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「アセスメント」とは? B チーム支援ガイド Bー2 宮城県総合教育センター

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Presentation on theme: "「アセスメント」とは? B チーム支援ガイド Bー2 宮城県総合教育センター"— Presentation transcript:

1 「アセスメント」とは? B チーム支援ガイド Bー2 宮城県総合教育センター
B チーム支援ガイド Bー2 「アセスメント」とは?  チーム支援を促進するための研修として,「B-2 『アセスメント』とは?」を始めます。  今回のねらいは,アセスメントの重要性を理解するとともに,アセスメントの方法を知ることです。  宮城県総合教育センター

2 アセスメントとは  アセスメントは,「見立て」とも言われ,解決すべき問題や課題のある事例(事象)の家族や地域,関係者などの情報から,なぜそのような状態に至 ったのか,児童生徒の示す行動の背景や要因を,情報を収集して系統的に分析し,明らかにするものである。  文部科学省の生徒指導提要では,「アセスメント」はこのように示されています。  「アセスメントは,『見立て』とも言われ,解決すべき問題や課題のある事例(事象)の家族や地域,関係者などの情報から,なぜそのような状態に至ったのか,児童生徒の示す行動の背景や要因を,情報を収集して系統的に分析し,明らかにするものである。」とあります。 文部科学省「生徒指導提要」(H22)  宮城県総合教育センター

3 アセスメントとは  「アセスメント」は,「氷山」に例えられることがあります。  宮城県総合教育センター

4 アセスメントとは 人の行動 宮城県総合教育センター
 表面的な事実だけで「人の行動」を見ることは,水面上に表れている「氷山の一角」だけを見ることと同じです。  宮城県総合教育センター

5 アセスメントとは 人の行動 意識しないと見えないわ… ・行動の背景 ・人の特性 ・周りの環境 宮城県総合教育センター
 「人の行動」には,行動に至るまでの「背景」や「人の特性」,「周りの環境」が関係しており,通常水面下に隠れている部分で,意識しないと見えない部分になります。  宮城県総合教育センター

6 アセスメントとは アセスメント 見えない部分だからこそ,系統的に分析して,明らかにしていきましょう。 人の行動 ・行動の背景 ・人の特性
・周りの環境  この見えない部分も含めて,その人について理解し,分析することが「アセスメント」では大事になります。  宮城県総合教育センター

7 行動のみを見た「アセスメント」をした場合
いつまで学校を休む気だ。早く来なさい!  表面に現れた行動のみを見て「アセスメント」した場合と,行動の裏に隠れている背景を見た上で「アセスメント」した場合では,支援の方法が違ってきます。1つの例で見ていきます。  宮城県総合教育センター

8 行動のみを見た「アセスメント」をした場合
家でゲームばかりしている。 行動 怠けて遊んでいる。 叱って行動を正そう。 アセスメント  学校を休んで,家でゲームばかりしている児童生徒がいます。そんな児童生徒の行動のみを見てアセスメントを行い,支援の方法を考えると,「怠けて遊んでいる」。だから,「叱って行動を正そう」,「早く学校に来ないと勉強が遅れるよ」と声を掛けるようになります。 「早く学校に来ないと勉強が遅れるよ」 と声をかける。 教職員の 対応  宮城県総合教育センター

9 背景も明らかにして「アセスメント」をした場合
友達から話を聞いてきたよ。 興味のあることはやった方がいいね!  一方,学校を休んで,家でゲームばかりしているという行動の裏に隠れている背景なども明らかにして,「アセスメント」をした場合について見てみます。  宮城県総合教育センター

10 背景も明らかにして「アセスメント」をした場合
家でゲームばかりしている。 行動 行動の裏に隠れている背景などを明らかにする。  ①児童生徒は,最近同じ学級の友達2人から   無視されていた事実があった。  ②その友達2人の存在がすごく気になる。  ③周りの目も気になる。 彼は友達とトラブルがあり,悩んだ末,学校に来ることが怖くなってしまった。そのことを,認めたくなくてゲームに逃げてしまっているが,不安な気持ちは変わらず,誰にも相談できない。 アセスメント  明らかになった背景は,以下の3点です。  ①児童生徒は,最近同じ学級の友達2人から無視されていた事実があった。  ②その友達2人の存在がすごく気になる。  ③周りの目も気になる。  このように行動の裏に隠れている背景を明らかにしてから「アセスメント」を行うと,「アセスメント」の内容は,例えば,「彼は友達とトラブルがあり,悩んだ末,学校に来ることが怖くなってしまった。そのことを,認めたくなくてゲームに逃げてしまっているが,不安な気持ちは変わらず,誰にも相談することもできないまま,登校できずにいる。」となります。すると,その後の支援の方法は,叱る前に,本人の気持ちをゆっくり聞き理解することや,周りの友達から事情を聞くことなどになります。その後,これからどうしていけばよいのか,一緒に考えていくことになります。 本人の気持ちをゆっくり聞き理解することや,周りの友達から事情を聞く。 教職員の 対応  宮城県総合教育センター

