Download presentation
Presentation is loading. Please wait.
1
“You can not teach anyone anything, you can only help them find it within themselves.”-
2
本日のお話→公演スライド集 質問・録音・録画・撮影全て自由
知識を授けることではありません 知識は誰でも検索可能な時代です 「物知り」が尊敬される時代は終わりました 本日のお話は「気づく」ことです 自分自身の面白さに気づく 自分が持っている資源に気づく 自分が実行してきた考え方に気づく
3
目から鱗は自分が素敵 美しい自分との出会い
4
自分が神経内科が苦手であるとするエビデンスは?
バルサルタンの「降圧を超えた効果」以上のエビデンスがあるのか? ↓ 「神経内科が苦手」という「信仰」
5
自分は神経内科が苦手であるとする「信仰」
6
神経内科を苦手にするこつ 神経内科が苦手だと思う 少し神経内科を勉強する でも苦手意識がなくならない もう少し勉強する
まだ苦手意識がなくならない もっと勉強する それでも苦手意識がなくならない やっぱり自分はだめなんだと思う
7
非専門医の方が難しい環境に =鍛えられる&上達する
より雑多な集団を常に相手にしているから
8
医者は易者ではない 話を聴かなければ話にならない
問診しなければ診断できない 最も基本的、最も重要な情報源 除外診断の99.99%以上は問診による 病歴の感度の高さ 問診しなければ診察できない 病歴聴取→鑑別診断リストの作成→診察→検査
9
「問診なくして診断なし」 という「自尊心」!
自分はMRIのような能なしではない 人間不信と機械信仰からの脱却
10
患者さんが教えてくれる 「朝目がさめる。起きて顔を洗う、歯を磨き、ひげをそる。家族と話しながら朝食をとる。コーヒーを飲みながら新聞に目を通す。ネクタイを締め、洋服を着、クツをはいて出かける。いつも混んだ電車に乗り、幸い足も踏まれずに駅におりる。さあ、会社では山積みの仕事だ。こんな日常のなんでもない生活や動作の、どれひとつをとってみても、脳や神経系の働きなしにはうまくできないものばかりです。・・・」 (『日常の中の神経学』 より)
11
苦手意識の根本原因 ー診察の嘘と問診の真実ー 問診に対する苦手意識→興味への変換
神経診断の鍵は神経診察である →嘘!病歴8割,診察2割 →嘘!問診無くして診察なし 問診は職人芸である →嘘!患者さんが教えてくれる
12
病歴の感度 Lou Gehrigの場合 Kasarskis EJ, Winslow M. When did Lou Gehrig's personal illness begin? Neurology 39: From: OGATA, Sent: 2006年12月4日 21:01:04 To: 池田 正行 Cc: 宮武 聡子 Subject: おみやげ写真です(尾方) Auto forwarded by a Rule 池田正行先生 尾方です。11/29-12/2に,ALS/MNDの国際会議に行ってまいりました。 Closing sessionで,L.Gehrigの話がありました。1938年の映画Rawhideに出演したと きに,Gehrigに所見があったか,という内容でした。ALSFRSを呈示してウケてました。 添付はその講演のスライドの1枚です。1938年シーズン中の写真らしいです。演者は 所見がない,と言っていたようですが,左のECRLは凹んで萎縮しているように見えま す。この年は例の,Gehrigの打率が急降下したシーズンでした。 出典がわからないのですが,先生のスライドにいかがかと思い,お土産です。 (宮武先生,私の理解が間違っていましたら訂正メールください)
13
