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治療構造論2014
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日本精神分析学会と協会が二つあるという話から:精神分析的精神療法
頻度:週4回以上、場面:カウチ使用、方法:自由連想法 精神分析的精神療法 精神分析から、低頻度・対面設定の力動的精神療法を含む広いスペクトラム あるいは500以上の心理療法がある。
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世界内体験⇒治療者の革新=狂気 フロイトン毎日分析は、彼の日常的な研究態度の延長だし、寝椅子は彼が催眠療法で用いていた方法を継続で、事後的に意味が付け加えられたものである。 ウィニコットの精神療法的コンサルテーションは一見革新的だが、彼の小児科臨床では日常的な行為を事後的に意味を与えたものに過ぎない。 ⇒治療者は体験したものの外にはでない。
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精神分析的理解のプロセス 2 基本概念を知る 3 アセスメントを行い、力動的定式化を作成する 4 心理療法を開始する→留意する事柄
1 治療構造論を理解する 2 基本概念を知る 3 アセスメントを行い、力動的定式化を作成する 4 心理療法を開始する→留意する事柄 5 介入する→何をいうか、何をするか 6 治療機序を考える(目標を考える) 7 抵抗と転移を扱う 8 夢と空想を用いる 9 逆転移を同定し、効果的に利用する 10 心理療法を終える(終結期へ) 11 SVと訓練分析を活用すること
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フロイトの分析状況についての仕事 第一期:精神分析の前身(催眠療法)から抵抗の除去を目指した、短期的、集中的な治療の時期
第二期:基本原則の明確化による、転移神経症の発見の時期 第三期:タナトスと悲観主義:治療の長期化と終わりなき分析についての着想
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はじめに:治療構造論 日本で開発されたもっとも強力な力動学派の初期の業績のひとつ
はじめに:治療構造論 日本で開発されたもっとも強力な力動学派の初期の業績のひとつ 甘え、阿闍世、見るなの禁止などの概念装置は、内面の心理状態を記述するための道具 治療構造論は技法的な道具であり、しかも精神分析に固有の道具ではなく、その拡張をもくろむもの(日本特有の文脈)
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小此木啓吾 1954年 - 慶應義塾大学医学部卒業。医学博士。 1972年 - 慶應義塾大学医学部助教授
1988年 - 日本精神分析学会会長 1990年 - 慶應義塾大学環境情報学部教授(医学部兼任担当教授) 199X年 - 東京国際大学人間社会学部教授
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歴史:小此木の自由連想法体験 医局の中での生き方とそれとは別の自由連想法 自宅臨床場面=研究日 自由連想法の体験
自宅臨床場面=研究日 自由連想法の体験 古澤からの教育分析とスーパーヴィジョン 東京精神分析研究会(1953) ルドルフ・エクシュタイン古澤訳 精神療法の構造的側面 → チェスのたとえ ↓ 第一次操作反応の研究 九州と東京の二極化(別の道)
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小此木(1955~)の操作構造論 第一次操作反応 POR(第一回目の自由連想法において最初の説明以後の反応のすべて) (1)連想不能型
第一次操作反応 POR(第一回目の自由連想法において最初の説明以後の反応のすべて) (1)連想不能型 (2)拒否攻撃型 (3)積極型 (4)従順 (a)積極型 従順 (b)細心型 従順 (c)依存型 (5)(a)連想欠乏型 (b)沈黙型 (6)不安 (a)沈黙型 不安 (b)依存型
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逆転移の葛藤から自律するため、つまり自我と 自律性とを守る枠組みとしての操作構造(役割) という発想。
小此木(1957)らから第二次操作反応 第二次操作反応 SOR の研究 木村(馬場)礼子とのロールシャッハ研究 「『逆転移』の操作構造論的研究 –治療者の役割の葛藤性と自律性をめぐって-」(1962) 逆転移の葛藤から自律するため、つまり自我と 自律性とを守る枠組みとしての操作構造(役割) という発想。 →操作構造論の確立 児童治療における治療的退行(1971) 慶応グループの治療的操作構造論と退行による治療の理論化
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治療における構造と退行 構造を提供すると、治療的な退行が起きる(中立性の議論、児童治療における体験)
治療における構造と退行 構造を提供すると、治療的な退行が起きる(中立性の議論、児童治療における体験) ⇒治療的な退行は、心理療法の基本原理である 心理テスト、特にロールシャッハの反応は、図版やテスト状況(構造)に対する退行であり、反応である。
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治療構造的機能(治療者から) 定点観察 参与しながらの観察にとっての準拠枠 病理の彫塑 枠組み=基準=社会的合意事項
参与しながらの観察にとっての準拠枠 病理の彫塑 枠組み=基準=社会的合意事項 ⇘治療構造を決めると、いろいろと専門的な概念が生かせる。
