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動物テクノロジー概論 Animal Technologies
2017年1月19日 Lecture 1 動物テクノロジー概論 Animal Technologies 今川和彦 K. Imakawa, Ph.D. 東大附属牧場 URL:
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ホテルでの朝食・ビッフェ 和食と洋食 畜産食品のオンパレード 牛乳(飲用ミルク) これらの食品は、肥育・管理された動物から生産される
ホテルでの朝食・ビッフェ 和食と洋食 牛乳(飲用ミルク) ヨーグルト 調理法の異なる卵 ハム、ベーコン、ソーセージ パンにバター 飲み物にはクリーム 肉? チーズ? 畜産食品のオンパレード これらの食品は、肥育・管理された動物から生産される ・畜産物の輸入(バターなど) ・アメリカからのヒツジ子宮の輸出 ・オーストラリアでは、ウシの血清や子宮灌流液も輸入不可
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優れた技術開発 優れた畜産物の生産=高品質、安心・安全
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「動物テクノロジー概論」 講義スケジュール
「動物テクノロジー概論」 講義スケジュール lecture no. 1月19日 1 イントロダクション(本講義の方向性など) 1月23日 2,3 家畜の生産技術 人工授精 体外受精・胚移植 1月30日 4,5 先端技術 雌雄の産み分け、双子生産 クローン家畜 バイオリアクター 異種移植のための臓器生産 2月3日 6 動物テクノロジーの課題と未来 安全性 挑戦と責任 まとめ
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ウシ受胎率の現状 乳用牛だけではなく肉用経産牛の受胎率も低下している 子牛生産2.2~2.4回 農水省 「家畜改良増殖目標」
牛:効率的な繁殖・子牛生産を推進 10%の低下で年間約30億円の損失 20%の低下で年間約60億円の損失 (北海道ETセンターによる試算) 乳用牛だけではなく肉用経産牛の受胎率も低下している 子牛生産2.2~2.4回
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雌: 乳用牛=繁殖(子取り)と泌乳 雌: (肉用)繁殖牛=繁殖牛(子取り) 泌乳期間 280~340日 妊娠 人工授精 泌乳開始 分娩 妊娠
泌乳期間 280~340日 妊娠 人工授精 泌乳開始 分娩 妊娠 人工授精 性成熟 9ヶ月 280日 誕生 離乳 取引 素牛 0 (5day) month 4-6 months 乳牛 雌: 乳用牛=繁殖(子取り)と泌乳 雄: 通常は去勢され、肉牛として育成=乳用雄牛(オスでいられるのは何%?) 肉牛 雌: (肉用)繁殖牛=繁殖牛(子取り) 子取りではなく、肉用牛として育てられる場合もある 雌牛の肉がグルメ 雄: 通常は去勢され、肉牛として育成=肉用雄牛、和牛雄牛など
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Life cycle in dairy cattle
13~14ヶ月 16~17ヶ月 25~26ヶ月 Dry period 子宮回復期 性周期 誕生 分娩 性成熟 Slaughtered 1st Pregnancy 3rd Pregnancy 2nd Pregnancy 1st Lactation 2nd Lactation If not pregnant If not pregnant Slaughtered Slaughtered 屠殺 屠殺
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これらのウシの分娩間隔を改善する事が課題
乳用牛の分娩間隔の度数分布 多くは1年1産 44.7% 55.3% これらのウシの分娩間隔を改善する事が課題 ウシの分娩間隔の延長は空胎期間の延長によるものである ウシの空胎日数を改善する事が課題 家畜改良事業団 乳用牛群能力検定成績のまとめ-平成25年度-図37より引用
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動物テクノロジー概論 まず、動物を知る 農耕は、およそ12,000年前に始まった・・・
動物テクノロジー概論 まず、動物を知る 農耕は、およそ12,000年前に始まった・・・ 動物資源として 哺乳動物8,500種、鳥類8,600種、魚類25,000種 家畜 家畜化(domestication)された動物は100種以下 野生動物の馴化 家畜(domestic animals、farm animals、livestock) 馴化、ヒトの管理下で飼育・繁殖を行い、有用な畜産物や労力を提供する動物 とくに、乳用や肉用として飼育されている動物
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家畜 Domestic animals 野生動物の家畜化(domestication) 中東を含む南部ヨーロッパから(約一万年前)
