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事例研究(ミクロ経済政策・問題分析 I) - 規制産業と料金・価格制度 -
(冬学期第2回 – プログラム評価) 2016年 10月17日 戒能一成
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0. 本講の目的 (手法面) - 政策評価のうち総合評価(プログラム評価)など の概要と問題点について理解する (内容面) - 公共政策大学院経済コース事例研究(I)の背景 としての国における政策評価の現状と課題を理解 する
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1. 政策評価とプログラム評価 1-1. 政策評価法 ○ 政策評価法 (2002年4月施行) ・ 政策評価基本方針を策定(総務省行政評価局) ・ 中央省庁に対し3~5年毎に政策評価基本計画 の策定・改訂を義務化 ・ 研究開発、公共事業、政府開発援助、規制法 規制定、税制措置による政策については事前 評価の実施を義務化 ・ 他の分野の政策については各省庁が毎年度 実施計画を定めて事後評価を実施(任意選択) ・ 評価は各省庁による自己評価が原則 3
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1. 政策評価とプログラム評価 1-2. 政策評価基本方針 ○ 政策評価実施ガイドライン(2005年各省庁了承) 1 政策の体系化: 政策>施策>事務事業 2 評価方式: 「総合評価」「実績評価」「事業評価」 (詳細後述) 3 評価手法: 原則は定量的評価だが定性的評 価や事例による評価も許容 4 学識経験者の知見活用 5 評価結果の政策への反映 6 政策評価の基盤整備 ( 政策評価法の「基本方針」も内容は概ね同じ ) 4
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1. 政策評価とプログラム評価 1-3. 政策評価の方式(1) ○ 事業評価方式 (「事前評価方式」, 事例極多数) - 評価時点: 主に事前評価 - 評価対象: 施策又は事業事務 - 評価内容: ( 直接効果のみ・目標なし ) ・ 政策効果及び費用の推計・測定 ・ 政策目的との整合性・妥当性、政 策関与必要性、費用対効果を検討 - 結果評価: ( 任意 ) - 政策反映: ( 任意 ) 5
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1. 政策評価とプログラム評価 1-4. 政策評価の方式(2) ○ 実績評価方式 (又は「目標管理方式」, 事例多) - 評価時点: 事前評価・事後評価の組合せ - 評価対象: 施策又は事業事務 - 評価内容: ( 直接効果のみ・目標あり ) ・ 政策効果及び費用の推計・測定と 目標の設定を実施 ・ 政策目的との整合性・妥当性、政 策関与必要性、費用対効果を検討 - 結果評価: 事前設定目標を基準に達成度評価 - 政策反映: ( 任意 ) 6
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1. 政策評価とプログラム評価 1-5. 政策評価の方式(3) ○ 総合評価方式 (「プログラム評価」, 事例小) - 評価時点: 事後評価 - 評価対象: 政策全体(施策・事業事務の集合体) - 評価内容: ( 直接・間接効果を含む ) ・ 政策効果及び費用の推計・測定 ・ 政策目的との整合性・妥当性、政 策関与必要性、費用対効果を検討 ・ 間接効果・波及効果の推計・測定 - 結果評価: 政策の問題点と原因を分析 - 政策反映: 改善方策を提案 7
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2. プログラム評価の問題点 2-1. 米国での政策評価 ○ GPRA (Gov
2. プログラム評価の問題点 2-1. 米国での政策評価 ○ GPRA (Gov. Performance & Result Act)(1993) GAO (Gov. Accountability Office) - プログラム評価は政策評価の当然の前提 - 評価の内容・方式を4類別化(原則全部実施) ・ Policy Implementation Process Analysis: 手段 ・ Policy Outcome Analysis: 実績 ・ Policy Impact Analysis: 波及分を含む影響 ・ Policy Cost & Benefit Analysis: 費用便益 - 実績評価は「手法」であり「目的」ではない 8
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2. プログラム評価の問題点 2-2. 国内での政策評価への批判 ○ 東 (会計検査院上席研究調査官, 2015) ・ 政策評価の自己評価性 ・ 予算/人事制度との非連動・非連携性 ・ 事業評価・実績評価などへの過度の傾倒 ← 政策評価が制度・予算新設の正当化手続とし て位置付けられ本来の機能を発揮していない ○ 宗高 (2014) ・ 総合評価(プログラム評価)の過小性 ← 外務省に事例が集中, 他は年間1~2件程度 実績評価と政策評価の混同が見られる 9
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2. プログラム評価の問題点 2-3. 総合評価方式の本質的問題 ○ 総合評価方式 (政策評価基本指針・別紙資料) 政策の決定から一定期間を経過した後を中心 に、問題点の解決に資する多用な情報を提供す ることにより政策の見直しや改善に資する見地 から、特定のテーマについて、当該テーマに係る 政策効果の発現状況を様々な角度から掘り下げ て分析し、政策に係る問題点を把握するとともに その原因を分析するなど総合的に評価する方式 ← 政策の「見直しや改善」実施が前提の事後評価 10
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2. プログラム評価の問題点 2-4. 総合評価(プログラム評価)の実施上の問題 ○ 総合評価(プログラム評価)の作業負担 ・ 法制・予算見直しによる時間的制約 (<3ヶ月) ・ 統計等を活用した定量的評価の困難性 ・ 総合評価結果の解釈と法制・予算への反映の 困難性 ○ 総合評価(プログラム評価)の動機不在 ・ 政策の「見直しや改善」に別途事前評価が必要 ・ 過去の政策を批判的に再検討する必然性欠如 ・ 政治主導による法制・予算への適用困難性 11
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3. プログラム評価の実例 3-1. 総合評価(プログラム評価)の実例 (別紙) ○ 国土交通省「航空自由化の推進」 (2012年度) ・ 2000年度の自由化実施の自主的事後評価 ○ 文部科学省・厚生労働省「医師確保対策」 (2009年度) ・ 経済財政諮問会議による選定(2008年11月) 12
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