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治療構造論の展望 1.治療者が意図的に設定するもの(治療設定) 2.治療者の意図を超えて与えられたもの 治療構造=準拠枠
治療構造=準拠枠 3.治療経過中に自然に形成されるもの 構造転移ほか →自我の分裂や変容的解釈論、そして等距離性
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治療構造論の転移・逆転移における機能 ①.治療状況におけるコミュニケーション媒体機能 ②.転移現象と投影の発生を規定する現実要因
③.投影ないし転移の分析を支持する機能 ④.転移に対する受容器ないし抱える環境としての機能 ⑤.転移現象に対する境界機能 ⑥.転移を認識する先験的な準拠枠としての機能 →逆転移を浮き彫りにする
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構造的な認識 自分は、どうしてこういう文脈で、仕事をするようになったのか
構造的な認識 自分は、どうしてこういう文脈で、仕事をするようになったのか 自分がどのような臨床場面にいるのか、そしてそれはどんな構造をしているのか 自分でその構造は、どの程度、設定として変化させられるのか、それとも変化させられないのか
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治療態度による構造
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フェレンチィ問題 フロイトに反する意見を述べながら、そのサークルに居続けた。 積極的技法の提唱(1913-1923)
「精神分析における積極的技法の発展」(1921) 緩和的技法の提唱( ) 「積極的分析技法における禁忌」(1926) 「精神分析技法における柔軟性」(1928)
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言語的理解と知的洞察禁欲原則abstinence rule 隠れ身analytic incogitio
フロイト的治療態度 治療態度中立性neutrality 受身性passivity 言語的理解と知的洞察禁欲原則abstinence rule 隠れ身analytic incogitio 匿名性と医師としての分別arztliche Diskretion エディプス-父性的柔軟性能動性activity フェレンチィ的治療態度 人間的な温かみ 能動性 情緒交流 非言語的コミュニケーションと 相互調節治療者のパーソナリティ・逆転移 前エディプス-母性的
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治療者が動くと効果が変る フェレンチィが語ったことは、心理療法家が積極的に働きかけることが、精神分析の効果に異なる結果を生み出すということであった。 心理療法家の態度は、精神分析的であればある程、構造的な側面が前面に出る。 ⇒積極的に働きかけるかどうか 精神分析的態度論
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病態による構造
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変数と適応 →定数と変数(パラメーター) 精神病 境界例 児童分析 ①児童・思春期治療、並行父母面接 ②境界例・分裂病の家族面接
変数と適応 →定数と変数(パラメーター) 精神病 境界例 児童分析 ①児童・思春期治療、並行父母面接 ②境界例・分裂病の家族面接 ③入院治療、ATスプリット ④バリント療法 ⑤組織分析
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Widening scope 1954年 Leo Rangell「精神分析と力動的精神療法の類似点と相違点」
Leo Stone「精神分析の適応範囲を広げる」 Edith Jacobson「重症うつ病の精神分析」 Anna Freudのコメント →精神療法の適応範囲を広げるための試み
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自我の防衛抵抗の再建のために寝椅子、転移、抵抗分析を放棄する。(=H.S.Sullivan)
自由連想法の変化 P.Federnの精神病の精神分析( ) 自我の防衛抵抗の再建のために寝椅子、転移、抵抗分析を放棄する。(=H.S.Sullivan) 高橋(1955)の整理 (1)寝椅子法(主として自由連想法) (2)腰掛法( 同上) (3)対面法 (4)90度法(主として精神病)
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精神病患者にはどう対応するか 態度を支持的にするかどうか(前掲) チームで働くかどうか 分担治療をするかどうか
精神病患者にはどう対応するか 態度を支持的にするかどうか(前掲) チームで働くかどうか 分担治療をするかどうか そうした構造のなかで、病態によって構造を変化させる必要があるかどうかということを考える。 ⇒治療の構造化について
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児童治療における論争
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フロイト-クライン論争(2) クラインとアンナの亀裂 1938年のフロイト家亡命という問題 論争の激化と収束 クライン学派の形成
E.Sharpらのロンドン クラインとアンナの亀裂 1938年のフロイト家亡命という問題 論争の激化と収束 クライン学派の形成 1940年代の淑女協定までの間の感情的論争(母と娘の闘争) →独立学派の登場
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論点 Ⅰ.当初の主な論点 1)児童分析における導入期の必要性
