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水田における除草剤ブロモブチドの濃度変動と挙動
応用生命科学部 諸橋将雪、長沢俊輔、塩谷奈美、鈴木和将、川田邦明 水田における除草剤ブロモブチドの濃度変動と挙動 背景・目的 現在、水田における農薬は100種類以上に及んで いる。散布された農薬が環境中へ流出し、生態系に与える影響が懸念されている。これまで当研究室では流出挙動及び水田土壌における農薬の分解挙動に関する研究を報告した1,2,3)。本研究では、除草剤ブロモブチドと、その分解生成物を対象として、その挙動を明らかにすることを目的とした。ブロモブチドは水稲を対象とした除草剤として使用されており、その分解生成物の一つにブロモブチド脱臭素体がある。本講演では、田面水中のブロモブチドとブロモブチド脱臭素体の濃度変動について報告する。 表1 ブロモブチドの物性 実験方法 平成21年5月23日に農薬が散布 された新潟県新潟市西笠巻の水田3ヶ所から田面水を採取した。農薬散布から4日後までは3回/日、8日後までは1回/日、12日後までは1回/3日、18日後までは1回/週の頻度で採取を行った。分析方法を【図1】【図2】に示す。水試料はろ過した後、アセトンと精製水でコンディショニングした固相カートリッジ(Water Sep-Pak plus PS-2)に通水し、アセトンで溶出した。溶出液に窒素ガスを吹き付けることにより濃縮した後、内標準を添加しGC/MSで定量した。 図1 田面水試料の分析方法 図2 土壌の分析 結果・考察 田面水中におけるブロモブ チドの変動を【図3】に示す。いずれの水田においても、ブロモブチドは農薬散布から3日以内に最高濃度となった。その後、散布5日後に大きな濃度減少がみられたが、これは前日に行われた田面水の入れ替えによって、農薬の流出が起きたためと考えられる。一方、ブロモブチド脱臭素体の濃度は、散布直後から徐々に上昇し、ブロモブチドと同様に田面水入れ替え時に減少したものの、その後、増加した。ブロモブチドに対するブロモブチド脱臭素体の割合は、農薬散布直後から田面水入れ替えまでは概ね1%未満であったが、農薬散布12日後には10%以上、18日後には30%以上となった。 また、土壌中のブロモブチドも散布直後に濃度が増加した【図4】。これらの結果から、水と土壌への分配率を算出した結果を【表2】に示す。さらに、土壌吸着係数を算出した結果を【表3】に示す。 図3 田面水中の濃度変動 図4 土壌中の濃度変動 表2 ブロモブチドの環境への分配率 表3 土壌吸着係数Koc*の計算結果 参考文献 1)Siota et al. (2006) Bull. Environ. Contam. Toxicol., 77, 2)Maeda et al. (2008) Bull. Environ. Contam. Toxicol., 80, 3)Iwashita et al. (2008) Bull. Environ. Contam. Toxicol. 81,
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