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第5回 光通信 光半導体の特性 発光原理、発光素子、受光素子 光ファイバ 光の伝播、種類、特徴 光通信
第5回 光通信 光半導体の特性 発光原理、発光素子、受光素子 光ファイバ 光の伝播、種類、特徴 光通信 構成、変調方法、伝送方式、光通信システムの技術 現在のブロードバンド通信(高速通信) コヒーレント伝送、FTTH(Fiber To The Home)、WDM 1
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発光原理(P.95) 光の吸収、光の放出 電子 電子 エネルギー準位 E2 光 光 ℎ𝑓以上の光 ∆𝐸=ℎ𝑓 E1 電子 (a)光の自然放出
(b)光の吸収 (c)光の誘導放出 高いエネルギー準位から低いエネルギー準位に移動する際、 放出される光のエネルギーは 𝐸 2 − 𝐸 1 =∆𝐸=ℎ𝑓 となる ℎ:プランク定数 6.626× 𝐽∙𝑠 𝑓:光の周波数 半導体のpn接合に電圧を加えて電子を高準位(a)にして、準位の下がるときに 放出される自然放出を取り出すようにしたのが発光ダイオード(LED) 誘導放出を連鎖させて同位相の光を取り出すようにしたのがレーザーダイオード (LD) 問1へ
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光の色と波長とエネルギー 教科書にない ので注意 赤色 ⇒ 可視光の中では波長が長く、エネルギーは小さい
紫色 ⇒ 可視光の中では波長が短く、エネルギーは大きい 波長λ:長 ⇒ 周波数 𝑓:( ア ) ⇒ エネルギー:( イ ) 𝑓= 𝑐 λ ∆𝐸=ℎ𝑓 インジウム窒化ガリウム (InGaN) -紫・青・緑(400~500nm) アルミニウムインジウムガリウムリン (AlInGaP) – 黄・橙(590~650nm) アルミニウムガリウムヒ素(AlGaAs)-赤(660nm) 問2へ
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発光色 教科書にない ので注意 ∆𝐸:エネルギー、ℎ:プランク定数、 𝑓:周波数 ∆𝐸=ℎ𝑓 =ℎ 𝑐 λ 𝑐:光速 λ:波長
発光ダイオード(LED Light Emitting Diode) ライト・エミッティング・ダイオード 色の違いはどのように? エネルギー(大) ⇒ 周波数( ウ ) ⇒ 波長( エ )=[ オ ]色 バンドギャップ (エネルギー差) 大 小 [ オ ]色光 [ カ ]色光 エネルギー(大) エネルギー(小) PN接合部分での再結合で、電子がエネルギーの低い状態に移る ⇒ 放出されるエネルギーの大小により、発光色が変わる エネルギーと光の振動数の関係 ∆𝐸:エネルギー、ℎ:プランク定数、 𝑓:周波数 ∆𝐸=ℎ𝑓 =ℎ 𝑐 λ 𝑓= 𝑐 λ 𝑐:光速 λ:波長 問3へ
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発光素子(LED) 発光ダイオードの構造 (LED) 外観 性能比較 LEDは出力が小さく、周波数応答が低い
ため比較的短距離の伝送に用いられる pn接合部(GaAs)で電子と正孔が再結合し、安定した状態(エネルギーの低い 状態)になるとき、エネルギーの差が光として放出されます。 材料の元素によってエネルギーの差が異なり、発色が変わります。
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発光素子(LD) 外観 レーザダイオードの構造 (LD:Laser Diode) 活性層の中で誘導放出された光が
一般的なものは3端子 +、-電源端子 モニタ端子 約1cm 活性層 反射光 ハーフミラー 増幅された レーザ光 活性層の中で誘導放出された光が 反射を繰り返して共振状態となり、 同位相の性質の光(コヒーレントな光) が出力される レーザダイオードは、LEDに比べ出力が大きく、応答速度に優れているので、 長距離伝送に用いられる。 ただし、LEDに比べ寿命が短く、駆動回路も複雑となる。 問4へ
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受光素子(PIN-PD) ピンホトダイオード(PIN-PD)の構造 外観 真性半導体(I層)は、キャリアが少ないので、逆バイアス
約1.5cm +、-電源端子 1本はケース接続 (アース用) 真性半導体(I層)は、キャリアが少ないので、逆バイアス をかけるとI層のほとんどの部分が空乏層となり、光の 吸収率が上がり、光電流が流れます。 ⇔ 通常のpn接合では空乏層を広げるためには、 高電圧が必要となるので効率が悪くなります 感度はAPDに比べると悪いため、短距離用として用いられます 性能例からは APDの約 1/100 (20dbmの差)の感度となっています 問5へ
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受光素子(APD) アバランシェホトダイオード(APD) 外観 PIN-PDに高い逆電圧を加えることで、電子が雪崩的に増大
約1.5cm 外観 PIN-PDに高い逆電圧を加えることで、電子が雪崩的に増大 するアバランシェ効果を発生させ、電流を増大させることで、 微弱な光を検出させます(基本的にPIN-PDと同じ構造) 電子の雪崩 光 強い電界 APDは微弱な光を高速度に検出できる機能が あるので、長距離伝送用の受光素子に用いられます ⇒電圧が高いので、電子の移動も高速 PIN-PDに比べ、 動作電圧は1.5~10倍程度 受光感度は10倍程度 問6へ
