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光干渉計NPOIで測定された 高速自転星アルタイルの 表面輝度分布の非対称性
光赤外干渉計室 大石奈緒子
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abstract 光干渉計NPOIを使ってアルタイルの観測を行った。観測の特徴は, 結果:Altair(3mas)表面の輝度分布が非対称
High resolution (~minimum fringe spacing: 1.7mas) Triple productを含む測定 結果:Altair(3mas)表面の輝度分布が非対称 星表面に明るい点があるとすると良く説明できる 意義: 主系列星表面の輝度分布が周縁減光以外で非一様なことを干渉計観測的に見出した最初の例 非対称性の原因:物理的には重力減光であろう
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目次 光赤外干渉計 光赤外干渉計による高速自転星の観測 私たちの観測 まとめ
Navy Prototype Optical Interferometer Squared Visibility amplitudeと変形 Closure phaseと表面輝度分布 まとめ
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1.光赤外干渉計とは 干渉計:複数の望遠鏡を使って、高い空間分解能を達成する観測装置 1-1. 原理 1-2. 歴史 1-3. 現状
干渉計:複数の望遠鏡を使って、高い空間分解能を達成する観測装置 1-1. 原理 1-2. 歴史 1-3. 現状 1-4. 実際の観測量 ex)星を見た場合
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望遠鏡の分解能 D=10cm 離角: 0.1″ λ=800nm λ/D~1.6″ intensity x
ご存知のように単一開口のPSFはこのようなAiryDiskになります。 横軸が像面の座標で縦軸が光の強度10cmの望遠鏡を使うと、波長800nmで分解能1.6秒になります。 離角が0.1“の連星を見ても、ほとんど分からない。 x
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干渉計の点像分布関数 D: 10cm B: 1m それに対して、干渉計のPSFは、これはFizeau干渉計の絵ですが、このようになります。
包絡線は先ほどの単一開口のAirydiskですが、中に基線長で決まる細かい構造ができます。 10cmの開口を1m離しておくと、10こくらい縞々ができる。
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干渉計の分解能 D: 10cm, B: 1m λ/B=0.1″ I max-I min Imax+I min Visibility=
ちょっと離れたところに光源があると、像の位置がずれて、足し合わせると像の構造が明らかに 単一光源とは異なってくる。光源の大きさと角度によるがこれを分解能といっている。 この縞の明るいところと暗いところの比をビジビリティーと言っていて、 これを測定することによって光源の様子がわかる。今2つの点光源を示しましたが、 光源がおおきくなってくると光源のいろんな位置からくる光が 少しずつずれたところに縞を作るのでそれらが足し合わさってvisibilityが落ちていくことになります。 I max-I min Imax+I min Visibility=
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1-2. 光赤外干渉計の歴史 1868 Fizeau 1920 Michelson & Pease
1956 Hanbury Brown&Twiss(Intensity) 1975 Labeyrie(I2T: direct interference) 1986 MarkIII(direct Michelson) 以降 NPOI, PTI, COAST, IOTA, SUSI, CHARA, MIRA, etc… 2002~3 Keck, VLTI Fizeau これまでの経緯を簡単にまとめると 干渉計の歴史は古く、1868年にFizeauが干渉計を使って小さな光源の大きさを測定できるという アイディアを出しています。 これを実現したのがマイケルソンで1920年にベテルギウスの視直径を測定しています。 しかし、この後は強度干渉計やスペックルなど随分様々な研究が進んだのですが、 波長の短い可視赤外域では遅延量を精密に合わせておくのに技術的な困難があり、 別々の望遠鏡からの光を干渉させるのに成功したのはマイケルソンから実に55年後の 1975年になってからでした。その後1986年にMt. WilsonでMarkIIIという記念碑的な干渉計 が作られ、これで技術的課題がクリアされ、近代的な光干渉計の基礎が確立されました。 5cmの小さな干渉計だったのですが、技術が確立されたということで、この後は この干渉計に関わった人たちが中心となって世界各地で様々な干渉計が作られていく 契機になりました。
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Michelson & Pease (1920) A. Michelson 20ft干渉計:Mt. Wilson F. G. Pease
ベテルギウス他の視直径を測定
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1-2. 光赤外干渉計の歴史 1868 Fizeau 1920 Michelson & Pease
