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帝京大学医学部 内科学講座 呼吸器・アレルギー学 大田 健

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1 帝京大学医学部 内科学講座 呼吸器・アレルギー学 大田 健
The Japanese Respiratory Society 社団法人日本呼吸器学会 教育用DVD - DVDで学ぶ実践呼吸器病学 - Ⅱ-11 気管支喘息の 病態・診断・治療 帝京大学医学部 内科学講座 呼吸器・アレルギー学 大田 健 1

2 内容 気管支喘息とは? 気管支喘息の疫学 気管支喘息の診断・治療 -JGL2009を中心に- 診断の目安 治療目標 長期管理
急性増悪 (発作) への対応 種々の側面  アスピリン喘息 喘息とCOPDの鑑別 今後の課題 参考文献 2

3 気管支喘息とは? 3

4 気管支喘息とは? 【喘息の定義】 可逆性の気道狭窄 気道の過敏性 慢性の気道炎症 4

5 気管支喘息とは? 【可逆性の気道狭窄】 可逆性の気道狭窄 可逆性の気道狭窄とは,喘息の症状が出現しているときの気道狭窄が,治療によりあるいは自然に正常化(狭窄の緩解)がみられることをいう. 5

6 【気道の過敏性】 気道の過敏性 気道の過敏性とは,健常人では吸入しても気道を刺激しない物質によって 気道狭窄が惹起されることをいう.
気管支喘息とは? 【気道の過敏性】 気道の過敏性 気道の過敏性とは,健常人では吸入しても気道を刺激しない物質によって 気道狭窄が惹起されることをいう. 6

7 喘息患者の気道には,慢性に炎症がおこっている
気管支喘息とは? 【慢性の気道炎症(気管支粘膜生検像)】 正常 喘息 正常な気管支粘膜では表面を線毛上皮が絨毯のように覆い,粘膜下には炎症細胞が点在するにとどまるのに対して,喘息の気管支粘膜では,上皮細胞の剥離,基底膜の肥厚,粘膜下の炎症細胞(特に好酸球)の集簇を認める. 喘息患者の気道には,慢性に炎症がおこっている より引用 7

8 【喘息の気道にみられる慢性炎症所見】 気道上皮細胞の剥離 基底膜部(網状層)の線維化による肥厚 好酸球の集簇を主体とする細胞浸潤
気管支喘息とは? 【喘息の気道にみられる慢性炎症所見】 気道上皮細胞の剥離 基底膜部(網状層)の線維化による肥厚 好酸球の集簇を主体とする細胞浸潤 8

9 気管支喘息の疫学 9

10 【小児・成人の喘息有病率は上昇している】
気管支喘息の疫学 【小児・成人の喘息有病率は上昇している】 1989 1966 Finland (Haahtela et al) 1991 1979 Sweden (Aberg et al) 3.2% 4.6% 6.5% in 2002 2002 1992 Japan (Nakagomi et al) 1982 1992 1982 Scotland (Rona et al) 1994 1989 UK (Omran et al) 1992 1982 USA (NHIS) 1989 1975 New Zealand (Shaw et al) 1992 1982 Australia (Peat et al) 5 10 15 20 25 30 35 Prevalence (%) 10

11 気管支喘息の疫学 【藤枝市 ATSアンケート】 対象者 (人) 有効 回答 有効 回答率 (%) 喘息 有症 (人) 有症率 現症 既往 横内 786 736 93.64 23 3.13 1.90 1.22 堀之内 1,163 1,037 89.17 38 3.66 0.68 2.99 仮宿 1,381 1,244 90.08 58 4.66 1.77 2.89 田沼中 857 812 94.75 40 4.93 1.72 3.20 合計 4,187 3,829 91.45 159 4.15 1.49 2.66 喘息の有症率は4%前後 国民全体にあてはめると480万人に相当 受診患者数はおよそ120万人と推計される 11

12 喘息死亡率は,1990年代は人口10万人対5程度であったが,最近は低下してきている
気管支喘息の疫学 【喘息死亡率(人口10万人対) 全国】 死亡者実数 3,283 in 2004 2,778 in 2006 2,348 in 2008 7.0 6.0 5.0 4.0 人口10万人対喘息死亡率 3.0 2.0 1.0 喘息死亡率は1995年のインフルエンザによる死亡率増加(10万人当たり5.8人)をピークに経年的に減少し,2006年は2,778人(10万人当たり2.2人),2008年は2,348人(10万人当たり1.9人)までさらに減少した. 0.0 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2009 (厚生労働省 人口動態調査より) 喘息死亡率は,1990年代は人口10万人対5程度であったが,最近は低下してきている 12

13 気管支喘息の診断・治療 -JGL2009を中心に-
13

14 「喘息予防・管理ガイドライン2009」 JGL2009 【新しい成人喘息ガイドライン】 -作成の経緯- 1993年JGL第1版
気管支喘息の診断・治療 【新しい成人喘息ガイドライン】 「喘息予防・管理ガイドライン2009」 JGL2009 -作成の経緯- 1993年JGL第1版 2001年JGL-EBM 2004年日本アレルギー学会ガイドライン委員会/ 気管支喘息ガイドライン専門部会発足 2006年 JGL2006完成 2009年 JGL2009完成 (「喘息予防・管理ガイドライン2009」作成委員会:喘息予防・管理ガイドライン2009.社団法人日本アレルギー学会喘息予防・管理ガイドライン専門部会監修,協和企画,東京,2009) 14