中東を含む南部ヨーロッパから(約一万年前) ウマ:ウクライナ地方(6千年前) 家畜の種類と気候風土 定住性の強い民族: 乳牛、ブタ、鶏 移動性の強い民族: ヤギ、ヒツジ 両方で: ウマ、肉牛 植物性資源や魚介類の豊富な地帯: 家畜の必要性は少なく、積極的な家畜化は 行われなかった Nature 449:905(Oct. 18, 2007): 約16万4千年前にヒトは貝類を食料に
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家畜化された年代 年前 マウス ハムスター ラット ヤギ ウシ ブタ ラクダ アルパカ ネコ シチメンチョウ キジ オオジカ イヌ ヒツジ ウマ ロバ ニワトリ (ゾウ) ウサギ
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家畜化された牛の利用 牛を家畜化できた民族 vs. できなかった民族 家畜化された牛により農耕が発達
家畜化された牛の利用 牛を家畜化できた民族 vs. できなかった民族 家畜化された牛により農耕が発達 牛が家畜になることにより「犂(すき)」が使えるようになった 漢字「犂」には、農耕における牛の意 農耕が発達した地域 黄河、長江、ガンジス・インダス(インド)、チグリス・ユーフラテス(メソポタミア) ナイル(エジプト):大きな河川の定期的な氾濫による肥沃になった広大な土地 青銅器文明までに発達(ヨーロッパでは新石器時代) ただし、 古代の農業国家では牛は食べる家畜ではなかった(加茂儀一) ①犂を引かせる ②駄(背中に荷を乗せて運ぶ) ③輓(車を引かせる)
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品種とは? 家畜とは? 家畜化とは? 動物が家畜になるとき? 家畜とは人に飼われて馴れ、その保護のもとに繁殖し、
かつ人の改良に応じ、農業上の生産に役立つ動物である 人になれてるニホンザルは家畜か? 木材などの運搬に利用されるゾウは? 家畜(domestic animal)とはその生殖(reproduction)がヒトの 管理(control)のもとにある動物である
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人が直接触れられる、行動が俊敏すぎると馴致できない
家畜・家畜化の条件 家畜化しやすい動物種 ①群居性が強く、順位制で群の秩序を保つ動物 ボスの位置に人がつくことで群れを管理 vs. 単独、縄張りを守る動物 ②雄が性的に優位で、配偶関係が不定である動物 動物の遺伝管理をするためには一夫一婦制は不適当 ③人に馴れやすい動物 警戒心が強く臆病な性格な動物も不適当:オナガー(アジアの野生のロバ)はウマに先駆けて 人に飼育されたが家畜として残らなかった ④草食性または雑食性の動物 豚の広食性はイノシシ(自然界のスカベンジャー「掃除屋」)から、肉食性は不適 ⑤環境への適応力が強い動物 野生と異なる環境に適応する能力が必要 ⑥性質が温順で、行動が遅鈍な動物 人が直接触れられる、行動が俊敏すぎると馴致できない
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自然淘汰 人為淘汰 淘汰圧 家畜化 テクノロジーの 発展と挑戦 技術の応用が 本格化 意識的 人為淘汰が 始まる 家畜生産の 企業性 高
企業性 高 無意識的 人為淘汰 種雄の選択が 始まる テクノロジーの 発展と挑戦 家畜化 純野生状態 ヒトの環境への 侵入(イヌ、イノシシ) 餌付け(サルなど) 生殖期の雌を野に放って 種付け・子取り(ゾウ) 去勢 常時放牧・自然繁殖 放牧を含む飼養管理 常時舎飼い 人工授精技術 後代検定技術 コンパニオンアニマル 実験用小動物 近交系作出
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家畜化への過程
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家畜になって変わったこと: ブタ(家畜)とイノシシ(野生) ブタ イノシシ 毛色 白、赤、褐、灰、黒 濃淡はあっても褐色
ブタ(家畜)とイノシシ(野生) ブタ イノシシ 毛色 白、赤、褐、灰、黒 濃淡はあっても褐色 頭骨 下顎骨の短縮 強力な顎、鋭い牙 発育(90 kg) 6ヵ月 1年 腸の長さ 26 m 17 m 性成熟 早い(7~8ヵ月) 遅い(1年以上) 繁殖能力 周年繁殖 季節繁殖 産子数 10頭以上 4~5頭 体型 産肉型(後軀が発達) 運動型(前軀が発達) 性質 おとなしく従順 荒い気性 行動範囲 狭い 広い 肋骨 15~16対 14対 乳頭 7~9対 5~6対
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家畜化による動物の変化 ①体格の小型化 維持飼料が多ければ生存が難しくなる。遺跡の残された遺骨が野生か家畜の根拠 ②頭骨の短縮