A.フロイト(以下A)=児童は自発的な決心で治療に訪れないし、病気に対して洞察を持たず、治療への意志を持たない。患者の気分に適応して、分析者を興味ある人物と思わせて、患者にその有用性を伝え、現実的な利益を確認させる「導入期」の必要性 M.クライン(以下M)=その必要性はない。子どもの治療は原理的に大人と一緒である。 2)児童分析における家族の参加 A=情報の収集や状態を把握するために、そして教育的な面でも有用 M=家族の葛藤を巻き込むためにマイナス
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3)児童の感情転移 A=児童分析では治療者は鏡というよりも、積極的に働きかけていることが多い。しかも子どもは起源的な対象関係の神経症的な関係を発展させている途上にあるのであって、まだそれは実際の両親との間で現在進行中で、古い版になっていない。そのため感情転移は起こりにくい。 M=3才までに対象関係の原型は作られているので、それ以後においてはすべて起源の神経症を大人の神経症と同様に形成している。感情転移、特に陰性の感情転移こそ治療において重要である。 4)エディプス・コンプレックス A=3-6才の間に形成される。超自我はエディプス葛藤の解決によって形成される(攻撃者との同一化) M=早期エディプスコンプレックスの形成。3才までに完成している。これ以後の子どもは処罰不安を持っている理由はそのためである
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5)児童分析での教育 A=教育的要素の必要性。児童は現在も自分のモデルを取り入れ中で、治療者が教育的な視点から「自我理想」であることが重要。 M=分析と教育は違う。早期から形成されている罪悪感や対象関係を深く扱うのが精神分析である。 6)死の本能 A=死の本能よりも自我と精神装置を重視 M=死の本能を理論の根幹に据える 7)解釈 A=自我から本能へ。防衛の解釈からイド解釈へ M=超自我を緩めるための深層解釈。象徴解釈を多用する。
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動かせない構造と動かせる設定 治療のなかで動かせないもの(構造)は、動かせるもの(設定)とがある。
動かせない構造と動かせる設定 治療のなかで動かせないもの(構造)は、動かせるもの(設定)とがある。 動かせないものなかには、さまざまな人間関係があるが、それはたぶんに治療者の人間関係に左右される(自然と出来てしまうものを含む)。 面接者が活用できる要素 設定 姿勢 言葉の力
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治療設定
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外在的な基準という発想 寝椅子を使う 多頻回のセッションを組む セッションを維持してお金を取る 資格を持つ分析家が行う
外在的な基準という発想 寝椅子を使う 多頻回のセッションを組む セッションを維持してお金を取る 資格を持つ分析家が行う ⇒こうした定義はさまざまな臨床場面に対応しているわけではないので、包括的な定義が必要である。
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例えば、設定のモダリティ 寝椅子と対面法一つをとっても、精神分析的状況は異なる機能をもたらす。問題は何を治療構造の前提とするかにかかっている。 フランスは、対面法と寝椅子法との違いを選択するというコンテクストがある。だから対面法でできることと、寝椅子でできることを分けていく必要がある。
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寝椅子を用いた 精神分析の特殊性(Waelder,R. 1956)
患者は苦しんでいて、助けを期待して治療に来る。大人に対する子どもの立場に近い。 人生の親密な部分を包み隠さずに暴露する。大人の前で丸裸な子ども 自由連想法の分析規則が目的的な行動や衝動への防衛を放棄させる。自我とエスのバランスを変え、退行をもたらす。 無意識的不安に対する分析家による安心がもたらされる。守られた子どもの立場になる。 分析家の受動性によって、患者の空想が守られる。外界の行動で空想が疎外されない。
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内在的な基準とは? 内側でやっている作業は、どのようなものか? 無意識を取り扱うために、基準となるのは何か
内在的な基準とは? 内側でやっている作業は、どのようなものか? 無意識を取り扱うために、基準となるのは何か 精神分析的な設定のうち、さまざまなスペクトラムに共通する要素は何か? などの疑問に答えられることが必要である
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Donnet(2005)の「分析する状況」 問題:方法の談話であると同時に、方法に抗う談話であるというジレンマがある。精神分析を設定とプロセス、構造と機能に分けることそのものに無理がある。 Donnetは設定とプロセスを「分析場Siteと分析状況analyzing situation」との分ける。前者は意識的な構造化、構築であり、後者は無意識を取り扱う状況である。
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寝椅子を用いて、他頻回に、そして時間を開かれたものにしていくことで生み出される心的な変化
⇒寝椅子:見えないこと、そして寝ていて(運動していて)目覚めていること、だからこそ幻覚と夢の方向に進む。 多頻回:多くの時間で事後的に、そして償うことができるため、時間が無限に開かれている。設定を維持する。 分析する人が「親密な分離」のなかで、考える、解釈する可能性を導く方向性