15 気管支喘息の診断・治療 【喘息予防・管理ガイドライン2009】 診断の目安 治療目標 長期管理 急性増悪 (発作) への対応 15

16 気管支喘息の診断・治療 1.診断の目安 16

17 発作性の呼吸困難,喘鳴,咳(夜間,早朝に出現しやすい)の反復
気管支喘息の診断・治療 1.診断の目安 【成人喘息での診断の目安1)】 発作性の呼吸困難,喘鳴,咳(夜間,早朝に出現しやすい)の反復 可逆性気道閉塞:自然に,あるいは治療により緩解する.PEF値の日内変動20%以上,β2刺激薬吸入により1秒量が12%以上増加かつ絶対量で200mL以上増加 気道過敏性の亢進:アセチルコリン,ヒスタミン, メサコリンに対する気道収縮反応の亢進 発作性の呼吸困難,喘鳴,咳(夜間,早朝に出現しやすい)の反復.安静時でも出現するが日中の運動時にも出現する. 慢性に咳が持続するときにも喘息の可能性がある. 17

18 ※PEF(peak expiratory flow):ピークフロー
気管支喘息の診断・治療 1.診断の目安 【成人喘息での診断の目安1)】 1. 発作性の呼吸困難,喘鳴,咳(夜間,早朝に出現しやすい)の反復 2. 可逆性気道閉塞:自然に,あるいは治療により緩解する.PEF値※の日内変動20%以上,β2刺激薬吸入により1秒量が12%以上増加かつ絶対量で200mL以上増加 3. 気道過敏性の亢進:アセチルコリン,ヒスタミン, メサコリンに対する気道収縮反応の亢進 ※PEF(peak expiratory flow):ピークフロー 18

19 【呼吸機能検査(スパイログラム)】 1秒 肺活量 (VC) 1秒量 (FEV1.0) 努力肺活量 (FVC) 1回換気量 (VT)
気管支喘息の診断・治療 1.診断の目安 【呼吸機能検査(スパイログラム)】 1秒 肺活量 (VC) 1秒量 (FEV1.0) 努力肺活量 (FVC) 1回換気量 (VT) 1秒量 1秒率(FEV1.0%)= ×100 努力肺活量 19

20 【フローボリューム曲線の特徴】 V50/V25 Vpeak V50 V25 中枢側の閉塞性変化 流速 >2:下降脚が下に凸になる
気管支喘息の診断・治療 1.診断の目安 【フローボリューム曲線の特徴】 中枢側の閉塞性変化 流速 Vpeak V50/V25 >2:下降脚が下に凸になる ≧3:末梢気道病変の存在あり 8 パターン認識が容易 各肺気量位での呼出障害の程度が敏感に検出できる 低肺気量での閉塞性障害の検出が容易 6 末梢側の閉塞性変化 V50 4 V25 2 50% 25% FVC 呼出量 20

21 【呼吸機能検査(フローボリューム曲線)】
気管支喘息の診断・治療 1.診断の目安 【呼吸機能検査(フローボリューム曲線)】 気流 (L/sec) PEF V50 V25 気量(L) TLC 50%VC 25%VC RV PEF(peak expiratory flow:最大呼気流量):フローボリューム曲線において,初期に出現する呼気流量(Y値)の最大値. 21

22 【ピークフロー日記】 気管支喘息の診断・治療 1.診断の目安
ピークフローメーターによるピークフロー値は家庭で朝と夕の2回測定され,治療の効果を経時的に評価することができる. (宮本昭正:ピークフロー日記.ライフサイエンス出版,東京,2006) 22

23 1. 発作性の呼吸困難,喘鳴,咳(夜間,早朝に出現しやすい)の反復
気管支喘息の診断・治療 1.診断の目安 【成人喘息での診断の目安1)】 1. 発作性の呼吸困難,喘鳴,咳(夜間,早朝に出現しやすい)の反復 2. 可逆性気道閉塞:自然に,あるいは治療により緩解する.PEF値の日内変動20%以上,β2刺激薬吸入により1秒量が12%以上増加かつ絶対量で200mL以上増加 3. 気道過敏性の亢進:アセチルコリン,ヒスタミン, メサコリンに対する気道収縮反応の亢進 23

24 【気道過敏性の測定】 アセチルコリン吸入試験でのアセチルコリン閾値などの 測定方法 気管支喘息の診断・治療 1.診断の目安 % 10
Slope ΔFEV1.0=14% log 2 10 12% FEV1.0減少率 20 20% 30 アセチルコリン閾値 (TR-Ach)=5,000μg/mL 40 PC20=3,520μg/mL 50 log 2 試験前 生食 78 313 1,250 5,000 μg/mL 39 156 625 2,500 10,000 アセチルコリン濃度(log) PD20=105,000 237 1,172 4,922 19,922 Inhalation Unit 78 546 2,422 9,922 39,922 吸入蓄積量 (牧野荘平ほか:気管支喘息におけるアセチルコリン吸入試験の標準法の臨床的検討.アレルギー 1984; 33: ) 24

25 気管支喘息の診断・治療 2.治療目標 25

26 夜間や早朝の咳や呼吸困難がなく十分な夜間睡眠が可能なこと
気管支喘息の診断・治療 2.治療目標 【成人喘息での治療の目標1)】 健常人と変わらない日常生活が送れること 正常に近い肺機能を維持すること PEFの変動が予測値の10%以内 PEFが予測値の80%以上 夜間や早朝の咳や呼吸困難がなく十分な夜間睡眠が可能なこと 喘息発作が起こらないこと 喘息死の回避 治療薬による副作用がないこと 非可逆的な気道リモデリングへの進展を防ぐこと 26

27 傷 害 リモデリング(再構築) 修 復 【気道リモデリングとは】 気管支喘息の診断・治療 2.治療目標
傷 害 リモデリング(再構築) 一般にリモデリング(再構築)とは傷害された組織を修復する途中の過程と考えられ,工事中で足場の組まれた状態ともイメージされる. 修 復 27

