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総合獣医学演習C 獣医伝染病学 第4回目.

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1 総合獣医学演習C 獣医伝染病学 第4回目

2 オーエスキー病 Aujeszky's disease
 ・新生豚の急性致死性疾病,成豚では軽症  ・不顕性感染耐過豚が感染源となる 宿主:豚,イノシシ   (牛,犬,猫,ウサギ,マウス,その他の家畜・野生動物) 病原:豚ヘルペスウイルス1  (Herpesviridae,Varicellovirus) 疫学:世界各地で発生。日本も常在化(除北海道)した    が、現在は減少傾向にある。 感染様式:経気道,経口感染 注:仮性狂犬病 (Pseudorabies)とも呼ばれている。

3 潜伏期:2~5日 症状:若齢豚ほど重篤な症状を示し,死亡率も高い。 ・哺乳豚:発熱・嘔吐・急性脳脊髄炎 ・成豚:発熱・呼吸器症状(不顕性感染が多い) ・妊娠豚:死産,流産。 ・豚以外の動物では急性脳脊髄炎,掻痒症が認められ,  ほぼ100%死亡。 予後:通常は2~14日で回復。(妊娠豚は死流産が起こる)。   神経症状や重度の呼吸器症状を起こした個体は予後   不良。 予防:生ワクチン,不活化ワクチンを接種。  ワクチンはそのワクチン抗体と野外ウイルス抗体  とを識別することができるものを使用。  (限定的に用いられている。)

4 幼豚の神経症状が特徴若齢豚ほど重篤な症状を示す

5 妊娠初期の感染では流産、後期の感染では黒子、白子などが混在する死産が多い。

6 豚以外の動物では感染部位に瘙痒症を示し、後に致死的な急性脳脊髄炎を起こす。

7 扁桃に見られる核内封入体

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12 豚丹毒 swine erysipelas ・豚,いのししなど多種の哺乳類,鳥類に敗血症, 心内膜炎,関節 宿主:豚,いのしし
 ・豚,いのししなど多種の哺乳類,鳥類に敗血症,   心内膜炎,関節 宿主:豚,いのしし 病原:Erysipelothrix rhusiopathiae,E. tonsillarum,     未命名の同属の2種の菌 疫学  分布:世界中に広く分布。日本でも発生  感染様式:経口感染,皮膚感染, 予防:生・不活化ワクチン接種 治療:ペニシリンが有効

13 急性型  敗血型:高熱,食欲廃絶し,急激に死の転帰を   とるものが多い。死亡率は非常に高い。  蕁麻疹型:体温の上昇,食欲減退,体表の発疹を   認める。死亡率は5%前後。 慢性型  関節炎型:跛行、四肢の関節部の腫脹、         発育遅延  心内膜炎型:無症状。屠場で発見される

14 敗血型

15 蕁麻疹型

16 関節炎型

17 トキソプラズマ病 toxoplasmosis
1.妊娠中初感染時に胎盤移行,死流産を起こす 2.脳,心筋で シスト形成 宿主:めん羊,山羊,豚,いのしし (犬,猫,マウス,   家兎,モルモット,鶏,ハトなど多くの哺乳動物   および鳥類。終宿主は猫) 病原:Toxoplasma gondii 疫学:世界各地に分布。日本にも分布 感染様式:経口感染,経胎盤感染 潜伏期:不定 症状:幼若豚に多発。発熱,食欲減退,鼻汁,眼やに,   嘔吐,便秘または下痢。呼吸頻数,湿性の咳,   体表発赤。食欲廃絶,起立不能,呼吸困難,   下肢・下腹部にうっ血性紫赤斑。

18 予後:多くは慢性に経過,幼若豚の場合は急性に経過。
 幼豚では予後不良,中豚以上では良。 病理診断:胸水・腹水の増量,  リンパ節腫脹と充出血壊死。 病原診断: PCR。肺,肝およびリンパ節塗抹標本。  これら臓器・脳乳剤のマウス腹腔内接種(原虫分離)。 血清診断:色素試験。補助的に間接蛍光抗体法,  間接HA反応,CF反応,ラテックス凝集反応,ELISA 治療:効果は期待できない

