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脳梗塞について - BMEでの救命応用 2016年3月19日(土) 岡田一秀
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紹介 脳梗塞のサマライズ (くも膜下・脳内出血と比較して) - 脳梗塞の医療統計 - 発症の原因 - 生活上でのリスク因子
紹介 脳梗塞のサマライズ (くも膜下・脳内出血と比較して) - 脳梗塞の医療統計 - 発症の原因 - 生活上でのリスク因子 ‐ 前兆症状と、発症後の経過 ‐ 現行の治療方法 - 処置時刻と救命性の関係 - 予後をよくするための、BME(生体医工学)の応用 [Kolonia, Pohnpei, FSM] (過去分) 医工学について、毎月、第1週と第3週は日本語で、第2週と4週は英語で、病種や 医療機械種を変え、日本時間の午後6時(金)か午前9時(土)頃、やっております。 お時間があれば、どうかお聴き下さい。(録音もしておきます) ー ポンペイ コロニア第2スタジオより
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脳梗塞の意味 脳血管死自体では、全病死のうちの9%を占める。 脳梗塞に限れば、脳卒中の中の6割を占める。 (死者)
脳内出血 くも膜下出血 その他脳血管疾患 合計 66,058 32,550 12,662 2,937 114,207 現行の全脳血管疾患の全患者数は、 123万5,000人 脳梗塞に限れば、 入院が12万9800人、外来が8万7,000人
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患者推移は? 性・年齢別に見た、脳梗塞の患者数 [平成11年患者調査(厚労省)より] 脳血管疾患全体における男女別罹患は? 年 男性 女性 トータル 罹患数 (人) , , ,000 死者数 (人) ,955 59, ,167
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脳梗塞・脳内出血・くも膜下出血、おのおの 何が違うのか?
・ 脳梗塞 - 脳の血管が何らかの原因(塞栓、血栓、出血など)で 血管が閉塞したり、狭窄することによって、その血管 から栄養される領域の脳室・脳幹が虚血を起こし、 壊死または壊死しかけている状態のこと ・ 脳内出血 - 脳の内部で細かく枝分かれしている動脈が破れて 出血し、脳の中に血のかたまり(血腫)ができること。 ・ くも膜下出血 - 脳の表面を覆っている軟膜とその外側のくも膜の間に 出血した状態。 脳卒中 脳出血
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原因 ・ 脳梗塞 - ◎動脈硬化によって脳の主要な動脈がだんだん狭くなり、そこに糊の ように粘りのある血栓(血のかたまり)ができ、血管が詰まる。 ◎心臓ないし脳以外の場所に血栓ができ、その血栓が脳に流れて 動脈を塞いで起こる梗塞 ◎アテローム硬化と言って、血管に欧米型の食事に伴う、 脂肪性物質が付着することで、頚から 脳の大きな動脈が50%以上狭窄または完全に詰まる。 ・ 脳内出血 - 永年の高血圧症により、脳の深い部分へ栄養を送る小動脈にある動脈硬化が 進んだ末、この状態を放置しておいたせいで、しなやかさを欠き血圧の変化に 耐えられなくなった血管が、血圧が上がった際に切れて出血する。 他、先天的な脳血管の奇形でも起こりうる。 ・ くも膜下出血 - 物理的に弱い部分の血管に動脈瘤(コブ)ができ、 そこに圧力が加わって破裂
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脳梗塞へのリスク因子 高齢(70歳以)者(1点) 高血圧(1点) 糖尿病(1点) 喫煙(1点) 心房細動(1点) 心疾患(1点)
慢性腎臓病(1点) ラクナ以外の脳梗塞発症者(1点) 脳梗塞発症の既往あり(2点) ※ 低リスク群(3点以下)、中等度リスク群(4-5点)、高リスク群(6点以上)
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脳梗塞の前兆 呂律が回らなくなり言葉が出なくなる 顔に歪みが出る 痺れ・片方の手足に力が入らず 片方の目が見えなくなる・視野狭窄
フラフラし、障害物がないのにつまづく 人の言うことがうまく理解できない (全く、無前兆→突然死への道を歩みやすい(50%ほど) くも膜下出血よりは、倒れる前兆の症状が出やすいと言われている。 しかし、高血糖のような持病がある時は、予期が出来ない時もあり) 倒れて、3時間後の所見
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症状 意識障害 嚥下障害、 言語障害、 その後の 失語症 (構音障害・失念両方含む)、 後遺症 健忘症、 複視(物が二重に見える)、 片側の手足や顔面の感覚障害、 同名性半盲(両眼とも視野の半分だけが見えなくなる状態)、 同名性半盲の患者の視野
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治療 ・ 薬物治療 (内科的治療) 血栓を溶かす薬剤(血栓溶解薬)・血液の凝固を抑える薬(抗凝固剤)・ 血小板の働きを抑制する薬(抗血小板剤)・脳の腫れやむくみを抑える薬(脳浮腫軽減薬)などを用いて、 症状の悪化を防ぐ治療法である。注射・内服で処方される。 ・ 手術 動脈硬化によって厚くなった内壁をくり抜く頸動脈内膜切除術(CEA)や、 閉塞・狭窄した血管を他の血管につなぐバイパス手術(血管吻合 術)、 ステントと 呼ばれる網状で金属製の筒を頸動脈の狭窄部分に留置するステント留置術などがある。 脳梗塞の種類や部位によって適切な方法が選択される。 ・ リハビリテーション 手足の麻痺・言語障害などが認められた場合、機能を回復させるための リハビリテーションを行う。 理学療法・作業療法・言語療法などがあり、 後遺症の軽重を問わず1日でも早くスタートすることが望ましいとされている。
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適切な救急処置と後遺症との闘い 人工呼吸とAED (脳が虚血状態に陥った場合は、 猶予は3分。無理やり、 口ないし、心臓への電気 ショックを通して、脳に酸素を 供給させる) 後遺症の究極の原因 人間にとって生きていくうえで重要な部分である 脳の血管が詰まったり出血 脳細胞へ栄養は行き届かなくなる - BME として着目 日本での、平均救急車到着 時間は6~8.5分 CPR (Cardio-Pulmonary Resuscitation。人工呼吸に よる心肺蘇生⇒だめなら、 AED( Automated -External Defibrillator )が救命シークエンス
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脳梗塞からの意識回復への判断 発症時は、脳浮腫(脳実質内に異常な水分貯留を生じ、 脳容積が増大)の状態にある
脳容積が増大)の状態にある が、意識回復の是非は、下記の要因が強く影響 梗塞巣の大きさ 脳浮腫の程度 発症から治療までにかかった時間 年齢 出血性梗塞の有無
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(1) 骨髄の幹細胞の投与 ⇒ 後遺症としての各種神経 障害を治してしまおう!
