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弱電離気体プラズマの解析(XLIX) 交流コロナ放電によるベンゼンの分解

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1 弱電離気体プラズマの解析(XLIX) 交流コロナ放電によるベンゼンの分解
平成14年度 電気関係学会北海道支部連合大会 北見工業大学 12 October 2002 No.82 弱電離気体プラズマの解析(XLIX) 交流コロナ放電によるベンゼンの分解 Studies on weakly ionized gas plasmas (XLIX) Destruction of benzene using AC corona discharge ○吉澤 宣幸 佐藤 孝紀 伊藤 秀範 田頭 博昭(室蘭工業大学) 下妻 光夫(北海道大学) ○N.Yoshizawa, K.Satoh, H.Itoh and H.Tagashira (Muroran Institute of Technology) M.Shimozuma (Hokkaido University) はじめに 実験装置・条件 実験結果 まとめ

2 目的 ○汚染ガス分解に使用される放電 コロナ放電・誘電体バリア放電 パックドベット放電・沿面放電 ○コロナ放電の利点
近年,工場や自動車の排ガスに含まれるベンゼンによる環境破壊が問題となっている ○汚染ガス分解に使用される放電 コロナ放電・誘電体バリア放電 パックドベット放電・沿面放電 ○コロナ放電の利点 放電領域を大きくとることができ,大量のガス流の処理に適用できる (吉岡 芳夫 :電学論A ,Vol.122-A pp (2002)) GD2002(2-6 Sep. 2002) S.Pekarek MULTI HOLLOW NEEDLE TO PLATE ELECTRICAL DISCHARGE IN MIXTURE OF AIR WITH N-HEPTANE ○目的 交流コロナ放電を用いてベンゼンの分解特性を調査し,この結果を直流コロナ放電によるベンゼン分解特性と比較・検討する

3 実験装置 FTIR 針電極形状 DC or AC Power Supply GASTEC Capsule Dial Gauge
放電チェンバー (ステンレス製) 平板電極(ステンレス製) 直径:f80mm 厚さ:10mm グランド側 内径:f197mm 高さ:300mm GASTEC社製 NO.121 測定範囲 : 2.5~312ppm DC or AC Power Supply GASTEC 島津製作所製 FTIR-8900 干渉計 :30°入射マイケルソン 干渉計 光学系 :シングルビーム方式 波数範囲 :7800cm-1~350cm-1 波数精度 :±0.125 S/N :20000:1 データサンプリング :He-Neレーザー Capsule Dial Gauge FTIR EDWARDS CG16K フルスケールレンジ :1040mbar 精度 :±2% 針電極形状 Baratron Manometer 日本MKS(株)製 622A12TCE フルスケールレンジ :1.33×104Pa 分解能 :1×10-5F.S. 精度 :0.25% Diffusion Pump Rotary Pump 針電極数:13本 針電極 :ステンレス製 直径f4mm 台座 :真鍮製 直径f50mm 針密度 :0.66本/cm2 高圧側 O2 N2 C6H6 エア・ウォーター(株)製 関東化学(株)製 純度:99.5% 純度:99.999% 純度:99%

4 放電回路構成 AC DC A V cosf Digital multimeter 1:500 AC100V 50Hz Slidac
ADVANTEST製 R6441 測定範囲 :ACV200mV~700V ,ACI200mA,10A 精度 :ACV±0.25%,ACI±0.8% サンプリングレート :2.5~90回/秒 1:500 A AC100V 50Hz V cosf Slidac Testing Transformer 東芝製 TYPE 110-A 入力:100V 50/60Hz 出力:1kVA 0~130V MAX10A 東京変圧器(株)製 TYPE T-G-50 入力電圧:100V 出力電圧:50kV 容量:3kVA 周波数:50/60Hz 出力電流:0.06A DC マクセレック(株)製 LS40-10R1 Vmax±40kV, Imax±10mA *電圧・電流測定 電源の電圧・電流出力モニタ用端子を使用 (電圧:1/4000倍 電流:1000倍)

