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Appendix. 【磁性の基礎】 (1)磁性の分類[:表3参照]

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1 Appendix. 【磁性の基礎】 (1)磁性の分類[:表3参照]   :原子固有の不対電子*)のスピン(電子の自転)による磁気モ-メントの配列の   仕方で、磁性は分類される    *)不対電子を有する原子・・・遷移金属[:表4参照]         ↓    『磁性現象を示す原子』  ①常磁性  :不対電子による磁気モ-メントがバラバラの方向をとるもの  ②反強磁性 :2つの磁気モ-メントが、完全に正・負を打消すように配列  ③フェリ磁性:反強磁性と同じ配列をするが、2つの磁気モ-メント間に大きさの         差があり、ある方向に強い磁性を示す  ④強磁性  :全ての磁気モ-メントが外部磁場によって完全に1つの方向に揃い、         強い磁性を示す(→“実用的な磁性”)

2   表3 磁性の分類

3 (2)強磁性体の特徴   :外部磁場に対し、特有の磁化挙動を呈する       ↓  “磁化曲線=ヒステリシス曲線”[:図5参照]   ・・・強磁性体の単位体積当りの磁化の大きさMの外部磁場Hによる変化を示す   磁化M:原子の孤立電子(不対電子)によって発生する磁気モ-メントの総和                     (結晶を構成する不対電子を有する全原子の和)   磁場H:外部より印加する磁場

4 ◎強磁性体の磁化過程                      ①:最初の状態(H=0,M=0)                      ②:初磁化過程                        (χr:磁化率,MS:飽和磁化)                      ③:外部磁場を取りさった状態                        (Mr:残留磁化(H=0))                      ④:-HCの磁場でで強磁性体の磁化                        は完全にゼロになる(Hc:保磁                        力)                      ⑤:②とは反対方向に飽和磁化した状                        態                      ⑥:③とは反対方向に生じた残留磁化                      ⑦:④とは反対方向のHc                      ⑧:②と同一方向への飽和磁化状態 図5 ヒステリシス曲線(M-H曲線)  [・・・ヒステリシス曲線は閉じる] 注)χr:強磁性体に磁場を印加した時の最初の傾き[・・・磁化率χr=M/H]   MS:強磁性体内の全ての磁気モ-メントが印加磁場(外部磁場)方向に配列し      た時に生じる磁化[・・・飽和磁化]   Mr:飽和磁化状態にある強磁性体に逆方向の磁場を印加し、H=0で強磁性中      に残存する磁化[・・・残留磁化]   Hc:強磁性体中に残存したMrを消すために必要な過剰な磁場

5 (2)磁性材料(強磁性体材料)の実用的分類[:図6参照]
  ①軟磁性材料(ソフト磁性材料)    ・・・保磁力Hcが小さく、磁化率χrが大きい(:M/Hが大きい)材料       ex.磁気ヘッド,トランス用磁芯材料   ②硬磁性材料(ハ-ド磁性材料)    ・・・保磁力Hcが大きく、かつ飽和磁化MS,残留磁化Mrが共に大きい材料       ex.永久磁石材料   ③半硬磁性材料(セミ・ハ-ド磁性材料)    ・・・①と②の中間的性質を示す磁性材料       ex.磁気記録用材料:磁気テ-プ材料,磁気ディスク材料,垂直磁気                  記録材料,光磁気記録材料 B:磁束密度[単位:Gauss] (強磁性体中の磁化の大きさMと 外部磁場Hの両者を合せた物理量)   図6 磁性材料とB-Hヒステリシス曲線   ①磁芯材料,②永久磁石材料,③磁気記録材料

6 光通信用ガラスファイバー[:SiO2(石英ガラス)製ファイバー]
・・・可視光(人間が目で見ることができる波長の光)を最も良く伝える固体 [概要]:①直径20μm      ②1本の光ファイバーで電話1万本の回線を通す      ③光信号(デジタル信号)により、1秒間に1億個の信号を送信する [要求特性]:光の減衰率が1デシベル(dB)以下のSiO2            光がガラス中を1㎞伝播することによって、1/1に減衰するとき        1デシベル(dB)とする=“1㎞での減衰率がゼロ” [光ファイバーの構造(:図22参照)] ・・・中心部コア:(Si(+Ge)O2 ・・・外筒部クラッド:(SiO2)  コアの屈折率がクラッドよりも高いため、コアに入った光はクラッドとの境界部で 全反射を繰り返し、外部に光がもれないでファイバー中を伝播する

7                 図22 光ファイバーの光の伝わり方 [製造法]:原料ガス(SiCl4(四塩化ケイ素)+GeCl4(四塩化ゲルマニウム)+O2+H2)        を石英ガラスチューブ中で燃焼                           ↓                原料ガス中からSi(+Ge)O2の析出                石英ガラスチューブごと加熱して引き伸ばす


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