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La及びY添加した層状熱電変換酸化物Ca349の結晶構造と熱電特性 H.Nakatsugawa and G.Kametani

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1 La及びY添加した層状熱電変換酸化物Ca349の結晶構造と熱電特性 H.Nakatsugawa and G.Kametani
Yokohama National University, 79-5 Tokiwadai, Hodogaya-ku, Yokohama , Japan                  結晶構造 序論 実験方法  Ca3Co4O9(Ca349)に代表される層状熱電変換酸化物は、金属的電気伝導と巨大熱起電力を同時に示す物質であり、高い熱電変換出力因子と高いエネルギー変換効率を実現する材料である。Ca349は一般化学組成:[Ca2CoO3+δ]0.62CoO2と表され、陵共有したCoO6八面体が二次元的に連結したCoO2層(伝導層)と岩塩型のCa2CoO3層(絶縁層)が交互に積層した層状酸化物である。また、伝導層はa=4.83Å, b1=2.82Å, c=10.84Å, β=98.1°の単斜晶であり、絶縁層はa=4.83Å, b2=4.56Å, c=10.84Å, β=98.1°の単斜晶であるので、所謂、複合結晶であり、b軸方向にb1/b2~0.62のミスフィット構造を内包している。  Ca349の金属的電気伝導と巨大熱起電力は伝導層が担っており、CoO2層中のCo原子価状態(Co3+とCo4+の原子価混合状態)が物性を支配している。Ca349のCoは例外無く低スピン(LS)状態を取ると言われているので、キャリア密度はCo4+濃度に支配され、熱起電力は状態密度(DOS)のエネルギー微分に支配される。従って、高い熱電特性を示すCa349の伝導層のCo原子価状態はCo3.1+~Co3.3+であり、高い電気伝導と熱起電力が実現されている。  しかし、伝導層のCo原子価状態は絶縁層の価数 : [Ca2CoO3+δ]n+ によって調節されるので、Caサイトへの原子置換や酸素不定比性に大きく依存している。同時に、Ca349は伝導層と絶縁層にCo原子が存在する為、化学分析によって得られるCo原子価数は両者の平均値であり、これまで伝導層のCo原子価数を決定する手段が無かった。本研究は、Ca349のフェリ磁性を平均場近似で解析することにより伝導層と絶縁層のCo原子価状態を評価する手段を用い、三価の陽イオン置換によって価数調整されたCa349の結晶構造と熱電特性の変化を明らかにすることを目的としている。 平均場近似 電気抵抗率測定 熱起電力測定 結果と考察 電気抵抗率の温度依存性 熱起電力の温度依存性 熱伝導率κ=1W/mKと仮定した場合の無次元性能指数ZT 磁化率の逆数の温度依存性と平均場近似によるフィッティング  300K以上の傾きから得られるキューリー定数は0.63emu K/mol(Co)であり、La10%Ca349のCoが低スピン(LS)状態を取るとすると、Coの原子価数が4+を越え、電気的中性条件が成り立たなくなる。従って、少なくとも一部のCoは中間スピン(IS)あるいは高スピン(HS)状態にあり、フェリ磁性ではなく反強磁性を示していると考えられる。例えば、Coの原子価数が3.2+である場合、1/3のCoがHS状態にあり、2/3のCoがLS状態にあれば矛盾なくキューリー定数を説明できる。 結論  Co3+とCo4+の混合原子価状態にある伝導層及び絶縁層のCoが低スピン(LS)状態にあるという前提のもと、フェリ磁性を平均場近似で解析することにより、Ca349, Y10% Ca349, Y20% Ca349の伝導層のCo原子価状態がそれぞれ3.10+, 3.08+, 3.00+と評価された。伝導キャリアである正孔の量(Co4+量)は、三価の陽イオン添加量と絶縁層中の酸素不定比性という外的要因と内的要因よって制御されている。また、La10%Ca349は、Ca349, Y10% Ca349, Y20% Ca349のようにフェリ磁性ではなく、反強磁性状態にあり、そのCoのスピン状態は一部のCoが高スピン状態を取ることが期待される。更に、La添加Ca349は、Ca349を凌駕する熱電特性向上も期待される。 Acknowledgments : This study has been partly supported by the Grants-in-Aid for Scientific Research #


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