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精神分析の内的基準 設定⇒退行:Grunberger(1971)の自己愛の臨床的な意義に近い場 抵抗の克服:沈黙する分析家と連想阻害
精神分析の内的基準 設定⇒退行:Grunberger(1971)の自己愛の臨床的な意義に近い場 抵抗の克服:沈黙する分析家と連想阻害 転移:談話のなかに含まれている無意識的な要素を意識する。 Viderman(1971)が転移を生み出すと同時に逆転移を生み出すような「精神分析的空間」の構築
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治療機序に含まれる治療者の心 個人、教育、訓練分析が標準的な精神分析には優先される(自分がやってもらったことを相手にするのは当然の原理)
治療機序に含まれる治療者の心 個人、教育、訓練分析が標準的な精神分析には優先される(自分がやってもらったことを相手にするのは当然の原理) 治療しながらスーパーヴィジョンSuper-Visionをすることで、観察=内省=保留=思考(二次過程)を治療の中に持ち込む そして実践が行われるための準備性が治療者の心の中に標準化される
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設定と構造
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設定か構造か 小此木-北山の論争 ウィニコット(深津)を通じて、慶応における治療構造の抱える環境論の追加
ウィニコット(深津)を通じて、慶応における治療構造の抱える環境論の追加 →設定状況論(ウィニコット)との差異 北山:可変的要素は設定と呼ぶべきであるという議論
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小児医学から精神分析へ 1941年「設定状況における幼児の観察」 舌圧子 医師 母親と子ども
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第一段階 驚きから「ためらい」の段階 第二段階 欲望を受け入れて、口で噛む、空想する 遊べる段階 第三段階 捨てられる。放っておいても大丈夫な段階 生後5ヵ月から13ヵ月(13ヵ月過ぎると幅が広がってしまう)に典型的なやりとり。
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移行対象 1951年「移行対象と移行現象」 生後4、6、8、12ヶ月に発見される 最初の所有物 1952年「精神病と子どものケア」
中間領域と移行対象の理論、そして精神病 ↓ 1. 枠組みと治療空間、間の体験 2. スクウィッグルと相互作用 3. 内と外、パラドックスの発見と理解
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治療相談therapeutic consultation
精神療法面接とは異なる技法 二三回あえば治る症例に対するもので 転移と抵抗を扱うよりも 間の体験のなかでクライアントのニードに合わせた体験を提供する。 スクィグル技法 オンディマンド法 在宅などの環境の活用
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構造化という発想
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必要性が母体になっている 個性が構造化を治療に持ち込むことで、イノベーションが行われる場合がある(天才と狂気が紙一重=フェレンチィ)
必要性が母体になっている 個性が構造化を治療に持ち込むことで、イノベーションが行われる場合がある(天才と狂気が紙一重=フェレンチィ) 構造化が必要な治療場面がある=精神科臨床で精神分析を導入する(力動的精神医学には特別な方法が多い=病態、あるいは対象、パーソナリティ障害) 臨床的な保守性(パラメーターよりコンスタント)
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細部に宿る構造 面接の場面で考えると、 病院や場所 人間関係や性格 動かせない
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心理テスト構造 テスト依頼状況とテストの習熟度 テストバッテリー (テストの種類によって構造的なものと解釈の自由度が高いものがある)
心理テスト構造 テスト依頼状況とテストの習熟度 テストバッテリー (テストの種類によって構造的なものと解釈の自由度が高いものがある) 依頼の文脈/自我や対象関係などの解読の可能性が設定によって変化していくし、治療導入の方法が変化する
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治療構造化 親子治療などの治療的退行論から発展して、さまざまな状況で構造を組み立てるという発想が育ってきた。
治療構造化 親子治療などの治療的退行論から発展して、さまざまな状況で構造を組み立てるという発想が育ってきた。 治療を与えられた状況でどのように可視的なもの、構造的なものにしていくかという発想から組み立てられた議論→主に、岩崎、狩野といった小此木の弟子たちがその発想を病院や治療場面に拡張したもの
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Split treatment(分担治療)
Split treatment(分担治療) 親子並行治療? 投薬医―療法家 管理医―療法家 他 【二つのコミュニケーション】 治療者に知らせる 他の治療者の役割を尊重する
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守秘義務と治療構造 投影同一化 自我漏溺 秘密 侵襲