43歳の男性:無呼吸を疑われ紹介来院 3ヶ月前から瞼が何となく重く(閉じるまでいかない)睡眠不足かと思っていた。 まぶたをあげようと努力しているので同僚から人相が悪くなったといわれる。左 へ振り返ったときに一瞬ものが二重に見えることが時々あり、片目をつぶればはっ きり見える。同じ頃からからつばやものが飲み込みにくいと感じる事がありのど が狭くなった(少し体重が増えたので)と思った。1ヶ月前から食事(特に量の 多いとき)の後半になると顎が疲れてうまくかめなくなり時間がかかるようになっ た。(やすめばもどる)同時にこのころからシャンプーをしていると右手が重く なり支えないと頭まであがらなくなる。(休めば治る) ところで、この病歴を聴いて学生さんはおそらく疾患を思い浮かべて聞い たのだろうと思いましたが、思い浮かべることは難しかったのでなるべくご不自 由に思っていることを一生懸命聴いたそうです。聴く態度があれば疾患が思い浮 かばなくても良い病歴がとれるものだと感心しました。 13
14
三手詰 脳卒中はどちら? 昏睡 81歳男性 昏睡 18歳女性
15
脳卒中はどちら? 昏睡 81歳男性 昏睡 18歳女性 年齢・性別という人間軸
16
脳卒中はどちら? 65歳男性 今朝起床時に左の手足に力が入らない 65歳男性 半年前からペットボトルの蓋が開けにくくなった 20
17
脳卒中はどちら? 65歳男性 今朝起床時に左の手足に力が入らない 65歳男性 半年前からペットボトルの蓋が開けにくくなった
経過という時間軸,場面という空間軸
18
55歳男性:二次会のカラオケの最中に急に頭が痛くなって救急外来にやってきた
予診票の段階ですでに膨大な除外診断が行われている
19
除外診断
20
鑑別診断背景にある除外診断 卵巣癌の脳転移 脳梗塞 髄膜炎 筋収縮性頭痛 帯状ヘルペス 側頭動脈炎 脳腫瘍
21
それぞれの意義 バイタルサイン 髄膜刺激症状 瞳孔・眼球運動 徒手筋力テスト 感覚検査 腱反射 協調運動 長谷川式痴呆スケール CT/MRI
22
66歳 主婦 「急に歩けなくなった」 それだけでわかるわけないよ
66歳 主婦 「急に歩けなくなった」 それだけでわかるわけないよ 次のスライドに行きたくなるのはなぜか?実際にはここで考えなくてはならないのに?なぜ前立腺癌ではないのか?なぜ前立腺癌の脳転移ではないのか?なぜ前立腺癌の脊髄転移ではないのか?なぜ白血病ではないのか?なぜ胃潰瘍ではないのか?なぜアルツハイマー病ではないのか?なぜパーキンソン病ではないのか・実は無数の除外診断がこの時点ですでに行われている。その除外診断の確度、除外診断の徹底度が、個人個人によってちがう。ここに、プロとアマチュアの差がある。そこを言語化して伝えるのが教育。予診表確率の話。 次に何を訊きたいのか?それはなぜか?
23
解剖が好きな病気と嫌いな病気 解剖が好き:えり好みする 解剖が嫌い:所構わず 運動か感覚のどちらか。意識は障害しない ほとんどが慢性の経過
脳 多くの神経変性疾患 脊髄・末梢神経 筋萎縮性側索硬化症 神経筋接合部 重症筋無力症 筋疾患 運動も感覚もそして時には意識も障害 多くは急性 血管障害 炎症 脱髄 慢性の経過は限られている 腫瘍 栄養障害
24
解剖好き 慢性 急性 解剖嫌い 神経変性疾患 重症筋無力症 筋疾患 脳血管障害 腫瘍 全身性血管炎 栄養障害 脱髄 神経筋固有の炎症
(ギラン・バレ症候群 多発筋炎) 神経変性疾患 重症筋無力症 筋疾患 脳血管障害 全身性血管炎 脱髄 腫瘍 栄養障害 慢性 急性 解剖嫌い
25
第二象限か第三象限かが診断の初めの大切な分岐点
66歳 主婦 「急に歩けなくなった」 第二象限か第三象限かが診断の初めの大切な分岐点 次のスライドに行きたくなるのはなぜか?実際にはここで考えなくてはならないのに?なぜ前立腺癌ではないのか?なぜ前立腺癌の脳転移ではないのか?なぜ前立腺癌の脊髄転移ではないのか?なぜ白血病ではないのか?なぜ胃潰瘍ではないのか?なぜアルツハイマー病ではないのか?なぜパーキンソン病ではないのか・実は無数の除外診断がこの時点ですでに行われている。その除外診断の確度、除外診断の徹底度が、個人個人によってちがう。ここに、プロとアマチュアの差がある。そこを言語化して伝えるのが教育。予診表確率の話。 次に何を訊きたいのか?それはなぜか?
