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「ふりかえり」( Reflections )の模索 恵泉女学園大学 フィールドスタディプログラムの場合
人間社会学部 体験学習主任(助教) 斉藤百合子
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導入科目 「聖書」「国際平和」「園芸」を核とする共通科目群
体験学習の構成 導入科目 「聖書」「国際平和」「園芸」を核とする共通科目群 【共通科目】英語、第二外国語(FS行先の仏語、独語、タイ語、ヒンディー語、インドネシア語、中国語他) 【専門科目】「社会調査方法論」・サービスラーニング方法論・他の専門基礎科目 事前学習 【専門科目】 ‐短期フィールドスタディ(「FSⅠ」) ‐長期フィールドスタディ(「FSⅡ」「FSⅢ」「FSⅣ」「FSⅤ」) ‐コミュニティサービスラーニング(CSLⅠ~Ⅲ) 体験学習 「FSⅥ(ステップアップ)」、評価、報告書作成等 事後学習 ・本学部の体験学習は、短期と長期のフィールドスタディ、そしてコミュニティサービスラーニングから成り立っています。 ・これらの体験学習科目を履修する学生は、必ず事前学習科目、具体的にはフィールドスタディは社会調査方法論、コミュニティサービスラーニングはサービスラーニング方法論を前の学期に履修しなければなりません。また海外で実施されるフィールドスタディの場合、タイ語やインドネシア語と言った現地語のほとんどが大学の第二外国語となっています。さらに開発や地域研究などの専門科目も用意しています。 また事後には、フィールドスタディIVの履修が義務付けられるほか、参加者による評価や報告書の作成が行われています。 ・事後学習で終わりではありません。他の講義や大学祭などで自分の体験を発表したり、ゼミや卒論のテーマに取り上げ、学習を深めるものが少なくありません。また再度フィールドスタディに参加するものもいます。 ・さらに学外あるいは卒業後に、地域で様々な問題に取り組んだり、NGOやNPOに関わるものもいます。何人かはこうした問題についてさらに学ぶために専門学校や大学院に進学し、社会福祉、あるいはJICAやNGOの専門的スタッフになりました。 学内活動 学外・卒業後の活動 CSL・FSへの更なる参加 学内・授業内での発表 専門科目・ゼミの履修 卒業論文の作成 地域活動、NPO・NGO活動 ボランティア活動 大学院進学など 2 2
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体験学習 科目と単位 短期フィールドスタディ (短期FS) 「社会調査方法論Ⅰ」 「FSⅠ」 「FSⅥ(ステップアップ)」
体験学習 科目と単位 事前学習 事後学習 短期フィールドスタディ (短期FS) 「社会調査方法論Ⅰ」 2単位 「FSⅠ」 「FSⅥ(ステップアップ)」 長期フィールドスタディ(長期FS) 「社会調査方法論Ⅱ」 「FSⅡ」 4単位、「FSⅢ」 4単位、 「FSⅣ」 4単位、 「FSⅤ」 4単位 「FSⅥ(ステップアップ)」 コミュニティ・サービス・ラーニング 「サービスラーニング方法論」 2単位 「CSLⅠ」 1単位、 「CSLⅡ」 1単位、 「CSLⅢ」 1単位、
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フィールドスタディのReflections
4階層 10方向 大学 Institutional Assessment ② ① 体験学習CSL・FS委員会 ④ ③ Faculty Assessment ⑦ ⑨ 担当教員 自己評価 ⑥ ⑤ 受入側 (団体、機関、住民) ⑧ Student Assessment ⑩ 学生 自己評価 Community Assessment
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Reflectionsの方向 ① 大学・学部 → 体験学習CSL・FS委員会 ② 体験学習CSL・FS委員会 → 大学・学部
⑤ 担当教員 → 学生 ⑥ 学生 → 担当教員 ⑦ 大学 → 受入機関等 ⑧ 受入機関等 → 大学 ⑨ 担当教員 自己評価 ⑩ 学生 自己評価
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事後学習「FSⅥ(ステップアップ)」の内容 (方向③)
フィールドスタディのふりかえり レポートの執筆(添削) 授業内での確認、経験の共有化 2.「体験」の発信 学園祭(春・秋)での展示やイベント 報告書の作成(公開する成果物として) 合同報告会での報告および相互の検討 礼拝時の感話
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フィールドスタディの目的(方向⑤) シラバス(2008年版)での記述では‥ 専門性をもった教養教育による市民の育成(特色GPパンフ)
「百聞は一見にしかず」(中国FS) 「学んだ『知識』を一度破壊して、再構築」 (短期FSパンフより) 「事前学習」の血肉化(バングラデシュFS) 現状を実体験を通して学ぶ(アメリカFS) 考える機会と取組みの実践力を養う(インドネシアFS) 体験・経験を内実化させること(長期FS) 専門性をもった教養教育による市民の育成(特色GPパンフ)
