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ALMAの偏光観測とサイエンス 永井 洋 (国立天文台ALMA推進室)
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What’s ALMA? 日米欧、チリの共同で建設中の、大型ミリ波・サブミリ波電波干渉計
今年から部分運用開始、2015年から本格運用開始
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What’s ALMA? ACA 日本の担当 4台の12mアンテナ+12台の7mアンテナからなるアタカマコンパクトアレー(ACA)
Band 8 & 10 ACA 相関器
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アルマの科学目標 科学目標 1 太陽系以外の惑星系とその形成を解明 科学目標 2 銀河形成と諸天体の歴史を解明 科学目標 3
科学目標 2 銀河形成と諸天体の歴史を解明 科学目標 3 膨張宇宙史と宇宙物質進化を解明
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ALMA: 原始惑星系円盤 赤外線で見た星形成現場 アルマが見る予想図 原始惑星系円盤の想像図 光で見た円盤の影 150 光年 300
原始太陽 原始惑星 150 光年 300 光で見た円盤の影 惑星系の多様性の鍵を握る原始惑星系円盤をはじめて詳しく観測できるのがアルマである。
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ALMA: サブミリ波銀河 宇宙誕生45億年後から現在 宇宙誕生から45億年まで ALMA Expected
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ALMAの性能 分光性能:2GHz帯域幅(1ベースバンド)を最大8192点分光
Band 周波数 [GHz] 分解能 [“] Compact / Extended 連続波感度 [mJy/beam] ライン感度 [K] Compact/Extended 3 84-116 / 0.05 0.07 / 482 4 / 0.06 0.071 / 495 5 * 6 / 0.1 0.104 / 709 7 / 0.2 0.29 / 1128 8 / 0.4 0.234 / 1569 9 / 0.64 0.641 / 4305 10 / 1.2 0.94 / - 分光性能:2GHz帯域幅(1ベースバンド)を最大8192点分光 ⇒ 110GHzで観測した場合、0.01 km/sの速度分解能に相当
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近況 19台のアンテナがArray Operation Center (AOS)に
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スケジュール 10月からCycle 0 Early Scienceがスタート
12m×16台 Band 3, 6, 7, 9 (100, 230, 345, 650 GHz帯) 配列 Compact (18-125m) / Extended ( m) No special mode Cycle 1 (proposal deadline 2012/3/29) 32台(ACA含む) Band 3, 6, 7, 9 (possibly 4 and 8) Polarization observation, solar observation, …
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Early Scienceのコンセプト Best effort basis (risk share)
Full scienceでは十分保証されたクオリティのデータが提供されるが、Early scienceでは、観測提案者自身の努力が求められる イメージが観測者に提供されるのではなく、おそらく提案者自身がデータ解析をする必要がある 偏波データの解析はやっかい・・・ 東アジア地域センター(EA-ARC)のサポートを積極的にご利用ください
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EA-ARCの面々
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ALMAにおける偏波観測 XX*=I+Q XY*=U+iV YX*=I-Q YY*=U-iV
Xpol SIS mixer Amp Ortho mode transducer XX*=I+Q SIS mixer Amp Ypol XY*=U+iV Cprrelator YX*=I-Q Xpol SIS mixer Amp YY*=U-iV Ortho mode transducer SIS mixer Amp Ypol 4つの相関を使って、4つのStokes parameterを分離
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実際には・・・ D:XとY間で発生する偏波の漏れ込みのターム
ALMAでは、おおよそD-termの値は3%以内におさまっているが、ほとんどのastronomical objectの偏波率はせいぜい数%-10% D-termのキャリブレーションが、偏波検出の鍵
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Calibration test進行中 Goal 偏波率0.1%(!!!)を検出 偏波角6度で決定
Polarization commissioning & science verificationを実施(8/23-9/4) 2C273のイメージングの例 by 永井 Goal 偏波率0.1%(!!!)を検出 偏波角6度で決定
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偏波観測のプラン(仮) Cycle 0(2011年10月スタート):偏波観測なし