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Main 「特別な患者」 「特別な患者」:看護者たちが職務をまっとうできないようになって治療が必要にまでなる。その背景にあるのは、特殊な患者たちとの関係であることが発見されたのである。この患者たちは同情心をかきたて、治療スタッフは万能感を呼びおこされる。スタッフとそれらの患者は密で排他的な治療関係を築き、このingroup関係に対して、outgroupのスタッフは批判的になり、スタッフのなかで分裂を生む。つまり彼らは「強烈な同情心と万能感を治療者に起こさせて、治療の客観性を失わせ、際限なく治療上の特別待遇をかちとっている患者」であり、スタッフのなかに、メインが「病いailment」と呼んだ状態を生み出す。
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境界例の理論的な理解1 潜在精神病的理解(Bychowski) →人格障害的理解(DSM)
ICD-10 (妄想性、分裂病質性、非社会性、情緒不安定性、演技性、強迫性、不安定性(回避)性、依存性、混合性、問題のある人格変化(感情障害と不安障害の二次グループ) ↓ 衝動型と境界型(borderline)
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境界例の理論的な理解2 行動化と空虚さ →衝動性格との対比(小此木) →精神病との対比(海外の主流) 境界例は困ったクライアントである。
行動化と空虚さ →衝動性格との対比(小此木) →精神病との対比(海外の主流) 境界例は困ったクライアントである。 (ストロロー)
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境界例の理論的な理解3 それぞれの境界例論者とその臨床 Kerberg,O.→表現的精神療法 解釈と陰性感情の取り扱い
解釈と陰性感情の取り扱い Masterson→愛情供給と愛情撤去の繰り返し Adler,J →欠陥理論と抱える環境論
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身体的抵抗や言語的な抵抗に反応する前に、まず治療者自身を落ち着かせる 治療者は患者に自分で行動する機会を与える。そのために待つ。
行動制限の治療者の原則 身体的抵抗や言語的な抵抗に反応する前に、まず治療者自身を落ち着かせる 治療者は患者に自分で行動する機会を与える。そのために待つ。 →治療者の確固たる態度と逆転移の防止 自発的な行動として代替行動
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精神療法のなかでの行動制限の問題 行動制限を行う精神療法の問題 ある種の上下関係、転移関係が発生する。「すべき」-「できない」
家族が関与するために、本人との間の信頼関係が崩れる。現実生活の影響。 全体に治療者の立場が危うくなる。好転しないのは治療者の技量の問題である。 →逆転移
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境界例のなかでの自傷 superficial self-mutilation
いくつかの臨床的な問題 事故への不安 表現行為の強さ 衝動の問題 →逆転移の問題 境界例現象 (Kernberg,O: Adler,J ら)
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衝動行為の取り扱い よく分からないけど、やりたくなってしまう 意識水準の問題 衝動の問題 代替行為 ? *抑えれば良いというわけではない
*そんなに豊かな世界を生きているわけではない
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Split treatment(1) Knight(1983)以降の伝統 精神療法家が受身的で、中立性を守られる
患者も精神療法場面で話すことが現実生活での利害に影響を及ぼさないために内省や言語化がしやすい →管理医と精神療法家のスプリット
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Slit treatment(2) 治療の現実としての「良い対象」と「悪い対象」の分離、そして価値下げ *怒り、養育されたい願望からの防衛
*怒り、養育されたい願望からの防衛 羨望からの庇護、投影された怒りからの保護、低い自己評価の投影 → 逆転移エンアクトメント
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Split treatment(3) 原則 精神療法家は治療の中での患者の言動についての秘密を厳守する
原則 精神療法家は治療の中での患者の言動についての秘密を厳守する 管理医はその役割上、精神療法家からは情報を得ないで、自分と患者の関係やその周囲から得た情報のみで判断する →現実自我と葛藤自我の therapeutic split
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Split structureの臨床的意義
内面を聞く態度の徹底→内省 超自我的にならない退行促進的な態度 →支持的な態度とcontainment 父親と母親の役割の内在化 →家族調整と実際の内在化 守秘義務を守る→内面の重視 主治医と精神療法家の信頼→良いと悪いの統合
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力動フォーミュレーション
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精神分析があっているか 分析家が設定ができるという前提なら、 Lemma(2003)が指摘しているように