家畜化による動物の変化 ①体格の小型化 維持飼料が多ければ生存が難しくなる。遺跡の残された遺骨が野生か家畜の根拠 ②頭骨の短縮 飼育された動物では下顎骨が短くなる ③繁殖能力の増大 繁殖能力は生産性と直結:選抜圧 ④変異の増大 野生では平均的な個体が生存、飼育下ではヒトが自分に都合の良いものを選抜:人為淘汰 ⑤自己防衛力の低下 天敵の脅威・厳しい気象条件・劣悪な飼育環境からの保護 ただし、病気に対する抵抗性は育種によって向上する場合も
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家畜の分類 門 綱 目 科 Phylum Class Order Family
門 綱 目 科 Phylum Class Order Family 脊椎動物門 哺乳綱 げっ歯目Rodentia テンジクネズミ科 Caviidae Vertebrata Mammalia ネズミ科 Muridae ウサギ目Lagomorpha ウサギ科 Leporidae 食肉目 Carnivora イヌ科 Canidae ネコ科 Felidae 奇蹄目 Perrissodactyla ウマ科 Equidae 偶蹄目 Artiodactyla イノシシ科 Suidae ラクダ科 Camelidae シカ科 Cervidae ウシ科 Bovidae
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野生原種学名 家畜和名(英名) Family 科 Cavia porcelluus テンジクネズミ(Guinea pig) Caviidae
野生原種学名 家畜和名(英名) Cavia porcelluus テンジクネズミ(Guinea pig) Mus musculus マウス(mouse) Rattus rattus ラット(rat) Oryctolagus cuniculus アナウサギ(rabbit) Canis lupus イヌ(dog) Felis silvestris ネコ(cat) Equus przewalskii ウマ(horse) Equus asinus ロバ(ass) Sus scrofa ブタ(pig) Lama vicugna ラマ(lama) アルパカ(alpaka) Camelus ferus ラクダ(camel) Rangifer tarandus トナカイ(reindeer) Bos primigenius ウシ(cattle) Bos mutus ヤク(yak) Bos javanicus バリウシ(Bali cattle) Bos gaurus ガヤール(gayal)またはミタン(mithan) Bubalus arnee スイギュウ(water buffalo) Capra aegagrus ヤギ(goat) Ovis ammon ヒツジ(sheep) Family 科 Caviidae Muridaeネズミ科 Leporidaeウサギ科 Canidaeイヌ科 Felidaeネコ科 Equidaeウマ科 Suidaeイノシシ科 Camelidaeラクダ科 Cervidaeシカ科 Bovidaeウシ科
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牛の近縁種 この系統樹は、 ある遺伝子(この場合、 mtDNA)をもとに 「近縁度」を示しており、 そのように 進化したわけではない
牛の近縁種 この系統樹は、 ある遺伝子(この場合、 mtDNA)をもとに 「近縁度」を示しており、 そのように 進化したわけではない Bos taurus Bos indicus 現在に続く家畜ウシとアジアスイギュウは かなり前に分岐した mtDNAシトクロームb遺伝子・核酸配列解析:ヤク、ガウル、バンテンとアメリカンバイソンは 家畜ウシとの間で何らかの遺伝的交流があった
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ウシ亜科(Bovinae)に属する動物の染色体数
Bos Bos taurus(ウシ) Bos indicus(ゼブ、インド牛) Bos banteng(バンテン) Bos gaurus(ガウル) Bos frontalis(ガヤル) Bos mutus(ヤク) Bison Bison bison(アメリカバイソン) Bison banasus(ヨーロッパバイソン) Bubalus Bubalus bubalis(アジアスイギュウ) swamp buffalo(沼沢水牛) river buffalo(河川水牛) Bubalus depressicornis(アノア) Syncerus Syncerus caffer(アフリカクロスイギュウ) Sus scrofa(ブタ、イノシシ) 染色体 (2n=38)
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異種間での交尾 子が生まれないか、生まれてもその子には繁殖能力がない 牛 vs. 水牛 子は生まれない
子が生まれないか、生まれてもその子には繁殖能力がない 牛 vs. 水牛 子は生まれない 牛 vs. アメリカンバイソン 子は生まれる 雌には繁殖能力あり、雄にはない 牛 vs. バリ牛 子は生まれる 繁殖能力があるのは雌だけ バリ牛 vs. 野生バンテン 子は生まれる 子は何の支障もない(バリ牛は野生バンテンが家畜化されたもの)