19 うっ血性紫赤斑

20 全葉生の出血性水腫性肺炎

21 トキソプラズマの三日月状の虫体

22 (porcine circovirus infection)
豚サーコウイルス感染症 (porcine circovirus infection) 豚サーコウイルス(PCV)(Circoviridae, Circovirus)の 感染による疾病。1本鎖の環状DNAを遺伝子に持つ 注意点 ・抗原性からPCV1型とPCV2型に分かれる。 ・PCV2型は離乳後多臓器性発育不良症候群(PMWS)  の原因。 ・ PCV2型は豚皮膚炎腎症症候群、豚呼吸器複合感染症、  繁殖障害、先天性痙攣症の関与が疑われている。

23 離乳後多臓器性発育不良症候群 宿主:豚 病原:豚サーコウイルス2型。 疫学:1991年カナダで初発。世界各地で報告。
    日本は1996年千葉県で初発。     その後日本中で発生。 感染様式:経口,経鼻,経胎盤 臨床症状:  子豚の死亡率上昇。  慢性消耗性疾患   呼吸困難,黄疸などを主徴。   削痩,被毛粗剛,時に黄疸,下痢,皮膚の蒼白。  全身リンパ節の腫大。リンパ瀘胞でのリンパ球喪失

24 サコウイルス感染豚に見られる皮膚の斑点や丘疹

25 サコウイルス感染豚に見られる多核巨細胞

26 サコウイルス感染豚に見られる葡萄房状の細胞質内封入体

27 豚繁殖・呼吸障害症候群 porcine reproductive and respiratory syndorome (PRRS)
豚繁殖・呼吸障害症候群  porcine reproductive and respiratory syndorome (PRRS) ・繁殖障害(死産、虚弱児出産) ・呼吸障害(呼吸器症状、間質性肺炎) 宿主:豚,いのしし 病原:豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルス    (Arteriviridae,Arterivirus) 疫学:世界各地で発生。日本にも常在 感染様式:経気道(鼻汁や呼気中に多量のウイルスが含      まれる)感染。交尾感染 症状:発熱,眼瞼浮腫,呼吸器症状,耳・腹部のチア  ノーゼ(発生率1%程度),妊娠豚では流産および死産。 予後:1~8週で回復。子豚は不良であることが多い。    二次感染の病原体の種類により異なる。

28 豚繁殖・呼吸障害症候群で見られる流産。胎齢が揃っているときが多いが、白子や黒子が混じるときもある。

29 豚繁殖・呼吸障害症候群で見られる肺炎 肺全域で黄褐色から赤色の硬化が見られる。

30 高病原性PRRS(Highly Pathogenic PRRS)
2006年、中国において‘Pig high fever disease’と呼ばれる高致死率の豚疾病が発生し、200万頭以上が感染、40万頭以上が死亡したと報告された。 当該発病豚より共通して豚繁殖・呼吸障害症候群(PRRS)ウイルスが分離された。 従来の育成・肥育豚の呼吸器病や母豚に死流産などの繁殖障害を主徴とするPRRSとは異なり、離乳豚、育成・肥育豚、母豚、雄豚のどのステージにあっても高致死率を示す。 高病原性PRRSは、中国、ベトナム、フィリピン、カンボジア、ラオスでも発生が報告されている。

31 高病原性PRRSの発症現場

32 高病原性PRRS発症豚の脾臓

33 豚流行性下痢 porcine epidemic diarrhea
 ・豚の急性下痢症 宿主:豚,いのしし 病原:豚流行性下痢ウイルス    (Coronaviridae,Coronavirus 1群) 疫学: ・1970年代に英国とベルギーで発生。その後、ドイツ,  フランス,オランダ,スイス,ブルガリア,タイ,  台湾,韓国で流行。日本では1982年に初発。 ・2013年に米国で発生。オーストラリアには発生なし。 ・日本は1980年代に散発的な発生。1990年に大きな流行。  2013年に沖縄県と茨城県で発生し、全国に広がる。 感染様式:経口感染