精神分析があっているか 分析家が設定ができるという前提なら、 Lemma(2003)が指摘しているように 患者が関心があって、初歩的な、自己内省の能力があるかどうか 患者が自己探求を行うための治療関係のなかにある固有のフラストレーションに耐えられるだけの自我の力を十分に持っているかどうか。 行動化なしで心的な痛みに耐えられるかどうか(自他に害を及ぼさない)。 行動化の危険性があるなら、治療が行われる設定の中でマネージできるかどうか 患者は個人的そしてあるいは職業的に治療の困難な時期の間に自分を維持するように支えられるかどうか
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主訴や問題を記述する ①問題を記述する:主訴であることが多いが、主訴は誰が作ったかわからないことも多い。
主訴や問題を記述する ①問題を記述する:主訴であることが多いが、主訴は誰が作ったかわからないことも多い。 患者から見た問題:何に、あるいは誰に患者が反応しているのか 患者の「核となる痛み」は何か:彼が最も恐れている、そしてあるいは避けようとしているものは何か? の二点から、主訴を見直してみる。そうすると経過のなかに、誰が誰にということが見えてくることが多い。
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治療同盟、あるいは作業同盟 観察自我【1934から】 Zetel(1956) Greenson(1967) 精神分析の関係:転移、作業同盟
治療同盟、あるいは作業同盟 観察自我【1934から】 Zetel(1956) Greenson(1967) 精神分析の関係:転移、作業同盟 現実的関係の三つがある。 :自分の悩みを克服するために分析家と協同したいという合理的な患者の願望と分析家の指示と洞察とに従う彼の能力によって促進される。→同一化
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分析可能性-治療同盟-作業同盟 主訴の特定から文脈の特定
分析可能性-治療同盟-作業同盟 主訴の特定から文脈の特定 経過として誰が誰に何を問題としているか? 主治医から言われている。 「ここに来たの、何が問題なの?」 69まず事例ですが、これは良くある不登校で、これはほとんどよくある一般化した事例で、教育相談所にいたころにはよく出会ったものです。なんとなくぶらぶらしていて、お母さんが心配して連れてくる、で本人はあまり病気だとは思っていない、いつかおなかが痛くなくなればって思っている。そこで子供面接にはいって、なんとなく乗る気なさどうで、抵抗が強そう、で「ここに来たの、何か心の問題なの?」って最初に聞いたら、これでほとんどアウトですね。っていうのは、なぜとかどうしてとか聞くのもそうですが、本人がくさるほど聞いているせりふを治療者が重ねていることにもなるし、本人の問題として非難していると聞こえてしまう。 治療者 自分で来たの?NO 主治医から何と言われているか
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うつという診断でカウンセリングが必要だと主治医が考えているので 「ここに来て相談する必要がある経緯かどうか」を確認する
ラポールと治療同盟⇒作業同盟 うつという診断でカウンセリングが必要だと主治医が考えているので 経過 治療者 70(pp3)だから「連れてこられるのが嫌なのかな」って抵抗を取り扱いますね。そして当たり前ジャン、なんで俺が来なきゃって、SCではありがちなシチュエーションでしたね、これ、担任に言われてきたとかね。でもここからが力動学派の腕の見せ所で、なら、「来られないようにするには?」っていうスタンスで、最近子供が不登校になり、困った母親が連れてくる」この文脈に戻って、『何を思ってお母さん連れてきたのかなあ』っていうわけです で連れてこられるようなことがおきないようにするにはどうしたらいいかなって考え始めてくれるようにする。 照合reflection 「ここに来て相談する必要がある経緯かどうか」を確認する
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カウンセリングに来る必要性、理由は何か?
ラポールと治療同盟⇒作業同盟 カウンセリングに来る必要性、理由は何か? 治療者 71(pp4)もちろんこれだけで、カウンセリングははじめられます。どうしたら「連れてこられないようにするか、考えてみよう」。実際に家族システムの問題だけなら、これでいい事例も結構あって、そうやってカウンセリングをしていく、つまり本人の精神力動をいじらないケース、SCをしていたときなんかは結構ありました。「担任がむかつく」「そうかじゃあ担任とどうつきあうかね」みたいな。でも力動的にはじめたいなら、こういう問い、いまではreflectiveというあるいはMentalizationなんて立派な言葉があるのですが、そういう方向性にもっていくには、不登校という問題がなければ、母親はこんなことしないのかなってそういう質問をするのです。 精神分析が必要なのだろうか? うつと呼ばれる恐怖症
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問題に名前を付けていく作業 ②問題の心理的なコストを記述する 患者の機能の中でのどのような限界、あるいは他者や自己の知覚の中の歪みがその問題から生じているのだろうか?つまり主訴は誰をどのように困らせているのか、だからその問題はどんな名前がふさわしいのかと、言い換えてみる。診断名はあくまで精神医学的名前でDSMのおかげで共通語になった部分もあるが、それでも患者の主観からは遠いことが多い。
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今ここに来る私との間でする作業の背景や理由を考えて、自分としてはどうしてだと思うか?誰のために誰が、何をしに来ているのか?