11 アセスメントとは 支援の方法が変わる 宮城県総合教育センター
 このように,表面に現れた行動のみを見て「アセスメント」を行った場合と,行動の裏に隠れている背景を見た上で「アセスメント」を行った場合では,明らかにその後の支援の方法が違ってきます。 支援の方法が変わる  宮城県総合教育センター

12 アセスメントとは 不登校児童生徒の行動が変容 宮城県総合教育センター
 表面的な“ゲームをしている”ことだけしか見ず,叱ってしまえば,児童生徒は「何も分かっていない」と思うばかりで,反抗的な態度をとったり,心を閉ざしたりする可能性が高くなります。  児童生徒の立場になり,気持ちを理解した上で,これからのことを考えていくことで,行動変容の可能性が高くなります。  宮城県総合教育センター

13 詳しくは,「B-3『チーム会議』の方法とは?」参照
アセスメントのポイント 児童生徒に関する情報を集め, 情報を共有をすることが大切 「情報共有」 ↓   「アセスメント」 「プランニング」  実際にアセスメントを行うときに大切なことは,情報共有をしっかり行うことです。何が大切な情報になるか分かりませんので,できるだけ多くの立場の人から児童生徒に関する情報を集め,その情報を共有することが大切です。情報共有した上でアセスメントを行い,プランニングをするという流れが重要になります。「情報共有」「アセスメント」「プランニング」この3つの流れを是非頭に入れてほしいと思います。情報共有,プランニングを含めたチーム会議の方法については,「B-3 『チーム会議』の方法とは?」をご覧ください。 詳しくは,「B-3『チーム会議』の方法とは?」参照  宮城県総合教育センター

14 アセスメントの方法 1 情報の中から,「児童生徒の困って いること」を全て見付け,その中か ら優先順位を決め,3つ選ぶ。
1 情報の中から,「児童生徒の困って   いること」を全て見付け,その中か   ら優先順位を決め,3つ選ぶ。 2 困っていることが,なぜそのような   状態に至ったのか,背景・要因から   探る。   ※行動の背景,児童生徒の特性,    周りの環境 など 3 支援の手掛かりになる強みを探す。  実際のチーム会議では,情報収集を行い,共有したら,3つの段階に即して「アセスメント」を行っていきます。  1段階目は,情報の中から児童生徒の「困っていること」を全て見付け,その中から早急に対応しなければならない「困っていること」の優先順位を決め,3つ選ぶことです。  2段階目は,1段階目で選んだ「困っていること」について,なぜそのような状態に至ったのか,背景や要因を探ることです。  3段階目は,本人の良いところや強み,支援につながる本人を取り巻く人やモノを探すことで,プランニングにつなげていきます。  宮城県総合教育センター

15 1 困っていることを確認する 1 情報の中から,「児童生徒の困って いること」を全て見付け,その中か ら優先順位を決め,3つ選ぶ。
1 困っていることを確認する 1 情報の中から,「児童生徒の困って   いること」を全て見付け,その中か   ら優先順位を決め,3つ選ぶ。 2 困っていることが,なぜそのような   状態に至ったのか,背景・要因を探   る。   ※行動の背景,児童生徒の特性,    周りの環境  など 3 支援の手掛かりになる強みを探す。  1段階目は,情報の中から,児童生徒の立場になって,「困っている。苦しんでいる」と思われることを見付けます。例えば,「集団行動を嫌がるようになった」「学校を休んでいる」「腹痛を訴える」などです。  宮城県総合教育センター

16 1 困っていることの見付け方 (1) 生命・身体の危険に関する 情報 (2) 児童生徒のプレッシャーに なっている情報
1 困っていることの見付け方 (1) 生命・身体の危険に関する    情報 (2) 児童生徒のプレッシャーに    なっている情報 (3) 児童生徒の過剰反応の情報  「困っていること」を見付ける際は, 「(1)生命・身体の危険に関する情報」 「(2)児童生徒のプレッシャーになっている情報」 「(3)児童生徒の過剰反応による行動の情報」 の3つの観点から探します。  「児童生徒の過剰反応の情報」とは,良い状態のときには現れないと考えられる不穏な行動のことです。例えば,「表情が暗い」「孤立する」「大きな声を出す」「友達に攻撃的になる」などの行動で,周囲から「あれ!おかしいなぁ」などと思われてしまうような行動のことです。  このように,情報の中から「困っていること」を全て見付けます。 児童生徒の困っていることを困っているがゆえの行動と捉えて,系統的に分析し,優先順位を決めていきましょう。  宮城県総合教育センター