34 症状:下痢(水様性),食欲不振,発熱,泌乳停止, 稀に嘔吐。
予後:哺乳豚(生後10日以内)は高率に死亡,成豚は良好。 病理診断:  小腸壁の菲薄化,小腸絨毛の萎縮,絨毛上皮細胞  の空胞化,扁平化。抗血清を用いた免疫組織化学  染色で抗原陽性細胞が染色される。 病原診断:  電子顕微鏡および免疫電顕法による糞便中のウイルス  確認。Vero細胞によるウイルス分離。 血清診断:中和テスト,間接蛍光抗体法。 予防:一般的な衛生対策,ワクチン接種。 治療:なし

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37 transmissible gastroenteritis of swine
豚の伝染性胃腸炎  transmissible gastroenteritis of swine ・嘔吐,水溶性下痢,脱水 ・乳汁免疫 宿主:豚,いのしし 病原:伝染性胃腸炎ウイルス    (Coronaviridae, Coronavirus1群) 疫学:米国、ヨーロッパ、日本。冬季に流行する。    日本では1990年以降激減 感染様式:経口感染 予防:母子免疫か子豚への生ワクチンの経口投与    (生後3日以内)。 治療:なし。抗生物質の投与により症状を軽減。

38 臨床 潜伏期:1~8日 症状:成豚,子豚を問わずに感染し,急激な水様下  痢を起こし,短時日のうちに豚舎全体の豚が罹病。    食欲不振,嘔吐を認める。母豚は泌乳の停止。 予後  死亡率:生後5日以内:100%      生後5~20日以内:60%      生後20~45日以内:30%  成豚および離乳後の豚では2~9日の経過で回復。  (死亡するものはまれ。)

39 伝染性胃腸炎は日齢が若いほど重篤な症状を示す。

40 伝染性胃腸炎ウイルスにはコロナウイルスの特徴のある突起が見られる。

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43 豚インフルエンザ 注意点 H1N1型 (古典型と鳥型) H3N2型 (1970年以降に流行) 病原性は低い
・伝搬力が強い。飼育舎の豚が一斉に発症する。 ・ウイルス分離に発育鶏卵を使用する。   培養細胞を使用するときは、犬腎臓由来の株化細胞   (MDCK)を用い、培養液中にトリプシンを加える。 ・血清診断には赤血球凝集抑制(HI)試験が使用される。 ・インフルエンザは、馬と鶏では届出伝染病に指定され  ている。牛では最近 D 型が報告された(病原性は弱い)。 ・豚はヒトおよび鳥インフルエンザに感染しやすい

44 豚インフルエンザ感染豚は一箇所に集まる傾向がある。

45 豚インフルエンザ感染豚の肺病変は健康組織と
肺炎部の境界が比較的明瞭である。

46 豚のサルモネラ症 salomonellosis in swine
・敗血症,下痢を主徴とする疾病 病原:Salmonella Choleraesuis, S. Typhimurium 症状 ・急性敗血症型:発熱,体の尖端,下腹部のチアノーゼ,   黄灰白色水様性の悪臭便,粘血便,脱水。 ・慢性型:一般症状の悪化,脱水症状,痩削,発育不良。 病理診断:肝の腫脹と小白色壊死症の散在,脾腫(リン   パ濾胞は不明瞭),咽頭・膀胱髄膜の点状出血,   腸リンパ節の充出血。空腸,盲腸,結腸におけるボタ   ン状潰瘍(慢性例)。

47 サルモネラの感染による慢性的下痢で脱水により「ひね豚」となる。飼料効率も悪くなる。

48 サルモネラ感染豚における大腸の潰瘍

49 萎縮性鼻炎 atrophic rhinitis
・鼻甲介の萎縮を特徴とする疾病 ・発育遅延、飼料効率の低下による経済損失 ・B. bronchiseptica の死菌ワクチン,P. multocidaのトキソ  イドワクチンにより予防 宿主:豚,いのしし 病原:Bordetella bronchiseptica,Pasteurella multocida     単独感染,重複感染 疫学  分布: 世界中に広く分布。日本 でも発生  感染様式:保菌豚の導入により豚群に侵入,         直接接触あるいは飛沫感染