作業同盟から分析可能性への道 今ここに来る私との間でする作業の背景や理由を考えて、自分としてはどうしてだと思うか?誰のために誰が、何をしに来ているのか? 治療者 73それでもし、彼がそうだなあ、なぜ不登校になったか分からないし、考えたこともないけど、こういう面倒なことになるなら、考えてみるかぐらいの方向性ができれば、今度はその不登校の問題を「どういうわけか学校に行けなくなる人がいる。そこには何か心の問題があるといわれているけど、思いつく限り、そこらへんのことを教えてくれる、私も原因があなたの話から分かっているわけではないけどね」って言うのですね。 うつと呼ばれる不安ヒステリー
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力動的フォーミュレーション1 ③問題を文脈化する:関連している前提になっている要素は、心理療法に乗るかどうかという問題をはらんでいるので、それらの要素を文脈化してみる。 環境要因:トラウマの歴史、トラウマに影響を及ぼしている発達要因、家族の布置、他の関連したライフ・イベント 生物学的な所与:身体、気質、身体的な問題:それらのなかで現在の問題に関連したものを考えるなかで、文脈を考える
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問題を文脈化する 対象関係 治療選択 経緯 現病歴 心理療法の選択 生育歴 症状
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④患者のもっとも主たる、繰り返されている対象関係を記述する
患者は他者との関係で自分自身をどう体験しているだろうか。その問いが治療のなかで、転移を考える上でもっとも重要な問いなので、対象関係がだいたいわかると、なぜ今ここに彼が訪れたのかがだいたいおおまかにわかる。そのために次のようなことを考える 患者の内的な世界を支配している対象関係は何か 誰が誰にどんなふうに、そして関連した情動を発見する これらの内在化した対象関係は現在の患者の人生でどんな不運現れているだろうか? 自己や他者の表象は、どんなふうに影響を及ぼしているのか、現在の関係によって影響を受けているのだろうか これらの対象関係がどんなふうにあなたとの間で現れているだろうか?
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分析可能性:距離として 風景としての精神分析 治療者 異化された主観的問題 パースペクティブ
分析可能性:距離として 風景としての精神分析 治療者 異化された主観的問題 77そうして彼が自分の人生を振り返り始めたら、これで力動的な治療はパースペクティブの法に動き始めたなって、私は思います。 パースペクティブ
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Unknown elements of Unconsciousness
分析可能性から精神分析への道 治療者 不安ヒステリー 今ここに来る私との間でする作業の背景や理由を考えて、自分としてはどうしてだと思うか?誰のために誰が、何をしに来ているのか? Unknown elements of Unconsciousness 78驚き、発見された未思考の余地 分析可能性が生まれてくると、そこには治療者にとってもクライエントにとってもよく分からない、けれどもクライエントのパースペクティブのなかにある、なにかが分析の対象になる。⇒「分からない」という言葉は、これまでの準備が整っていないと、非難に聞こえる。そうでなければ、⇒協働して、共視体験を共有する領域
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患者がもっているさまざまな症状を生み出した防衛は、変化の可能な結果は何かとの関連で、心理療法の対象になるだろう。その場合、
⑤防衛を発見する 患者がもっているさまざまな症状を生み出した防衛は、変化の可能な結果は何かとの関連で、心理療法の対象になるだろう。その場合、 患者が心的な痛みを対処している習慣的な方法 神経症的なあるいは原初的な防衛を用いているなら、それを記述する ⑥治療の目標を発見する (治療者のニードに対して)患者は何を求めている、何をニードしているのか
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治療者:構成の仕事としての精神分析 精神分析が構成の仕事であるというFreudの理解 パースペクティブというGillの理解
