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Published byゆりか あざみ Modified 約 5 年前
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1978年版「女王蜂」 監督 市川崑 協力監督 松林宗恵 製作 馬場和夫/田中収 原作 横溝正史 脚本 市川崑、日高真也、桂千穂
監督 市川崑 協力監督 松林宗恵 製作 馬場和夫/田中収 原作 横溝正史 脚本 市川崑、日高真也、桂千穂 音楽 田辺信一 美術 阿久根巌 編集 長田千鶴子 配給収入 7億9千万円 シリーズで犬神家に次ぐヒット
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配役 -年齢は公開時。下線の方は故人- 黒沢刑事:冷泉公裕31 金田一耕助:石坂浩二37 嵐三朝:三木のり平53 山本巡査:伴淳三郎70
配役 -年齢は公開時。下線の方は故人- 黒沢刑事:冷泉公裕31 山本巡査:伴淳三郎70 [その他] 多門連太郎:沖雅也25 赤根崎:中島久之35 駒井:佐々木剛30 遊佐:石田信之27 速水るい:白石加代子36 金田一耕助:石坂浩二37 [大道寺家] 銀造:仲代達矢45 鉄馬:武内享60 琴絵:萩尾みどり24 智子:中井貴恵20 蔦代:司葉子43 文彦:高野浩之17 神尾先生:岸惠子45 [伊豆] おあき:坂口良子22 村人:常田富士男41 嵐三朝:三木のり平53 お富:草笛光子44 お富の母:沼田和子 山本の妹:宇野喜代 [京都] 東小路隆子:高峰三枝子59 日下部仁志:佐々木勝彦43 加納弁護士:大滝秀治52 九十九龍馬:神山繁48 [警察] 等々力警部:加藤武48 小暮刑事:小林昭二47
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原作 キング(講談社) 昭和26年6月号~27年5月号連載 いわゆる島ものの一つ。伊豆沖にある月琴島が主な舞台となる。
1952年「毒蛇島綺談 女王蜂」(主演:岡譲司)が、最初の映画化。
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制作背景 ・映画「獄門島」がヒット ・松竹映画「八つ墓村」大ヒット ・カネボウの口紅とタイアップ決定
「口紅にミステリー」「女王蜂のくちびる」 市川監督は「火の鳥」の撮影もあり、あまり乗り気ではなかった。
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①かわいい山本巡査 ②テーマ曲 ③市川監督と松林監督のパートの違い ④中井貴恵の棒読み芝居 ⑤タイアップ商品のプッシュシーン
ここに注目! ①かわいい山本巡査 ②テーマ曲 ③市川監督と松林監督のパートの違い ④中井貴恵の棒読み芝居 ⑤タイアップ商品のプッシュシーン
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注目ポイント再確認:①-A 「駅前」シリーズや「南の島に雪がふる」といった喜劇作品だけでなく、「飢餓海峡」をはじめとしたシリアスな作品でも存在感を放つ伴淳三郎。 市川崑作品への出演は、この「女王蜂」が初めてでした。
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注目ポイント再確認:①-B 衣装は全部バンジュン自身で決めたそうです。戦前は黒縁メガネ、戦後は縁無しメガネ、髭を生やすなど、差をつけています。 ずっとシャツの右の襟が折れているのもお気づきになりましたか?
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注目ポイント再確認:①-C 「獄門島」では、推理を披露するたびに周囲に呆れられるという冷遇(?)だった等々力警部。
本作では、山本巡査が叱られ役になっていますが、そこにバンジュンのリアクションの良さが加わって、何とも言えぬ哀感が生まれています。 ちなみに定年間際でも巡査って、山本さんお仕事できないのかしら…。
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飯田信夫3 早坂文雄1 伊福部昭4 服部良一3 芥川也寸志12 黛敏郎10 宅孝二3 團伊玖磨2 ハナ肇1
注目ポイント再確認:② 飯田信夫3 早坂文雄1 伊福部昭4 服部良一3 芥川也寸志12 黛敏郎10 宅孝二3 團伊玖磨2 ハナ肇1 中村八大1 山本直純2 馬飼野俊一1 佐藤勝1 大野雄二1 村井邦彦1 田辺信一4 深町純1 山本純ノ介1 谷川賢作10 宇崎竜童1
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注目ポイント再確認:③-A 「火の鳥」の撮影と並行しているため、市川監督にはこれまでの作品以上に時間がありませんでした。
そのため、松林宗恵監督が「協力監督」という変わったクレジットをされています。
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注目ポイント再確認:③-B 邦画では助監督のチーフ、あるいはカメラマンが、B班という別働隊を率いて、アクションシーン、風景、特撮といったシーンを撮影するのが一般的です。 しかし、この「女王蜂」では、松林監督がなかなかの割合の本編を撮影したと言われています。
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注目ポイント再確認:③-C 京都のシーンは松林監督が撮ったと言われていますが、仁和寺でのお茶会シーンは市川監督が撮影しており、実際にどこを撮ったのか分明ではありません。 しかし、どこからが市川印、どこが松林印というのが分からない、よい連携になっています。 ちなみに、松林監督は「連合艦隊」で中井貴一をデビューさせています。
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注目ポイント再確認:④-A 「女王蜂」の感想を聞くと、必ず触れられるのが中井貴恵さんのお芝居。
