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静止膜電位の成り立ちと活動電位の発生 等価回路 モデル ゴールドマン の式
掲示板にもどる 静止膜電位の成り立ちと活動電位の発生を理解しようとして、テキストを開くと、 図のような等価回路モデルやゴールドマンの式が出てきて、何が何だかよくわからない、 この時点でギブアップということになってしまう。 ↓ しかし、 (1)そもそも細胞内外の不均衡なイオン分布はどうして発生するのか? (2)平衡電位って何か? (3)イオンチャネルとは? どんな種類があって、開閉がどんな制御を受けているのか? (4)活動電位発生の閾値、全か無かの法則、絶対不応期というのは、どんなものか? ・・・・こんなポイントをひとつずつクリアしていくと、 このモデルや式がよくわかると思います。 以下にポイントごとに説明を加えます。 ゴールドマン の式
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不均衡なイオン分布はどうして発生する? カエルの骨格筋 静止電位 = - 90 mV 活動電位 = + 35 mV
細胞内 (mM) 外液 (mM) Na K Cl 平衡電位 (mV) 掲示板にもどる ここには、カエル骨格筋の細胞内外のイオン分布を示しました。 (後で説明するが・・・ それぞれのイオンに平衡電位が存在すること 静止電位がカリウムの平衡電位、活動電位がナトリウムの平衡電位に近いことに注目) それでは、STEPを踏んで、このアンバランスなイオン分布を理解しましょう。
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K+ Na+ Cl- 不均衡なイオン分布はどうして発生する? K+ Na+ Cl- K+ Na+ Cl-
STEP1:細胞膜がイオンを自由に通す単純な殻だとしたら K+ K+ Na+ Cl- 時間が 経てば 掲示板にもどる 細胞膜がイオンを自由に通す単純な殻だとしたら・・・ これら3種類のイオンを、生きている細胞と同じように むりやり不均衡な配置にしてやったとしても・・・ ↓ 時間が経てば 拡散して、全体に均一な配置となるはず! K+ Na+ Cl- Na+ Cl- むりやり不均衡に 配置しても・・・ 拡散して 均一になる
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K+ Na+ Cl- 不均衡なイオン分布はどうして発生する? Na+ K+ Cl- Na+ K+ Cl-
STEP2:細胞内にはマイナスに荷電したタンパク質がある しかもタンパク質は外へ出ることはできない タンパク − タンパク − タンパク − タンパク − K+ Na+ K+ Cl- Na+ Cl- 電気的に 釣り合いたい 掲示板にもどる しかし、そんなに単純ではなくて、 細胞の中には、マイナスの荷電をもったタンパク質がある。 しかも、これは細胞膜を通過して外へ出ることはできない! ↓ 従って、STEP1のように均一に分布しているわけにはいかない。 電気的に釣り合いたいという動きから、 陽イオンは中へ、陰イオンは外へと移動することになる。 しかし、ここで一番大きな問題は浸透圧 内側の浸透圧が高くなるので、水が流入し細胞はパンクしてしまう! (植物の細胞は、細胞壁をつくって入ろうとする水に対して抵抗する) 動物の細胞は、どのように対応するのか? (条件は以下の二つ) ・浸透圧の問題をクリアしなくてはいけない。 ・電気的に釣り合いたい。 Na+ K+ Cl- Na+ K+ Cl-
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K+ K+ Na+ Cl- Na+ Cl- 不均衡なイオン分布はどうして発生する? STEP3:細胞内の浸透圧を下げ、細胞をパンクさせない
タンパク − タンパク − タンパク − タンパク − K+ K+ Na+ Cl- Na+ Cl- 掲示板にもどる STEP2で挙げた条件・・・すなわち、 ・浸透圧の問題をクリアしなくてはいけない。 ・電気的に釣り合いたい。 ・・・というのを完全に満たすのは不可能。 ↓ 不可能だから、水の流入を許してパンクするかというと、そうではない。 細胞膜は、各イオンの透過性(通り易さ)に差を持たせて、この難局を乗り切る。 通常、細胞膜はK+は通しやすいが、Na+は通しづらい。 (一枚目のスライドにあるゴールドマンの式のPKやPnaというのは透過性を表す) (静止状態では、 PK : Pna : PCl = 1:0.04:0.2 である) 濃度を均一にしようとする働きは、二つの空間に往来があることが原則 つまり、Na+は透過しない状態なのだから、濃度の不均衡は問題にならない!! 従って、図の左側の状態からNa+を汲み出して、浸透圧を調整することになる。 浸透圧を 調整するために Na+ K+ K+ Cl- Na+ Cl-
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K+ Na+ K+ Na+ Cl- Cl- 不均衡なイオン分布はどうして発生する?