28 【喘息の気道リモデリング】 epithelium basal cells basement membrane contractile SMC
気管支喘息の診断・治療 2.治療目標 【喘息の気道リモデリング】 epithelium basal cells basement membrane contractile SMC synthetic SMC epithelium basal cells basement membrane myofibroblast 長期罹患した患者では,気道上皮基底膜直下の線維化,平滑筋の肥厚,粘膜下腺の過形成などからくる気道のリモデリングがみられ,非可逆的な気流制限と持続的な気道過敏性の亢進をもたらし,喘息が難治化する原因になると考えられる. synthetic SMC contractile SMC 28

29 気管支喘息の診断・治療 3.長期管理 29

30 ※CS:corticosteroids ※※SABA:short acting beta-agonists
気管支喘息の診断・治療 3.長期管理 【喘息コントロールの指標】 喘息症状 (咳, 喘鳴, 呼吸困難など) 発作症状 (急性増悪) 発作治療薬の使用 (CS※, SABA※※など) 日常活動の制約 呼吸機能 (PEFの測定値と日内変動) 投与薬剤の副作用 ※CS:corticosteroids ※※SABA:short acting beta-agonists 30

31 気管支喘息の診断・治療 3.長期管理 【治療の標的】 気道の狭窄 治 療 気道の炎症 31

32 ステロイド薬, β2刺激薬, テオフィリン薬, 抗コリン薬 長期管理薬 (コントローラー): ステロイド薬 テオフィリン徐放製剤
気管支喘息の診断・治療 3.長期管理 【治療薬の分類1)】 発作治療薬(リリーバー) ステロイド薬, β2刺激薬, テオフィリン薬, 抗コリン薬 長期管理薬 (コントローラー): ステロイド薬 テオフィリン徐放製剤 長時間作用性β2刺激薬 ロイコトリエン受容体拮抗薬 抗アレルギー薬 抗IgE 抗体 32

33 【喘息の長期管理薬 (コントローラー)】 ステロイド薬 1) 吸入ステロイド薬 2) 経口ステロイド薬 テオフィリン徐放製剤
気管支喘息の診断・治療 3.長期管理 【喘息の長期管理薬 (コントローラー)】 ステロイド薬   1) 吸入ステロイド薬   2) 経口ステロイド薬 テオフィリン徐放製剤 長時間作用性β2刺激薬 1) 吸入薬 2) 貼付薬 3) 経口薬 ロイコトリエン受容体拮抗薬 吸入ステロイド薬/吸入長時間作用性β2刺激薬配合剤 抗IgE抗体 抗アレルギー薬 1)メディエーター遊離抑制薬 2) ヒスタミンH1拮抗薬 3) トロンボキサン阻害薬 4) Th2阻害薬 33

34 【吸入ステロイド薬(inhaled corticosteroid;ICS)に ついて】
気管支喘息の診断・治療 3.長期管理 【吸入ステロイド薬(inhaled corticosteroid;ICS)に ついて】 全身性ステロイド薬 吸入ステロイド薬 特徴 :全身に作用 副作用 :副腎皮質抑制,骨粗鬆症,白内障など (長期,大量投与時) 特徴 :直接作用(少量の薬剤) 副作用 :主に局所症状 (嗄声,口腔カンジダ症) 局所抗炎症作用が強力.常用量では副腎機能の副作用はほとんどみられない.吸入薬のステロイド用量は,経口薬に比較して1/1,000である. 肝臓において初回通過で90%が代謝される. 局所副作用としては,嗄声,咽頭の異常感,口腔のカンジダ症などがあるが,うがいによって多くの場合が防げる. 小児の発育においても,長期の追跡結果では健常な子どもの発育(身長)と差がない. 34

35 【各吸入ステロイド薬の種類1)】 pMDI (加圧式定量噴霧吸入器) DPI (ドライパウダー吸入器)
気管支喘息の診断・治療 3.長期管理 【各吸入ステロイド薬の種類1)】 pMDI (加圧式定量噴霧吸入器) DPI (ドライパウダー吸入器) BDP (ジプロピオン酸ベクロメタゾン) BDP-HFA (キュバールⓇ) なし FP (プロピオン酸フルチカゾン) FP-HFA (フルタイドⓇエアー) FP-DPI (フルタイドⓇディスカス, フルタイドⓇディスクヘラー) SM(サルメテロール  キシナホ酸塩)との配合剤 FP/SM HFA (アドエアⓇエアー) FP/SM DPI (アドエアⓇディスカス) BUD (ブデソニド) BUD-DPI (パルミコートⓇ) FM(ホルモテロールフマル酸塩 水和物との配合剤) BUD/FM (シムビコートⓇ) CIC (シクレソニド) CIC-HFA (オルベスコⓇ) MF (モメタゾンカルボン酸エステル) MF-DPI (アズマネックスⓇツイストヘラー) ICSの吸入方法には大きく分けると,HFAを用いたpMDIと粉末製剤によるDPIの2種類がある. MDI : metered dose inhaler; pMDI: pressurized MDI; HFA: hydrofluoroalkane; DPI : dry powder inhaler 35

36 【各種吸入ステロイド薬の投与量の目安1)】
気管支喘息の診断・治療 3.長期管理 【各種吸入ステロイド薬の投与量の目安1)】 薬剤 治療ステップ1~2 低用量 (μg/日) 治療ステップ3 中用量 (μg/日) 治療ステップ4 高用量 (μg/日) CIC-HFA 100~200 200~400 400~800 BDP-HFA FP-HFA FP-DPI BUD-DPI 800~1,600 MF-DPI 各薬剤の粒子径は、6μm > FP-DPI > FP-HFA > BUD-DPI > MF-DPI > CIC-HFA = BDP-HFA>1μm となっており、広く気道に分布するが、粒子が小さいものは、より末梢の気道に達する 36