BME (生体医工学)からのアプローチ - (1) 骨髄の幹細胞の投与 ⇒ 後遺症としての各種神経 障害を治してしまおう! 分化のロジック ”成体哺乳類の中枢神経系は損傷を受けると二度と再生せず”(ノーベル医学・生理学賞のカハール教授、1928年報告の言)とする医学的戒律は、1990年代に、生体幹細胞の存在が 発見されて以降、乗り越えられる見通しがついた。 骨髄間葉系幹細胞 (One of 幹細胞) - 神経細胞 等、脳を構成する細胞にも分化 - グリア細胞 上記、骨髄間葉系幹細胞を取り出して、直接移植ないし頸静脈注射する 脳に新たに血管新生させて、機能回復に寄与が
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寝たきり老人比率 日本の寝たきり老人比率 骨髄細胞 = 自家移植が可能 (メリット) cf. パーキンソン病においても、ドーパミン神経が
変形し、壊れて行くが故に、振戦・歩行障害が 起きる病気だが、この線条体に、神経幹細胞 や骨髄細胞を注入し、ドーパミンや神経栄養 因子を産出させ、ドーパミンニューロンを経て、 新しいドーパミン神経を蘇らせられる。
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(2) 磁気刺激による方法 (TMS) 上肢に効果あり (指が1本でも動く人に対して) 頭蓋磁気刺激治療(TMS (Transcranial Magnetic Simulation)治療) 経頭蓋磁気刺激装置(磁界発生器)を使い、 頭の上から運動神経を刺激する方法。 ダメージを受けてない側(右上肢障害ならば、右脳に、 左上肢障害ならば、左脳に) に20分刺激、 ついでCI (Constraint Induced movement therapy。麻痺している方の 手を、敢えて動かそうとすること)法で、1時間リハビリ
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TMSの技術的真髄 大容量のコンデンサに蓄電し,頭部に置いたコイルに瞬間的(100~数百μs)に 大電流を流して急激な変動磁場(1.5~2.5 T (テスラ)程度)を発生させる。 その結果,コイルに流した電流が作る磁場とは逆方向の磁場を生じるように 同心円状の渦電流がコイル直下の脳に誘導される( とする、レンツの法則に従う)。 この渦電流が皮質の錐体細胞・介在細胞や軸索を刺激すると考えられている。 TMSに先行し経頭蓋電気刺激(Transcranial Electric Stimulation: TES)装置が開発されるも 電流が頭皮を通過する際に痛覚受容器を刺激するため痛みを伴った。 磁気刺激では磁束が電気的抵抗の高い頭蓋骨を通過して 主に抵抗の低い脳で誘導電流が流れるため痛みが無い。 さらにTESでは主に大脳皮質の錐体細胞・軸索を直接刺激するのに対し, TMSでは主に大脳新皮質のII層(外顆粒層。粒細胞と小型錐体細胞から成る)/III層 (外錐体層。中型錐体細胞から成る。軸索で、対向する大脳皮質間を繋ぐ)にある介在 ニューロンが渦電流によって 刺激される事によりV層(内錐体層。特にブロードマンの第一次運動野では、 大きな錐体細胞があり)にある錐体細胞が興奮すると考えられている
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cf. うつ病治療へのTMSへの応用 脳の左側の背外側前頭前野(DLPFC)の活動が低下し、逆に扁桃体(側頭葉内側の奥に存在する、アーモンド形の神経細胞の集まり。情動反応の処理と記憶において主要な役割を持つ)が過剰に活発に反応する状態 = うつ病のメカニズム 左側の背外側前頭前野(DLPFC (Dorso-Lateral Pre-Frontal Cortex )を磁気刺激で活性化させ、意欲や思考力を正常に機能させ、二次的に扁桃体(へんとう体)の過剰な活動を抑制させるのが、磁気刺激治療(TMS)の治療方法
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TMSを行った後での、血流の増減 ・ 血流減部位 ・ 血流増部位
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