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ネットワーク時代を正しく生き抜くためのネットワークリテラシー

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Presentation on theme: "ネットワーク時代を正しく生き抜くためのネットワークリテラシー"— Presentation transcript:

1 ネットワーク時代を正しく生き抜くためのネットワークリテラシー
財団法人コンピュータ教育開発センター(CEC)    平成18年度 産業協力情報授業 ネットワーク時代を正しく生き抜くためのネットワークリテラシー なら情報セキュリティ総合研究所 日置慎治

2 目標 インターネットは地球規模のネットワークである。
今やパソコンやサーバ等のコンピュータだけでなく、 携帯電話や一般の電話までもがインターネットに繋がる時代になった。 上記のような通信機器だけでなく、家電製品までもがインターネットに繋がろうとしている。 このようなネットワークはどのような仕組みで動いているのだろうか。 これからの時代はネットワークのことを知り、 それを活用できることが大切である。 (ネットワークリテラシー) ネットワークの仕組を実習の要素を取り入れながら理解していくことがこの授業の目標である。

3 インターネット:歴史と仕組み 歴史 仕組み 戦争(米ソの冷戦)がインターネットを作った。 世界で唯一のIPアドレス

4 歴史(1) スプートニックショック! 1957年 ソ連が世界初の人工衛星「スプートニック」の打ち上げに成功
1957年 ソ連が世界初の人工衛星「スプートニック」の打ち上げに成功 世界一だと信じていたアメリカの科学技術だが、実はソ連も同等かもしくはそれ以上の高い科学技術力を持つことを知りショックを受ける.  → 「スプートニックショック」 衛星を打ち上げるだけの科学技術力があればソ連に核爆弾落とされるかもしれない。  →  「なんとかしなければ」

5 歴史(2) 障害に強いネットワーク 障害に強い 実験的なARPANETが インターネットに発展した 障害に弱い 中央集権型 分散型 マザー
中央にマザーコンピュータ 実験的なARPANETが    インターネットに発展した 障害に弱い

6 ルーターが大切な役割を担う ルーターがパケットを自律的に配送 インターネットの発展のためにはルーターが不可欠

7 ところでコンピュータが 作られた背景は? 戦争 インターネット コンピュータも! 1946年実際の弾よりも速く弾道計算ができるENIAC完成
 戦争 インターネット コンピュータも! 1946年実際の弾よりも速く弾道計算ができるENIAC完成 その後も米国はASCI計画を推し進め、スーパーコンピュータ分野で日本とともに世界をリードしていく・・・ ASCI計画では、原爆実験などを計算機で数値的に行うことにより環境破壊などがないことを利点としている

8 ビット 「ビット」については、すでに、習っているはず!
3本の指で数えることのできる数は「1から3まで」ではなくて「1から8までだ」という人がいる、その理由は? コンピュータの理解に欠かせない2進数(ビット) ビットの計算ができないとこの授業についていけない!

9 3本の指で数えることのできる数は 1から8まで 3本の指の状態を、上向き(↑)下向き(↓)で表現すると、以下の8通り考えられる。 ↓ ↓ ↓、 ↓ ↓ ↑ 、 ↓ ↑ ↓、 ↓ ↑ ↑ ↑ ↓ ↓、 ↑ ↓ ↑ 、 ↑ ↑ ↓、 ↑ ↑ ↑ 矢印を0と1に置き換えても同じことなので、  000 , 001 , 010 , 011  100 , 101 , 110 , 111 このように3桁の0と1の表現のことを 3桁2進数あるいは3ビットと呼ぶ。

10 4ビットで表現できるのは何通り? 0000 、 0001 、 ・・・と順に書いてみよう!
0000 、 0001 、 ・・・と順に書いてみよう! 0000 、 0001 、 0010 、 0011 0100 、 0101 、 0110 、 0111 1000 、 1001 、 1010 、 1011 1100 、 1101 、 1110 、 1111 16通りですね!

11 ビットで表現できる数の種類 1ビットなら 0,1 の2種類 2ビットなら00,01,10,11の4種類
1ビットなら 0,1 の2種類 2ビットなら00,01,10,11の4種類 3ビットなら000,001,010,011        100,101,110,111 の8種類  ・・・・・・・・・ 8ビットなら00000000から 11111111の256種類 8ビットで0から順に書いてみよう!(後で) Nビットなら2N種類・・・わかるかな?