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門 綱 目 科 野生原種学名 家畜和名 Phylum Class Order Family 脊椎動物門 哺乳綱 げっ歯目 ネズミ科 Mus musculus マウス(mouse) 偶蹄目 ウシ科 Bos primigenius ウシ(cattle) 鳥綱 ガンカモ目 ガンカモ科 Anas platyrhychos アヒル Cairina moshata バリケン Anser cygnoides ガチョウ ハト目 ハト科 Columba livia ハト キジ目 キジ科 Coturnix coturnix ウズラ Gallus gallus ニワトリ Meleagris gallopavo シチメンチョウ Numida meleagris ホロホロチョウ 節足動物門 昆虫綱 膜翅目 ミツバチ科 Apis millifera ミツバチ 鱗翅目 カイコガ科 Bombyx mori カイコ
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家畜化 家畜の観察によって、優秀なものを選抜し、さらによりよい家畜を増産
どのような特徴をもつ家畜を作り出すのか? 青写真と戦略 戦略にもとづく雌雄の交配 子孫に特定の特徴を付与する 望ましい形質をもつ個体の選抜 選抜・交配の繰り返し 期待する形質(優れた体格や生産性など) それを作り出そうとする強い意志 期待に沿わない形質を除去 子孫にそのような形質を与える「親」も淘汰 期待する形質の固定=子孫に現れた形質の安定的発現
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家畜の品種 家畜を改良し、増殖するには長い年月が必要である vs. テクノロジーの活用
何世代にもわたり、家畜は改良され、頭数も増えた ウシ:13億4000万頭 ブタ:9億2000万頭 ヒツジ:10億7000万頭 ヤギ:7億1000万頭 ヒト:69億人(2010年10月) 品種(breed) 同一の種に属するが、他と識別できる遺伝的特徴をもつ集団 地理的隔離により一定の遺伝的特徴をもつ集団に対し、さらに人為的な生殖隔離、 主として品種改良が行われた結果 家畜の品種の多くは18~19世紀までに成立している 品種において近親交配を重ねると系統(strain、ウマで重要)が形成される
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家畜改良 優れた生産能力の発揮のために:個体選抜、家系選抜、後代検定、近親交配
18世紀のイギリスから Robert Bakewell: 優れた能力をもつ家系の作出のための3原則 ①注意深い観察による個体の能力評価 ②後代検定による雄ウシの育種的価値の評価 ③優れたもの同士の交配 19世紀のColling兄弟 ショートホーンの育種改良 現在の家畜は、ここ300年で改良され品種として成立
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選抜と交配方法 遺伝的に改良できる形質のみ育種改良の対象となる
交配方法の決定 ①選抜(selection、どの個体を交配に用いるか?) ②交配方法(mating system、どの雄とどの雌を交配させるか?) 選抜強度(selection intensity)=選抜する基準 集団のなかで一定水準以上の能力を発揮した 個体が選抜され、次世代に子孫を残す 遺伝的改良 その子孫の集団の中で、また同じ基準で選抜 選抜強度が強ければ、遺伝的に優れた個体が選ばれる可能性 高 選抜される個体数 少 近親交配の弊害
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選抜方法 集団選抜(mass selection)、個体選抜(individual selection)
個体の表現型(成績)に基づき、両親や祖父母の成績は考慮されない 血統選抜(pedigree selection) 両親や祖父母の成績が基になる ウシ、競走馬 家系選抜(family selection) 選抜しようとする個体と同時に兄弟の成績を基に その子供の成績も=後代検定、progeny test 乳牛の雄ウシの選抜
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後代検定技術 progeny test 選抜方法 ① 集団選抜(mass selection):その個体の表現型(成績)にのみ基づく
② 血統選抜(pedigree selection):両親や祖父母に基づく、競走馬など ③ 家系選抜(family selection):個体の成績と兄弟の成績、乳牛など 家系選抜 乳牛では雄ウシの遺伝的能力を直接知ることはできない 多数の雌ウシと交配し、その子供の泌乳成績から初めて知ることができる 改良の初期には、集団(個体)選抜が有効、 改良が進んだ段階では家系選抜が有効
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後代検定と選抜方法 雌雄どちらに淘汰圧がかかるか?