17 1 困っていることを確認する 1 情報の中から,「児童生徒の困って いること」を全て見付け,その中か ら優先順位を決め,3つ選ぶ。
1 困っていることを確認する 1 情報の中から,「児童生徒の困って   いること」を全て見付け,その中か   ら優先順位を決め,3つ選ぶ。 2 困っていることが,なぜそのような   状態に至ったのか,背景・要因を探   る。   ※行動の背景,児童生徒の特性,    周りの環境  など 3 支援の手掛かりになる強みを探す。  「困っていること」を全て見付けたら,この中から早急に対応しなければならない「困っていること」の優先順位を決め,3つ選びます。  宮城県総合教育センター

18 2 背景・要因を探る 1 情報の中から,「児童生徒の困って いること」を全て見付け,その中か ら優先順位を決め,3つ選ぶ。
2 背景・要因を探る 1 情報の中から,「児童生徒の困って   いること」を全て見付け,その中か   ら優先順位を決め,3つ選ぶ。 2 困っていることが,なぜそのような   状態に至ったのか,背景・要因を探   る。   ※行動の背景,児童生徒の特性,    周りの環境  など 3 支援の手掛かりになる強みを探す。  2段階目は,選んだ3つの「困っていること」が,なぜそのような状態に至ったのか,「背景・要因」を探ることです。その際は,「行動の背景」や「児童生徒の特性」,「周りの環境」などを系統的に見取り,明らかにしていきます。  宮城県総合教育センター

19 3 強みを探す 1 情報の中から,「児童生徒の困って いること」を全て見付け,その中か ら優先順位を決め,3つ選ぶ。
3 強みを探す 1 情報の中から,「児童生徒の困って   いること」を全て見付け,その中か   ら優先順位を決め,3つ選ぶ。 2 困っていることが,なぜそのような   状態に至ったのか,背景・要因を探   る。   ※行動の背景,児童生徒の特性,    周りの環境  など 3 支援の手掛かりになる強みを探す。  3段階目は,支援の手掛かりになる「強み」を探します。  宮城県総合教育センター

20 3 強みを探す 問題! 原因! 宮城県総合教育センター
3 強みを探す 問題!  これまでは,不登校の支援というと,「問題」や「原因」を追及してしまいがちでした。しかし,問題の背景には多くの要因が複雑に絡み合っていることが珍しくなく,いくら問題を分析し,原因を究明しても,問題の解決に至らないことが多くありました。 原因!  宮城県総合教育センター

21 3 強みを探す その子が現に持っている「強み」 宮城県総合教育センター
3 強みを探す  本来,誰もが望むことは「解決」ではないでしょうか?つまり,安心・安全な教育環境を構築できる学校で,子供たちが夢を実現するための準備をしながら,毎日楽しく過ごす子供の姿を望んでいるはずです。  「解決」を目指すためには,児童生徒が既に持っている「強み」をプランニングに生かすことが重要になってきます。 その子が現に持っている「強み」  宮城県総合教育センター

22 3 強みを探す 強み 長所 頑張っていること 趣味・特技 本人を取り巻く人やモノ など
3 強みを探す 強み 長所 頑張っていること 趣味・特技 本人を取り巻く人やモノ          など 不登校の支援においては,「できないこと」を「できるようにする」という考えだけでなく,「できていること」をより生かしていくという考えこそ重要です。  「強み」とは,児童生徒の長所,頑張っていること,好きなこと,趣味・特技などのことです。また,支援につながる本人を取り巻く人やモノも「強み」になります。  不登校の支援においては,「できないこと」を「できるようにする」という考えだけでなく,「できていること」をより生かしていくという考えこそ重要です。児童生徒が既に持っている「強み」を生かして具体的な支援目標を立て,支援につなげていきます。  宮城県総合教育センター

23 研修のまとめ 「アセスメント」とは? 不登校支援では,アセスメントが重要である。
B チーム支援ガイド Bー2 不登校支援では,アセスメントが重要である。 アセスメントでは,困っていることを確認した上で,支援の手掛かりになる強みを探す。 研修のまとめ  今回の研修のまとめです。  1点目は「不登校支援では,アセスメントが重要である」ということです。行動の裏に隠れている背景を意識して見た上で,「アセスメント」することによって,支援の方法は確実に違ってきます。  2点目は「アセスメントでは,困っていることを確認した上で,支援の手掛かりになる強みを探す」ということです。不登校の支援においては,「できないこと」を「できるようにする」という考えだけでなく,「できていること」をより生かしていくという考えこそ重要です。児童生徒の持つ「強み」を生かして具体的な支援目標を立て,支援につなげていきます。  以上で,チーム支援を促進するための研修「『アセスメント』とは?」を終わります。  宮城県総合教育センター


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