12 2進数と10進数の変換 8 4 2 1 4ビット(4桁2進数)と10進数の対応は
0000=0、0001=1、0010=2、0011=3 0100=4、0101=5、0110=6、0111=7 ・・・ 1000=8   ・・・          1111=15 の位が0か1か 0101なら4と1の位が1なので4+1=5と計算

13 8ビット:各桁 8ビット2進数 10進数 00000001 00000010 00000100 00001000 00010000 16 00100000 32 01000000 64 10000000 128

14 8ビット: 2進数から10進数への変換 2進数から10進数への変換は前表を使い 桁ごとに分解すれば簡単! 00000011→3
    00000011→3 つまり、2が1つと、1が1つで合わせて3 00000011→3 同様に     01010101       →64+16+4+1=85 最大は11111111→255 1の位 2の位 64の位 16の位 4の位 1の位

15 8ビット: 10進数から2進数への変換 10進数を1,2,4,8,16,32,64,128の和で表すことができ、その桁が使われているかどうか調べればよい。前頁の逆を例に取れば 3=2+1だから 3→00000011 同様に 85 = 64+16+4+1→01010101 考え方は? 「85の中に128はないが64はある!残りは21でこの中に32はないが16はある・・・」  とやっていけばよい。

16 IPアドレスは32ビット インターネットの世界で1台1台のコンピュータを識別するのはコンピュータの住所に相当するIPアドレスです。 IPアドレスは世界中で重複しないように管理されています。 IPアドレスは32ビット 例:あるコンピュータのIPアドレス、 さあ、これを覚えられますか? 

17 IPアドレスのオクテット表記 32ビットで書いたIPアドレスは扱いにくいけれど、 ・8ビットずつ4つの部分に分けて、       ・それぞれの部分を10進数に変換して、 160   244   156   138 ・間にピリオドを入れて表現すると、 160.244.156.138 となります。 これなら案外覚えることができるでしょう。 (8ビットのことをオクテットと呼ぶことがあるのでこの表記のことをオクテット表記と呼ぶこともあります。)

18 IPアドレスにおける注意点 「同一」のものである! 10100000111101001001110010001010
と、オクテット表記、 160.244.156.138 は、あくまでも 「同一」のものである! ということに注意しよう。 「表現方法」が違うだけ。 「オクテット表記は人間の理解を助けるためのもので 基本はビット表記である」と考えるとわかりやすい。

19 IPアドレス変換練習 00100000101101001001010010001110 ビット表記⇔オクテット表記の変換を行え。
・8ビットずつ4つの部分に分けて、 ・それぞれの部分を10進数に変換して、 ・間にピリオドを入れて表現する

20 IPアドレスの2つの部分 ネットワーク部とホスト部
 前後2つの部分に分けることができます。 前がネットワーク部、後がホスト部です。  (前と後がどこで分かれるかは後で説明します)   32ビットのIPアドレス=ネットワーク部+ホスト部 例:ネットワーク部=教室を表す番号   ホスト部   =教室内で5番のPC 例:ネットワーク部=○×会社総務部を表す番号   ホスト部   =部内で15番のPC なぜ、ネットワーク部を知る必要があるのか?が重要。 (これについては、次回以降に詳しく説明します)

21 ネットワーク部とホスト部 例:総務部にあるPCのIPアドレスが以下であった。
 IPアドレス    この32ビットのうち、総務部のアドレスを知りたい。 ネットワーク部が24ビットの場合には、 頭から24ビットをとり、  ネットワーク部 が総務部のアドレスであり、  ホスト部       は、このPCが総務部の中の15番PCであることを示している。  ただし、ホスト番号は順番に付ける決まりなどないので、  15番PCというのは単なる番号であり、総務部には1台しかPCがないかもしれない。

22 ネットワーク部とホスト部 例:ネットワーク部が16ビットの場合
IPアドレス    ネットワーク部 ホスト部    例:ネットワーク部が8ビットの場合 ネットワーク部 ホスト部   

