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【入門講座「海外日本語教育経験を研究に」④】

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1 【入門講座「海外日本語教育経験を研究に」④】
インストラクター役:  吉田 一彦 研究する人役:  高嶋 幸太  鶴岡 聖未

2 進め方 「研究する人」2人の立てた命題を検討し研究によって明らか にすべき論点として立てるまでの過程を、この場で演じて見せる
 「研究する人」2人の立てた命題を検討し研究によって明らか にすべき論点として立てるまでの過程を、この場で演じて見せる  第1回(3月8日)  第2回(6月14日)  第3回(9月12日)  第4回(本日、最終回)命題を研究によって検証すべき仮説とす 質問やコメントは、思いついたらすぐ発言。(発表後には時間を 取らない。)

3 内容 前回指摘のコメントから、研究と「トレンド」に関する整理 高嶋命題の検討 鶴岡命題の検討

4 研究と「トレンド」

5 「トレンド」が用いられたコメント 事実誤認
「 「効率の良い日本語教育」という考えが文型学習という狭い意味に限定されており、現在トレンドとなりつつあるシチュエーションにおける課題遂行を重視する教育においては、学習者に親しみのある語彙という考えは出てこない。 」                         - - - - - -                              は学習者に身近な-ーーーーーーーーーーー 物やことを例示に用いる活動全般の目指すところであり                    - -                         事物      ※語彙と事物の混同は言語を語るうえでは致命的

6 「トレンド」が用いられたコメント 「現在トレンドとなりつつあるシチュエーションにおける課題遂行を重視する教育
※はたして課題遂行重視の教育は「トレンド=趨勢、潮流」なのか?

7 「トレンド」が用いられたコメント ○○命題:シチュエーションにおける課題遂行を重視する教育はトレンドである
              かどうかは、「トレンド」の研究者にお任せする。私たちは、外国語教育が始まって以来存在し、外国語教育が存続する以上存在し続ける教授法の改善という問題と取り組んでいる。  by Team入門講座

8 ここで研究する人たちの命題で用語法を検討。

9 海外日本語教育略歴: 高嶋 幸太 時期:2010.3~2012.3(2年) 場所:モンゴル・ウランバートル 機関:市の教育局
海外日本語教育略歴: 高嶋 幸太 時期:2010.3~2012.3(2年)  場所:モンゴル・ウランバートル 機関:市の教育局 内容:初中等教育機関への巡回指導(選択必修) 時期:2013.1~2013.7(半年)  場所:イギリス・ロンドン 機関:語学学校 内容:一般的な語学コース

10 前回グループワークを実施 前回立てた命題(Ver.1.4)
学習者にとって身近な事物である単語や表現を例示に使う ことで、海外の初級段階において学習者の理解を促すこと ができる。 前回グループワークを実施

11 予備調査 実施方法:グループワーク 2014年9月13日 前回研究会にて 調査協力者:12名

12 グループワークで出てきたもの ◆有名な/好きです その国の有名人を出す
◆有名な/好きです その国の有名人を出す 例文で使用した著名人……イチロー、ジャスティンビーバー、オ バマ、リンカーン【アメリカ】 ◆セントロ(町の中心)という単語を導入する  e.g)セントロへ行きます【パラグアイ】 ◆バザール(市場・商店地区)という単語を導入する  e.g)バザール(×郵便局・銀行)へ行きます【ウズベキスタン】

13 グループワークで出てきたもの ◆例文「ウグイスが泣くと同時に目が覚めた」「さんまはおいし いと同時に体に良い」は難しかったようだ【国内の教育実習】 ◆ラーメン、おにぎり、すきやきは漫画、アニメの影響でわかる が、うなぎは写真が必要である【ペルー】 ◆ビール、お酒、断食、豚肉、モスク【モルディブ】 ◆上下関係がない(上司-部下、先輩-後輩)【ペルー】

14 グループワークで出てきたもの ◆「車をおたくの前に停めさせていただけませんか」という例文 を使った(ペルー)
◆季節感や日本の料理は十分な説明が必要   ◆日本国内の教育機関では、高度な動機づけをもつ多国籍な学習 者が集まっている状況のため、日本の事物を取り上げた方が反応 が良い。 本研究では先の命題にあったように、動機づけの方ではなく、理解促進を対象とする。

15 グループワークで出てきたもの ◆「効率の良い日本語教育」という考えが文型学習という狭い意 味に限定されており、現在トレンドとなりつつあるシチュエー ションにおける課題遂行を重視する教育においては、学習者に親 しみのある語彙という考えは出てこない。 実際のところ、身近な事物である単語や表現による例示は、「課題遂行を重視する教育」でこそ、効果を発揮! たとえば【自分の予定を伝えることができる】という課題遂行では、「セントロ」「バザール」といった単語の使用が効果的なはず。