37 【LABA※とICSの併用効果8)】 35 30 25 20 n=426 symptomatic with BDP400μg/d
気管支喘息の診断・治療 3.長期管理 【LABA※とICSの併用効果8)】 ※long acting beta-agonist BDP400μg/day+LABA 35 BDP増量1,000μg/day 30 LABA追加 25 20 n=426 symptomatic with BDP400μg/d PEF の変化量(mL/sec) 15 BDP 1,000μg/dに増量 10 5 ICSと併用して相乗効果 長時間作用性β2刺激薬 テオフィリン徐放性製剤 ロイコトリエン受容体拮抗薬 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 37

38 【未治療での喘息重症度の分類 (成人)1)】
気管支喘息の診断・治療 3.長期管理 【未治療での喘息重症度の分類 (成人)1)】 重症度1) 軽症間欠型 軽症持続型 中等症持続型 重症持続型 喘息症状の特徴 頻度 週1回未満 週1回以上だが 毎日ではない 毎日 強度 症状は 軽度で短い 月1回以上 日常生活や睡眠 が妨げられる 週1回以上 日常生活に 制限 短時間作用性 吸入β2刺激薬 頓用がほとんど 毎日必要 治療下でも しばしば増悪 夜間症状 月に2回未満 月2回以上 しばしば PEF,FEV12) %FEV1,%PEF 80%以上 60%以上 80%未満 60%未満 変動 20%未満 20~30% 30%を超える 1) いずれか1つが認められればその重症度と判断する. 2) 症状からの判断は重症例や長期罹患例で重症度を過小評価する場合がある.呼吸機能は気道閉塞の頻度を客観的に示し,その変動は気道過敏性と関連する.%FEV1=(FEV1測定値/FEV1予測値)×100,%PEF=(PEF測定値/PEF予測値または自己最良値)×100 (「喘息予防・管理ガイドライン2009」作成委員会:喘息予防・管理ガイドライン2009.社団法人日本アレルギー学会喘息予防・管理ガイドライン専門部会監修,協和企画,東京,2009) 38

39 【現在の治療を考慮した喘息重症度】 喘息治療の4ステップ 気管支喘息の診断・治療 3.長期管理 治療ステップ1 治療ステップ2
治療ステップ3 治療ステップ4 対象となる症状 (軽症間欠型相当) ・症状が週1回未満 ・症状は軽度で短い ・夜間症状は月に2回未満 (軽症持続型相当) ・症状は週1回以上,しかし毎日ではない ・月1回以上日常生活や睡眠が妨げられる ・夜間症状は月2回以上 (中等症持続型相当) ・症状が毎日ある ・短時間作用性吸入β2刺激薬がほぼ毎日必要 ・週1回以上日常生活や睡眠が妨げられる ・夜間症状が週1回以上 (重症持続型相当) ・治療下でもしばしば増悪 ・日常生活が制限される ・夜間症状がしばしば 喘息治療の4ステップ  治療ステップ1:長期管理薬1剤+発作治療薬  治療ステップ2:長期管理薬2剤+発作治療薬  治療ステップ3:長期管理薬3剤以上+発作治療薬  治療ステップ4:長期管理薬+発作治療薬+追加療法 (「喘息予防・管理ガイドライン2009」作成委員会:喘息予防・管理ガイドライン2009.社団法人日本アレルギー学会喘息予防・管理ガイドライン専門部会監修,協和企画,東京,2009) 39

40 【JGL2006:成人喘息の長期管理1)】 気管支喘息の診断・治療 3.長期管理 治療ステップ1 治療ステップ2 治療ステップ3
治療ステップ4 長期管理薬 基本治療 吸入ステロイド薬 (低用量) 吸入ステロイド薬 (低~中用量) 吸入ステロイド薬 (中~高用量) 吸入ステロイド薬 (高用量) 上記が使用できない場合以下のいずれかを用いる LTRA テオフィリン徐放製剤 (症状が稀であれば必要なし) 上記で不十分な場合に以下のいずれか1剤を併用 LABA (配合剤の使用可) 上記に下記のいずれかを1剤,あるいは複数を併用 上記に下記の複数を併用 上記のすべてでも管理不良の場合は下記のいずれか,あるいは両方を追加 抗IgE抗体2) 経口ステロイド薬3) 追加 治療 LTRA以外の 抗アレルギー薬1) 発作治療4) 吸入SABA LTRA:ロイコトリエン受容体拮抗薬,LABA:長時間作用性β2刺激薬,SABA:短時間作用性β2刺激薬 1) 抗アレルギー薬とは,メディエーター遊離抑制薬,ヒスタミンH1拮抗薬,トロンボキサンA2阻害薬,Th2サイトカイン阻害薬を指す. 2) 通年性吸入抗原に対して陽性かつ血清総IgE値が30~700IU/mLの場合に適用となる. 3) 経口ステロイド薬は短期間の間欠的投与を原則とする.他の薬剤で治療内容を強化し,かつ短期間の間欠投与でもコントロールが得られない場合は,必要最小量を維持量とする. 4) 軽度の発作までの対応を示し,それ以上の発作については7-2(本項43頁以降)を参照. (「喘息予防・管理ガイドライン2009」作成委員会:喘息予防・管理ガイドライン2009.社団法人日本アレルギー学会喘息予防・管理ガイドライン専門部会監修,協和企画,東京,2009) 40