乳牛の雄ウシの選抜 雄ウシの遺伝的泌乳能力を直接知ることはできない 多数の雌ウシと交配し、その子供(雌ウシ)の泌乳成績から 雌の集団に淘汰圧が加わることは少ない 雄は種付け用のエリートだけ、あとは食用(去勢牛) 選抜方法の決定 選抜強度と遺伝率 改良の初期段階: 集団選抜(個体選抜)が有効 改良が進んだ段階: 家系選抜
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育種学での形質の種類 表現型(phenotype):形態的あるいは生理的性質で遺伝子により支配
質的形質(qualitative trait) 個体間で明確に区別できる形質 角の有無、皮毛や羽毛の色、鶏冠 比較的少数の遺伝子の関与 量的形質(quantitative trait) 数または量として表現される形質 体重、乳量、産卵数、産肉量 多くの遺伝子が関わる(polygene)=一つ一つの遺伝子の影響は少ない Mendel(分離の法則、独立の法則、優劣の法則)
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Mendel 比較的少数の遺伝子が関与し、作用の明らかな場合
表現型が1対の対立遺伝子(allele)で決まる場合 両親 AA と aa (草丈が高い、低い): 完全優性として 子供(交雑第1代目、F1)の遺伝子型はAa 孫(F1同士の交配、交雑第2代目、F2)の遺伝子型AA(1):Aa(2):aa(1) 表現型の分離比は3:1 表現型が2対の対立遺伝子による遺伝 両親の遺伝型 AABB (草丈が高く、黄色)と aabb F1の遺伝子型 AaBb F2表現型の分離比9(高、黄色):3(高、緑):3(低、黄色):1(低、緑)
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家畜の生産にかかわる遺伝様式 遺伝様式は単純ではない
量的形質の遺伝 ある形質の発現(phenotype)に数多くの対立遺伝子が関与 遺伝子型と環境効果 表現型(phenotype, P)は、遺伝子型(genotype, G)と 環境効果(environmental effects, E)の和: P = G + E
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遺伝率 遺伝率の大小は、育種を行うときに必要不可欠な情報
育種効果の推定 遺伝率が高ければ遺伝子が関与する程度が大きく、遺伝的な改良が容易 遺伝率が低い形質の育種改良は容易ではなく、長期間を有する 効果的な選抜方法の選択 優良な遺伝子を群として有するため家系選抜の採用
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遺伝率の推定値 環境効果が大きければ遺伝率は小さな値として推定される
形質 遺伝率(h2) 乳牛 乳量 ~ 0.3 脂肪率 ~ 0.8 乳タンパク質含量 ~ 0.7 妊娠期間 ~ 0.4 ブタ 増体重 ~ 0.3 赤肉割合 ~0.76 背脂肪厚 ~ 0.6 飼料効率 ~0.6 産子数 ~ 0.2 クローン家畜 雌雄の産み分け 胚の遺伝子診断 双子の生産
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家畜化とは 家畜とは、その生殖がヒトの管理のもとにある動物 野生の動物を飼いならすだけでは、家畜とはいえない
動物が受ける自然淘汰の圧力が、人為淘汰の圧力によって 徐々に置き換えられていく過程 自然淘汰圧の減少とは、純野生状態では生きてゆけぬ個体が生き延びられる 生殖をヒトがコントロール 様々な雌雄の組み合わせが可能 家畜化によって新動物種(species)は発生しないが、様々な品種が生まれる
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家畜化による機能の変化 家畜化によって変わった例
ブタとイノシシ 日本のイノシシ:春に生まれ、翌年12月からその次の年、19~21ヶ月齢で 初回妊娠、産仔数4~5頭 ランドレース:8ヶ月で性成熟、1腹産仔数は平均11.7頭、年2産 ニワトリ 東南アジアの赤色野鶏の産卵数は一年10個、ヒトが飼育すると一年60個 白色レグホン系の産卵数は一年300個 就巣性の消失 ふ卵器
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家畜化によって野生の能力は? 遺伝的な変容?