50 臨床  潜伏期:1~7日  症状:“鼻かぜ”の徴候。眼下にアイパッチと呼ばれる    黒い斑点。重症例では顔面の変形(鼻曲り)。    生後6週齢以内に感染した個体で症状が重篤化する。  予後:慢性経過をたどる。致命率は低いが,発育は阻害。 病理診断:鼻甲介の萎縮および消失,鼻中隔の弯曲。 病原診断:鼻腔粘膜からの病原体の分離 血清診断:試験管凝集反応 予防:B. bronchiseptica の死菌ワクチン,     P. multocida のトキソイドワクチン  治療 :抗生物質(テトラサイクリン系)の鼻腔内噴霧

51 萎縮性鼻炎の豚に見られるアイパッチと呼ばれる黒い斑点。

52 萎縮性鼻炎発症豚に見られる様々な程度の鼻甲介の病変

53 豚赤痢 swine dysentery 宿主:豚,いのしし 病原:Brachyspira hyodysenteriae 疫学
 分布:世界中に広く分布 日本でも発生  感染様式:経口感染 臨床  症状:粘液を混じた出血性下痢(粘血下痢便)を主徴と      する(5~10日間持続する)。  病理診断:  ・盲腸,結腸および直腸に限局した出血性カタルおよび   粘膜表層壊死。  ・鍍銀染色による病変部における大型らせん菌の検出。

54 粘液、出血、繊維素の混在した浸出液で覆われた豚赤痢発症豚の結腸粘膜

55 豚赤痢発症豚の結腸粘膜。螺旋菌が観察される。

56 mycoplasmal pneumonia of swine
豚マイコプラズマ肺炎 mycoplasmal pneumonia of swine 病原:Mycoplasma hyopneumoniae 疫学:世界的に広く分布 疫学:接触感染,飛沫感染 臨床症状:空咳,関節炎による跛行,増体重減少,   飼料効率の低下。死亡率は低いが罹患率は高く,   発育遅延・飼料効率の低下を招く。 病理診断:カタル性肺炎,気管支炎 病原診断:病変部からの菌分離は3~4週間要する。 血清診断:CF反応およびELISAにより抗体検出 予防:不活化ワクチン接種 治療:抗菌薬(マクロライド系,テトラサイクリン系) 投与

57 豚のマイコプラズマ肺炎では肝様変化した無気肺の病変が形成される

58 豚のマイコプラズマ肺炎では気管支および血管周囲への単核球の浸潤とリンパ濾胞の過形成が見られる。

59 豚水疱疹 vesicular exanthema of swine
・口蹄疫類似疾患で,発熱と水疱形成を主徴とする 宿主:豚,いのしし,(海生動物) 病原:豚水疱疹ウイルス(Caliciviridae,Vesivirus) 疫学:米国で1932~56年まで、アイスランドで1955年    に発生したのみ。日本は発生なし。    1973年に類似ウイルスがアシカから分離されて    いる。 感染様式:接触感染,経口感染 潜伏期:18~72時間 症状:口蹄疫,豚水胞病,水胞性口炎によく似ており,    臨床的に区別できない。(脳炎、心筋症、下痢、    流産を起こしたという報告がある。)

60 ニパウイルス感染症 Nipah virus infection
 ・1989年にマレーシアでオオコウモリから豚に   感染し発生した人獣共通伝染病 宿主:馬,豚,いのしし,(自然宿主はオオコウモリ) 病原:ニパウイルス (Nipah henipavirus) Paramyxoviridae, Henipavirus属 疫学:マレーシアで流行。シンガポール、ミャンマー、    バングラデイッシュ、インドでも発生。 日本では報告なし。 感染様式:オオコウモリの尿を介した経口,経鼻感染。      豚間では尿、鼻汁などを介した接触感染。 潜伏期:7~14日 症状:呼吸数増加,鼻汁,強制呼吸,開口呼吸,発咳,    間歇的振戦・痙攣,後躯麻痺。