41 【コントロール状態の評価】 気管支喘息の診断・治療 3.長期管理 コントロール良好 (全ての項目が該当)
コントロール不十分 (いずれかの項目が該当) コントロール不良 喘息状態 (日中および夜間) なし 週1回以上 コントロール 不十分の項目が 3つ以上 当てはまる 発作治療薬の使用 運動を含む活動制限 あり 呼吸機能 (FEV1およびPEF) 正常範囲内 予測値あるいは 自己最高値の80%未満 PEFの日(週)内変動 20%未満 20%以上 増悪 年に1回以上 週に1回以上* * 増悪が月に1回以上あれば他の項目が該当しなくてもコントロール不良と評価する. (「喘息予防・管理ガイドライン2009」作成委員会:喘息予防・管理ガイドライン2009.社団法人日本アレルギー学会喘息予防・管理ガイドライン専門部会監修,協和企画,東京,2009) 41

42 【現在の治療を考慮した喘息重症度の分類】
気管支喘息の診断・治療 3.長期管理 【現在の治療を考慮した喘息重症度の分類】 現在の治療ステップ 現在の治療における患者の症状 ステップ1 ステップ2 ステップ3 ステップ4 コントロール された状態1) ・症状を認めない ・夜間症状を認めない 軽症 間欠型 持続型 中等症 重症 軽症間欠型 相当2) ・症状が週1回未満 ・症状は軽度で短い ・夜間症状は月に2回未満 軽症持続型 相当3) ・症状は週1回以上,しかし毎日ではない ・月1回以上日常生活や睡眠が妨げられる ・夜間症状が月2回以上 中等症持続型 ・症状が毎日ある ・短時間作用性吸入β2刺激薬がほとんど毎日必要 ・週1回以上日常生活や睡眠が妨げられる ・夜間症状が週1回以上 最重症 重症持続型 ・治療下でもしばしば増悪 ・日常生活に制限される ・夜間症状がしばしば 1) 同一治療継続3~6か月でステップダウンを考慮する. 2) 各治療ステップにおける治療内容を強化する. 3) 治療のアドヒアランスを確認し,必要に応じ是正してステップアップする. (「喘息予防・管理ガイドライン2009」作成委員会:喘息予防・管理ガイドライン2009.社団法人日本アレルギー学会喘息予防・管理ガイドライン専門部会監修,協和企画,東京,2009) 42

43 気管支喘息の診断・治療 4.急性増悪(発作)への対応 43

44 喘鳴/胸苦しさのみから,苦しいが横になれる(小発作) までの場合:
気管支喘息の診断・治療 4.急性増悪(発作)への対応 【家庭での対応1)】 喘鳴/胸苦しさのみから,苦しいが横になれる(小発作) までの場合: まずβ2刺激薬の吸入 pMDIによる1~2パフを吸入,効果が不十分であれば 1時間まで20分おきに吸入を繰り返し,以後は1時間に 1回を目安に吸入する. および/またはβ2刺激薬,テオフィリン薬の経口投与で経過を観察してもよい.

45 気管支喘息の診断・治療 4.急性増悪(発作)への対応 【救急外来受診の基準1)】 これらの対応で経過を観察し,症状の消失がみられ,また薬剤の効果が3~4時間持続する場合はそのまま自宅治療とする.しかしこれらの治療で効果がなく症状が持続し,かつ,下記のような症状が1つでもあれば, 経口ステロイド薬(PSL 15~30mg)内服のうえ,直ちに救急外来を受診する. 中等度以上の喘息症状 β2刺激薬の吸入を1~2時間おきに必要とする 気管支拡張薬で3時間以内に症状が改善しない 症状が悪化していく 特に,意識喪失を伴う重篤発作の既往がある,あるいはステロイド依存性である場合は,躊躇すべきではない. 45

46 以下のことがらを速やかに行う. 喘息発作強度の判定(47頁). これまでの病歴の問診(48頁). 【救急外来患者の治療の手順】
気管支喘息の診断・治療 4.急性増悪(発作)への対応 【救急外来患者の治療の手順】 以下のことがらを速やかに行う. 喘息発作強度の判定(47頁). これまでの病歴の問診(48頁).

47 【喘息症状・発作強度の分類 (成人)1)】 気管支喘息の診断・治療 4.急性増悪(発作)への対応 発作強度1) 呼吸困難 動作 検査値3)
%PEF SpO2 PaO2 PaCO2 喘鳴/ 胸苦しい 急ぐと苦しい 動くと苦しい ほぼ普通 80%超 96%以上 正常 45mmHg 未満 軽度 (小発作) 苦しいが 横になれる やや困難 中等度 (中発作) 苦しくて横になれない かなり困難 かろうじて歩ける 60~80% 91~95% 60mmHg 超 高度 (大発作) 苦しくて 動けない 歩行不能 会話困難 60%未満 90%以下 60mmHg 以下 45mmHg 以上 重篤2) 呼吸減弱 チアノーゼ 呼吸停止 会話不能 体動不能 錯乱,意識障害,失禁 測定不能 <呼吸困難による発作強度> 軽度: 苦しいが横になれる 中等度: 苦しくて横になれない 高度: 苦しくて動けない 重篤: 呼吸減弱~停止 1)発作強度は主に呼吸困難の程度で判定し,他の項目は参考事項とする.異なった発作強度の症状が混在するときは発作強度の重い方をとる. 2)高度よりさらに症状が強いもの,すなわち,呼吸の減弱あるいは停止,あるいは会話不能,意識障害,失禁などを伴うものは重篤と位置づけられ,エマージェンシーとしての対処を要する. 3)気管支拡張薬投与後の測定値を参考とする. 47

48 1)テオフィリン薬の服用量とできれば血中濃度 2)吸入あるいは経口ステロイド薬の服用量 3)その他の治療薬 喘息歴
気管支喘息の診断・治療 4.急性増悪(発作)への対応 【救急外来での問診1)】 普段の治療内容 1)テオフィリン薬の服用量とできれば血中濃度 2)吸入あるいは経口ステロイド薬の服用量 3)その他の治療薬 喘息歴 発症の時期,増悪の原因,治療薬,発作歴(救急外来の受診状況・入院・挿管の有無),アスピリン喘息や薬物アレルギーの有無など 合併症とその治療薬 48