デビュー作だから仕方ないのですが、他の若手が割と流暢にお芝居しているだけに、目立ってしまいますね。 そのあたりもあって、原作よりも一歩引いたポジションにしたのかもしれません。
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注目ポイント再確認:④-B 「悪魔の手毬唄」の北公次さんが思い出されるところですが、彼は出番が多いから目立つだけで、実は若者役全員が、どちらかといえば棒読み芝居をしています。 ただし、これは意図があり、永島暎子さんや仁科明子さんらキャリアのある人達には、ボソボソと呟くようにお芝居させて、感情が乗らないように喋らせています(=腹に一物ある流暢に喋る大人たちとの対比)。
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注目ポイント再確認:④-C 「女王蜂」の智子は、深窓の令嬢という設定です。
中井貴恵さんは、原作にあるような男を幻惑するようなタイプではありませんが、彼女のたどたどしいお芝居は何かの思惑を精一杯隠しているようにも見えて、いい意味でミステリアスです。 原作に一番近い智子は、吾郎ちゃん金田一の栗山千明でしょう。
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注目ポイント再確認:⑤-A 本作は、カネボウのリップスティックと「女王蜂のくちびる」「口紅にミステリー」のキャッチコピーでタイアップしています。 中井貴恵さんはCMにもモデル起用されています。
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注目ポイント再確認:⑤-B 劇中に登場するリップスティックがお洒落すぎるという指摘もありますが、調べてみると、国産のリップスティックは1918年に中村信陽堂がオペラブランドで販売を開始しており、おかしくはなさそうです。
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注目ポイント再確認:⑤-C ただ、劇中でそのまま広告を兼ねるのには照れがあったようで、似たセリフを喋ったり(現場で決まったアドリブの様子)、「口紅にミステリー」と呟く警部を、脚本の日高真也と桂千穂が冷ややかに見つめる、といった演出が行われています。
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考察:(他の作品を)観てから観る① 市川監督は、TVやCM、舞台も含めれば、100本以上の作品に携わっています。
金田一シリーズ以外にも、名作・快作・意欲作が多くあります。 今回は、金田一シリーズに留まらず、市川崑映画を楽しむに当たってのポイントをご紹介したいと思います。 考察:(他の作品を)観てから観る①
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考察:(他の作品を)観てから観る② 1.細かいカット割り 2.タイトルロール
手書き文字、隷書風、極太明朝体、といった書体だけでなく、文字の配置にも強いこだわりが。 ソウル・バスとは互いに影響を与え合う。
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考察:(他の作品を)観てから観る③ 3.串刺し、首切り構図
避けるべきとされる串刺し、首切り構図をわざと使い、却って手前の人物に注目を向ける。構図が多いほど乗っているという見方も。
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4.衣装(特に着物) 衣装の色に拘りが強いが、特に着物では業者並に詳しく、生地にまで指定を。それが昇華したのが細雪。
考察:(他の作品を)観てから観る④ 4.衣装(特に着物) 衣装の色に拘りが強いが、特に着物では業者並に詳しく、生地にまで指定を。それが昇華したのが細雪。
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考察:(他の作品を)観てから観る⑤ 5.引っかかる着物
襖が閉まると着物が引っかかる、というのはスタッフから「市川崑印」と言われるほど多用されたシーンです。引手が中央に来ないのがミソ。
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6.勾配のわかりにくい屋根 屋根瓦をタイルのように映すのも市川作品の特徴の一つ。名カメラマン宮川一夫さんの構図とも。トリス。
考察:(他の作品を)観てから観る⑥ 6.勾配のわかりにくい屋根 屋根瓦をタイルのように映すのも市川作品の特徴の一つ。名カメラマン宮川一夫さんの構図とも。トリス。
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考察:(他の作品を)観てから観る⑦ 7.子猫 市川作品で猫が出てくる時は、成猫ではなく、子猫(小さすぎない)です。画面の隅に少しだけ出てくるのは、観客の視線が猫に集まってしまうからかも。
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8.逃走 おはん婆さん(原作ではおりん)はまさに脱兎の如く逃げていきますが、同じように老人とは思えない逃げ足の登場人物がいます。
考察:(他の作品を)観てから観る⑧ 8.逃走 おはん婆さん(原作ではおりん)はまさに脱兎の如く逃げていきますが、同じように老人とは思えない逃げ足の登場人物がいます。
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9.視点の違い 多作な市川監督だけに、同じ題材、似た題材を扱った作品も結果として生まれています。それらを見つけるのも楽しみの一つです。
考察:(他の作品を)観てから観る⑨ 9.視点の違い 多作な市川監督だけに、同じ題材、似た題材を扱った作品も結果として生まれています。それらを見つけるのも楽しみの一つです。
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今夜も、ありがとうございました。
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