16 全4回に亘った本発表のフローチャート 実例 実例 実例 実例 実例 実例 事例 共通項 共通項 共通項
【海外経験から生まれた持論】海外で教える母語話者教師は、赴任国の学習者にとって身近な事物を知っているべきである。 調査から得た実例 実例 実例 実例 実例 実例 実例 調査を3回実施 回答者延べ46名 事例 共通項 共通項 共通項

17 学習者を知る方法 2回目の調査から、回答者22名のうち86%以上が次の3つの方法を 海外の現場で行っていた。そしてその内71%以上がその3つを有効 だとした。 日本語学習者に聞いた 現地教師に聞いた 赴任国での生活から身につけた

18 授業での活用法 2回目の調査から、回答者22名のうち72%以上が次の3つの方法を 海外の現場で行っていた。またその内約91%が身近な事物を知っ ていることは授業において有効だとする肯定的な回答をした。 新しい単語や表現の導入で使う 教材作成・授業準備で役立てる 世界の国々との比較をする

19 授業での活用法①新しい単語や表現の導入で使う
実例 有名な/好きです その国の有名人を出す。イチロー、ジャス ティンビーバー、オバマ、リンカーン【アメリカ】 学習者から「『揚げます』って何ですか。」と質問が出た とき「ホーショールです。油に入れます。揚げます。」 と説明し、「あ、わかりました。」と素早く理解して もらえた。【モンゴル】 「豚肉を入れないでください」【ヨルダン】 ▲ホーショール( Хуушуур )

20 授業での活用法①新しい単語や表現の導入で使う
実例 教会、お祈り、聖書といった語彙を早い段階から導入することで 日曜日に何をするか受け答えすることができる。【トンガ】 セントロ(町の中心)という語彙を導入する。   e.g.)セントロへ行きます。【パラグアイ】 バザール(市場・商店地区)という語彙を導入する。   e.g.)バザールへ行きます。【ウズベキスタン】

21 授業での活用法②教材作成・授業準備で役立てる
実例 ラーメン、おにぎり、すきやきは漫画・アニメの影響でわかるが うなぎは写真が必要である。【ペルー】 日本の桜を説明するのに写真を準備する。【モンゴル】 季節感、日本の料理といったものは十分な説明が必要である。

22 授業での活用法②教材作成・授業準備で役立てる
実例 身近でない事物については複数の例文や絵教材などを使う。 【イギリス】 不用意に身近でない事物を提出してしまうと、混乱を招いてしま う。言葉で説明してもイメージさえ出来ないものは、事前にその 語彙を避ける。【トンガ】

23 授業での活用法③世界の国々との比較をする
実例 衣食住に関するものをはじめ習慣や関心事、興味などを材料に、 日本(や他の国々)との比較をした。 e.g.)「○○国で、私は~~ました。」のように、学習者が興味を 持ちそうな日本や住んだことがある他の国のことに関して例示し た。それにより学習者は「そのように使えるのか!」と理解で き、さらにその理解を基に、自国や自分のことについて産出する こともできた(インプットからアウトプットへとつなげる)。

24 前回グループワークを実施 命題(Ver.1.4)再確認
学習者にとって身近な事物である単語や表現を例示に使う ことで、海外の初級段階において学習者の理解を促すこと ができる。 前回グループワークを実施

25 学習者の身近な事物を取り入れ 理解を促す授業のサイクルモデル
学習者を知る方法 授業での活用法 ・日本語学習者に聞く ・現地教師に聞く ・赴任国での生活から  身につける ・新しい単語や表現の  導入で使う ・教材作成・授業準備で   役立てる ・世界の国々との比較を  する  授業に 取り入れる 授業を 振り返る

26 ここから出発する新たな研究課題 以上は「教師側」が回答した実例を、サイクルモデルとし てまとめたものなので、これがどれほど学習者の理解を促 すのか明らかでない。 ⇒そのため、身近な事物がどれほど理解促進に寄与するの かといった「学習者側」の検証が今後必要である。 e.g. 海外学習者への意識調査  授業の参与観察    授業前後のテストのスコア etc. →検証結果によってサイクルモデルも修正される

27 検証方法の適否検討 ・海外学習者への意識調査 →学習者の心理面はわかるが、それだけでは教室で実際に 何が起こっているかはわからない
・授業での活用前と後のテストのスコアの比較 →海外の現場で対照実験を行うのは困難が伴う 協力者が集まるか、外的要因をコントロールできるかetc. ・活用した授業の実施と授業への参与観察 →教室で何が起こっているかわかり、現実的に実行可能。

28 検証方法 ・授業の参与観察 例えば、言語教育コミュニケーション指向観察法
(COLT=Communicative Orientation of Language Teaching Observation Scheme) 教授活動の違いが第二言語学習にどう影響するかを見る観 察法 Spada, N. & Fröhlich, M. (1995). The Communicative Orientation of Language Teaching Observation Scheme: Coding Conventions and Applications. Sydney: MacMillan.