家畜化によってもたらされた生活能力の変化 人為的な環境(高栄養と自然環境からの庇護)のもと、成長の促進と早期性成熟 角、歯、咀嚼筋、循環器系、感覚神経系の能力低下=行動能力の低下 トキ、コウノトリの放鳥 野生能力は回復するか?
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再野生化群の存在 世界各地に逃走したり遺棄された家畜が生存、日本では・・・
ウシ(口之島野生化牛) 鹿児島の南約150キロに浮かぶトカラ列島の口之島 他種(品種)との交雑が起こらなかった(山口県萩市・見島の見島牛と同じ構図) ただし、見島牛は野生牛ではない 体高:雄でも122センチ(黒毛和種より20センチ低い) 体重:黒毛和種の2/3 (日本の)古代牛に近く見島牛とともに和牛のルーツ(?)(2008年2月) ウマ 宮崎県串間市 ヤギ 小笠原諸島 すべての家畜は、環境に適応して存続し続けることのできる 野生動物 としての能力を保持し続けている
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良い形質を選抜するだけではなく、淘汰される雄もいる 人為淘汰の方法
良い形質を選抜するだけではなく、淘汰される雄もいる 人為淘汰の方法
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去勢という知恵 誰が最初に行ったかについての記録はない
淘汰しようとする形質をもつ雄の雌からの隔離 交配に使いたい雄と使いたくない雄の選別 去勢:性腺、とくに雄の精巣を強制的に除去 ヒトの意志を強力に、かつ明確に反映 ヒトによって選ばれたもののみが、子供を作れる 優良な雄の選抜 特定の雄を利用して優良個体をつくる そのなかからさらに優良な雄を選抜して交配 優良な雄は個体としての価値よりも、次世代をつくる精子をもつことに意義 交尾に集中
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去勢の功罪 淘汰すべき個体を繁殖の場から退場させ、かつ優良な雄を集中的に使って家畜改良
性格が従順になる 飼育しやすい 農耕や運搬に使いやすくなる 肉質の改良 雌の肉質に近づく 事故率の減少 餌の取り合いが少なくなる 遊牧民の先頭集団 大将のウマのみ去勢せず、他を去勢 去勢ウマは、去勢していないウマに従う=軍隊の規律に好都合 ・ 遺伝的多様性の減少
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人工授精の誕生と普及 優良な雄による優良家畜の増産
最初の人工授精 1780年、イタリアの生理学者スパランツアニ(L. Spallanzani)、イヌ 20世紀初頭、ロシアのイワノフ(I. I. Ivanov)、ウマ のち、ウシやヒツジに応用 実際 ウシの妊娠には、膣深部や子宮の入り口に5000万匹の精子の導入 1回の射精で100頭以上の雌に妊娠が可能 精液希釈液の改良 人工授精により可能になったこと 雄のもつ遺伝情報をより正確に推察することが可能 その情報をもとに、多くの子どもの量産 優良な雄をさらに選抜し、利用 ・ 去勢も同時進行
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1回の射出精液で人工授精可能な家畜の頭数 1回の射出 1回の注入 1回の射出精液で 家畜 ウシ ウマ
1回の射出 1回の注入 1回の射出精液で 精液量(ml) 精子数(億) 精液量(ml) 精子数(億) 人工授精できる雌の頭数 家畜 ウシ ウマ ヒツジ ヤギ ブタ 10-20 10-20 8-9
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人工授精はなぜ普及したか 交尾による感染症の防御
家畜の改良 優良個体への改良と増産 性病(交尾による感染)の蔓延を防ぐ トリコモナス症 Trichomonas foetus原虫、雌では流産、膣炎、子宮内膜炎、不妊 雄では、陰茎や包皮粘膜に軽い炎症 感染力は強い カンピロバクター病 Compylobacter fetus細菌 ブルセラ症 ブルセラ属の細菌 人工授精が普及し、交尾がなくなることによって撲滅された
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優秀な雄をもつための努力 イタリアの例 国内外のトップ1%の種雄の選抜 国内のトップ1%の雌ウシの選抜
