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ミクロ経済学II 5 丹野忠晋 拓殖大学政経学部 2018年11月21日

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1 ミクロ経済学II 5 丹野忠晋 拓殖大学政経学部 2018年11月21日
2018/11/21 ミクロ経済学II (5) 公共財 丹野忠晋 拓殖大学政経学部 2018年11月21日

2 復習 公害や発明の損得は市場を通じて取引されていない
ミクロ経済学II 5 公害や発明の損得は市場を通じて取引されていない 外部性はある活動に従事する人が周囲の人の厚生に影響を与えるが,その影響に対する補償を支払うことも受け取ることもできないこと 周囲の人に対する悪影響を負の外部性 周囲の人に対する好影響を正の外部性 企業の生産に係わる自社の費用は私的費用という 私的費用と他者の費用の合計を社会的費用という 負の外部性がある財の競争的な資源配分は社会的な最適よりも多くなる 2018/11/21 ミクロ経済学II 5

3 財の基本的な性質 ある人にアイスクリームを食べられないようにすることができる アイスクリームを食べれば他人はそのアイスを食べられない
ミクロ経済学II 5 2018/11/21 財の基本的な性質 ある人にアイスクリームを食べられないようにすることができる アイスクリームを食べれば他人はそのアイスを食べられない 1のある人に消費できなくさせることを排除という 2のある人が消費すれば他の人は消費できないことを消費において競合しているという 身の回りの財は排除可能で競合的です このような財を私的財という 2018/11/21 ミクロ経済学II 5 丹野忠晋

4 ミクロ経済学II 5 2018/11/21 排除可能性と競合性 世の中の財は,価格を支払わない者を除き,ひとたび供給するとある人に消費できなくさせるとこができる性質を持つものばかりだろうか? 国防などこの2性質を持たない財もある その多くは政府が供給している 政府の存在理由が非排除性と非競合性の2性質をもつ財を供給することにある この2性質を持つ財・サービスを公共財という つまり,政府は公共財を提供する機関である 2018/11/21 ミクロ経済学II 5 丹野忠晋

5 公共財 国防,津波警報のサイレン,渋滞していない無料道路は排除できなく競合もしない公共財
ミクロ経済学II 5 2018/11/21 公共財 国防,津波警報のサイレン,渋滞していない無料道路は排除できなく競合もしない公共財 外国からの侵略から国を守る利益をある一人の人から取り除くことはできない(排除不可能) 国防によってある人が利益を得たときの他の人の利益が減少することはない(非競合的) 津波警報のサイレンが鳴ったときにある人を聞かなくさせることはできない(排除不可能) サイレンを聞いて危険を察知しても他の人のサイレンからの便益を減らさない(非競合的) 2018/11/21 ミクロ経済学II 5 丹野忠晋

6 様々な種類の財 魚を取れなくすることは難しい(排除不可能)だが,一人の人しか魚を食べられない(競合的)
ミクロ経済学II 5 2018/11/21 様々な種類の財 魚を取れなくすることは難しい(排除不可能)だが,一人の人しか魚を食べられない(競合的) 排除不可能だが競合的な財を共有資源という 小さな町の消防団はある家の消防活動を行わなかったが(排除可能) 消防団の維持費を考えると守るべき家が一軒増えたとしても追加的な費用は小さい(非競合的) 排除可能だが非競合的な財をクラブ財という クラブの成員が増えると嬉しい.宗教も同様 2018/11/21 ミクロ経済学II 5 丹野忠晋

7 4種類の財 私的財 クラブ財 共有資源 公共財 消費において競合的か 競合する 競合しない 可能 アイスクリーム 衣服 渋滞した有料道路
消防,宗教 ケーブルテレビ 公衆衛生 渋滞していない有料道路 共有資源 公共財 不可能 海中の魚 環境 渋滞した無料道路 国防 警報のサイレン 渋滞していない無料道路 排除可能か 2018/11/21 ミクロ経済学II 5

8 排除ができないとどうなるか? 排除できれば価格を支払わない者を除ける
ミクロ経済学II 5 2018/11/21 排除ができないとどうなるか? 排除できれば価格を支払わない者を除ける 排除が不可能なら,価格を支払わない者を財・サービスからの利益から妨げることができない 排除不可能な財を私的に供給しようとすると,他人の費用負担に便乗して,費用を支払わないただ乗りする人が現れる 公共財を私的に供給すると市場の失敗が起こる 民間市場で公共財を供給すると過小供給になる 2018/11/21 ミクロ経済学II 5 丹野忠晋