23 (サブ)ネットマスク ネットワーク部のビット数を指定する方法
ネットワーク部のビット数を指定する方法として、 32ビットのネットマスクを使い、ネットワーク部のビットの数だけ先頭から1を並べ、残りを0とする。 つまり、 「ネットワーク部が16ビット」という代わりに 1を16個並べた以下のネットマスクを使う。    例:ネットワーク部が8ビットの場合のネットマスクは    例:ネットワーク部が24ビットの場合のネットマスクは

24 ネットワーク部とホスト部 ネットマスクを使って
例: IPアドレス    ネットマスク ネットワーク部 ホスト部    ネットマスク ネットワーク部 ホスト部   

25 ネットワークアドレス ネットワーク部の後ろに0を追加
IPアドレス    ネットマスク ネットワーク部 ネットワーク       アドレス    10進数表記で書くと(通常はこちらがよく使われる) IPアドレス   170.240.85.15 ネットマスク  255.255.0 . 0 ネットワーク  170.240.0 . 0       アドレス  

26 ネットワークアドレス計算 IPアドレス 170.240.85 .15 をもつPCがある。 ネットマスク 255.255.255.0
ネットマスク  255.255.255.0 であるとき、このPCが所属するネットワークのアドレスを計算したい。 計算方法(ビットで考える) IPアドレス    ネットマスク ネットワーク部 ネットワーク       アドレス ネットワーク  170.240.85. 0       アドレス   10進数

27 ネットワークアドレス計算演習 IPアドレス 170.240.85 .15 をもつPCがある。 ネットマスク 255.0.0.0
ネットマスク  255.0.0.0 であるとき、このPCが所属するネットワークのアドレスを計算したい。 計算方法(ビットで考える) IPアドレス    ネットマスク ネットワーク部 ネットワーク       アドレス ネットワーク        アドレス   10進数

28 ネットワークアドレスとネットワーク B A D C 「ネットワーク」は様々な意味をもつ。
世界規模のインターネットもネットワークの1つである。 ここでは「ネットワークアドレス」で指定される 狭義の「ネットワーク」を考えてみよう。 B A  ネットワーク D C  ネットワーク AとBは同じネットワークアドレスを持つので同一の「ネットワーク」に存在している。CとDも同一「ネットワーク」。 AとCは異なる「ネットワーク」。ネットワークアドレスで判断できる。

29 ネットワークの境界にはルータ B A D C 「ネットワーク」同士を結びつける役割をもつ コンピュータを「ルータ」と呼ぶ。
 ネットワーク D C  ネットワーク ルータ 「ネットワーク」同士を結びつける役割をもつ  コンピュータを「ルータ」と呼ぶ。 つまり、「ルータ」はネットワークの境界に存在する。 (昔、國境にあった関所のようなものだと考えてもよい) 「ルータ」を通らずには他のネットワークに到達できない。

30 ルータの必要性 インターネットにおけるメッセージの送信は 郵便局での手紙の送信を例に考えるとわかりやすい。
手 紙  発信者→郵便局→・・・→郵便局→受信者 ネット  発信者→ルータ→・・・→ルータ→受信者 郵便局に相当するのが「ルータ」というコンピュータ。 つまり、インターネットでのパケット(メッセージ) のやりとりにはルータが必要である。 ただし、根本的に違う点がある。 宛先が送信元と「同じネットワーク」の場合は、ルータを経由せずに直接メッセージを送信。 宛先が「同じネットワーク?か違うネットワークか?」 の判断するために、ネットワークアドレスを比較。

31 × 同じネットワークかどうか? 送信元:192.168.10.1 宛先 :192.168.10.101
宛先 :192.168.10.101 ネットマスク:255.255.255.0 ネットワークアドレスを計算してみると、どちらも 192.168.10.0 であることがわかります。 したがって、2つは同じネットワークにあり、 お互いの通信は「直接」行います。 つまり、「ルータ」は経由しません。 ルータ ×

32 同じネットワークかどうか? 送信元:192.168.10.1 宛先 :192.168.11.1 ネットマスク:255.255.255.0
宛先 :192.168.11.1 ネットマスク:255.255.255.0 ネットワークアドレスを計算してみると、 192.168.10.0 と 192.168.11.0 となり、異なることがわかります。 したがって、2つは同じネットワークになく、 お互いの通信は「ルータ」を経由して行います。 ルータ