イタリア国内の登録牛約100万頭からの選抜 候補雄の精液の準備と人工授精 計画的な人工授精により、毎年約500頭の雄子ウシの生産 疾病、遺伝的能力、増体性や精子の活力検査の後、約400頭に これらから雄一頭あたり1000本の精液、人工授精 種雄として その後、5年間にわたって子供の能力を判定(後代検定) 約40頭が種雄ウシに 2010年、宮崎県の口蹄疫と種牛の処理(扱い)
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優良雌を用いる増産の発想 子供の形質には、雌の遺伝子も関係する
家畜遺伝育種学 優良な雌に、優良な雄の精子を導入し、優良な子供を作る 排卵数の限界 卵巣には数十万個の卵子が存在するが、排卵数は動物種によって決まっている ウシの排卵は、原則1性周期に1個 妊娠期間が長いために、雌が生涯に妊娠できる回数は限られている 過排卵誘起 性腺刺激ホルモンの投与により、種固有の排卵数を越える多数の卵子を排卵 動物個体差が激しいが、3~10個の排卵が可能 具体的な方法は次回の講義で
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過排卵と胚移植のドッキング 優良雄と雌の胚(受精卵)を別の個体の子宮に移植
過排卵処置後に人工授精 → 体内受精 (vs. 体外受精) 手術を行わずに、子宮から直径150~300ミクロンの胚の回収 バルーンカテーテルを膣から子宮へ挿入、バルーンを膨らませて子宮頚管を固定 生理食塩水などで子宮内洗浄後、灌流液とともに回収 体内受精卵の胚移植 胚(初期胚)を別の発情を同期化された雌個体に移植、妊娠
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体外受精の誕生と産業化 哺乳類(ウサギ)の体外受精が1959年チャン(M.C. Chang)によって
精子と卵子の効率的回収 精子の回収、凍結精子=どこにでも運搬が可 屠畜場の(和牛の)卵巣からでも卵子の回収 体外で受精 未成熟卵子から成熟卵子へ、受精、着床が可能な段階まで培養 in vitro maturation (IVM), in vitro fertilization (IVF), in vitro culture (IVC) 次回に詳しく 仮親に移植 和牛の胚を乳牛の子宮へ移植 和牛は優良なウシを、乳牛は分娩後、泌乳
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家畜生産の先端技術 家畜生産から交尾がなくなった・・・
雌雄産み分け 乳牛は雌ウシ、肉も雄より雌のものが好まれる 性の判定技術:X精子とY精子の分離 遺伝子診断 胚の遺伝子診断 双子の生産 受精卵の2個移植、2細胞期の胚を2分割 母親へ移植 核移植技術とクローン家畜 優良家畜の増産 優良個体のコピーの作出 遺伝子導入家畜と乳肉生産 受精卵への遺伝子導入
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先端技術の諸問題 遺伝子を導入した食用家畜の課題
遺伝子導入やクローン家畜は消費者に受け入れられない? マウスの実験結果と家畜動物 成長ホルモン遺伝子の導入で、マウスは大型化したが家畜ではできなかった ブタでは飼料効率が向上し、代謝が促進されたが、逆に背側脂肪が薄くなった さらに、 胃潰瘍、心臓肥大、皮膚炎、腎臓病などの誘発
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家畜品種の危機? ヒトはきわめて多様な家畜品種を作ってきたが・・・
高能力家畜の開発し続けたら・・・ 優位な個体のみから子供を作り続けると、一部の個体由来の遺伝子が集団を支配 一部の個体由来の遺伝子が集団を支配 去勢、人工授精技術や胚移植技術が、一部の遺伝子支配を加速 高能力家畜は、一定の環境条件のみで能力を発揮する もし隠れた欠陥(遺伝病など)あれば、集団全体にすみやかに広がる 伝染病など家畜を取り巻く環境が変化したら・・・ 環境の適応性の大きい高能力家畜の開発 優れた遺伝子をもつ集団と遺伝的多能性の保持
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応用技術の展開 家畜のもつ可能性を高める 家畜生産の技術はヒトの不妊治療へ ヒトの人工授精、体外受精、顕微授精
ヒトの人工授精、体外受精、顕微授精 1978年、世界で初めての体外受精児「試験管ベビー」の誕生 「バイオリアクター」としての家畜 乳汁中への生理活性物質の分泌 ヒトに移植可能な臓器生産(異種移植)ブタ なぜブタか、 生理学的にもヒトとの類似点が多い 希少野生動物への応用 希少動物種や絶滅危惧種の救助