5 実験条件と測定内容 ○実験条件 ガス圧: ○測定内容 全圧 1013hPa 窒素分圧 813hPa (3) 酸素分圧 200hPa (2)
ガス封入順序 針電極極性 電極間隔[cm] 放電電圧[kV] ベンゼン濃度[ppm] 交流 3 実効値17(50Hz) (約1.7~1.8mA ストリーマコロナが発生) 約 40 正極性 24 (約200~600mA ストリーマコロナが発生) 負極性 (約200~300mA グローコロナが発生) ○測定内容 放電後のベンゼン濃度 初期ベンゼン濃度 = ×100[%] 1- 放電電流の時間変化 ベンゼンの分解率(ガス検知管)

6 放電電流の時間変化 数値は分解率 交流コロナ放電は直流コロナ放電に比べ放電電流が大きい

7 分解率の時間変化 ベンゼンはストリーマコロナ発生と同時に分解されはじめる 交流コロナ放電のほうがベンゼン分解率が低い
ストリーマコロナが発生し始める ベンゼンはストリーマコロナ発生と同時に分解されはじめる 交流コロナ放電のほうがベンゼン分解率が低い エネルギー効率(10minまで) 交流:1.3×109 J/mol直流:2.9×108 J/mol 交流コロナ放電の方が直流コロナ放電より分解の効率が悪い (低気圧直流グロー放電[1]:1.4×107 J/mol) [1]佐藤 他 :電学論A ,Vol.122-A pp (2002)

8 放電回路構成の変更 変更点 電流波形及び電圧波形の観測を試みた A Digital multimeter 1:500 cosf V
P1 Digital multimeter 1:500 A AC100V 50Hz cosf V Slidac Testing Transformer P2 変更点 Digital Storage Scope 1kW GND 岩津通信機(株)製 DS-8710 電流波形及び電圧波形の観測を試みた 分解能 :8bit 最高サンプリングレート ::20Mサンプル/sec レンジ :2mV~5v/div 10nsec~50sec/div 帯域制限 :DC~10MHz

9 交流コロナ放電の電流波形 10min 0.5min 電流値 0.34mA 電流値 0.24mA 正の半周期においてストリーマパルスが発生した
交流:電圧17kV(実効値) ベンゼン分圧 40ppm 10min 0.5min 5msec/div 5msec/div 電流値 0.34mA 電流値 0.24mA 正の半周期においてストリーマパルスが発生した 時間の経過とともにストリーマパルスの大きさは減少した エネルギー効率(10minまで) 交流:2.3×108 J/mol (交流1次側:1.3×109 J/mol )

10 ストリーマパルスの電流波形 交流 直流 直流 40ppm 0.5min 40ppm 0.5min 拡大 0ppm 0.5min 255ppm
交流:電圧17kV(実効値) 直流:電圧+24kV 40ppm 0.5min 40ppm 0.5min 交流 直流 0.2msec/div 0.2msec/div 拡大 パルス間隔が ほぼ同じ パルス間隔 0.38msec パルス間隔 0.37msec 直流 0ppm 0.5min 255ppm 0.5min 針電極形状 0.2msec/div 0.2msec/div 電極の各針から発生するストリーマパルスの位相が揃っている パルス間隔 0.31msec パルス間隔 0.48msec パルス間隔が増加

11 堆積物の調査 赤外吸収スペクトル 堆積例 針電極の真下に堆積物が観測された ベンゼンの分解生成物と考えられる
交流:針36本電極 電圧18.5kV(実効値)  直流:針36本電極 電圧26kV  赤外吸収スペクトル 堆積例 SiO,OH2 =CH2(C2H4) CO2 NH CO2 HOH 正極性 ベンゼン濃度 260ppm 負極性 ベンゼン濃度 257ppm 針電極の真下に堆積物が観測された 交流50Hz ベンゼン濃度 255ppm ベンゼンの分解生成物と考えられる

12 まとめ 分解率と放電電流の時間変化 放電電流波形の観測 針対平板間に交流コロナ放電を発生させ,ベンゼンの分解を試みた
ベンゼンはストリーマコロナの発生と同時に分解され始める 交流コロナ放電のベンゼン分解率は直流コロナ放電に比べ低い 交流コロナ放電と直流コロナ放電のベンゼン分解に要するエネルギー効率はほぼ同じであった 放電電流波形の観測 ストリーマコロナの発生に由来するストリーマパルスが観測された ストリーマパルスのパルス間隔はベンゼンの初期濃度の増加に伴い長くなった 電極の各針から発生するストリーマパルスの位相が揃う事が観測された


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