61 Field Investigations at pig farming areas
ニパウイルスの発生はフルーツコウモリが生息する熱帯雨林を切り開いて養豚場を作ったことが原因

62 Nipah virus affected PIG FARMING AREAS
AFFECTED AREAS 1998 1999 THAILAND LANGKAWI PERLIS KEDAH PENANG PERAK Tambun Ulu Piah Ampang KELANTAN TERENGGANU PAHANG SELANGOR SUNGEI BULUH NEGERI SEMBILAN SIKAMAT SEREMBAN MELAKA BUKIT PELANDUK NIPAH JOHOR SINGAPORE

63 ニパウイルス感染症の防圧 抗体検査により陽性が確認された豚を飼養していた農場の、全ての豚を殺処分する
抗体陽性が確認された農場への新規の豚の導入を禁止する 残飯養豚を禁止する 抗体検査を行っている間(90日間)、動物の移動を禁止する 養豚場周辺に生息する野犬を捕獲し、殺処分する 農場からと殺場へ向かう運搬車等車両の消毒を徹底し、複数農場への豚の運搬を禁止する Prevention and control to Nipah virus infection Cull all pigs in the farm where antibody positive pig was detected by serum antibody test. Inhibition to new pig introduction to the farm where antibody positive pig was detected. Inhibition of waste food feeding. Inhibition of movement of animals during antibody test (90 days). Slaughter free dogs living in surrounding area of pig farm. Disinfection to vehicle from farm to slaughter house. Inhibition to delivery pigs to plural pig farm.

64 porcine enterovirus polioencephalomyelitis 現在の確定診断法 1)神経症状が認められること。
豚エンテロウイルス性脳脊髄炎  porcine enterovirus polioencephalomyelitis 現在の確定診断法 1)神経症状が認められること。 2)非化膿性脳脊髄炎が観察されること。 3)脳脊髄からウイルスが分離されること。 ・かっては Porcine Teschovirus 血清型1の高病原性株が   原因と考えられていた。 ・ウイルス型と病原性の関係は現 在でも不明。 ・多様な神経症状を示すが,大半は不顕性感染

65 宿主:豚,いのしし 疫学:世界各国の養豚地域に高率に浸潤     日本の農場においても高率に浸潤 病原体  豚テシオウイルス(Porcine Teschovirus: PTV)  豚エンテロウイルス-A (Porcine Enterovirus-A: PEV-A)  豚エンテロウイルス-B (Porcine Enterovirus-B: PEV-B)  新分類  旧分類  PTV   PEV-1~7, 11~13  PEV-A  PEV-8     PEV-B  PEV-9, 10

66 豚エンテロウイルス性脳脊髄炎の神経症状を呈した豚

67 豚サイトメガロウイルス病(封入体鼻炎) 注意点 ・ベ-タヘルペスウイルス亜科のウイルス。 ・牛、馬からも分離されるが病原性は不明。
・子豚の鼻炎から分離される。 ・鼻粘膜の腺上皮細胞に核内封入体形成

68 豚の大腸菌症 colibacillosis in swine
 宿主:豚  病原:Escherichia coli  疫学:世界中に分布、経口感染 臨床症状:  下痢症型(エンテロトキシンによる水分や電解質の分泌亢進)   ・新生子の水様性下痢,脱水   ・離乳後の下痢:軟便または泥状便,発育遅延,  腸管毒血症型(志賀毒素による下痢)   ・浮腫病 (顔面浮腫)   ・脳脊髄血管症(歩様蹌踉・後躯麻痺などの神経障害)  敗血症型   ・食欲不振,元気消失,

69 豚の大腸菌症で見られる新生豚の下痢と脱水

70 豚の大腸菌症で見られる浮腫病(顔面浮腫)

71 豚の大腸菌症で見られる歩様蹌踉・後躯麻痺などの神経障害

72 浮腫病発症豚では結腸部腸間膜に水腫が見られる

73 グレーサー病 Glässer's disease
・線維素性多発性漿膜炎,急性関節炎,化膿性髄膜炎 宿主:豚 病原:Haemophilus parasuis 疫学  分布:世界中に分布。日本でも発生  感染様式:接触感染 予防:不活化ワクチン接種 治療:ペニシリン系薬剤の大量投与