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異種移植 なぜブタか ブタ ①ヒトに適した大きさの臓器 ②家畜や実験動物としての歴史が長い ③疾患についての解明が進んでいる
①ヒトに適した大きさの臓器 ②家畜や実験動物としての歴史が長い ③疾患についての解明が進んでいる ④飼育に必要なスペースが比較的小さくてよい ⑤一年中繁殖が可能で多産 ⑥ブタ飼育が産業になっている ⑦心臓・血管系において解剖学的にも生理学的にもヒトとの類似点が多い ⑧悪性腫瘍の発生率が低い ⑨末梢血球数や大きさがヒトに類似 ⑩ヒトの肝不全の治療に、ブタの肝細胞を使った実績 超急性拒絶、急性拒絶、慢性拒絶反応の抑制も可能、ところが? 遺伝子改変で解決
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安全性を考える 食糧、医薬品・臓器生産、野生動物の保護などの安全性
飼料の安全性 遺伝子改変作物の混入、農薬、粗飼料に口蹄疫などの病気 飼料の保存性、栄養価や嗜好性向上のための飼料添加物 BSE問題 2001年9月、本邦最初のBSE発生 英国、これまでに18万頭、2001年には520頭、現在も減少傾向 人畜共通感染症 家畜を介してヒトに感染する病気(家畜との接触、畜産物の摂取、蚊などの媒介) 家畜の排泄物 悪臭、汚水などの環境汚染 O-157など、糞便が水路を通って畑に拡散、野菜類への混入 食糧としての体細胞クローン 体細胞クローンは、食糧生産に貢献するか?
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ウシの食材 濃厚飼料 穀類(トウモロコシやオオムギなど)、マメ類、イモ類、ダイズ粕、 粗飼料
穀類(トウモロコシやオオムギなど)、マメ類、イモ類、ダイズ粕、 植物性油脂(ナタネ粕など)、ヌカ類(フスマなど)、粕類(ビール粕、トウフ粕)、 動物性飼料(魚粉、脱脂粉乳など) 粗飼料 牧草類、青刈飼料作物類(青刈トウモロコシ、青刈オオムギなど)、 根菜・果菜類(飼料カブ、ビートなど)、作物副産茎葉類(ラッカセイ茎葉など)、 野草類(ススキやササなど)、ワラ類(稲ワラ、麦ワラなど) 特殊飼料 鉱物質飼料(貝殻類など) 非タンパク態窒素化合物(尿素など) 飼料添加物(ビタミン、アミノ酸、微量ミネラル、抗生物質など) ヒト:69億人 反芻家畜:31億2千万頭(ウシだけで13億4千万頭)
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家畜単位 世界の家畜飼養頭数約42億頭のうち、70%が草食動物(ウシ、ヒツジ、ヤギなど)
草地100 ha あたりの家畜飼養を「ウシの飼養」に換算した値 この換算には、設備、人件費や飼料要求率などが含まれる ウシ・ウマ 1、ブタ 5、 ヒツジ・ヤギ 10、ニワトリ 100 (ウシ1頭の飼養は、ニワトリ100羽分に相当する) 世界平均 48 ヨーロッパ 182 日本 757 宮崎の口蹄疫(2010)
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農業開発と関連した環境破壊・・・ 植生破壊・田園景観破壊 農村の原風景 大気・水質・土壌汚染 化学肥料・農薬・糞尿(チッ素・リン酸 過多)
農村の原風景 大気・水質・土壌汚染 化学肥料・農薬・糞尿(チッ素・リン酸 過多) 食品汚染・動物虐待 密飼(狭いところに多くの動物を飼う) チッ素・リン酸の輸入
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家畜生産の未来 その挑戦と責任 飢餓・栄養失調からの開放と家畜生産 いまも世界には飢餓や栄養失調=livestockとしての家畜の意義
1960年(国民一人あたり)、肉類5.2kg、鶏卵6.3kg、牛乳・乳製品22.2kg 1995年、肉類31.3kg、鶏卵17.8kg、牛乳・乳製品91.3kg 家畜生産の試練と魅力ある畜産業の創成 水産業との相克=養殖との生産効率 排泄物(ガス、糞尿など)と環境汚染 本邦一年間に排泄される糞尿9441万トン、これを農耕地に散布すると、 1ヘクタールあたり146kg、化学肥料としての窒素量は100kg 地下水の窒素濃度を10ppmに保つ上限の250kgに限りなく近い これからの挑戦 研究のフロンティア
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