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Published byあきひろ けいれい Modified 約 5 年前
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マントル対流数値シミュレーションと 地球内部構造 Mantle Convection and Interior of the Earth
中川貴司 Department of Earth and Space Sciences, University of California, Los Angeles
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目次: 地球内部構造の概観 マントル対流システムの概観 数値シミュレーションによる 内部構造への制約
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地球内部構造の概観 愛媛大学地球深部ダイナミクスセンター提供
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地球内部構造の概観(地震波トモグラフィー)
横から 上から Scripps model (S4L10)
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地球内部構造の概観(地球化学的制約) Tackley(2000)より
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マントル対流システムの概観 中久喜伴益氏(広島大)提供
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マントル対流システムの概観(化学的性質も含めて)
Kellogg et al.(1999) Tackley(2000)
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マントル対流数値モデリングで期待 されること 1.プレートテクトニクスの原動力 となり得るか? 2.トモグラフィーの結果によって
となり得るか? 2.トモグラフィーの結果によって 得られている内部構造はマントル 対流を反映したものか? 3.熱・化学進化を十分に説明する ことができるのか? これらを同時に説明できるモデルが できればうれしいが...... ここでは、2に注目した場合の数値 モデリングの結果について議論する. 中久喜伴益氏(広島大)提供
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現在提唱されているモデル AとBは古典モデル
DとFはvan der Hilst and Karason(1999)のトモグラフィーの結果を説明するようにデザインされたモデル CはBecker et al.(1999)によって提唱されたモデル EはTackley(2002)によって提唱されたモデル 提示されているモデルはMORB sourceとPrimitive Mantleの2成分系で記述されている ことを述べる. Tackley(2000)
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D”層の存在 マントルの組成はすくなくとも3成分で近似可能
密度インバージョン[Ishii and Tromp, 1999] =>コアーマントル境界付近の密度差は組成成因でないと説明がつかない =>密度差は6%程度[Sleep,1988] 地球化学的要請[Coltice and Ricard, 1999] =>コアーマントル境界付近には長時間安定な組成異常 Forte and Mitrovica[2001]の下部マントルでの密度異常 =>1から2%程度 マントルの組成はすくなくとも3成分で近似可能 (Depleted MORB Mantle, Primitive Mantle, D” layer)
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本研究で注目すること マントルの組成を3成分に単純化したときのマントルの熱化学構造とその地震波速度構造への影響
得られた熱化学構造の地球化学的な意義 地震波トモグラフィーと地球化学による制約条件 を同時に満たすマントルダイナミクスモデルを 提唱する
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数値モデルの概要 2次元極座標熱化学対流(球殻−円筒殻スケーリング) 粘性率:温度・深さ依存+上下マントルの粘性ジャンプ
660km相転移:-4.8MPa/Kのクラペイロン勾配 各成分の密度差:2.7%(Primitive Mantle)、8.1%(D” layer) 内部発熱:高密度物質に通常マントルの10倍の発熱物質が濃集している 初期条件:十分に発達した熱対流+組成成層 地震波速度構造:Trampert et al.[2001]の定式化に従う. =>温度微分係数と組成微分係数が深さの2次関数に 依存する
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基礎方程式系 運動方程式 温度方程式 化学輸送方程式
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物性値の定式化 粘性率 地震波速度構造
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初期条件について
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シナリオ 対流層の30%の厚さを持ったPrimitive Mantle (密度差2.7%)
対流層の厚さの10%の厚さを持ったD”層 (密度差8.1%) 対流層の厚さの10%の厚さを持つD”層 とその上に対流層の厚さの20%の厚さ を持つPrimitive Mantle
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結果:熱化学構造 Hybrid Plumeの存在(2つの深さからの上昇流)
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結果:地震波速度構造 Ritsema et al.(1998)
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結果:地震波速度構造(スペクトル) 3成分系のほうがより長波長の不均質構造を持つ. Megin and Romonowicz(2000)
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議論:地震波速度構造 グローバルトモグラフィーモデルで観測されている コア−マントル境界の強い不均質スペクトルの成因
コア−マントル境界の強い不均質スペクトルの成因 =>D”層物質が作る孤立パイル構造による寄与 中部マントルにおける比較的フラットなスペクトル =>始源マントル物質による組成異常が長波長の温度異常 を小さくする =>D”層物質のパイルだけでは説明できない 2ヶ所からの上昇流について =>余剰温度が相境界付近で300K-600K =>トモグラフィーモデル[Zhao, 2001]の見積もりより 大きい =>始源物質に濃集している放射性発熱元素の値が大きすぎる コアーマントル境界の強い不均質と中部マントルの比較的フラットな弱い不均質は別物として考える.
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議論:地球化学的マントルダイナミクスモデル
地球化学分析の制約 =>同位体異常には様々なresidence timeがある[Albarede,1998] =>さまざまなスケールのマントル対流が存在 =>Hybrid Plume Modelも地球化学マントルダイナミクスの候補と考えられる HIMU OIBについて =>residence timeが長いと考えられている[Cotice and Ricard,1999] =>コアーマントル境界起源の物質がHIMU OIBの同位体異常を担っている =>コアーマントル境界上昇してくるプリュームに取り込まれている物質がHIMU OIBの同位体異常をもつと考えられる
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まとめ マントルの化学組成を3成分で近似した2次元極座標系熱化学対流数値実験を行った
グローバルトモグラフィーをうまく説明できる組成構造については始源マントル物質が成層不安定である状態であり、D”層物質が孤立パイルを作っている状態である 地球化学的制約条件からは、Hybrid Plume Modelを支持することができる.つまり、マントル対流は単純な2層対流とか1層対流で理解できるのではなく、1.5層対流的である.特に、HIMU OIBについては、D”層のような長時間滞留している組成異常から生じるプリュームによって取り込まれた物質が成因であると考えられる
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