26
それぞれの意義 バイタルサイン 髄膜刺激症状 瞳孔・眼球運動 徒手筋力テスト 感覚検査 腱反射 協調運動 長谷川式痴呆スケール CT/MRI
27
日常生活動作 家の中と外
28
プラレールの病歴 徒歩で駅まで要する時間:筋力低下+固縮寡動 駅前の放置自転車の間を抜ける:姿勢反射
駅の階段を上る,降りる:筋力・痙性,運動失調 車内で立っている:姿勢反射 つり革に掴まる:上肢筋力 網棚に荷物を上げる:上肢筋力 座席から立ち上がる:姿勢反射+(下肢近位筋) 電車通勤一つとっても,このように多くのチェック項目が出てきます.そしてその中では,この3つの変性疾患の鑑別に役立つ項目もあります.筋力低下ばかりではない.固縮・寡動,姿勢反射障害,筋緊張,運動失調と,様々な能力から成り立っているから,電車通勤に関する問診
29
自動車の運転 脊髄小脳変性症 パーキンソン病 ハンドル:遅い アクセル:遅い ブレーキ:遅い ハンドル:切りすぎ アクセル:踏込み過ぎ
ブレーキ:急
30
ではリカチャンハウスでは?
31
リカチャンハウスでのチェックポイント
32
トイレ動作の障害
33
トイレ動作のチェックポイント 立ち上がり:洋式,和式 手すりの位置:左右・縦横 お尻を拭けるか 下着を下ろす動作の速度 部屋の広さの影響
34
風呂場, 洗面・脱衣所での障害 湯船の出入り 右手(左手)で頭をうまく洗えない 頭を洗うとき腕が疲れやすい シャンプーが目に入ってしまう
顔を洗うときふらつく 着替えが遅い パンツを下ろす:立って?座って?
35
ダイニングキッチンの障害
36
台所での障害 パーキンソン病 米をとぎにくい 生卵をときにくい 炒め物が苦手 脊髄小脳変性症 漬物の切り方が不揃い
37
電話
38
電話が嫌いになる ー聞き取りにくいと文句を言われるー
声が小さい・早口:パーキンソン病 酔っ払い:脊髄小脳変性症 声がかすれる:ALS
39
会話の負荷と問診の感度 負荷軽:家族と直接話す→感度低 負荷中:他人と直接話す→感度中 負荷重:他人と電話で話す→感度高
単に,ろれつが回りにくいですかという病歴ではなく,電話で話すとき聞き取りにくいと言われて,電話が嫌いになりませんか? 電話での会話障害の問診は感度がずっと高くなる
40
書斎での障害
41
書字障害の問診 量・質の負荷 大量に書く:年賀状 他人にわかりやすいように書く お客さんへの領収書 教師の板書 キーボードの神経学はこれから
42
着替え,整容 ボタンをはめにくい ズボン・スカートを立って穿けずに座って穿く 上着の袖を通すのが困難 着替えそのものが遅くなる 髪を梳かす
手の筋力低下 ズボン・スカートを立って穿けずに座って穿く 体幹失調 or 下肢近位筋筋力低下 上着の袖を通すのが困難 上肢近位筋力低下 着替えそのものが遅くなる 髪を梳かす
43
神経疾患問診鑑別診断バッテリー 日常生活動作やいつもの仕事での障害を聞き出すことにより神経疾患の診断が誰でも簡単にできるような問診表を作りたい
Similar presentations
© 2024 slidesplayer.net Inc.
All rights reserved.