74 臨床  潜伏期:24~48時間,またはストレス状態下で発病)  症状:発熱,元気消失,食欲廃絶,チアノ-ゼ,     呼吸促迫・呼吸困難,関節の腫脹,神経症状     (後躯麻痺,起立不能,遊泳運動,全身痙攣) 予後:SPF豚群では高い罹患率と死亡率,発育遅延。 病理診断:線維素性胸膜炎,心外膜炎,腹膜炎,      関節炎,化膿性髄膜炎 病原診断:NAD添加チョコレート寒天培地を用いて      菌分離 血清診断:CF反応で抗体検出が可能。      一般養豚場では不顕性感染豚が多く血清      診断は困難。

75 グレ-サ-病で死亡した豚。体表にチアノ-ゼが見られる。

76 グレ-サ-病で死亡した豚の繊維素性腹膜炎。

77 Haemophilus属の菌にはV因子やX因子要求性があるものが多い
(豚グレーサー病のH. parasuisはV因子要求性がある)

78 ブルータング Bluetongue 宿主:牛,水牛,めん羊,山羊,しか
・ヌカカなどの吸血昆虫媒介 ・舌および口腔粘膜の充出血・びらん・潰瘍 ,嚥下障害 ・イバラキ病に類似 宿主:牛,水牛,めん羊,山羊,しか  病原:ブルータングウイルス(Reoviridae, Orbivirus) 分布:アフリカ, 欧州,中近東,アジア,北米,    中南米,オーストラリア。日本は関東以南 感染様式:ヌカカなどの吸血昆虫媒介 症状:牛では不顕性が多い。    発熱,鼻汁漏出,流涎。口腔粘膜および    鼻粘膜や舌のチアノ-ゼ,腫脹,充出血,    びらん,潰瘍形成。    嚥下障害・飲水の逆流。(死・流産,奇形子出産。)

79 舌麻痺はブルータングの特徴のひとつ

80 ブルータング発症羊では口腔粘膜の炎症や糜爛が見られる。

81 caprine arthritis-encephalomyelitis
山羊関節炎・脳脊髄炎  caprine arthritis-encephalomyelitis  ・山羊の関節炎と脳脊髄炎を主徴とする疾病 宿主:山羊 病原:山羊関節炎・脳脊髄炎ウイルス     (Retroviridae, Lentivirus) 疫学:世界各地に分布。日本でも発生(2002年長野県) 感染様式:乳汁感染,接触感染、呼吸器感染 臨床  1~4カ月の子山羊での脳脊髄炎による運動失調,麻痺 。  1歳以上の成山羊の膝関節の腫大と跛行。  若齢山羊の呼吸器症状。  感染後の病態進行は遅いが致死率は高い。 予後不良

82 CAE発症例に見られた主病変 (肉眼的所見)
腫脹した手根関節部の内部 手根関節の腫脹

83 マエディ・ビスナ maedi-visna ・めん羊の慢性の進行性肺炎・脳脊髄炎 宿主:めん羊,(山羊)
病原:マエディ・ビスナウイルス(Retroviridae, Lentivirus)。 疫学:ヨーロッパ,北米,アフリカに分布。    日本では2012年に岩手県で感染羊が摘発された。 感染様式:主に感染母獣からの乳汁伝播。   呼吸器症状を起こした個体からの水平感染もある。 臨床  潜伏期:約2年  症状:自然例では肺炎が主で脳脊髄炎はまれ。   肺炎の例では元気消失,呼吸困難。   脳脊髄炎の例では運動失調。  予後:発症個体の死亡率は高くほぼ100%

84 病理診断:肺炎例では肺重量増加,肺胞壁のび漫性
  肥厚。脳脊髄炎例ではび漫性,脱髄性脳脊髄炎像。 病原診断:ウイルス分離(羊脈絡叢細胞)後,多核巨細   胞の検出を行い血清反応,PCRによる遺伝子検出 血清診断:寒天ゲル内沈降反応,   ELISAによる抗体検出 予防:血清反応で陽性羊の摘発,淘汰 治療:なし