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30 高嶋最終命題からの発展仮説 吉田命題(ver. 0):学習者にとって身近な事物を指す単語や表現を例示に使用することは、学習者が自身の生活や文化背景について自発的に語ることを促し、学習活動において主体性を持つことを可能にする

31 海外日本語教育略歴1: 鶴岡 聖未 時期: ~2002.6(1年半)  場所:トンガ・ババウ 機関:公立の中等教育機関 ●12歳~20歳の在校生対象の選択必修科目、総合日本語 時期:2004.6~2008.3(3年10か月)  場所:マレーシア・クアラルンプール 機関:語学学校 ●一般的な語学コースの他、中等教育機関や企業での出張授業、 JLPT特訓コース、スピーチコンテスト等  時期:2009.8~2010.7(1年)  場所:タンザニア・ドドマ 機関:国立の高等教育機関 ●人文学部外国語学科在籍者対象の選択科目

32 海外日本語教育略歴2 鶴岡 聖未 時期:2010.12~2011.6(半年) 場所:セネガル・ダカール 機関:私立の高等教育機関
海外日本語教育略歴2 鶴岡 聖未 時期: ~2011.6(半年)  場所:セネガル・ダカール 機関:私立の高等教育機関  ●経営学を学ぶ学生の選択科目、  学生は多国籍(仏語話者)   時期:2012.6~2013.6(1年)  場所:スーダン・ハルツーム 機関:国立の高等教育機関  ●大学付属研究所での公開講座、  学生(ほとんどが医歯薬理工系)と社会人がほぼ 半々

33 命題の変遷 実利を求めない日本語学習には意義がある。 ↓ 実利を求めない日本語学習には、実利につながる日本 語学習に劣らない意義がある。 資格・進学・就職に直結するのではない日本語学習は、 それらに直結する日本語学習に劣らない意義がある。 反証可能な形が出来上がる 資格・進学・就職に直結するのではない日本語教育は、 ODA対象国の場合にも、それらに直結する日本語学習に 劣らない意義がある。

34 アフリカの日本語学習者にとって、○△□こそが日本語学 習の“実利”である。 ※前に定義した実利を狭義の実利と捉え直し、実利と
     ※前に定義した実利を狭義の実利と捉え直し、実利と       いう言葉の箱を広義な概念で満たす前提でこの言葉を       取扱うこととした。 スーダンの日本語学習者にとって、○△□こそが日本語学 習の実利である。  【○△□の探究】エンパワメント・第三の場所・第二言語自己・           相互理解・文化リテラシーなどの因子を予測   仮説生成型研究 量的研究 + 質的研究 で実証したい。

35 “トカゲのしっぽ” 取り組んでいる研究活動の中から、1個の主張を切り出して、実 証し、1つの小さい論文にすること。そして、研究活動自体は休ま ず前進させること。 トカゲ本体 = 先へと進めていく大きな研究 しっぽ = 1つの主張とその実証を含んだコンパクトな論文

36 しっぽ 日本における孤立外国語環境の学習者は、 その語学学習を通して ○△□を求める 孤立外国語環境の日本語学習
 ⇒ 日本における”マイナー言語”学習者に注目 日本における孤立外国語環境の学習者は、 その語学学習を通して  ○△□を求める 質的研究を試みる。

37 しっぽ仮説 日本における孤立外国語環境とされる言語の学習者は、 その語学学習を通して、資格・進学・就職に直結すること以外に ○△□を求める (かけがえのない)人の理解・言語の多様性の楽しさ・ 学び合い・理解の深め合い・気分転換・自己変容・視野の拡大 など

38 質的調査のデータの分析法 たとえば、 PAC(Personal Attitude Construct Analysis)?? 質的分析(語連想)と多変量解析(クラスター分析)を組み合わ せ、研究者と被験者の対話を重視した新しい研究手法 GTA(Grounded Theory Approach)?? データに根ざして概念をつくり、概念同士の関係性を見つけて 理論を生成する研究手法

39 まとめ 研究対象の絞り込み 言葉の定義 反証可能性 データ分析方法
 研究対象の絞り込み  言葉の定義  反証可能性  データ分析方法 竹内理・水本篤(2014)『外国語教育研究ハンドブック 改訂版                    ―研究手法の良い理解のために―』松柏社

40 1年間、ありがとうございました。

41 乞うご期待!Stay tuned! 次年度の「海外日本語教育経験を研究に」
自分だけでなく、同期や先任・後任、仲間の日本語教師と、データを共有し、比較対照しよう。共同研究までできたらいいな。 【展開編】    乞うご期待!Stay tuned!


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