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Wilsonの描いた道、摂動QCDの歩み、

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Presentation on theme: "Wilsonの描いた道、摂動QCDの歩み、"— Presentation transcript:

1 Wilsonの描いた道、摂動QCDの歩み、
数学との交差 隅野行成 Lunch Talk

2 1982年のノーベル物理学賞受賞。 Wilson流のくりこみ群の理論 素粒子理論 ⇔ 物性理論 QCDの解析にも数多くの功績 Kenneth G. Wilson (1936 – ) ここでは摂動QCDの話に限定 ・くりこみ群 → 低エネルギー有効理論の構成 ・Operator product expansion (OPE)

3 2000年代半ば~ 現在 精密科学~1%精度、統合への流れ
小平治郎 2005日本物理学会 “30 Years of QCD” 摂動QCDの歩み 1970年代半ば~ 80年代半ば  勃興期 80年代半ば~ 90年代半ば  沈静期、熟考期 90年代半ば~ 00年代半ば  定量的予言 ~10%精度 2000年代半ば~  現在      精密科学~1%精度、統合への流れ 現在 ~          理論形式の再構成・統一(?)

4 ℒ ℒ′ 𝒪 𝒪 𝒪 ′ ( 𝜑′ ) 𝜇 = 𝑔 𝑖 𝑖 ( 𝜑 𝑛 ) 𝜇′ = 𝑔 𝑖 𝑖
くりこみ変換(=「粗視化」)による低エネルギー有効理論の構成 理論のカットオフを下げる 𝜇 → 𝜇′ 𝑖 𝒪 𝜑 = 𝜑 2 , 𝜑 4 , (𝛻𝜑) 2 ,… etc. 𝜇 = 𝑔 𝑖 𝑖 𝒪 𝑖 ( 𝜑 𝑛 ) 𝑛 𝜇′ = 𝑔 𝑖 𝑖 𝒪 𝑖 ( 𝜑′ ) ℒ′ 少ない自由度 𝐸<𝜇’ の物理は変わらないように 𝑔 𝑖 を決める

5 𝒪 ℒ 𝒪 ℒ′ 繰り込み変換=粗視化 𝑛 𝜑 𝑛 𝜑 ′ = 𝜑 𝑛 ′ B QCDでは 𝜇 = 𝑔 𝑖 𝑖 ( 𝜑 𝑛 )
𝑔 𝑖 (𝜇) Λ 𝑄𝐶𝐷 ≈300 MeV 強結合 弱結合 𝜑 𝑛 𝜑 ′ = 𝜑 𝑛 𝑛∈ B B 𝜇 = 𝑔 𝑖 𝑖 𝒪 𝑖 ( 𝜑 𝑛 ) B 𝜇/2 = 𝑔 𝑖 𝑖 𝒪 𝑖 ( 𝜑′ ) ℒ′

6 𝐸 有効理論におけるOPE 𝜇 高いエネルギースケール         を含む物理量 + グルーオン 1/𝑃 (≪    ) グルーオンの波長

7 QCDに基づく数々の有効理論が構成された
NRQCD pNRQCD vNRQCD HQET QCD SCET Chiral PT Factorization (因子化)

8 NRQCD pNRQCD vNRQCD HQET Full QCD SCET Chiral PT

9 NRQCD pNRQCD vNRQCD HQET Full QCD SCET Chiral PT

10 NRQCD pNRQCD vNRQCD HQET Full QCD SCET Chiral PT

11 NRQCD pNRQCD vNRQCD HQET Full QCD SCET Chiral PT

12 NRQCD pNRQCD vNRQCD HQET Full QCD SCET Chiral PT Lattice QCD

13 NRQCD pNRQCD vNRQCD HQET Full QCD SCET Chiral PT

14 NRQCD pNRQCD vNRQCD HQET Full QCD SCET Chiral PT

15 NRQCD pNRQCD vNRQCD HQET Full QCD SCET Chiral PT

16 NRQCD pNRQCD vNRQCD HQET Full QCD SCET Chiral PT

17 NRQCD pNRQCD vNRQCD HQET Full QCD SCET Chiral PT

18 NRQCD pNRQCD vNRQCD HQET SCET Chiral PT QCD

19 私の研究テーマの視点から眺望してみる NRQCD pNRQCD vNRQCD HQET QCD SCET Chiral PT

20 𝑄 OPE 重いクォーク・反クォーク対の系 チャーモニウム・ボトモニウム・“トッポニウム”
物理量の例:( 𝑀 𝑄 →∞での)この系のエネルギー OPE =1

21 OPE

22 OPE 高次補正を含めるほど、 より遠方まで高精度の予言 が得られ、格子計算との 一致もよくなる。 OPE と consistent。
       の定数 高次補正を含めるほど、 より遠方まで高精度の予言 が得られ、格子計算との 一致もよくなる。 OPE と consistent。

23 摂動QCDにおける重いクォーコニウム系のエネルギーの計算
のIRグルーオンは寄与しない (∵全系のカラー電荷=0) ポテンシャルの急速な立ち上がりと constituent クォーク質量 𝑟 −1 𝑔( 𝑟 −1 ) の寄与が  と共に急速に増大

24 ℒ 過去20年に計算技術の大きな発展(予想外の方向性で) Λ→∞ 𝜀→0 次元正則化 解析接続による正則化 カットオフと物理的描像が異なる
      次元正則化 解析接続による正則化 カットオフと物理的描像が異なる 有限 物理量A         物理量B 発散 発散 Λ→∞ 𝜀→0 優れた数学的性質

25 例:スケールの分離 ・・・ 有効理論の構成に不可欠

26 数学との交差 ・多重ゼータ値、多重polylog関数 ・特異点、特異点解消 ・character , 1の冪根 ・シャッフル関係式 モチーフ
・シャッフル関係式      モチーフ 今までのところ特に計算技術の向上に役立っているが、 より根本的な原理・普遍性が見え隠れしている。

27 まとめと展望 ・摂動QCDの過去15年の大きな進展 低エネルギー有効理論とOPEによるスケールの分離
   低エネルギー有効理論とOPEによるスケールの分離 ・基礎理論に基づく高精度の予言と正確な物理的描像 ・計算技術の飛躍的発展と背後の理論    計算結果による前進、解析解の大幅な簡約化    数学との交差、水面下に見える普遍性 ・今後、理論形式の再構成・統合が起こると期待       e.g. Factorization → 系統的な有効理論の構成           輻射補正の意味づけ 𝑚 𝑐 , 𝑚 𝑏 , 𝑚 𝑡 , 𝛼 𝑠 の高精度決定などに応用されている


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