85 マエディ・ビスナの肺炎例では肺重量が増加し、
肺胞壁のび漫性  肥厚が見られる。

86 マエディ・ビスナの肺炎例では肺、リンパ節、乳腺組織にリンパ球の浸潤が見られる。(本写真は肺の細胞浸潤)

87 ナイロビ羊病 Nairobi sheep disease
・めん山羊の出血性腸炎を主徴とする人獣共通感染症 宿主:めん羊,山羊 病原:ナイロビ羊病ウイルス(Bunyaviridae, Nairovirus)。 疫学  分布域:東アフリカで発生。日本では発生報告なし。  感染様式:マダニによる伝播 臨床  潜伏期:不明  症状:高熱,粘血便の激しい下痢,衰弱,  妊娠獣の流産,  人は軽いインフルエンザ様の症状。  予後:羊は30~90%の致死率

88 ・めん山羊の出血性腸炎を主徴とする人獣共通感染症
跳躍病 ・めん山羊の出血性腸炎を主徴とする人獣共通感染症 宿主:めん羊,山羊 (雷鳥が高感受性)  病原:Louping ill virus (Flaviviridae, Flavivirus) 疫学  分布域:英国、欧州各地。日本では発生報告なし。  感染様式:マダニによる伝播 臨床  二峰性の発熱。運動失調、過興奮、進行性麻痺。  人は発熱、稀に脳炎。 病理  髄膜脳脊髄炎、小脳に病変

89 流行性羊流産 enzootic ovine abortion(EOA); enzootic abortion of ewes(EAE)
・初産の妊娠末期に発症 ・感染羊からの人への伝播の例あり 宿主:めん羊 病原:Chlamydophila abortus 疫学:英国,欧州,北米,ニュージーランドに分布。    日本では未確認 感染様式:飼料や水 潜伏期:50~90日 症状:雌羊は発熱が認められ、同時期に死・流産が    起こることがある。 予後:胎子のみに影響。予後良好(親は回復する)。

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91 小反芻獣疫 peste des petits ruminant
・口・鼻粘膜の充血・びらん、下痢を主徴とした  急性伝染病 ・牛疫と類似しためん羊、山羊の病気である。 宿主:しか,めん羊,山羊 病原:小反芻獣疫ウイルス    (Paramyxoviridae, Morbillivirus)    牛疫ウイルスと近縁 疫学:中央・西アフリカ,中近東,インドで発生。    日本では発生報告なし。 感染様式:感染動物の分泌物・排泄物で伝播,      密な接触で伝播

92 伝染性無乳症 contagious agalactia
・海外病。病原体は牛肺疫と類似している。 ・乳量の減少とともに関節炎、角結膜炎、肺炎を併発する。 宿主:めん羊,山羊 病原:めん羊ではMycoplasma agalactiae    山羊ではM.agalactiaeの他,     M.mycoides subsp. mycoides large colony type    および M.capricolum subsp. capricolum  疫学:世界各地で報告されている。地中海地域に多い。 感染様式:接触あるいは乳汁 予防:M. agalactiaeは不活化ワクチンあり。 治療:テトラサイクリン系やマクロライド系抗生物質,    ニューキノロン系合成抗菌剤

93 contagious caprine pleuropneumonia(CCPP)
山羊伝染性胸膜肺炎  contagious caprine pleuropneumonia(CCPP)   ・咳と呼吸速迫の呼吸器症状 宿主:山羊 (抗体はラクダ、バッハロ-からも検出) 病原:Mycoplasma capricolum subsp. capricolum 疫学:アフリカ,中近東,西アジアに分布。    (インド、パキスタンからも発生報告がある。)     日本では未確認 感染様式:接触感染(気道感染) 臨床  潜伏期:4~14日(急性型の場合)  症状:特異的所見は少ない。高熱、呼吸器症状。  予後:急性型は予後不良。慢性経過をたどる個体も多い。


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