治療者:構成の仕事としての精神分析 精神分析が構成の仕事であるというFreudの理解 パースペクティブというGillの理解 歴史的真実と物語的真実というSpenceの理解 社会構成主義的な空間として、過去、現在、未来、を構成する精神分析というHoffmanの理解 80分析可能性、治療同盟、作業同盟の連続性について ・作業同盟についてGreensonらの議論は、転移との区別を中心に議論されているので、しばしば片手落ちであるが、治療を構成する文脈、あるいは治療構造の視点から見ると、分析可能性と治療同盟の概念を密接に関連していることが分かる。 来談経路から主訴の特定のなかに、動き出すさまざまな力動的要素がある。 (pp6から7) ちなみに精神分析的心理療法は、ブリーフや家族との違いは、そこにはっきりとした無意識の対象関係の反映を見るって言うことです。ブリーフも同じように、主訴の特定はしますが、そこでこの家族のシステムや関係性を短期的に変える方向に行く。でも精神分析は無意識、つまり対象関係の布置の表れって、思い、そこに長い間の累積した歴史を読み込もうとするのです。で、そうやって構成されていく、歴史のなかに埋もれていた、防衛を受けて忘れられていたり、今ここでの関係の中に組み込まれている無意識の対象関係を発見する。例を挙げましょう。 強迫神経症の事例で、病院臨床をしていた、最初の分析的なヴァイズの事例ですけど、このケースは中学校ぐらいからひどい手洗いなどの強迫がはじまって、引きこもって入院治療しないといけない状態になった事例です。お父さんが自営業者で、一代で工場を経営するようになった人で、たたき上げの人でした。長男の彼は小さいときから、強くなれ、自分のようになれと、つまり自分はダメなやつというレッテルを張られながら育ったわけです。治療が始まった経緯として、父親からのメッセージで主治医、この人は初老の男性で、ちょっと弱くて院長の前で何もできない副院長という感じの人でしたが、父親に言われて、仕方なく、カウンセリングへまわしてきたのです。まあうるさい人を回すみたいなことですね。アセスメントのときにも父親が一度尋ねてきましたが、ちょっとあきらめ口調で、だめなカウンセラーにあたちゃったなあっていう感じでしたね。アセスメントのときわかったとても大切なことは、小さいときに火事があって、彼がいたずらをしていて、火がひどくなり、お母さんがやけどをおったと、彼はこのことをとても気に病んでいたのです。で、治療が週三回から四回の入院治療でしたが、始まってからもやはりお父さんがたずねてきましたが、非常に横柄で、強い、で一緒にあっていた彼が萎縮してしまって、お父さんのことをすごいと、なんかかわいそうになりましたが、そこで火事のことを聞いてみたのです。でも小さいときのことで、やけどっていたって、目立たないし、ぼや程度でしたよって、お父さんは言うのです。治療者のほうは、「火のないところに煙は立たない」って連想していましたが、面接をしているとどうしても彼は母親のやけどや迷惑を気になるのです。お母さんや周りの人が苦労して、自分が迷惑をかけているって。で私にも迷惑だと思っているのかなって、解釈していくわけですが、どうしてそんな風に思うのかなって、それを取り上げていく。でわかってきたのが、お父さんの工場がほとんど倒産の危機にある状態で、それが長く続いていたっていうことと、それを母親はじっとがまんしているわけです。まあ火の車っていうことです。ここで何か、彼が私との間でどういうわけか迷惑をかけてしまうって思う、それで、何かお父さんが強くって、お母さんの家事が火の車だってことがわかる。これって不思議と家事と火事、火の車の工場とやけどを負っている家のなか、っていう図式、面白いけどつながるわけですよね。これは不思議なことで、これを治療者が取り扱うと、彼は今までそんなこと考えてそんなことを考えたことはないので、へって感じです。
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患者の語り:風景-寝椅子に寝てもらう- 自由連想法の寝椅子は、クライエントの心の風景をゆっくりと眺める。
自由連想の基本原則は、確固とした構造でクライエントを抱える。 毎日分析の設定は、クライエントの心のなかをゆっくりと悠長に眺める。 精神分析の分析的スクリーンはクライエントの心のなかを映し出し、そのため治療空間のなかに転移と抵抗とを浮き彫りにする。 81こうした作業に関しては、寝椅子はなかなか便利です。 これって距離をとってみれば、なるほどって思える。 治療者の最初の理解も含めて、ある意味で絶えず、分析的なスタンスを取り続ける。フォーミュレーションし続ける姿勢が必要です。
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共視論、スクリーン・モデル、共同的経験主義
82北山先生の言う、共視論ですね。あの着想はいいです。 先ほどの事例で言えば、イメージはこです。 Th Cl(y) (x)
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治療開始から契約までの条件 最初の主訴の特定のときから、治療の動きは方向付けられている。 分析可能性は観察できる関係づくりに左右される。
治療開始から契約までの条件 最初の主訴の特定のときから、治療の動きは方向付けられている。 分析可能性は観察できる関係づくりに左右される。 分析可能性‐治療同盟‐作業同盟は連続したプロセスと見なしていく。 分からなかったことに気づく驚き、そして「分からないこと」を共有できる同盟関係、その双方が一つのプロセスとして発展できるようにする。 生育歴から経緯を構成していく作業のなかに、「分からないこと」、つまり問題を位置付けていく作業が可能にする。 同盟可能で分析可能なら、自由連想と寝椅子の効果を使える方向付けを行う。
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