいと望んでいる。 広報委員より:山口県小児科医会は山口県産婦人科医会と協力して、 全県的に生後3か月までのケイツーシロップ毎週内服を 平成24年から開始しました。
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ビタミンK投与の実際(山口県) ・産科分娩施設 出生後、生後1週(退院時)に投与 退院時2回分のビタミンK製剤を渡す
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週1回ビタミンK投与に関する問題点 家族・保護者への啓発 服薬アドヒアランス 製剤の費用負担
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服薬アドヒアランスについて 自験例では・・ 1か月健診をおこなった160名 (週1回投与を開始した平成24年7月~平成25年5月)
1か月健診をおこなった160名 (週1回投与を開始した平成24年7月~平成25年5月) 産科から手渡されたビタミンKを 内服していなかった児は1名のみ
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ビタミンK製剤にかかる費用について 山口県では、1か月健診は公費であり ビタミンK投与は無料でおこなわれてきた
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平成21年のビタミンK欠乏性出血症の事例以降 県内ではlate VKDBの事例は発生していない
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まとめ これまでの投与方法で late VKDBが 予防できない現状では、週1回投与が 現在のところ最良の方法であると考えられる。 山口県小児科医会と山口県産婦人科医会は 平成24年8月より週1回投与を導入した。 家族・保護者への啓発と 服薬アドヒアランスについては 今後実施状況を評価し 高い実施率を維持することが 課題である。
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まとめ 山口県で週1回投与が一斉に導入できた背景には、 小児科医による公費1か月健診が全県でおこなわれ ていることが大きく関わっている。
山口県で週1回投与が一斉に導入できた背景には、 小児科医による公費1か月健診が全県でおこなわれ ていることが大きく関わっている。 さらに、産婦人科医会との密な連携が得られ、 大学総合周産期母子医療センターとの 協力が図られたことが、投与方法変更の 速やかな導入につながった。
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