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光ファイバによる光の伝播 入射角𝜃>臨界角 𝜃 c のとき全反射となり、 全反射した光は再び入射角 𝜃 で全反射を繰り返し伝搬します
n1:コアの屈折率 n2:クラッドの屈折率 (n1>n2) 入射角𝜃>臨界角 𝜃 c のとき全反射となり、 全反射した光は再び入射角 𝜃 で全反射を繰り返し伝搬します 𝑛 1 > 𝑛 2 である必要があります 高校物理より sin 𝜃 𝑐 = 𝑛 2 𝑛 1 入射角が臨界角より小さいときは コア外に漏れて伝搬できません 𝑛 1 < 𝑛 2 でも
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光ファイバの種類 伝搬経路によって遅延時間が変わるので受信波形は広がってしまう 屈折率によって 光の伝搬速度が調整されるので受信波形は
マルチモード 屈折率によって 光の伝搬速度が調整されるので受信波形は あまり広がらない 伝搬経路は1つなので 受信波形は広がらない ただし、光をファイバに入射したり、ファイバを 中継するのが難しい シングルモード 問7,8,9へ
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光ファイバの特徴 細径・軽量 一般的な光ファイバのクラッドの直径は 0.125mm ある程度の曲げにも耐えられますが、鋭角に曲げると破損し
ある程度の曲げにも耐えられますが、鋭角に曲げると破損し 光を伝搬できなくなります 低損失 石英系ガラスの光ファイバの理論的損失は0.2dB/km(約5%減少) 同軸ケーブルの減衰量は約50dB/km以上(10万分の1以下) 大容量・広帯域 同軸ケーブルの数百Mbpsに対して、光ファイバは数Gbps 無誘導 石英ガラス素材は雷、高圧電力線、電磁界の影響を受けない 無漏話 外部に光が漏れないので漏話がおきない
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光ファイバ通信 構成 光ファイバ通信は、光ファイバを使って、電気信号を光の強弱に変換して 伝送する通信システム
電気・光(E/O)変換 ⇒ LDやLEDなどの発光素子 光・電気(O/E)変換 ⇒ PIN-PDやAPDなどの受光素子 伝送距離が長い場合、中継装置が利用されます 構成
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光通信システム 光通信システムの電気・光変換では、発光素子(LED,LD)の 光の強度を電気信号で変化させます 変調方式
左図は、レーザダイオードの光出力を 電気信号で直接変調する方法で、 アナログ信号でもディジタル信号でも、 直流バイアスを加えた信号電流で、 光出力の強弱に変換します。 このような変調を強度変調(IM)と 呼びます。 これに対して、光の周波数や位相を 電気信号によって変調する方式を コヒーレント光方式と呼びます。 問10へ
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光通信のディジタル伝送方式 ディジタル伝送方式 ディジタル伝送方式では、アナログ信号はPCMに符号化した信号を、
時分割多重を行った後、伝送路に適した符号に変換し、強度変調された 信号を光ファイバに送り出します。(現在は、位相変調する方式もあります) 一方、アナログ伝送方式では、アナログ信号を直接、強度変調する方法が とられています。
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実用化されている光ファイバ通信システム例
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実用化されている光ファイバ通信システム例
引用元:NTT技術ジャーナル(2016.7) 教科書P.108のF-1.6G、FTM-2.4GはTDM技術、現在の主流はWDM技術から デジタルコヒーレント技術に移行しつつある
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大容量・無中継のための光技術 エルビウムドープ光ファイバ増幅器(EDFA)
光増幅器は、伝送で微弱になった光信号を電気信号に変換することなく、光の状態のまま増幅し、長距離伝送を可能にします エルビウムドープ光ファイバ増幅器(EDFA) エルビウム元素は3つの準位(E1,E2,E3)を 持ち、励起光(強いレーザ光)をあてると 光のエネルギーを吸収し、エネルギー準位 E3から、一旦、高い準位E1に励起され、 その後、一旦準位E2に落ち、 さらに準位E1に戻るとき、微弱になった信号 と同じ 1.55μmの光を増幅します 励起光を当てると、E1→E2→E3の順でエネルギー準位を遷移し、 E2→E3に遷移するとき、1.55μmの光を放出するわけです
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光ファイバ通信システム 光ソリトン伝送 ソリトンとは、その形を維持する波を意味しており、英物理学者ラッセルが、運河で波が同じ形を保ったまま伝播してゆく現象から発見したと言われています 光の波形が崩れずに遠方まで伝送できることを光ソリトン伝送といいます 光の信号波形は、光ファイバの分散性で 遠方に伝えるほど崩れてしまいます 強くて急峻なパルスを信号とするとき、 カー効果と呼ばれる非線形作用と光 ファイバの分散作用がつりあうとき、 波が崩れそうになると自ら引き戻そうと する現象を利用する伝送方式です
