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Published byへいぞう くぬぎ Modified 約 5 年前
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背景:在宅医療の現状と意義 入院・外来に次ぐ『第三の診療体系』として 入院 外来 在宅 意義 ・多様化する病態や『生き方』への対応
・医療における連携体制の充実 ・医療費の抑制 在宅 問題点 ・適切な医療の確保(緊急時を含めた診療体制の構築) ・関係者の負担増(特に家族の介護負担)
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在宅での終末期(ターミナル)ケア ・終末期を自宅で過ごしたい? 終末期を過ごす場所の希望 終末期医療に関する調査 厚生労働省 H16 9.6
22.9 21.6 26.7 10.5 8.0 その他 すぐに入院 (一般病棟) すぐに入院 (緩和ケア病棟) 自宅療養し、最期は入院(一般病棟) 自宅療養し、最期は入院(緩和病棟) 最期まで 自宅療養 自宅で最期を過ごしたいか? 日本ホスピス・緩和ケア振興財団 H18 20.0 63.3 9.0 7.3 分からない その他 自宅で過ごしたいし、 実現可能と思う 自宅で過ごしたいが、困難と思う 自宅では 過ごしたくない
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本邦における全死亡数と死亡場所の年次推移
在宅看取りの現状:札幌市 本邦における全死亡数と死亡場所の年次推移 全国 総死亡数 1,083,796人 病院・診療所 892,919人(82.3%) 自宅 132,702人(12.1%) 札幌市 総死亡数 13,105人 病院・診療所 11,272人(86.5%) 自宅 1,281人(9.7%) 厚生労働省 人口動態統計より
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ターミナルケア患者の経験 (H18.4~H19.12) 症例 期間(日数) 疾患 初診時 死亡 在宅 実診療 PS 現症 治療(麻薬など)
ターミナルケア患者の経験 (H18.4~H19.12) 症例 期間(日数) 疾患 初診時 死亡 在宅 実診療 PS 現症 治療(麻薬など) 80 M 133 22 前立腺癌 3 歩行不可 病院 83 M 7 4 肺癌 意識混濁 オキシコンチン 72 F 8 胃癌 デュロテップパッチ モルヒネ静注 自宅 78 M 2 膀胱癌 下顎呼吸 在宅酸素 77 F 49 15 子宮癌 50 M モルヒネ持続皮下注 胸水排液 73 F 12 歩行困難 食欲不振 腹水排液ドレナージ 71 M 50 23 大腸癌 IVH管理 サンドスタチン
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ターミナルケア患者のまとめ 項目 結果 患者数 / 総診療患者数(%) 8 / 92 (8.6%) 年齢〖中央値 / 範囲〗
75 / [ 50~83 ] 死亡場所〖自宅 / 病院〗 6 / 2 初診時 Performance Status 3 / 4 意識レベル低下 あり / なし 3 / 5 4 / 4 日数〖中央値 / 範囲〗 総在宅日数(日) 22 / [ 2~132 ] 実診療日数(日) 6 / [ 2~23 ]
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症例:71歳男性 胃癌 現病歴 平成17年10月に大腸癌にて手術を施行、その時点で腹膜播種を認め、術後化学療法を施行するも、再発して化学療法を繰り返していたが憎悪していた。 平成19年8月に癌性腹膜炎によるイレウスにて入院、積極的治療は困難であり、減圧目的の胃瘻と中心静脈栄養を開始、緩和ケア(モルヒネ持続静注⇒フェンタニル貼付)を開始されていた。 この時点で本人・家族より強い希望があり、自宅でのターミナルケアを目的に当院を紹介された。 現症 意識は清明、腹部に仙痛が軽度存在 絶飲食で中心静脈栄養実施中
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11.6~11.14 H19.10.22 在宅医療開始 12.10 死亡 10/18 病院にて合同カンファ 実診療日数:23日 旅行
10/18 病院にて合同カンファ 実診療日数:23日 11.6~11.14 旅行 下顎呼吸 倦怠感高度 PS=3 PS=4 デュロテップパッチ 2.5mg 1.25mg モルヒネ持続皮下注 12mg 24mg 60mg アンペック10mg1日1回 デカドロン 4mg 2mg H 在宅医療開始 12.10 死亡
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在宅でのターミナルケア 意義 問題点 ・『自分らしさ』をサポート 生き方・死に方を自身で選択できるように
・『自分らしさ』をサポート 生き方・死に方を自身で選択できるように ・病気だけでなく、全方面の『苦痛』への対応 ・『すくなくとも不幸ではない』 家族に見守られての人生の終末 問題点 ・在宅ケアの情報不足(重症化してからの紹介が多い) ・緊急時や急変時の対応 ・介護負担(肉体的・精神的) 『死』を見つめる恐怖、苦痛や疼痛を見守る罪悪感
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今後の課題と目標 診療体制の構築 地域協力体制の構築 研究会や学会を通じた診療内容の向上 在宅に特化した診療経験の積み重ね
患者や家族の気持ちを『先読み』できる診療を 地域協力体制の構築 患者・医療者に対する情報提供と周知の努力 医療連携室、訪問看護師、介護との緊密な連携 札幌ホスピス緩和ケアネットワークなど
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結 語 在宅での終末期ケアには患者と家族の心情を読み取り、対応していく必要があり、専門的診療と柔軟な思考の両者が求められる
患者や家族に対する情報提供や医療連携などは十分でなく、今後の充実が待たれる
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