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環オホーツク圏の海洋鉄循環シミュレーションと次期スパコンへの移行

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1 環オホーツク圏の海洋鉄循環シミュレーションと次期スパコンへの移行
EX18103 (北海道大学情報基盤センター推薦課題) 中村知裕 (北海道大学 低温科学研究所) 環オホーツク圏の海洋鉄循環シミュレーションと次期スパコンへの移行 概要 「鉄」は海洋における生物基礎生産の主な制限要因の一つだが、観測が限られている。この鉄のシミュレーションを、環オホーツク圏に注目して行う。そのために次期スパコンへの移行と高速化を検討する。 研究組織   ・代表者:中村知裕(北海道大学・低温科学研究所)   ・分担者:岩下武史(北海道大学・情報基盤センター)         三寺史夫(北海道大学・低温科学研究所)         西川はつみ(北海道大学・低温科学研究所)         中野渡拓也(国立極地研究所) 研究目的   【背景】 環オホーツク圏では「鉄」が豊富なおかげで、世界最大規模の     生物基礎生産が生じている。高い基礎生産は、食物連鎖を通し豊富な     水産資源の基礎となり、CO2の海洋内貯留など炭素循環にも重要な役     割を果たす。「鉄」が豊富な理由は、海洋循環によってアムール川河口     やオホーツク海陸棚域から輸送されるためである(論文リスト1;2)。これ     ら海水の循環・物質循環・基礎生産には、数年から数十年の変動も生じ      ている(3;4)。しかし鉄は観測データが少なく、鉄以外も長期変動は観測     地点が限られている。   【目的1】 このように、環オホーツク圏では科学的に興味深く社会的に重要な気候・環境の形成とそれらの長期変動が生じており、これらのより良い     理解と]予測が望まれている。我々は鉄(栄養物質)循環の数値シミュレーションによる再現、そして鉄循環の形成と変動の要因解明を目指している。   【目的2】 加えて、北海道大学情報基盤センターでは、今年度に大型計算機の更新が予定されている。そこで、上記モデルの開発と効率的な計算     を進めるため、次期スパコンへの移植を行い、そこでの簡単な高速化チューニングを検討する。 計画・方法  (1)鉄循環シミュレーションについて    【これまで】 比較的解像度の粗いモデルで、気候学的(平均的)な季節変動のシミュレーションおよび経年変動シミュレーションを実施(1, 2)       → 環オホーツク圏の鉄収支には、移流による海洋輸送が重要であることが明らかに。    【現在】 高解像度北太平洋モデルを用いて気候学的な季節変動を再現し、その解析を行おうと開発・改善中。        ←移流が重要と判明したので、          ・流れの詳細構造を解像し移流を改善するため「高解像度化」し、          ・輸送先と輸送元を含めるため「モデル領域を北太平洋全域に拡大」         (これまでに、主要な鉄のソースである陸棚域での鉄供給量、および          主要な鉄のシンクである凝集等による沈降(スキャヴェンジング)に関する感度実験と調節を行った。    【本共同研究では】 表層の鉄濃度を決めるもう一つの主要因である「潮汐の効果」を組み込む。    【潮汐による鉛直混合】 これは、環オホーツク圏の気候学的な鉄・栄養物質循環の形成を理解する上で欠かせない。潮汐に伴う流れは、千島      列島域などで非常に強い。強い潮流が列島域の海底山脈上を駆け上り駆け下ると、海中の密度成層が上下に揺らされ波が励起される(内部      重力波と内部地形性捕捉波)。これらの波は、砕波や鉛直シアーの形成を通し、激しい鉛直混合を引き起こす(5)。それによって鉄や栄養物質が、      日光の届かない下層から海面近くの有光層へと鉛直に輸送され、生物基礎生産に使えるようになる。加えて、潮汐を引き起こす力(起潮力)は      約18年周期で有意に振動しているので、長期変動の再現と理解にも潮汐混合の効果は重要と考えられている。    【潮汐による鉛直混合のモデル化】 しかしながら、潮汐が鉛直混合を引き起こす過程は複雑で、その分布は未だよく分かっていない。そのため      従来、潮汐による鉛直混合はパラメタリゼーションでいささか恣意的に与えられてきた。これを抜本的に解決するため、本研究では、潮汐モデルを      組み込み、潮汐自体をモデル内で計算する。すなわち、鉛直混合を起潮力から計算して物質循環を駆動するという、これまでに無い、より現実に      即したモデルを開発する。これによって、鉛直混合の分布が現実的になると共に、潮汐混合の経年変動も現実的に計算できると期待される。  (2)移植と高速化について    【移植】 先ず、今年12月に稼働予定の次期スパコンへ、上記の鉄循環モデルを移植する。       ベースとなった海洋大循環モデルはx86系のプロセッサーで動かした実績があるが、鉄循環モデルおよび環オホーツク圏を対象とするために      コードを変更した後はx86系で動かしたことがない。そのため、コードも一部見直す必要があるかもしれない。その場合は結果が問題ない範囲で      一致するかも含めて検討する。    【高速化】 次に、高速化について検討する。ただし最大でも4ヶ月なので、以下の簡単に検討できる所からはじめ、本格的な高速化チューニングは      必要なら次年度以降に行う。       (2-2-1) 効率的に計算を行える設定を探すため、下記等について、様々なケースを試す。          ・オプション(コンパイル・オプションや、あればハイパースレッディングや通信のオプション)          ・使用するノード数、領域分割数(MPIプロセス数)、自動並列の利用とスレッド数       (2-2-2) 特に計算時間が掛かっている場所があれば、その特定を試みる。 海洋表層の鉄濃度(10月) 感度実験の結果 論文リスト(全て査読付国際学術誌) 1) Nakanowatari, T., T. Nakamura, et al., 2017, Journal of Geophysical Research, 122, 2) Uchimoto, K., T. Nakamura et al., 2014, Progress in Oceanography, 126, 3) Nakanowatari, T., T. Nakamura, et al., 2015, Journal of Climate, 28, 4) Matsuda, J., H. Mitsudera, T. Nakamura, et al., 2015, Journal of Geophysical Research, 120, 5) Abe, S. and T. Nakamura, 2013, Journal of Geophysical Research, 118,


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