Cycle 2(2013年):偏光分光、モザイキング、ACA combine
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ALMAの偏波サイエンス ダストの偏波 ゼーマン効果 Goldreich-Kylafis効果 シンクロトロン放射 ・・・ 星・惑星形成領域
をプローバーにして、 星・惑星形成領域 銀河 AGN ・・・ の磁場構造を探る
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メインサイエンス NGC1333 Girart+ 2006, Science ※小質量星の形成理論と矛盾しない結果らしいが、素人目には何が何だかよくわからない 星・惑星系形成、円盤物理、アウトフローの噴出に磁場がどういった役割を果たすのかといった観点で、ALMAの偏光観測は研究の新展開をもたらすはず
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個人的な興味 AGNジェット ALMA偏波観測に関連したopen question 高エネルギー放射機構と磁場構造
Intrinsic property or external effect (Faraday depol.) ? > Faraday depolarizationが少ないサブミリ波帯での観測 kpcスケールジェットにおけるサブミリ波放射の起源 可視光偏光との比較により、電波~可視光が単一成分で説明できるかを検証 ・・・
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AGN Zoo 電波で強い種族 (≒質量降着エネルギーからジェットへのエネルギー転換効率が良い) 電波で弱い種族
(≒質量降着エネルギーからジェットへのエネルギー転換効率が悪い)
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ジェットの駆動メカニズムの理解に本質的な研究
ブレーザーの多波長研究 ブレーザー=電波で強く、ジェットの見込む角が小さく、電波からγ線にわたって放射をする典型的なAGN Mrk421の多波長スペクトル 逆コンプトン シンクロトロン ジェットの駆動メカニズムの理解に本質的な研究 物理量の決定 Inoue & Takahara 1996 (1)放射輝度 Lpeak (2)二つの山の輝度比 (3)ピーク周波数 光子のエネルギー密度 ∝uphR2δ4 ∝uph/uB ∝uB1/2γ2δ ドップラーファクタ サイズ 磁場のエネルギー密度 ローレンツ因子
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γ線源の所在はどこか? たぶん、ジェットの根元(~pc以下)にあるが、詳細はよくわからない
VLBI(43GHz)で観測されたM87の電波イメージ ジェットの下流? 電波コアの上流? 電波コア?
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GENJIプログラム GENJI=Gamma-ray Emitting Notable-AGN Monitoring by Japanese VLBI VERAを用いた、高頻度の活動銀河核ジェットモニター観測 観測周波数:22GHz(典型的分解能~1ミリ秒角) 8天体 1天体あたり、約1~2週間に1回の頻度で観測
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ねらい γ線AGNの系統的モニター観測 電波コアの変動とγ線変動の関係
変動が同期 ⇒γ線放射領域は電波コアの中にある 電波がdelay ⇒放射領域が光学的に厚い 変動が無相関 ⇒放射領域が空間的に異なる(多層構造など) ジェットの下流あるいは広がった領域におけるフレア成分の有無(e.g., M87 におけるHST-1) ジェットの固有運動と、γ線放射から期待されるローレンツ因子との関係
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3C454.3 γ線フレア直後のフォローアップに成功 22GHz帯は緩やかな反応 ⇒ γ線放射領域は22GHz帯では光学的に厚い?
Akiyama+ in prep. γ線フレア直後のフォローアップに成功 22GHz帯は緩やかな反応 ⇒ γ線放射領域は22GHz帯では光学的に厚い? 一方、1mm帯はγ線フレアと強く相関 γ線放射領域を見通すにはサブミリ波が必要 preliminary GENJI
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非熱的粒子の生成 サブミリ波偏波観測で、衝撃波の物理に新たな知見を! 偏光観測は衝撃波の良いトレーサー
どうやって電波からγ線にわたって放射をする非熱的粒子を生成? ⇒内部衝撃波が従来考えられてきた v2>v1 サブミリ波偏波観測で、衝撃波の物理に新たな知見を! 偏光観測は衝撃波の良いトレーサー Speed: v1 ~0.01 pc ~0.1 pc Speed: v2 Accretion disk Black hole
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Fermi時代の多波長研究 3C279の多波長キャンペーン
Fermiの登場により、AGNジェット多波長研究の新たな時代が到来(since 2008) Fukasawa-san’s presentation
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偏光角の回転は何を意味する? (ALMA+可視光)偏光観測による、さらなる検証に期待
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まとめ ALMAの概要と、ALMAにおける偏波観測機能について紹介した
0.1%の偏波検出を目指す Cycle 1から部分的にスタート AGNジェットサイエンスを例に、ALMAでどういったことに迫れるのかを紹介 高エネルギー放射領域とジェット物理に知見を与える
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