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ミルはなぜ後退したのか ―新古典派革命の起源に関するインターナリストの一視点―
ミルはなぜ後退したのか ―新古典派革命の起源に関するインターナリストの一視点― 塩沢由典 塩沢由典
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新古典派革命とは何だったのか 新古典派経済学の特徴づけに依存 イギリスと大陸 ジェヴォンズとマーシャル
限界革命主観価値説(効用学説)需要理論 どれも一面を突いているが、中核をなすものか。 イギリスと大陸 大陸には古典派経済学は成立しなかった? ジェヴォンズとマーシャル ジェヴォンズ (19世紀主観価値説の再述) マーシャル: スミス、ミルを研究、生産費説を需給均衡論に包摂(平井俊顕のまとめ) 塩沢由典
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生産費説と需要供給均衡理論 J.R. Hicksの見解 生産の理論と生産費説 J.S. Millの経済学
PlutologyからCatallacticsへ(松嶋敦茂、平井俊顕) 生産の学から交換の学へ 産業資本主義>>商業資本主義への逆行? 生産の理論と生産費説 生産費説は、資本主義的生産企業を前提 厳密にこれで一本化されたのはD. Ricardoのみ J.S. Millの経済学 日本では、あまり研究されていない?(方法論などを除く) マルクスのJ.S.ミル評価(俗流経済学への道)が関係か 塩沢由典
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ミルの転換点/経済学の転換点 J.S. Mill 1844試論集、1848原理 原理では2箇所
「前にあり、この法則がそこから流れ出たもの、すなわち需要供給の法則に立ち戻らなければならない」 原理では2箇所 第3篇第16章 結合生産の場合 第3篇第18章 国際貿易 これがマーシャルやエッジワースの新古典派理論に繋がった。 マルクスは正しかった? しかし、マルクス後も明確な指摘なし。 塩沢由典
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新古典派経済学者への影響 エッジワースのボックス・ダイヤグラム ジェボンズ マーシャルの国際価値論 「交易団体」という用語以外、関係性希薄。
The Pure Theory of Foreign Trade(1879) Industry and Trade (1919) 第1篇 (原理的考察はない?) Money, Credit and Commerce (1923) 第3篇、付録H、J ミル相互需要説のグラフ化 エッジワースのボックス・ダイヤグラム 2者が所与の財をもって交換交渉に望む 塩沢由典
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エッジワースのボックス・ダイヤグラム(簡単例)
Bの第財所有量 Aの第1財所有量
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2国2財の世界生産可能線 P1 第2領域 価格変動帯 Px K (生産量固定) P2 第1領域 O 第2財(毛織物) 第1財 (葡萄酒)
E国生産線 O 第1財 (葡萄酒)
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リカード貿易理論の最小モデル 財3 U 領域 2 T V O S 財2 領域 3 領域 1 R 財1 Q 内部端点は存在しない。
E1 E2 領域 3 領域 1 R 内部端点は存在しない。 稜線の上でも、価格変化 は生産量調節の効果なし。 財1 Q
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リカード貿易問題:J.S. ミルの「解決」 J.S. ミルはどう取り組んだか ミルが追い込まれた立場 現在の貿易理論家たちも気づいていない。
2国2財、端点を考えた。(第1図 K点) 交易条件が未確定 解決需要条件が交易条件(交換価格)を決める。 ミルが追い込まれた立場 国際価値: 生産費で説明できない重要状況 交換経済交換の経済学 現在の貿易理論家たちも気づいていない。 端点を求めて価格を決定しようとしている。(バラダイム) 塩沢由典
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「解決」の論理的帰結(J.S.ミルの価値論)
生産費説か需要供給説か ミルの立場(自己了解) リカードに忠実であろうとした。 基本は生産費説、しかし生産費で説明できないことがある。例:作者の死んだ芸術作品 ここまではリカードと同じ。 しかし、ひじょうに重要なところで生産費説を貫けなかった。国際価値論 より一般な需要供給説へ 塩沢由典
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(まとめ)なぜ新古典派革命がおこったか 古典派価値論の「欠けた環」 若きJ.S.ミルの奮闘 生産の学から交換の学へ 国際価値論
リカード、マルクス問題の所在を確認 若きJ.S.ミルの奮闘 気づくことなく、「交換の経済学」に追い込まれた。 重要領域で、生産費説を引き下げざるを得なった。 生産の学から交換の学へ 塩沢由典
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国際価値論(国際貿易論)の流れ D. Ricardo J.S. Mill (相互需要論)の流れ もう一つの流れ
魔法の4数字、原型理解と変形理解(行澤健三) J.S. Mill (相互需要論)の流れ Marshall, Edgeworth (19世紀末) Viner, Haberler, Ohlin (20世紀前半) Samuelson HOS理論 (20世紀後半) もう一つの流れ Senior, Sidgwick (19世紀) Graham (20世紀前半) > (McKenzie, Jones) 塩沢由典 塩沢由典 12
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塩沢の2論文 塩沢(2007) Shiozawa(2007) 塩沢(2014) 意義 M国N財、投入財貿易
理論の再構成、学説史上の意義、証明の厳格化 Cf. 田淵太一氏の書評(『経済学雑誌』2015.3) 意義 古典派価値論に対応する国際価値論の構築 有効需要理論(失業を含む)への接合 塩沢由典
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国内価値論との関係 価値論 古典派価値論の現代的展開 生産費説ではあるが、労働価値説ではない。 「各国の賃金率がどう決まるか」が要訣
価値論 生産費説ではあるが、労働価値説ではない。 「各国の賃金率がどう決まるか」が要訣 フルコスト原理の採用が国際価値論成立の要件 Oxford経済調査、P.Sraffa 1960(後出) 古典派価値論の現代的展開 藤本隆宏 現場派経営学、全部直接原価計算 『経済学を再建する』提案編第3章・第4章 塩沢由典 塩沢由典 14
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文献等 松嶋敦茂1998『現代経済学史』名古屋大学出版会
平井俊顕2014「イギリス経済学の流れ」 塩沢由典2007「リカード貿易問題の新構成」『経済学雑誌』107(4):1-61. Shiozawa, Y.2007A New Construction of Ricardian Trade Theory, EIER 3(2): 塩沢由典2014『リカード貿易問題の最終解決』岩波書店 塩沢由典・有賀裕二2014『経済学を再建する』中央大学出版部 塩沢由典
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ありがとうございました。 ご意見・疑問・質問を歓迎します。 塩沢由典
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