9 ただ乗り問題 財からの便益を得るが,それに対する支払をしない人をフリーライダーという ただ乗りした方が得である→誰も供給しない
例:灯台と船主.協同組合で灯台建設.他の船主は資金を提供するので自分はお金を出さない この状況を寄付ゲームによって明らかにする 公共財の私的な供給は寄付ゲームと同じ構造 フリーライダーの存在により 民間市場では公共財の供給は過小になる 2018/11/21 ミクロ経済学II 5

10 寄付ゲーム 個人1と個人2の2人の個人に1万円札を与える.各人「寄付する」か「寄付しない」を選択
寄付されたお金は5割増しになり,各人に均等に分配される 二人とも寄付する: 1万円×2×1.5÷2=1万5千円貰える 一人だけ寄付する: 寄付した人: 1.5×1万円÷2=7千5百円貰える 寄付しなかった人:7千5百円+1万円=1万7千5百円貰う 誰も寄付しなかったら1万円はそのまま 2018/11/21 ミクロ経済学II 5

11 寄付ゲームの利得表 1.5 0.75 1.75 1 プレイヤーは2人.状態は(寄付する,寄付する),
個人2が寄付しないを選んでいたとする (寄付しない,寄付しない)が均衡として選ばれる 同様に個人2も相手に対して寄付しないを選ぶ 個人1は寄付しないを選択 個人1は寄付しないを選択 個人2が寄付すると選んでいたとする プレイヤーは2人.状態は(寄付する,寄付する), (する,しない),(しない,する),(しない,しない) 各マスの左上は個人1の利得(万円),右下は個人2の利得(万円) 個人2 寄付する 寄付しない 個人1 1.5 0.75 1.75 1 2018/11/21 ミクロ経済学II 5

12 寄付ゲームの均衡は「寄付しない」 寄付ゲームの4つの状態のうち (個人1の選択,個人2の選択)=(寄付しない, 寄付しない)が選ばれる
この状態つまり行動の組を均衡という 正確には支配戦略均衡と呼ばれる 個人1は,個人2がどんな行動を選ぼうと,「寄付しない」を選ぶ方が金額が大きくなる 個人2にとっても同様.よって両者は均衡から外れる行動を取ることによって利益を得ることはない このゲームは別名囚人のジレンマともいう 2018/11/21 ミクロ経済学II 5

13 ジレンマとは何か 寄付ゲームの4つの状態のうち
(個人1の選択,個人2の選択)=(寄付する,寄付する)を選ぶと,両者は(個人1の利得,個人2の利得)=(1万5千円,1万五千円)もらえる 協力すれば1万五千円もらえるのに,実際は寄付をしなくて1万円しかもらえない 協力が理想的なのに,実際の行動は協力できない状況になっていることをジレンマという ボランティアはあるが国防,警察,津波警報,司法システム,環境保護を提供するのは政府 政府の強制力はこのようなジレンマを解消できる 2018/11/21 ミクロ経済学II 5

14 競合していないとどうなるか? 競合性をもつ財が生産されて,ある人によって消費されれば,他の人は消費できない
ミクロ経済学II 5 2018/11/21 競合していないとどうなるか? 競合性をもつ財が生産されて,ある人によって消費されれば,他の人は消費できない 競合していない財であれば,他の人がやってきても消費が追加できる 二つの費用を区別しよう 始めに財を生産するための費用 追加的な消費を可能にする費用 非競合的な財は2番目の費用が0になる 2018/11/21 ミクロ経済学II 5 丹野忠晋

15 非競合は過小供給 ビデオ企業は,財の排除可能であれば,支払いをする消費者だけに財を供給すれば利潤を得る
ミクロ経済学II 5 2018/11/21 効率的な価格は限界費用と等しくなることを思い出す 非競合は過小供給 ビデオ企業は,財の排除可能であれば,支払いをする消費者だけに財を供給すれば利潤を得る 消費の競合性がなければ,さらにもう一人の視聴者にビデオを見せる限界費用はゼロ 効率的な価格はゼロになる 視聴者の限界便益がゼロになるまでビデオを視聴すべき 企業が千円の価格を付ければ,限界便益がそれ以下の消費者は視聴できない→過小供給 2018/11/21 ミクロ経済学II 5 丹野忠晋

16 純粋公共財 現実の財では排除性と競合性をもつ方が多い→効率的な資源配分が達成 しかし,これらの性質を持たない財も重要
その特徴を多かれ少なかれ持つ財は存在 簡単化のために純粋公共財を考えていく 純粋公共財とは,人々がその財を享受できないように排除することが不可能であり,かつその財を追加的にもう1人に供給するための限界費用が0である財である 2018/11/21 ミクロ経済学II 5