33 同じネットワークの通信と違うネットワークの通信
192.168.10.0ネット A B C ルータ1 192.168.11.0 ネット F G D E ルータ2 192.168.13.0ネット 192.168.12.0ネット 同じネットワークの通信 違うネットワークの通信 A→B , E→D , F→Gなど E→F , B→E     など

34 ネットワーク通信に最低必要な3情報 コンピュータがネットワークに繋がって通信できるためには、以下の3つの情報が適切に設定されている必要がある。(最低限必要な3つの情報) IPアドレス 世界中で唯一の住所 ネットマスク 通信相手が同じネットワークかどうかの判断に必要 デフォルトゲートウエイのIPアドレス 通信相手が違うネットワークに存在するときには、 近くのルータ(デフォルトゲートウエイ)に通信を依頼する。 このゲートウエイのIPアドレスが必要となる。

35 ネットワーク通信に最低必要な3情報 (Windows XPでの設定)
IPアドレス, サブネットマスク, デフォルトゲートウエイ

36 ネットワークの数は? (問題) ルータ ルータ

37 ネットワークの数は? (問題) ルータ ルータ ルータ

38 経由するルータは1つとは限らない! ルータは受け取ったメッセージを 適切な他のルータに転送する → ルーティング
192.168.10.0ネット ルータA 192.168.11.0ネット ルータB 192.168.13.0ネット 192.168.12.0ネット ルータは受け取ったメッセージを 適切な他のルータに転送する → ルーティング

39 ルータは複数のインターフェースを持つ インターフェースとはルータとネットワークとの境界のこと
192.168.10.0ネット 2つのインターフェース ルータA 192.168.11.0ネット ルータB 192.168.13.0ネット 192.168.12.0ネット 3つのインターフェース

40 インターフェースには名前がついている (ルータBを例に)
192.168.10.0ネット ルータA 192.168.11.0ネット s1 ルータB 192.168.13.0ネット 192.168.12.0ネット e0 s0

41 ルータの2つの仕事 ルーティングテーブル作成・維持 パケットのフォワーディング(配送)
スタティックルーティング(手動)と ダイナミックルーティング(自動) パケットのフォワーディング(配送) ルーティングテーブルに従い、 パケットの宛先に応じて 適切なインターフェースから配送する

42 ルータはルーティングテーブルに従い、 パケットをフォワーディング(配送)する
ルーティングテーブル パケットの配送を決めるための配送表で 宛先とインターフェースの対応表。 ここにない宛先のパケットは捨てられる s0 e0 s1 インターフェース 宛先ネットワーク 192.168.10.0ネット (上はルータBの例) ルータA 192.168.11.0ネット s1 ルータB 192.168.13.0ネット 192.168.12.0ネット e0 s0

43 ルーティングテーブルをどういう仕組みで作るのか?
ルーティングテーブルを作る2つの方法 ・スタティックルーティング(静的ルーティング)  ・・・管理者が設定  (一度設定すれば、管理者が変更するまではそのままである)  長所:ネットワークを無駄に消費しない  短所:ネットワークが変更になる度に管理者が設定を変更する必要がある ・ダイナミックルーティング(動的ルーティング)  ・・・ルータ同士が情報をやりとりして自動的に(定期的にあるいはネット      ワークの変更があった時に自動的に更新する仕組みがある) 代表的なものに、RIPやOSPFなどがある  長所:ネットワークの変更に柔軟に対応できる  短所:ネットワークの変更がなくても情報のやりとりがあり無駄な面がある

44 ダイナミックルーティング例 RIPの場合(1)
ネット ネット ネット e0 ルータA ルータB e1 ルータAのルーティングテーブル ルータBのルーティングテーブル 最初は直接つながっているネットワークの情報しかわからない RIPによりそれぞれのルータが持つ情報を隣のルータ同士で交換した後は ネットワークでつながっているあらゆるネットワークへの配送方法がわかる

45 ダイナミックルーティング例 RIPの場合(2)
ネット ネット ネット e0 ルータA e1 ルータC ルータB ネット ネット ルータAのルーティングテーブル 最初は直接つながっているネットワークの情報しかわからない RIPによる情報交換1回目:ルータBの情報を取得した RIPによる情報交換2回目:ルータCが最初持っていた情報を(ルータB経由で)取得した


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