49 【喘息発作の強度に対応した管理法(成人)】
気管支喘息の診断・治療 4.急性増悪(発作)への対応 【喘息発作の強度に対応した管理法(成人)】 治 療 自宅治療可,救急外来入院,ICU管理 β2刺激薬吸入,頓用 テオフィリン薬頓用 自宅治療可 β2刺激薬ネブライザー吸入反復 エピネフリン皮下注(ボスミンⓇ) アミノフィリン点滴静注反復 ステロイド薬点滴静注 酸素 抗コリン薬吸入考慮 救急外来 1時間で症状が改善すれば帰宅 2~4時間で反応不十分 1~2時間で反応なし 入院治療→高度喘息症状治療へ アミノフィリン持続点滴 ステロイド薬点滴静注反復 β2刺激ネブライザー吸入反復 1時間以内に反応なければ入院治療 悪化すれば重篤症状の治療へ 上記治療持続 症状.呼吸機能悪化で挿管 酸素吸入にもかかわらずPaO2 50mmHg以下および/または意識障害を伴う急激なPaCO2の上昇 人工呼吸 気管支洗浄 全身麻酔(イソフルラン,セボフルラン,エンフルランなどによる)を考慮 直ちに入院.ICU管理 アミノフィリン250mg(1筒)を5~7時間 (およそ0.6~0.8mg/kg/時)で点滴 血中テオフィリン濃度10~20mg/mL 中毒症状出現で中止 20~30分おきに反復 脈拍130/分以下 喘鳴/ 胸苦しい ヒドロコルチゾン100~200mgまたは メチルプレドニゾロン40~80mgを必要に応じて 4~6時間ごと,あるいは デキサメタゾンやベタメタゾン4~8mgを必要に 応じて6時間ごとに点滴静注,またはプレドニゾロン0.5mg/kg/日経口 0.1~0.3mL皮下注射 20~30分間隔反復可 脈拍130/分以下 禁忌 軽度(小発作) 中等度(中発作) 虚血性心疾患 緑内障 (開放隅角可) 甲状腺機能亢進症 高血圧 6 mg/kgと等張補液薬200~250mL 半量を15分間程度,残量を45分間程度 中毒症状で中止 以下の場合は半分もしくはそれ以下に減量して投与 テオフィリン薬600mg/日以上投与中 テオフィリン血中濃度が 8 mg/mL以上 クリアランスの減少が予想される場合 リン酸エステル製剤 デキサメタゾン (4~8 mg) ベタメタゾン (4~8 mg) コハク酸エステル製剤 メチルプレドニゾロン (40~125 mg) ヒドロコルチゾン (200~250 mg) 高度(大発作) 頭痛,吐き気,動悸, 期外収縮など 重篤 加齢 (50歳以上),極端な肥満 発熱,肝障害,心不全 ウイルス感染などの合併症 薬剤:アロプリノール,マクロライド,ニューキノロン,ジアゼパムなど PaO2<80mmHgまたは SpO2<95%で投与開始 PaO2 80mmHg前後またはSpO2 95%前後目標 49

50 気道狭窄が緩解し,PEFが予測値 または自己最良値の70%超を目安に回復 気管支拡張薬を最後に使用した時点から60分以上経ても安定
気管支喘息の診断・治療 4.急性増悪(発作)への対応 【救急室からの帰宅条件1)】 気道狭窄が緩解し,PEFが予測値 または自己最良値の70%超を目安に回復 気管支拡張薬を最後に使用した時点から60分以上経ても安定 50

51 2~4時間で効果不十分(%PEF<70%) あるいは1~2時間の治療に反応なし 高度症状 1時間以内に治療に反応なし
気管支喘息の診断・治療 4.急性増悪(発作)への対応 【入院治療の条件1)】 中等度症状 2~4時間で効果不十分(%PEF<70%) あるいは1~2時間の治療に反応なし 高度症状 1時間以内に治療に反応なし 悪化すれば重篤症状の治療 51

52 気管支喘息の診断・治療 4.急性増悪(発作)への対応 【人工呼吸管理について1)】 吸入酸素濃度(FIO2)100%,1回換気5~8mL/kg,吸気相:呼気相を1:3以上として,両相の換気量をできるだけ一致させ,気道内圧は最大50cmH2O未満で平均値20~25cmH2O未満に保つよう設定.その後,PaO2 80mmHg前後を目標にFIO2を設定するが,発作が改善するまでのPaCO2の高値には,たとえ50~80mmHgであっても目をつぶり,PaO2の維持と圧外傷の防止を重視. 52

53 気管支喘息の診断・治療 4.急性増悪(発作)への対応 【人工呼吸管理について1)】 重症発作では,しばしば呼気終末気道内圧が上昇しauto-PEEPの状態にあるが,これは中枢気道を中心とする閉塞に多い.この状態に対して人工呼吸器でPEEPをかけることが有効であるという報告もある.しかしまだ議論の多いところであり,圧外傷の危険を考慮してPEEPをかけることは基本的には避ける.また人工呼吸下で重要な注意点は,挿管した状態を不必要に続けないことである.意識が正常化し自発呼吸で最大気道内圧 20cmH2O以下となれば,可及的速やかに抜管する. 53

54 退院前の12ないし24時間以上退院処方で悪化のないことを確認 患者教育 : 喘息死の危険性 長期管理の徹底
気管支喘息の診断・治療 4.急性増悪(発作)への対応 【退院の条件1)】 退院前の12ないし24時間以上退院処方で悪化のないことを確認 患者教育 : 喘息死の危険性 長期管理の徹底 心理,社会的要因の関与も考慮 54