17 追加利用の限界費用 排除の容易さ 国防,渋滞のない高速道路 純粋公共財 渋滞した高速道路 純粋私的財 医療,教育 消防サービス
2018/11/21 ミクロ経済学II 5

18 純粋公共財の最適な供給 公共財をどれだけ供給すれば良いか? 最適な規模のキャンパスの清掃は公共財 清掃回数は一日に何回が良いだろうか
学生は大谷となおみだけだとする 彼らは公共財に対する支払意欲をもっている 今の清掃回数から1単位増えたら何円まで支払っても良いかという金額=限界便益 大谷となおみは自分の限界便益を大学に正直に伝えたとする 2018/11/21 ミクロ経済学II 5

19 最適公共財と社会的な限界便益 大学は両者の限界便益によって社会的に最適な清掃回数を計算することができる
公共財の社会的限界便益とは何だろうか? 競合しないため,追加的な1単位ですべての消費者の便益が高まる 綺麗なキャンパスで大谷もなおみも満足 純粋公共財の最適な水準は社会的限界便益と供給にかかる限界費用が等しくなるときに達成される 公共財の社会的限界便益はすべての消費者の私的限界便益の和に等しい 2018/11/21 ミクロ経済学II 5

20 清掃の社会的限界便益 表のように清掃回数が0回から1回になると大谷は500円支払っても良い(限界便益).なおみも500だから,社会的な限界便益は1000になる 清掃回数 (1日回) 大谷の限界便益         (円) なおみの限界便益          (円) 社会的限界便益 1 500 1000 2 400 800 3 300 600 4 200 2018/11/21 ミクロ経済学II 5

21 清掃の社会的限界便益曲線 200 300 500 400 限界便益(円) 回 1 2 3 4 大谷の私的限界便益曲線 200 300 500
限界便益(円) 1 2 3 4 大谷の私的限界便益曲線 200 300 500 400 限界便益(円) 1 2 3 4 社会的限界便益曲線 600 1000 800 私的限界便益曲線をタテに足し合わせると社会的限界便益曲線になる 限界費用曲線(600円) 200 300 500 400 限界便益(円) 1 2 3 4 なおみの私的限界便益曲線 最適な清掃回数は3回 2018/11/21 ミクロ経済学II 5

22 最適な公共財の供給 清掃の限界費用は1回あたり600円だとする 社会厚生が最大になる回数は? 最大になる回数が複数あれば多い方を選ぶと仮定
清掃回数3回が最適 清掃の限界費用は1回あたり600円だとする 社会厚生が最大になる回数は? 最大になる回数が複数あれば多い方を選ぶと仮定 清掃回数 (1日回) 社会的限界便益 社会的便益 限界費用 費用 経済厚生 1 1000 600 400 2 800 1800 1200 3 2400 4 2800 2018/11/21 ミクロ経済学II 5

23 社会的限界便益曲線と最適公共財 SMB=MB1+MB2 SMB=MCを満たすx*が最適な公共財水準 200 300 500 400
MB(marginal benefit) 1 2 3 4 個人1の私的限界便益曲線 MB1 x SMB=MB1+MB2 限界費用曲線MC MB2 MB1 SMB(social marginal benefit) 200 300 500 400 MB,MC(marginal cost) x 1 2 x*=3 社会的限界便益曲線 600 1000 800 200 300 500 400 MB 1 2 3 4 個人2の私的限界便益曲線 MB2 x SMB=MCを満たすx*が最適な公共財水準 2018/11/21 ミクロ経済学II 5

24 最適な公共財と私的な財の効率性 個人は自分の公共財に対する限界便益を当局に報告して社会的限界便益を導いたことに注意
実際にどのような制度を設計すれば可能か? 個人の便益の推計する場合の手法は? 私的財の効率性は需要曲線が水平に足し合わされた市場需要曲線から求まったことと対照的 純粋公共財の最適な水準は社会的限界便益と供給にかかる限界費用が等しくなるときに達成される 私的財の効率的な水準は各私的限界便益と供給にかかる限界費用が等しくなるときに達成される 2018/11/21 ミクロ経済学II 5

25 復習 他人が利用できなくする財の性質を排除可能性 ある人が利用すると他の人の利用しづらくさせる財の性質を消費における競合性
ミクロ経済学II 5 他人が利用できなくする財の性質を排除可能性 ある人が利用すると他の人の利用しづらくさせる財の性質を消費における競合性 排除可能性ではなく消費における競合性持たない性質を持つ財を公共財という 公共財を私的に供給すると市場の失敗が起こる 排除不可能だが競合的な財を共有資源という 排除可能だが非競合的な財をクラブ財という フリーライダーの存在により 民間市場では公共財の供給は過小になる 2018/11/21 ミクロ経済学II 5


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