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光ファイバ通信システム コヒーレント通信 コヒーレント通信は、光の周波数と位相を利用する方式で、飛躍的に伝送できる情報が増え、大容量通信を行うことが可能になります。 簡単に言うと、光に周波数変調や位相変調を適応させる方法です。 下記は、周波数変調を行う原理ですが、現在はQPSKやQAMなど光の位相を変調する大容量通信技術にシフトしています。
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ブロードバンド通信 一般的に、 1.5Mビット/秒以上の伝送速度をブロードバンドといいます
ブロードバンド通信(高速通信) ⇔ ナローバンド通信(低速通信) 情報伝送に必要な時間 データの種類 サイズ(バイト) 伝送速度 64kbps 1.5Mbps 100Mbps 1Gbps 電子書籍(1冊) 40M 83分 3.6分 3.2秒 0.3秒 CD 700M 24.3時間 1時間 56秒 5.6秒 ブルーレイ 50G 72日 3日 1.1時間 7分 ISDNは64kbps、ADSLは1.5Mpbs程度、FTTHは100Mbps Fiber To The Home:光ファイバー回線
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通信に光を利用するのは何故 銅線のケーブルは高速な信号ほど減衰が大きくなる 周波数が高くなるとインピーダンスが大きくなる
周波数が高くなるとインピーダンスが大きくなる 10kHz 100kHz 1MHz 10MHz 100MHz 1GHz 信号周波数 光ファイバーケーブル (FTTHなど) 1/10 短い距離では ほとんど減衰しない 1/100 ペアケーブル (電話線) 同軸ケーブル (CATVなど) 1/1000 1km当たりの信号減衰の割合 減衰の割合
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光ファイバー伝送に使う半導体レーザー光の色は?
光ファイバー伝送には、 0.85μm~1.55μmの赤外線の光を利用 ⇒ 減衰の少ない波長を利用 0.66μm 0.78μm 0.85μm 1.55μm 紫外線 赤外線 波長[μm] 0.41μ 可視光 1.3μm ブルーレイ DVD CD 短波長帯 長波長帯 光ファイバー伝送 赤外線なので 目には見えません 光の 減衰量 大 小 波長[μm] 長距離には、長波長の レーザーが利用され、 短距離では、価格 の安い短波長が 利用されることもある 減衰が少ない 波長帯を利用
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固定系ブロードバンド通信 FTTH DSL CATV 万契約 FTTH:光ファイバー回線でネットワークに接続
総務省情報通信白書よりグラフ化 FTTH:光ファイバー回線でネットワークに接続 DSL:電話回線(メタル回線)でネットワークに接続 CATV:ケーブルテレビ回線(FTTHを除く)でネットワークに接続
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WDM(Wavelength Division Multiplex)
光は高速だが、TDMAのように複数の人のデータを1つの波長で送ることは難しい。そこで、一人ずつ異なる波長を利用し、複数の波長をまとめて同時に送る方法を波長多重方式(WDM)といいます。 光スプリッタ 原理的には、プリズムを利用して波長の異なる光を一本の光ファイバケーブルにまとめたり(合波)、まとまった複数の波長を分岐させたり(分波)します。この機能を持つデバイスを光スプリッタといいます。 波長を変えて双方向 1つの波長で40Gビット/秒なら、 40種類の波長の光で40Gビット/秒×40=1.6Tビット/秒が実現できます 問11へ
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FTTH(PON*方式) ・・・・ *Passive Optical Network 電力不要の光スプリッタで光を分岐・合成し、
ONU PC IP電話 電力不要の光スプリッタで光を分岐・合成し、 各家庭と収容局を光ファイバケーブル接続する 100~200Mbps 収容局 OLT ONU PC IP電話 100Mbps WDM(1Gbps) 1.5μm 1.3μm ・・・・ 光スプリッタ ONU:光回線終端装置 Optical Network Unit OLT:光用の端局装置 Optical Line Terminal ONU PC IP電話 各家庭近くで光スプリッタにより各家庭に分岐されます 1Gbpsの伝送速度のPONをGE-PON、 10Gbpsの伝送速度のPONを10G-PONといいます 問12へ
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本日の講義はここまで
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