55 種々の側面 55

56 種々の側面 アスピリン喘息 喘息とCOPDの鑑別

57 種々の側面 1.アスピリン喘息 57

58 34歳の女性.主訴:急性の呼吸困難. 既往歴:3年前鼻ポリープ(鼻茸)の手術.
種々の側面 1.アスピリン喘息 【症例呈示】 34歳の女性.主訴:急性の呼吸困難. 既往歴:3年前鼻ポリープ(鼻茸)の手術. 現病歴:1か月前より,週に1~2回夜間に呼吸困難出現.2日前から歯痛あり,歯科で抜歯後,消炎鎮痛剤の処方を受け帰宅後内服.30分後に強度の呼吸困難が出現. 救急車で来院し緊急入院. 58

59 種々の側面 1.アスピリン喘息 【症例呈示】 アスピリン喘息:大発作中 アスピリン喘息:発作緩解後

60 アスピリン様の薬効をもつNSAIDsの内服,注射,座薬の使用などの1時間以内に起こる喘息. 時に重症化,死亡例もある.
種々の側面 1.アスピリン喘息 【アスピリン喘息とは1)】 アスピリン様の薬効をもつNSAIDsの内服,注射,座薬の使用などの1時間以内に起こる喘息. 時に重症化,死亡例もある. 30~40歳台の発症が多い. 慢性鼻炎,副鼻腔炎,鼻茸を合併することが多く,診断の手がかりとなる. 60

61 エピネフリン(0.1%)0.1~0.3mLの皮下注がきわめて有効
種々の側面 1.アスピリン喘息 【アスピリン喘息発作時の対応】 重篤化しやすいので迅速に対応 エピネフリン(0.1%)0.1~0.3mLの皮下注がきわめて有効 ステロイド薬の急速静注を避け1時間以上で点滴 リン酸エステル型ステロイドを選択 添加剤(パラベン,亜硫酸塩)にも注意 61

62 種々の側面 2.喘息とCOPDの鑑別 62

63 種々の側面 2.喘息とCOPDの鑑別 【症例1.】 62歳男性.42歳で発症した喘息で50歳(発症後8年目)より吸入ステロイドを含む専門的な治療を受け最近はコントロール良好で屋外活動が支障なくできている. 63

64 種々の側面 2.喘息とCOPDの鑑別 【症例1.】 しかし,呼吸機能上は,1秒率55.9%で閉塞性換気障害を示し,フローボリューム曲線は最大ピーク値は正常であるがV50,V25が低下したスクープアウトパターンを呈する. Spirometry Flow volume curve 肺活量 VC(L) 4.31 予測肺活量 VCPR(L) 3.35 %肺活量 %VC(%) 128.7 予測吸気量 IRV(L) 2.08 1回換気量 TV(L) 0.68 予備呼気量 EVR(L) 1.55 努力性肺活量 FVC(L) 3.97 1秒量 FEV1.0(L) 2.22 1秒率 FEV1.0%(%) 55.9 1秒量(L)/予測肺活量(L)(%) 66.3 1秒量(L)/予測1秒量(L)(%) 88.1 最大中間呼気流量 MMF(L/sec) 0.80 予測最大中間呼気流量 MMFPR(L/sec) 12 10 8 6 4 2 1 2 3 4 5 -2 -4 64

65 種々の側面 2.喘息とCOPDの鑑別 【症例1.】 同じ症例でCOPDの可能性についてHRCTで検討したところ,肺気腫を示唆する低吸収域(LAA:low attenuation area)はみられず,明らかな気道壁の肥厚を認めた.DLCOも正常範囲で,呼吸機能検査の異常は気道リモデリングを伴う喘息を反映すると考えられる. 肺野に低吸収域 (LAA) なし 気管支壁の肥厚 65

66 62歳,男性.検診で1秒率の低下を指摘され精査のため来院. H-JⅡ°の息切れを認める.
種々の側面 2.喘息とCOPDの鑑別 【症例2.】 62歳,男性.検診で1秒率の低下を指摘され精査のため来院. H-JⅡ°の息切れを認める. 66

67 【症例2.】 Spirometry Flow volume curve Diffusion capacity
種々の側面 2.喘息とCOPDの鑑別 【症例2.】 Spirometry Flow volume curve 肺活量 VC(L) 3.35 予測肺活量 VCPR(L) 3.32 %肺活量 %VC(%) 100.9 予測吸気量 IRV(L) 2.05 1回換気量 TV(L) 0.64 予備呼気量 EVR(L) 0.66 努力性肺活量 FVC(L) 2.92 1秒量 FEV1.0(L) 1.58 1秒率 FEV1.0%(%) 54.1 1秒量(L)/予測肺活量(L)(%) 47.6 1秒量(L)/予測1秒量(L)(%) 63.7 (L/S) 12 10 (Sec) 8 10 6 8 6 4 4 2 2 1 2 3 4 5 6 7 (L) -2 -4 Diffusion capacity 呼吸機能検査は症例1と類似しているが%DLCOが76.5%,Kco(DLCO/VA)が3.68と低下し,肺組織の破壊を特徴とするCOPDに合致している. DLCO (mL/min/mmHg) 14.49 予測DLCO (mL/min/mmHg) 18.95 % DLCO (%) 76.5 DLCO /VA (mL/min/mmHg/L) 3.68 67

68 種々の側面 2.喘息とCOPDの鑑別 【症例2.】 低吸収域 (LAA) あり COPDをさらに確定するためHRCTを検討した.その結果,特に上肺野で小葉中心型肺気腫を示唆する低吸収域(LAA:low attenuation area)を認め,喫煙により発症したCOPDとして典型的なパターンを呈した. 68

