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ライフサイエンス支援センター・バイオ実験機器部門 高木 均

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1 ライフサイエンス支援センター・バイオ実験機器部門 高木 均
電子顕微鏡で小腸の微細構造を観察しよう ライフサイエンス支援センター・バイオ実験機器部門  高木 均 電子顕微鏡とは?  顕微鏡の分解能(近接した2点を分離して見ることのできる最小距離。「どれだけ小さいものが観察可能か?」ということ。)は,波長の大きさに影響される。光学顕微鏡の光の波長は約400~800nmで,分解能はおよそ200nmである。そこで,光より波長の短い電子を光源に用いることにより,より微細な構造(細胞内小器官,膜構造,ウイルスなど)を観察可能にしたのが電子顕微鏡である。(電子顕微鏡の場合,電子線の波長は加速電圧によって変化し,100kVで約0.0038nmとなる。) 裸眼で見える限界 光学顕微鏡で 見える限界 電子顕微鏡で 小腸細胞:10~30 μm 小腸細胞の核:5~8μm 小腸細胞のミトコンドリア:1~2μm リボソーム:約20nm A型インフルエンザウイルス:80~120nm m(ミリ) 10-3 μ(マイクロ) 10-6 n(ナノ) 10-9 200μm 20μm 2μm 200nm 20nm 2nm 0.2nm ×10 2mm 図1.顕微鏡の限界と単位 電子顕微鏡の構造的な特徴  1)光源が電子線である。  2)鏡体内部が高真空に保たれている。  3)磁場によって電子線を曲げ,電子を収束させている(電子レンズ)。  電子顕微鏡の光学設計は基本的に光学顕微鏡と同じで,光(光線)の代わりに電子(電子線)を用いた顕微鏡である。しかし,光線を電子線に変えることにより,動作環境は著しく異なる。電子は色として肉眼で識別できないだけでなく,電荷を持ち透過力が弱く,真空中でなければ他の粒子との相互作用で消滅し,電子線として取り出すことができない。したがって,光学系は真空中に置かなければならない。また,電子線はガラスレンズでは屈折させることができず,磁気レンズ(電子レンズ)を使用する。最終的な拡大像は蛍光板で電子を可視光に変換して観察する。

2 <透過電子顕微鏡:内部構造を平面的に観察>
電子顕微鏡の種類  電子顕微鏡には内部構造を観察するための透過電子顕微鏡(TEM : Transmission Electron Microscope)と表面構造を観察するための走査電子顕微鏡(SEM : Scanning Electron Microscope)の2種類がある。  <透過電子顕微鏡:内部構造を平面的に観察>  透過電子顕微鏡は,非常に薄い切片(約0.1μm=1/10000mm)にした試料に電子線を照射し,切片を透過した電子を蛍光板に結像させて,光学顕微鏡のように組織の内部構造を平面的に観察する。また,その基本的な構造も光学顕微鏡とよく似ている(図2)。しかし,拡大倍率は透過電子顕微鏡の方がはるかに高く,光学顕微鏡の最高倍率はおよそ千倍程度だが,電子顕微鏡の場合機種により違いはあるが日立:H-7650透過電子顕微鏡では最高倍率は60万倍(フィルム面上),分解能は0.2nm(格子像)である。  <走査電子顕微鏡:表面構造を立体的に観察>  走査電子顕微鏡は,細く絞った電子線を試料の表面(試料は透過電子顕微鏡と違い切片にせず固まりのまま用いる。)に走査し,そこから出てきた2次電子を検出してブラウン管に試料の表面構造を立体的に表示させる(図2,3)。走査電子顕微鏡は簡単に言えばルーペで試料の表面を拡大して見るようなものである。但し,その拡大倍率は非常に高く,日本電子:JSE-6390走査電子顕微鏡では最高倍率は30万倍,分解能は3nmである。走査電子顕微鏡の観察の対象となる試料は,表面構造を観察するという特徴より,血球細胞,培養細胞,脈管系内空面(血管,気管支など),細菌など表面が露出している物が多い。 図2.電子顕微鏡及び光学顕微鏡の構造             図3.走査電顕の像形成 走査(Y) 走査電子プローブ 走査(X) 試料 試料上の走査 試料(X) 画素 ブラウン管内の走査電子プローブ L SEMの倍率 M=L / l ランプ(光源) コンデンサ レンズ 対物レンズ 接眼レンズ スクリーン (網膜) 光学顕微鏡 投射レンズ 電子レンズ (コンデンサ) 電子源 偏光コイル (走査)←  → 2次電子検出器 透過電子顕微鏡(TEM) 走査電子顕微鏡(SEM) ブラウン管 CRTスクリーン 蛍光スクリーン

3 小腸の微細構造 小腸 大腸 十二指腸 空腸 回腸 絨毛の多さ ++(葉状) ++(指状) +(細く低い) - 微絨毛(刷子縁)の多さ ++
 小腸は十二指腸,空腸,回腸よりなり,小腸表面には虫めがねでも見ることのできる絨毛と呼ばれる突起状の構造物が無数に生えている。小腸各部の顕微鏡的な違いは下表に示したようである。しかし,これらの特徴は連続的に移行しており,各部の境界は分からない。小腸は栄養の吸収と消化液の分泌という二重の働きをしている。吸収は絨毛の表面をおおう吸収上皮細胞により,分泌は管状のくぼみの部分にある分泌細胞によって分業化されている。  小腸の表面に存在する絨毛は,密生しているが,虫めがねでよく見える大きさ(長さ1mm前後)の粘膜突起である。絨毛の表面は単層の円柱形の上皮細胞でおおわれる。その大部分は吸収の働きをする上皮細胞であるが少数の粘液を分泌する杯型細胞が間に割り込んでいる。絨毛の表面を電子顕微鏡で観察すると微絨毛とよばれる刷毛のようなもの覆われている。光学顕微鏡では微絨毛はブラシのように見えるので刷子縁とも呼ばれる。微絨毛は長さ1~1.5μm,直径0.08~0.1μmぐらいで,ひとつの細胞にほぼ1,000本生えているといわれている。 小腸 大腸 十二指腸 空腸 回腸 絨毛の多さ ++(葉状) ++(指状) +(細く低い) 微絨毛(刷子縁)の多さ ++ 分泌性杯型細胞 +++

4 小腸表面の絨毛の電子顕微鏡写真 <透過電子顕微鏡写真> <走査電子顕微鏡写真> 20μm 200μm 10μm 5μm 1μm 1μm 絨毛
小腸表面の模式図 十二指腸表面の絨毛 絨毛の先端部 10μm 5μm 杯細胞 中央の細胞は杯細胞の上部 絨毛表面の吸収 上皮細胞と杯細胞 1μm 1μm 絨毛の表面にブラシの様な微絨毛が見られる 絨毛の表面にブラシの様な微絨毛が見られる


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