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フィールドスタディのReflections
4階層 10方向 大学 Institutional Assessment 外部評価 ② ① ☆ 体験学習CSL・FS委員会 ④ ③ Faculty Assessment ⑦ ⑨ 担当教員 自己評価 ⑥ ⑤ 受入側 (団体、機関、住民) ⑧ Student Assessment ⑩ 学生 自己評価 Community Assessment
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近年のReflectionsの拡大 (方向⑨、⑩、④、②)
2006年度 「FS6(ステップアップ)」をカリキュラムに追加 (FSの「ふりかえり」を制度化) (特色GP採択される) 長期FS外部評価実施 ☆ 2007年度 短期FSガイドライン&マニュアル作成 ③ 「海外体験学習における受入側のインパクト」シンポ ⑦ 2008年度 短期FSおよびCSL外部評価実施 ☆ 短期FS反省会(4月) ⑨ 短期FS担当者会議(1月) ⑨ 短期FS報告会での学生の相互意見交換 ⑩ 2009年度 短期FS担当者会議(「FSⅥ」の有り様、新型インフルエンザ等について」(6月) ④、② →大学への要求 短期FS報告会での相互意見交換 ⑩
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短期FSガイドライン&マニュアル2007 (方向③)
しかし、理念、意義、学習目標の明確化は課題(2008年度外部評価報告書による)
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受入側のインパクトを考える(方向⑦) 「学習者中心主義でよいのか?」との疑問 受入側のインパクトの視点の重要性
ネガティブなインパクト (態度、理解の度合) ポジティブなインパクト (双方の活性化) 国際シンポジウム「海外体験学習における受入側のインパクト」2007年11月主催 於:恵泉女学園大学 受入側のインパクト配慮の重要性 継続性、学習効果促進、共感・親密性促進、セキュリティ など
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受入側同士のワークショップ& 日本でのフィールドトリップ (方向⑦)
受入側同士のワークショップ& 日本でのフィールドトリップ (方向⑦) 大学関係者およびCSL受入担当者らの提案 「一方通行の学びでよいのだろうか?」 受入機関同士のワークショップ2008年7月28-8月1日 チェンマイにて 参加者 バングラデシュのPAPRI、タイのパンラオ村 チェンマイ大学、恵泉女学園大学 「受入側のインパクト」国際会議の報告内容によって触発された 長期FSプログラム改善提案およびフィールドトリップ(2) フィールドトリップ内容 ① NGOやNPOと行政との関係 ② 開発教育(参加型学習法) ③ 日本の農業と農民の自立 ④ 滞日タイ人の現状 ⑤ 日本の文化、社会の理解
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2008短期FS担当者会議(方向⑨) 情報交換ができた項目 プログラムの内容について プログラム実施中の危機管理・健康管理の情報
現地での大学生との交流 NGOとの関係のとりかた 大学・学部の理念との整合性 プログラム実施中の危機管理・健康管理の情報 事故時および事故後の対応について 通信が悪い地域での連絡方法について プログラム実施中の「ふりかえり」手法の情報交換 ふりかえりミーティングのもちかた(時間、進行方法等) ふりかえり時の質問内容について フィールドノートについて 学生評価について 評価の指標をどうするか
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2009短期FS担当者会議(方向⑨) 1)FSVIの位置づけ:どうやって体験を伝えるか
①報告会:口頭による報告、②展示:ポスターなどの表現による報告、③報告書:文書による報告 2)報告会のあり方 ①報告会の目的:他学生への報告を通しての学び(教員による学生評価ではない) ②発表の形式の標準化:プログラムの個性などを尊重し、標準化を行わない ③日程・時間の設定→検討を継続する 3)展示のあり方 ①展示の目的:FSの成果の外部への発信→検討を継続する 4)報告書の作成、指導のあり方、その他 ・教務上、FSVIのために時間を確保する(月~金の内、1限、4限、5限などに秋学期から教室を確保できるようにする) 体験学習委員会を通しての大学への要求 ・FSVIに関する時間の確保をもって、報告会、展示などに関しても、その質を向上させるよう努力する
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課題 ふりかえり、Reflectionsに関しては、まだまだ模索、試行錯誤の連続である。
ご清聴ありがとうございました。
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