69 今後の課題 69

70 【吸入ステロイド薬の使用頻度9)改変】 成 人 小 児 (%) (%) 45 45 40 40 35 35 30 30 25 25 20
今後の課題 【吸入ステロイド薬の使用頻度9)改変】 成 人 小 児 (%) (%) 45 45 42% 40 40 35 35% 35 30 30 27% 26% 24% 25 25 21% 20 18% 20 15 15 12% 10 10 8% わが国では欧米諸国に比べて吸入ステロイドの使用頻度が成人と小児ともに低い.成人では2000年の12%から18%に増加したが,それでも1999年に得られたヨーロッパの3か国よりも低い. 5% 5 5 2000 2005 UK Holland Sweden 2000 2005 UK Holland Sweden 日本 日本 70

71 今後の課題 【成人喘息におけるEI(early intervention)の意義づけ】 EBMに基づく評価はまだ十分とはいえない.特に喘息を緩解・治癒させるかどうか,難治化を防止できるかどうか,喘息死の撲滅につながるかどうか今後の検討が待たれる.またEIとしてどのような薬物治療が適切かという点についても,検討する余地がある.しかし,EIにより現実には良好な治療効果が得られている. 71

72 Patients with severe persistent symptoms
今後の課題 【Patients over-estimate their level of control10)】 % of patients Self-assessment of control: Complete control 60 Well control 50 40 30 20 10 たとえ重症持続型であっても,約3分の1の患者では自分の喘息の状態を実際よりも良い方向に過大評価している. USA Europe Asia Pacific Japan C&E Europe Patients with severe persistent symptoms 72

73 Questions to test knowledge on NHLBI asthma guidelines
今後の課題 【Physician may be equally bad in assessing asthma severity11)】 100 Questions to test knowledge on NHLBI asthma guidelines 90 80 70 % Correct 60 50 p<0.05 compared with all others 40 医師による喘息重症度の評価も,たとえ喘息の専門家であって,十分とは言えず,適切でない. Entire population Residents Primary care faculty Fellows Asthma specialists 73

74 喘息コントロールテスト 【ピークフローメーターの普及状況】 喘息コントロールのさらなる改善のためには, より簡便な評価ツールが必要
今後の課題 【ピークフローメーターの普及状況】 喘息コントロール状態の指標には肺機能が最も適しているが,特に非専門医におけるピークフローの普及は十分ではない. ピークフローメーター認知・使用頻度(AIR2000) 成人 小児 患者の割合 患者の割合 22% 23% 12% 7% 6% 4% 聞いたこと がある 持って いる 1回/週 以上使用 聞いたこと がある 持って いる 1回/週 以上使用 喘息コントロールのさらなる改善のためには, より簡便な評価ツールが必要 喘息コントロールテスト 74

75 1990年 60歳未満の喘息死 全体の18% 2005年 60歳未満の喘息死 全体の10% 【年齢別喘息死数の推移】 今後の課題
わが国の喘息死数は近年着実に減少している.特に60歳未満においてこの傾向が明らかである. (厚生労働省人口動態統計) 75

76 -喘息という病気とその治療への理解を深める-
今後の課題 【まとめ-治療実施状況の改善】 -喘息という病気とその治療への理解を深める- 喘息は気道の慢性炎症で,吸入ステロイドが安全で最も強力な抗炎症薬 発作を予防する治療が重要で,定期的に通院して良い状態を保つ 自己判断で治療を中止あるいは減量しない 指示どおり対応しても改善しない場合はすぐに救急外来を受診 76

77 適切な診断と治療で 喘息死をゼロに!!! 【わが国の成人喘息の死亡者実数の経年変動】 3,283 in 2004 2,139 in 2009
今後の課題 【わが国の成人喘息の死亡者実数の経年変動】 全年齢死亡者数 3,283 in 2004 2,139 in 2009 (減少してきている) 7,000 喘息死亡者数(人/年) 6,000 5,000 適切な診断と治療で 喘息死をゼロに!!! 4,000 3,000 2,000 1,000 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2008 (喘息予防・管理ガイドライン2009.協和企画,東京) 77

78 参考文献

79 参考文献 喘息予防・管理ガイドライン2009作成委員会:喘息予防・管理ガイドライン2009.社団法人日本アレルギー学会喘息予防・管理ガイドライン専門部会監修,協和企画,東京,2009. 社団法人日本アレルギー学会:アレルギー疾患診断・治療ガイドライン2007.西間三馨監修,協和企画,東京,2007. 大田 健ほか:気管支喘息のすべて.工藤翔二監修,文光堂,東京,2007. GINA 2006日本語版編集委員:Global strategy for asthma management and prevention-revised 2006 (GINA2006)《日本語版》.大田 健監修,協和企画,東京,2007. 日本呼吸器学会COPDガイドライン第2版作成委員会:COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン第2版.メディカルレビュー社,東京,2004. 宮本昭正:ピークフロー日記.ライフサイエンス出版,東京,2006. 牧野荘平ほか:気管支喘息におけるアセチルコリン吸入試験の標準法の臨床的検討.アレルギー 1984; 33: Greening AP et al: Added salmeterol versus higher-dose corticosteroid in asthma patients with symptoms on existing inhaled corticosteroid. Allen & anburys Limited UK Study Group. Lancet 1994; 23(344(8917)): 足立 満ほか:Asthma insight & reality in Japan(AIRJ). アレルギー 2002; 51: Rabe KF et al: Eur Respir J 2000; et al: J Allergy Clin Immunol 2003/Adachi et al: Arerugi 2002;Data on file. Doerschug KC et al: Asthma guidelines: an assessment of physician understanding and practice. Am J Respir Crit Care Med 1999;159:


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