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5×5×5㎝3純ヨウ化セシウムシンチレーションカウンターの基礎特性に関する研究

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1 5×5×5㎝3純ヨウ化セシウムシンチレーションカウンターの基礎特性に関する研究
高エネルギー物理学研究室    実験者名  中川 いずみ            野々上 生子

2 発表の流れ 実験の目的 原理 実験手順と結果 考察

3  実験の目的 純CsI 結晶とCsI(Tl)結晶を比較しながら、これらの基礎特性を調べる。

4 原理 μ粒子:宇宙線の一種。透過力が強いので運動エネ γ線:本実験では、キャリブレーションを求めるために ルギーの高い状態で地上に到達する。
         ルギーの高い状態で地上に到達する。 γ線:本実験では、キャリブレーションを求めるために         Csから生成されたγ線を用いる。Csの崩壊過程        を図に示す。    Cs β− γ 0.662MeV 137Ba 137Ba

5 μ粒子のエネルギー損失 電離損失:荷電粒子が、物質中を通過するときに電離や励起によって自分自身のエネルギーを失うこと
 μ粒子のエネルギー損失 電離損失:荷電粒子が、物質中を通過するときに電離や励起によって自分自身のエネルギーを失うこと 制動放射:荷電粒子が物質中を通過するとき、その原子核の作るCoulomb 場で Rutherford 散乱を受け進行方向を曲げる。そのときの衝突によって荷電粒子は Coulomb 場で加速され、光子を放出する現象

6 γ線の相互作用 光電効果(photoelectoric effect) コンプトン散乱(compton scattering)
      電子をたたき出し光子自体は吸収されてしまう コンプトン散乱(compton scattering)       電子をはじき飛ばし、光子のエネルギーが下がる 電子対(e+e-)生成 E=mc2 より1.02MeV必要

7 CsIのエネルギー損失 以上3つの相互作用は、吸収体の原子番号と入射するγ線のエネルギーによって変化する。本実験での相互反応は主に光電効果とコンプトン散乱である。

8

9 シンチレーションカウンターと 光電子増倍管
荷電粒子 陰極 陽極 電子増幅 光電子 出力信号 scintillator P.M.T シンチレーション光 高圧電源

10 シンチレーションカウンターと 光電子増倍管
シンチレーター:Pure CsI(5×5×5cm3) プラスチックシンチレーター:幅 35mm                    長さ 45mm                    厚み 10mm弱 光電子増倍管:H3178型 口径1.5インチ H1161型 口径2.0インチ 

11 実験の内容 Pure CsI と CsI(Tl)の蛍光時間の測定 Pedestal の測定 137Cs による測定 宇宙線による測定    

12 エレクトロニクスの説明 Divider:シグナルを分割するのに用いる Attenuator:入力信号を一定の割合で減衰させる装置
Clock Generator: 規則正しくパルスを発生させる装置 Delay:信号を遅らせる装置 Gate Generator:入力したデジタル信号を必要なパルス幅に整形する装置

13 エレクトロニクスの説明 Discriminator:入力信号があらかじめ設定したthresholdを超えたときのみ、一定なパルス高を持つデジタル信号を出す装置 t 入力パルス threshold 出力パルス t 0V -0.8V

14 エレクトロニクスの説明 ADC (Analog to Dizital Convertor):ある幅を持つGate入力に対して、その幅の時間内に入力されたAnalog inからのパルスの高さをデジタル量に変換する装置 入力 t gate

15 エレクトロニクスの説明 Linux-PC:Date収集を制御する計算機 Output レジスタ:clearなパルスを出力する装置

16 Pure CsIと CsI(Tl)の比較 セットアップ H.V 1700V P.M.T CsI Discri. Gate Generator
オシロスコープ Scaler

17 実験結果 ・蛍光時間 ・Scalerでの測定結果 Pure CsI :235.8/min CsI(Tl) :233/min
          Pure CsI  CsI(Tl) 立ち上がり時間  20 nsec  200 nsec 立ち下がり時間  70 nsec 4400 nsec ・Scalerでの測定結果 Pure CsI :235.8/min CsI(Tl)  :233/min  波高 立ち上がり 時間 立ち下がり 時間

18 考察 発光量が Pure CsI<CsI(Tl) のため、立ち上がり・立ち下り時間も Pure CsI<CsI(Tl). ↓
         ↓    Pure CsI のほうが時間分解能に優れている    ∴Pure CsI を用いる

19 Pedestalの測定 セットアップ 61nsec Clock Generator 18~30dB Attenuator Amp Th
88.2mV Amp Discri. Delay 61nsec Width 100nsec Gate Generator ADC

20 実験結果 実験前のPedestal 実験後のPedestal 以上のグラフより Pedestalは -44.241

21 考察 実験前と実験後とでは、Pedestalの値が変化していた。これはPedestalがADCによって変化するもので、実験環境によって変化しやすいことを示している。

22 γ線源137 Csによる測定 セットアップ 76nsec H.V 1800V P.M.T CsI Amp Attenuator 6dB Th
γ線源137 Csによる測定 セットアップ H.V 1800V P.M.T CsI Amp Attenuator 6dB Th 88.2mV Discri. Amp Width 100nsec Gate Generator Delay 76nsec ADC PC-Linux

23 高レート対策 ①500μsec の dead time 設定 ②Date を配列に格納し、ブロック転送
③Output レジスタでADC を clear

24 実験結果 対策②を適用 1084

25 キャリブレーション ADC count とエネルギーの関係   原点とγ線での測定値を結ぶと

26 実験結果 対策①、②を適用 1111

27 キャリブレーション ADC count とエネルギーの関係   原点とγ線での測定値を結ぶと

28 宇宙線による測定 セットアップ H.V 1300V P.M.T H.V 1800V P.M.T CsI H.V 1300V P.M.T
40dB Discri. Attenuator Discri. Th 78.7mV Th 78.7mV Amp Coincidence Width 100nsec Delay Gate Generator 96nsec ADC PC-Linux

29 実験結果 915.6 915.6

30 キャリブレーション ADCcount とエネルギーの関係   原点と宇宙線での測定を結ぶと

31 考察 Csのγ線と宇宙線のキャリブレーションは、実験前のPedestalを用いて計算した。
Kcos/Kcos=1 KCs1/Kcos=0.992 KCs2/Kcos=1.016

32 考察

33 今後の課題 高レート対策の ③Output レジスタでADCをclearする というプログラムの完成を目指す。


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