1956 Hanbury Brown&Twiss(Intensity) 1975 Labeyrie(I2T: direct interference) 1986 MarkIII(direct Michelson) 以降 NPOI, PTI, COAST, IOTA, SUSI, CHARA, MIRA, etc… 2002~3 Keck, VLTI これまでの経緯を簡単にまとめると 干渉計の歴史は古く、1868年にFizeauが干渉計を使って小さな光源の大きさを測定できるという アイディアを出しています。 これを実現したのがマイケルソンで1920年にベテルギウスの視直径を測定しています。 しかし、この後は強度干渉計やスペックルなど随分様々な研究が進んだのですが、 波長の短い可視赤外域では遅延量を精密に合わせておくのに技術的な困難があり、 別々の望遠鏡からの光を干渉させるのに成功したのはマイケルソンから実に55年後の 1975年になってからでした。その後1986年にMt. WilsonでMarkIIIという記念碑的な干渉計 が作られ、これで技術的課題がクリアされ、近代的な光干渉計の基礎が確立されました。 5cmの小さな干渉計だったのですが、技術が確立されたということで、この後は この干渉計に関わった人たちが中心となって世界各地で様々な干渉計が作られていく 契機になりました。
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技術の確立:MarkIII(1986-1988) 1982~Mt.Wilson (NRL, SAO, MIT, USNO)
(1979 MarkI, ~4 MarkII) 1982~Mt.Wilson (NRL, SAO, MIT, USNO) Shao, Colavita, Simon, et. al. Michelson型(1次元検出器) 遅延線の分離、真空化 tip-tilt制御 高効率の検出器 検出器の乗った台ごと引っ張っていて苦労していたのですが、 遅延変化による可動部分をキャッツアイにして検出器とかと分離したのがひとつの画期的な点。 もう一つ画期的だったのは、Michelson 1次元 あとはきちんとtiltを補正するとか高効率の検出器を使うとかいろいろちゃんと作った。
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Projected Baseline delay 望遠鏡 Beam Combiner 遅延線
望遠鏡から検出器に光を導くというのは同じ。かなり違う部分は、遅延線が必要なこと。 電波と違って可視では直接干渉が雑音に強い。その場で常に波面の位置を合わせていないといけない。 絵でいうと、平行平面波の当位相面上の光実効的な基線長に 望遠鏡 Beam Combiner 遅延線
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1-3. 世界の干渉計の現状
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Navy Prototype Optical Interferometer Diameter: 50cm(eff:13cm), Baseline: 430m Astrometry, Imaging;multi-baseline (6) and multi-channel (32) Stellar diameter, Limb darkening, etc…
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CHARA Diameter: 1m, Baseline: 400m
Target: Stellar diameter, Limb darkening, Cepheid, etc… S1 S2 W2 W1 330m 先月330mでフリンジを記録しています。PTIが赤外で110mだったのを一気に桁をあげてきました。 E2 E1
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Keck Diameter: 10m, Baseline: 100m, λ:J, H, K, L, M, N
target:Hot Jupitar, T Tauri, Herbig Ae/Be Be stars, Mira variables, AGN, Supernovae
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VLTI Diameter: 8m, baseline 220m Target: AGN, Exo-Zodiacal Light,
近赤、中間赤外 Diameter: 8m, baseline 220m Target: AGN, Exo-Zodiacal Light, Be stars , Wolf-Rayet stars, Post AGB stars
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Science 基本は星の視直径(UD, LD)、連星軌道の測定
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1-4. 干渉計の観測量 Visibility V(kB)=∫I(x)exp[-ikBx]dx/∫I(x)dx
光源の強度分布のフーリエ変換 Triple product(3角形をつくる3基線のVの積) VTP=|V1|exp[-if1] |V2|exp[-if2] |V3|exp[-if3] Closure phase fc=f1+f2+f3 :大気の影響を受けない
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一様円盤の場合 visibility the first zero or the first minimum baseline[m]
観測波長800nm、円盤の大きさ3.2masの場合
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Uniform disk model and Limb darkening model
Squared visibility amplitude UD LD 星表面の構造は、first zeroを超える分解能がないと良く分からない