STEP4:電気的なバランスでさらなるイオンの動きが起こる タンパク − タンパク − タンパク − タンパク − K+ K+ Na+ Cl- Na+ Cl- 掲示板にもどる STEP3まできた状態では、内側は強いマイナスになっている。 ↓ K+は通過できるのだから、内側のマイナスを緩和すべく流入。 しかし、また浸透圧の問題が出てNa+を汲み出す・・・ こんなことが繰り返されて、 ・内側がマイナスで、K+が多い ・外側はNa+とCl-が多い という状態で落ち着く。 STEP3のNa+の汲み出しから、STEP4までの過程は、 Na-K ATPポンプが、K+二つとNa+三つを交換することを 考えると理解しやすいのではなかろうか。 いずれにしても、不均衡なイオン分布は安定な状態です。 電気的な 引き合い による動き K+ Na+ K+ Na+ Cl- Cl-
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K+ Na+ 平衡電位とはなんだろう? 細胞内 細胞外 細胞内 細胞外 濃度勾配 電位勾配 K+ Na+
細胞内 細胞外 細胞内 細胞外 K+ Na+ K+ Na+ 濃度勾配 掲示板にもどる ここで、平衡電位について考えてみよう。 平衡電位というのは、濃度勾配によって移動しようとする力を 帳消しにできる電位勾配と考えて下さい。 ↓ すなわち、K+の場合は濃度で外へ出ようとするので、 内側がマイナスとなり、引き留めることができれば、正味の移動はなくなる。 Na+の場合は、濃度勾配により内側へ移動しようとする力を 内側がプラスとなり、はじき返せば、正味の移動はなくなる。 このようなものなので、一番始めのスライドにあったように、 それぞれのイオンに平衡電位というのはあります。 (K+がマイナスの電位で、Na+がプラスの電位というのも納得できるますね?) 電位勾配
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K+ 静止膜電位の成り立ち 細胞内 細胞外 濃度勾配 電位勾配 ポンプ 静止膜電位の成り立ち K+
細胞内 細胞外 濃度勾配 K+ K+ 電位勾配 掲示板にもどる ここで、大切なのが静止膜電位の大きさです。 2枚目のスライドを見てもわかるとおり、 カエルの骨格筋の場合、K+の平衡電位に近いですよね。 ↓ これは、細胞膜が静止状態でK+を通すけれども、Na+を通さないから。 つまり、Na+は通らないのだから、電位を用意しなくても濃度勾配が保てるが、 K+は通れるから、電位を用意して引き留めておかなくてはいけないということ。 ただし、静止膜電位(-90 mV)と平衡電位(-97 mV)の差の分だけは K+が外に逃げることになるから、その分はNa-K ATPポンプで補い、 バランスが取れている(見かけ上の移動はない) まとめます。 細胞は、安定な状態であるために、不均衡なイオン分布をさせる。 ↓ それは、K+は通りやすいが、Na+は通りづらいという透過性の差で支えられている。 だから静止状態では、K+の濃度勾配を維持するための電位が細胞全体の電位として現れている。 続いて、活動電位の発生を理解しましょう! 静止膜電位の成り立ち ポンプ
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