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目次 1. 干渉計とは 2. 干渉計による高速自転星の観測 3. 私たちの観測 4. まとめ
Navy Prototype Optical Interferometer Squared Visibility amplitudeと変形 Closure phaseと表面輝度分布 4. まとめ
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星の自転と変形、重力減光 Roche model(質点、一様回転) 変形 表面輝度分布 -赤道付近の温度が低くなる →重力減光
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これまでの観測 1. (Altair) A7の主系列星:単独星 v sin i =190~250km/sの高速自転星
PTIで扁平になっていることが 観測された (ApJ van Belle et al. 2001)
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これまでの観測 2. (Achernar) A&A, Domiciano de Souza et al. (2003)
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目次 1. 干渉計とは 2. 干渉計による高速自転星の観測 3. 私たちの観測 4. まとめ
Navy Prototype Optical Interferometer Squared Visibility amplitudeと変形 Closure phaseと表面輝度分布 4. まとめ
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Navy Prototype Optical Interferometer
AN AW W7 AC AE
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観測 2001/5/25, 26, 27, 6/1の4晩 (T. E. Nordgren) Altair(aAql)と比較星Vega(aLyr)を測定 較正星は z Aql 各晩2時間程度、位置角は4度から8度程度しか回らない。 データ数:19scans ×(17~19channels) =1,738
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各基線で測定されたV2 Vega Limb darkening model(T=9500K,logg=4.0)が良くあう
c2=7.5(LD), c2=17.2(UD) 点線UD 実線LD Altair LDもUDもあまり良く合わない。特にOB3。 c2=150(LD), c2=154(UD)
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一様楕円仮定の場合の扁平の確認
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Non-zero/p closure phase
Vega Altair 小さな明るい領域が星の表面にある。
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LD円盤上に明るい点 { } パラメタ Ib=4.7%, rs=3.38mas, c2=7.2 位置は1次元的にしか決まらない
V(k)=(1-Ib) Ibexp[-ikBprbcos(qp-qb)] J1(kBprs) kBprs { } パラメタ Ib=4.7%, rs=3.38mas, c2=7.2 位置は1次元的にしか決まらない →qpがあまり回らず、 rbcos(qp-qb)内のrb,qb独立に決まらない 独立な基線の位相が測定できれば、よく決まりそう。
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LD+明るい点の物理的意味 高速回転を考えると、重力減光の極 Roche modelのパラメタ 5つ (W, R, i, q, b)
先ほどのモデルパラメタ (4つ Ib, rs, rb, qb) Roche modelのパラメタ 5つ (W, R, i, q, b) LD円盤を楕円にして扁平率を取り入れてみる (Ib, a, b, rb, qb)
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楕円LD+明るい点モデル { } V(k)=(1-Ib) +Ibexp[-ikBprbcos(qp-qb)] J1(kBprs) kBprs
{ } 扁平率があまりよく決まらず、c2=7.0もあまり改善しない Ib固定での 最適解 a=3.29, b=3.77, rb=0.36, qb=9°
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LD+明るい点 model 楕円体モデルの最適解から sin i=0.58, i=35°
Vc=430km/s, Vc×0.58=250km/s, vsini=190~250km/s
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モデルの輝度分布
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4. まとめ 光干渉計NPOIを使ってアルタイルの観測を行った。観測の特徴は, 結果:Altair(3mas)表面の輝度分布が非対称
High resolution (~minimum fringe spacing: 1.7mas) Triple productを含む測定 結果:Altair(3mas)表面の輝度分布が非対称 星表面に明るい点があるとすると良く説明できる 意義: 主系列星表面の輝度分布が周縁減光以外で非一様なことを干渉計観測的に見出した最初の例 非対称性の原因:物理的には重力減光であろう
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